【感想・ネタバレ】一橋桐子(76)の犯罪日記のレビュー

あらすじ

老親の面倒を見てきた桐子は、気づけば結婚せず、76歳になっていた。両親をおくり、年金と清掃のパートで細々と暮らしているが貯金はない。このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。絶望していたある日、テレビを見ていたら、高齢受刑者が刑務所で介護されている姿が目に飛び込んできた。これだ! 光明を見出した桐子は「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始める。(解説:永江朗)

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Posted by ブクログ

面白い。
刑務所に入りたい そんな視点から生まれる物の見方、桐子の性格の良さがいいバランスになっていて全くマイナスな部分がない。
Audibleで聴いたが、Audibleだからこそよかった作品なのかもしれない。

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2025年12月03日

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友人のトモと共同生活をしていた一橋桐子76歳。トモに先立たれてしまい、生きる甲斐がなくなってしまった。将来にも不安しかない。パートの清掃員もいつまで続くかわからない。いっそ刑務所に入った方がいいのでは?と犯罪を試みる。偽札、闇金、詐欺、誘拐など試すが、ほぼ成功しない。やや成功しても、事情聴取で結局不起訴になってしまう。ただそのために職を解雇され、賃貸の保証会社にも降りられてしまう始末。そんななか、殺人の依頼が舞い込む。

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2025年11月29日

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タイトルから期待値は低かったのですが、とてもよかった!
悩めるおばあちゃんの苦悩とまわりの人々のあたたたかさを感じることができて最後はとてもほっこりした気持ちになりました。

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2025年10月09日

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ネタバレ

読んでいて居た堪れなくなり、最後にはほんのちょっとだけ目頭が熱くなってしまった。

性別は違えど、このままいくと私も同じ問題にぶち当たるだろう。同じように捕まって刑務所に入りたいという心境になるかもしれない。
私みたいな独身者でないとしても、家族間でさえ関係性が希薄になっているこの時代、候補者はごまんといるはずだ。みんな!他人事じゃないんだからね!!

この物語では主人公の人の良さや誠実さのおかげで丸く収まったけど、現実がこんなに甘くないのは皆さんごぞんじの通り。
でもこれくらいの淡い希望がないとやりきれないよ……

フィーリングで選んだ本だったけど、私の感性に間違いはなかったようだ。
数十年後の自分を見るようで恐ろしくもあったが、登場人物がいい人たちばかりで、それを忘れさせてくれる温かみのあるいいお話でした。

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2025年09月13日

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一緒に住んでいた親友の死によって、天涯孤独となった桐子さん。様々な問題が降りかかる。
孤独、高齢者の転居問題、香典泥棒、年齢による解雇。回りでは、結婚詐欺に、認知症…。これから年を重ねて行く者にとっては、不安だらけ、他人事ではない。その不安逃避手段としての刑務所行きを画策、右往左往する桐子さんだが…
最後はいろいろな人たちのバックアップでほっこり。読後、何故か「正直者のこうべに神宿る」ということわざが、頭に浮かんでしまった。桐子さんが善い人だから、皆が手を差しのべてくれるのでしょう。
でも現実の世界では、これらの問題に苦しんでいる高齢者がたくさんいる。政治家の人たちに、認識していただきたい。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

とても刑務所が似合いそうにない、人の良い高齢の主人公が、犯罪を犯して刑務所に入るにはどうしたらいいのか考えて行動していく
凄く面白い視点だし、確かに本当に犯罪を犯してしまう人達と、主人公がどう違うのか?
それも考えさせられて、非常に良い小説だと思った

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2025年12月04日

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温かさのある主人公で、犯罪を企むのにほっこりする小説だった
現代の冷たさや生きていく大変さをリアルに出しつつ、出会う人と確かに絆を作っていく生き方が素敵だと思った
大好きな人と別れて辛いのにそれでも生きていかなきゃいけない、誠実に生きていると報われるのかなとも少し思えた

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2025年11月29日

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なんとも憎めないキャラの主人公。
全て読み終わって思ったのは、人生は徳を積んで生きていけば光が見えてくるのではないかと。人間、どうしようもなく追い詰められても道はある!頑張って生き続けるのさ!

