小説・文芸の高評価レビュー
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殺し屋の営業術を読んで、約1週後に読み始めた。
前作の関係性の記憶もあり、主人公・鳥井の環境や他の登場人物との関係性を想像することが出来、楽しく拝読できました。
今作は「出世術」ということで、如何にして無法者たちの世界でのし上がっていくのか、どんな営業法を駆使していく戦っていくのかを期待していました。終始劣勢でどうやってひっくり返すのだろうと、前作同様にページを捲る手が止まりませんでした。
今作は前作で描写が少なかった登場人物にもスポットライトがあたり、この話の世界観が広がっていくのを感じました。最後には次回作を匂わせる引きで終わっているので、楽しみに待っています。 -
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上巻から下巻まで常に新しい展開が訪れて夢中になって読み進めることができました。全く関係ないかに思われた3つの事件が実は強く関連していたことが少しずつ丁寧に解き明かされていく流れには引き込まれてしまいました。そして、その3つの事件に共通しているのが狭い中であっという間に広がっていく不確かな「噂」。その噂こそが多くの人を傷つけ混乱を引き起こしていく様が本当にリアルに描かれていて恐ろしさすら感じました。「噂は軽薄な娯楽だ。一時興じて、あとは忘れる。消費して捨てる。その時にどれだけ熱くなったとしても。意図的に責任から逃れるよりも、ある意味では罪深く、だからこそ恐ろしい。」という文には物凄く強い思いが感じられました。そのような中で本当の真実を丁寧に丁寧に読み解いていった透真の姿勢が、彼の成長とも相まって頼もしく思いました。
色々なことを考えさせられる良い作品でした。
ただ、教員の働き方改革が進んでいる中で読者に対して誤解を招いてしまうような描かれ方があったかなぁ、と自分自身が教員なので少し気になりました。上巻の内容ですが…。 -
Posted by ブクログ
毎度毎度、町田その子さんには泣かされる。人の想いってのをこんな丁寧に書ける人はなかなかいないと思う。みんな、誰かを想ってて、だれかに思われてる存在なのだと思わせてくれる。
時に人は、大切な人ほど、自分の幸せの物差しを押し付けてしまいがちだ。大切と思うほど傷つけてしまう。本当はみんな自分で幸せになる力を持ってるし、自分を幸せにできるのは自分だけなんだと思う。
だから、大切な誰かに幸せになってもらいたかったら、何かしてあげるんじゃなくて、振り向いた時にそこにいてあげることなんだと思う。
大丈夫だよ。ここにいるよ。だからまた、前を向いて。って言ってあげられることなんだと。
息子にとってのそういう存在になりたいと思いながらまた、今日も自分のこうするべき。こうした方がいい。を押しつけてしまうダメな母親だ。私。苦笑 -
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日本統治下の台湾を舞台に、日本人作家と台湾人通訳の女性二人が鉄道で旅をする物語。
台湾各地の料理が次々に登場するグルメ小説であり、鉄道小説であり、女性二人の友情、あるいは友情だけでは言い切れない感情を描いた物語でもある。しかし読み進めるうちに、その背後にある「統治する側」と「統治される側」の埋めがたい距離が見えてくる。
同じ列車に乗り、同じ景色を眺め、同じものを食べることで二人の距離は近づいていく。それでも二人がまったく同じ場所に立つことはできない。
いくつもの読み方が重なり合う、重層的な歴史創作小説。台湾料理を楽しみながら読み始め、最後には植民地支配とは何だったのかを考えさせられた。 -
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ネタバレ(上巻より)
冒頭にティリーが死んだと報道される場面は当然フェイクだと思っていたので、
何のための無差別殺人なのかという謎を解くところや、
ポーが前作の犯人ベサニー/クララに助言を求めに行く場面、
犯人を捕まれるための罠を仕掛け、ポーが直接捕まえるところも楽しく読めたが、
今回の作品はいつもに増してポーとティリーの友情がメインだったと思う。
ポーが自分が火に飛び込んでも助けようとするのが、婚約者ではなくティリーだと気づいたり、
ティリーがゲームのコンペティションに誘っていたのは女性蔑視の連中から身を守るためだったとポーが知ったり、
