あらすじ
老親の面倒を見てきた桐子は、気づけば結婚せず、76歳になっていた。両親をおくり、年金と清掃のパートで細々と暮らしているが貯金はない。このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。絶望していたある日、テレビを見ていたら、高齢受刑者が刑務所で介護されている姿が目に飛び込んできた。これだ! 光明を見出した桐子は「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始める。(解説:永江朗)
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Posted by ブクログ
読んでいて居た堪れなくなり、最後にはほんのちょっとだけ目頭が熱くなってしまった。
性別は違えど、このままいくと私も同じ問題にぶち当たるだろう。同じように捕まって刑務所に入りたいという心境になるかもしれない。
私みたいな独身者でないとしても、家族間でさえ関係性が希薄になっているこの時代、候補者はごまんといるはずだ。みんな!他人事じゃないんだからね!!
この物語では主人公の人の良さや誠実さのおかげで丸く収まったけど、現実がこんなに甘くないのは皆さんごぞんじの通り。
でもこれくらいの淡い希望がないとやりきれないよ……
フィーリングで選んだ本だったけど、私の感性に間違いはなかったようだ。
数十年後の自分を見るようで恐ろしくもあったが、登場人物がいい人たちばかりで、それを忘れさせてくれる温かみのあるいいお話でした。