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2025年11月11日

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高齢者、そして犯罪モノ。
先入観と、全く違うけれど、「万引」から〜「殺人」に至るまですんなりとだけどしんみりしっかり読み込めました。
映像化、松阪慶子さん、なるほど?
読んで納得。観ていなかったけれど。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

介護まで受けられるので、刑務所に入ろうと思い至った老人のお話

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人に迷惑かけない老後を
送るためには、
どう生きればいい?

老親の面倒を見てきてた桐子は、
気づけばたったひとり、
76歳になっていた。

両親をおくり、
わずかな年金と清掃のパートで
細々と暮らしているが、貯金はない。
同居していた親友のトモは病気で
先に逝ってしまった。
唯一の家族であり親友だったのに……。
このままだと
孤独死して人に迷惑をかけてしまう。

絶望を抱えながら過ごしていたある日、
テレビで驚きの映像が目に入る。
収容された高齢受刑者が、
刑務所で介護されている姿を。

これだ! 光明を見出した桐子は、
「長く刑務所に入っていられる犯罪」
を模索し始める。

第一章 万引
第二章 偽札
第三章 闇金
第四章 詐欺
第五章 誘拐
最終章 殺人
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主な登場人物
一橋桐子
宮崎知子
榎本雪菜
久遠(くどう)
三笠隆


ドラマを見てたので、概要は既知
細部の設定や演出が違う部分もあるけど、大筋は同じ

原田ひ香さんは、お金と人生設計をテーマにした小説が多い
今回は特に老後に焦点を当てている
生涯独身、または配偶者を亡くした人の老後問題

家族がいない人の場合、介護が必要になったら診てくれる人はいない
家族がいたとしても、面倒を見てくれるとは限らない
となると、介護してもらえるのであれば刑務所という選択肢もあり?
なわけはないわなぁー(笑)


刑務所では介護もしてくれるという事から、他人にできるだけ迷惑を掛けずに刑務所に入ろうと模索する桐子さん

作中でも語られている通り、やはり紙幣の偽造が一番ふさわしいと思うよ
死刑になる恐れがなくて無期懲役まであり得る
迷惑を掛ける相手と言えば、コンビニの店員と最寄りの交番の警察官くらい

でも、そんな事するくらいなら生活保護を受ければと思ってしまうんだけど

まぁ、生活保護もそんなに簡単ではないのだろうけど……


トモの殺人について
未必の故意と言うには、亡くなった人の意思の問題の方が大きい気がする
ただ、長年に渡る殺意とそれを実行した執念が恐ろしい
周囲からの見え方やも含めてね……
彼は自ら地獄へのレールを敷かせ、それをそのまま緩慢に進んでいったのでしょうねぇ
ま、本人はそれが地獄行きとは思ってなかったし、周囲もそうは思ってなかったわけで
何となく、東野圭吾の「聖女の救済」を思い出した
殺意とその実行のパターンは違うけれども、その執念は同じものを感じる


続編が単行本で出ているようだ
文庫化したら読むかも

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2025年11月10日

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高齢者の諸問題が描かれている。他人事ではない。解説の「役人や政治家にもぜひ読んでもらいたいものです。」に共感した。

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2025年11月08日

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犯罪を犯して刑務所で孤独な老後を過ごそうと画策する76歳の桐子。
身寄りもない、お金もない老人が目指すべき場所が刑務所になってしまっている日本ってどうなんだろう。。と鬱々とした気分になった

意外なところから意外な展開に発展したりするのはすごくおもしろかった!
ただ人徳があってこそだなとも思った

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

飽きずにさくさく読める
高齢者の抱える孤独や将来の不安の表現がわかりやすかった

高齢者と関わる仕事をしているので、ちょっと上手いこと事が進みすぎかなと思いつつ、物語と現実感のバランスが良かったのでほっこりした気持ちで読み終えた

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

老いについて、明るくも、考えさせられる作品。
主人公の桐子が人生に悲観しつつも、なんだかんだ人柄のよさで周囲に助けられてつつ、生きてゆく。孤独社会だからこそ、心に響いた。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

犯罪日記のタイトルに似合わないかわいい表紙。
内容がとても気になり手にとりました。
自分の将来に重ねて読み不安になってしまいました。
人とのつながり、誠実さって大事。

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

作家読み中。
近い将来の「老後」の生活が題材なので、桐子さんの不安にとても共感。自分の生きる道は読後も見つかってはいないけど、少し気持ちが落ち着いたかも。新刊も楽しみ。