そして、自分の側にいることの危険を避けるために結婚式から逃げようとしていた
ポーをティリーが先読みして止めたりといろいろ感動的だった。
という訳で次回以降、
「羊たちの沈黙」のハンニバルのようなベサニーとの関係性どうなるのか、
新しく始めるポーとティリーの探偵社どうなるのか、楽しみだ。 -
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芥川賞受賞作ということで、手に取る。プロボクサーが選手兼任のトレーナーと組み、試合に向けて練習を積んでいく物語。
プロボクサーであること以外は、これと言った特徴のない主人公。彼の一人称視点によって、序盤の敗戦、そして復帰戦までの練習の日々が描かれる。
ボクサーが新たなトレーナーと出会って再起を図るサクセスストーリー、となるとボクシングを題材にした作品でありがちな展開。ただ、この作品は、サクセスストーリーでは、決してない。対戦相手を友人と妄想し、日常が全く上手くいっていない主人公は、別に大きな変化は起きない。変わったのはトレーナーによる指導と、本人の技術面の変化。内面的には、女性への急な暴力性や、感情的に素人に手を出す幼さなど、あまり成長は感じられない。
とはいえ、ボクサーとしての生活は続いていき、鬱々とした日々が続く。その内面が繊細に描かれていて、没入できた。 -
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ネタバレいわゆる本格ミステリー。
筆者から読者へ挑戦状が書かれているタイプ。
タレント星園の付き人である和夫は、とある山奥のコテージへ泊まることに。その雪山で起きる連続殺人に、ワトソン役の和夫は真実に辿り着けるのか!?
これこれ!こういうの!!
本格ミステリーを待っていた!!
しかも作者からメッセージにはトリックが仕掛けられてて、ホームズが星園ではない、麻子なのでは?と途中で気づけた時は、やった!って感じで面白かった。
よくある館もののクローズドサークルものだけど、図が多くて推理しやすい工夫も良かった。
逆に、ドキドキ感、絶望感は少し薄めで、ほんとにサスペンスじゃなくてミステリーを重視した内容。
バランスも良く、かなり満足出来たが、登場人物にもう少し個性が乗っかっていれば、文句なしの出来だったかと思う。 -
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本屋で出会った本です。
二人の女の子
ダイアナと彩子の心と身体の成長物語
お互いがお互いを羨み憧れ
大好きなのに
少しのすれ違いで絶交してしまいます。
後になってもお互いに憧れて
羨んでけれど、話しかけることすらお互いできず
遠くから見ている
心のどこかではつながっている
少女二人が別々の道を歩きながら
だんだん大人になっていき
いろいろな経験していきながら
それに伴い
一番近い存在の
親に反発や反感を持って
それをバネに頑張り続ける二人
大人になって初めて
親に対する見方も苦労や大きさも温かさも少しづつ気づいていく
読みながら
本当にこの二人が愛しくて
可愛くて
たまりませんでした。
私の
大好きな赤毛のアンシリーズの話もポイントポイントで出てきて
まさしく私好みの本すぎて
終わったあとも本を握りしめてました。 笑
また大好きな本が増えました。 -
Posted by ブクログ
これを読んで月岡ツキさんがさらに大好きになりました。
もともとすごく読みやすい文章で、題材も興味あるものばかりだったのですが、
今回の文書を読んで、考え方とか生き方とかが勝手ながら似ているなと感じ親しみを感じてしまいました。
初めていつかお会いしてみたいと思い、
ツキさんの書く文書をもっともっとたくさん読ませてもらいたいと思ってしまいました。
◾️心に残った文書
やっぱり私って会社員に向いていないのかもしれない。
できない側の人間なのかもしれない。
崩壊寸前の自尊心をなんとか持ち直すために周りの人を見下して、意図的に人より早くワークを進めた。
私は他の人とは違う。
いつもそうして焦って人と比べてやがて疲れ果ててしまって、ここまで来たのではないか。
休職してよかったとも、するべきじゃなかったとかも思わない。
けれど私を構成する重要な要素として空白たちは今日も小さく白くぼんやり光っている。
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