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2025年08月12日

匿名

購入済み

考えさせられました

読んでいて独居の母の事が頭から離れませんでした。続きが気になり一気に読みましたが、母の事を前より気にかけてあげなければ…と思いいろいろと考えさせられる内容でした。

#切ない

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2025年05月20日

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天涯孤独な桐子さん(善人)が犯罪を企てるお話。
トモと暮らした幸せな時間がとても切ない。
読んでて無性に泣けてきた。

展開は「ミチルさん、今日も上機嫌」にとても似ている。他人の事なんて構っている余裕なんてないのに面倒事に巻き込まれ、人助けしてるうちに新しい交友関係が生まれ、巡り巡って幸せが訪れる。
  
人生そんなにうまくいかない。現実じゃ真面目に生きててもちゃんと評価してもらえない事ばかりだし、久遠さんも海野さんも雪菜ちゃんもいない。
もしも私が桐子さんだったら冒頭の泥棒のくだり辺りで物語が終わりだろう。

そして、桐子さんみたいに真面目に生きてきた人が生活に困窮して犯罪者になるのは嫌だとも思った。
今の日本に桐子さんみたいな人達はどれくらいいるんだろう。きっと自分も桐子さんと変わらない。

「そんなにうまくいくわけない」と思いつつも最後は少し不吉な感じで終わるのが良かった。

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2024年11月24日

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真面目な行動が、ちょっと可愛くユーモラスに感じる一橋桐子さん(76歳)の話。一橋といえば、まずは大学をイメージするので、どこかコミカルな桐子さんとのギャップが笑える。

段々と、健康だけではなくて、人によってはお金とか友達とか家族とか、色々問題が出てくるのだなぁ。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

『三千円の使いかた』は登場人物に共感して、涙が出たけれど、こちらの本はそうでもなかった。主人公76歳だし、当然かも、、

ストーリーは気になって最後まで読めたが、わりとあっさり終わってしまった感じ。

独居の高齢者が増えて、孤独死という言葉も聞く。
この本の主人公のように周囲の人と関係性を作れるのが理想なのだろうな、と思ったり。

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2025年11月23日

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本来ならほのぼのする話なのかもしれないが、寄る辺ない高齢者の悲哀をひしひしと感じてあまり楽しく読めなかった。未婚で親兄弟もおらず、持ち家もなく、年金と最低賃金で一人暮らしをする高齢者がその仕事さえもなくなったらどれだけ不安なことか。刑務所は3食と寝る場所が確保されていて安全も保障され、具合が悪くなれば医者にも診てもらえる。本作でなくとも仕事のない前科者が再犯によって刑務所に戻りたがるという話もよく聞く。主人公が他人に迷惑をかけないために刑務所に入ろうと犯罪を検討する描写は微笑ましくもあるが、やはりその背景に思いが至ってしまうと笑えない。
最後はハッピーエンドで終わり、それは主人公の人柄によって生まれた人間関係の賜物だと納得できるが、世の中はそうそう甘くはなく不幸な晩年を送っている人も少なからずいるだろう。そういう人たちのために生活保護という制度はあるはずだが、中山七里の名作「護られなかった者たちへ」のように保護を受けるべきなのに受けていない人たちがいるのも悲しい現実だ。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

77歳の一人暮らし女性が主人公。タイトルから次々と犯罪を成功していく話かと想像していたが、全く異なる。
一人になって、刑務所暮らしを夢見て、企図はするが、一件も成功しない。一件は未遂だが警察に事情を聞かれ、仕事を失う。しかし結果的には周りから助けられ、幸せに暮らしてえ行けそう、となる。結局真面目に働いて、なんとなく助けてくれる人に巡り会えればいいということだが、後者はそう簡単ではないのでは。
原田ひ香の他の小説に比べて今一つ。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

結婚歴がなく、バリバリ働いてきた訳でもなく、貯金もない女性が年齢を重ねて1人で生きていく不安や葛藤など、確かにその通りだと思った。
不安が故に刑務所で面倒を見てもらいたい、と思ってしまうのも分からなくはないが、犯罪を犯すってなかなかに難しい。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

身寄りもない、友達もいない桐子(76)が、刑務所に入るために犯罪を画策する‥という話で、なんか、他人事じゃない話すぎて、読んでて苦しくなってしまった‥。

桐子の人となりの良さがあったからの結末にはなったけど、私も将来はそうなるかもしれないし、自分の母親もそうなるかもしれない。原田さんの本はこういうリアルな話が混ざってて、うおぉ〜となる。

話自体はとてもほっこりするものもあって、雪菜ぁぁ!久遠ぉぉ!と、愛情爆発した。笑

シリーズだから、79歳になった桐子がどんな人生を歩んだのか追っていきたい気持ちになった。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

 まだピンと来ない話題ではあるものの、遠からず桐子さんのような未来が私にもやって来ないとも限らない。桐子さんは人に恵まれていたからこのような結末に落ち着いたが、困窮し生活が立ち行かなくなるご老人はこれからもっと増えていくだろう。良い人柄が運気を上向かせることは多いと感じるので、桐子さんのように誠実で優しい人でありたい。重たいテーマだがコミカルに描かれているのでとっつき易く門戸が広い。続編も楽しく読めそう。

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

読みやすくて気軽に読めました。
確かに収監されるほうが良いって思ってしまう人がいても仕方ないかも
生活保護を受けられず亡くなる人もいるわけで…

桐子さんくらい良い人でも、桐子さんのように周りに助けてもらえるのは相当レアだと思う。気持ちがあっても実際にそこまでできる力や地位が必要だし。

でも見ている人はちゃんと見ているんだなと自分も思ったことがありました。
派遣会社のヘルプのさらにヘルプ(自分は登録してない)で結婚式場のラウンジでウェルカムドリンクを出す仕事を数回したのですが、暇を持て余して時間が長く感じるのが嫌だったのでお客さんのいない時間もずっとストローの色を仕分けしたり食洗器の外側まで拭きあげてピカピカにしたりと何かしらやることを作り出して楽しみながら動き続けていたら、式場の偉い人から直々に「あなたがいると安心だ。社員になってほしい」と声をかけていただいて。
(子育て中で土日祝日ほとんどつぶれるのは厳しくてお受けできず)

親友とは「寂しくないように健康に気を付けてお互いだいたい同じくらいに、でも身体や認知機能の衰えが家族の負担にならないうちに」なんて話もしています。
アラフィフに足を踏み入れたので体力づくりを頑張っています。
なかなか思い通りにはいかないものだろうけど…希望をもって生きたいな

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

生活の不安は尽きず、桐子からは悲壮感が伝わってくる。切実な理由で犯罪をしてでも何とか生きていこうとする姿は逞しい。
若い人と友達になって孤独でもなく、なんだか上手くいきすぎな気がしたが救いがあってよかった。
やはり何でも人間性がものを言うのか…としみじみ思う。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

桐子(76)が人に迷惑をかけない余生を過ごすために犯罪を犯して刑務所に入ることを模索するも、その模索する過程で出会う人たちとの繋がりに救われる話。
人との繋がりは大事よねと思うに加え、そもそも桐子が年齢の割に偏屈とかでは全くなく、とても常識人で周囲にも気配りができる人だからこそ、周りに人が集まるのだなぁと実感。桐子とトモの関係も素敵だった。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

読みやすかった。
他のシリーズの登場人物も出てきたりして面白い。
あいかわらずこの作者の男性像はろくでもない奴か女性にやさしい人かにハッキリ分かれてるなぁ
そう単純でもない気がするんだけど 、、

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

高齢化社会の日本の現状をテーマにした作品だなと思います
年金も少ない、節約にも限度がある。
働きたくても働ける場所もない。

だからこそ、
施設で暮らせている人は幸せなのかなって思ったりします。
施設にも入れず、一人暮らしを強いられる人は大変なので

今のうちから少しずつどんな老後を送りたいのか
えなければと思います

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

2025.06.12

まだ読んでなかったひ香さんの小説をまとめて借りたうちの1冊。
小説の中の桐子さんの最後はうまく大団円でハッピーエンドだけど、年金も少なく、職もなく、持ち家もない高齢者の未来は暗いよなあ、こんなにうまく行くのは小説だからだよなあと思った。
あんまり主人公に闇が無くてひ香さんの小説にしては珍しいなと思った。

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2025年06月12日

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