あらすじ
2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受けるときに提案されたことだった
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Posted by ブクログ
死にたかった「わたし」が、なぜか融合手術により永遠の命を手にしてしまう不思議なSF作品。
25歳で時が止まった「わたし」と年老いていく家族の関係を通して、生きる意味について考えさせられる内容になっている。
100ページ以内の短編作品で、難しい言葉がなく、かなり読みやすいSF作品になっている。
AIに頼りっきりで、最近自分でしっかり考えてないなー。って心当たりのある人には是非おすすめしたい一冊です!
Posted by ブクログ
ページ数の短さもあって、夢中になって読み終えた。
主人公にとって辛いことが、なんだかぼやかされて書かれている気がして、本当に手記っぽいなと思った。
家族のこと・されたこと・してしまったこと・どうしようもなかったことに対して、最後に決めた結論が、私は好き。
Posted by ブクログ
とても幸せな読書体験だった。
ページ自体が少なく、2時間もかからずに読み終わってしまったけど物語の雰囲気が本当に好きだった。
一昔前のセカイ系の雰囲気が一番近い。
ただ著者が若手の方なのもあって今時の文章で読ませてくれるのは新鮮だった。
終末の前の黄昏時のような穏やかな時間がずっと続いていく感じ。
基本的には主人公の独白がおだやかに淡々と続く。
この本の好き嫌いが最大に別れそうなのは、全3章のうち2章が主人公の独白でほぼひらがな表記なこと。
最初読みにくいのは嫌だなと思ったが、慣れると全く気になることはなかった。
アルジャーノンはずっと慣れなかったが、本作では全く気になることなく、むしろ世界観をより濃くしてくれていると思う。
アルジャーノンは翻訳ということもあり合わなかった気がする。
SFだが重厚な設定などではなく、孤独とは寂しさとかそういう感情をとても気持ちよく描いてくれている。
他にも著者が描きたいテーマ性のようなものも感じられるが、それ以上に物語全体の世界観が自分的には大当たりだった。
色々なところに余白があり、見えない世界を想像できる余地も気持ちが良かった。
Posted by ブクログ
読みきったものは☆5にするという自分のルールで、高評価にしたのですが正直に言って(私には)面白くなりませんでした。
どこかで面白くなるだろうと期待し読み進めましたが、残り半分を切ったあたりで、これは読んでから罵倒するタイプの読書だと割り切りました。
「ゆう合手じゅつ」を受けて老いない体を得た女性が語る家族史です。
テーマに虐待、尊厳死、気候変動、身体性、人工知能、身内との恋愛など扱ってますが、どれも効果的に働いていません。知識として得た情報をもとに書いた、表面的なものに感じました。主人公の視点が幼く、しかもあらゆる出来事をなんだかんだ「わからない」と受け入れる(または放置する)ので、深みもなにもあったものではありません。もちろん経験したものだけ書けなどとは言いませんが、こういったテーマを取り扱えば読者が感動するだろうって感じはよくないですね。まぁ若くして読めば、受け入れれたのかもしれませんが。
あと本書を特徴づけるひらがなが多めの記述ですが、
「マシンの手だからつかれないのはいいことです、でもいまマシンてかいたのは機械の画すうがおおくてつかれなくてもとてもめんどくさいからです、めんどくさいものはだいたいひらがなでかいてしまおうとおもいます。」(p5)
などと書かれています。暇で始めたんだから、手が疲れないんなら漢字で書けよ、って思いますよね。ただ読みにくいだけの文章を読ませていて、これはいくらなんでも読者に失礼でしょう。語り手の精神年齢が低いのは、内容読めばわかるから。
と、この時点(p5)で読むのをやめれば、よかったのに、どこかで面白くなると期待して読んでしました。トホホ。
ほんとつまらないのなら初めから、つまらないと書いておいてほしい。
なんでハヤカワはSFコンテストの特別賞あげたんだ?三島由紀夫賞の候補作ってマジ?
Posted by ブクログ
老いない身体を手に入れた女性が語る彼女の人生。彼女の交友関係は非常に狭く、百年に及ぶ歳月の中で唯一関わりがあるのは彼女の父親、兄のこうにいちゃんと二人の姉まりねえちゃんとさやねえちゃん、そして甥のシンちゃんだけ。本書はそんな彼女が紡ぐ彼女の家族史です。
設定もあって、ほぼひらがな表記で進行します。読みづらくて、取っ付きにくい印象があるのですが、次第に慣れてくると、彼女の不思議な人柄とすこし奇妙な家族関係に惹き込まれます。彼女は決して多くを語るわけではないのですが、僅かな語りの断片から、父親や兄妹、姉妹との関係、それぞれの人柄を想像できるのは不思議な感じです。そして、物語は終盤、彼女がその人生に一定の見解を示す場面では、ほんわかして単調な語り部に油断をしていたのでしょう、「あ〜、まじか。そういう結論に至るんか。。」と虚を突かれてしまいました。
本書が印象的だったのは、この不意をつかれたことはもちろんなのですが、彼女の見解に得心を得るというか、妙なカタルシスを感じてしまったことにあります。そんな風に感じるのはもしかしたら私だけかもしれませんし、それはただ単に私がまだまだ若く、考えが浅いだけなのかもしれません。でも、人を愛するとか、愛されるとか、自分のエゴを押し付けたり、押し付けられたり、普段生活しているだけでは気にすることのない心の動きであったり、無意識に蓄積されていく感情というものが、なんだかこの小説を読んでちょっと露わになった気がします。言い過ぎな気もしますが。。笑
いずれにせよ、なんだか心に残った作品でした。
最後に心に残ったフレーズを備忘がてら記しておきます。
「いやだったこと、いたかったこと、かなしかったこと、くるしくてこんなのはやくわすれたいとねがったことはもちろん、うれしかったこと、たのしかったこと、しあわせだったこと、あいしたこと、一生わすれたくないとねがったこと、そして自分がだれになにをしたかもすべて消し去ることができるんだって、もうおかあさんのことすらおもいだせないようすのおとうさんはこれで死んだんだなっておもいました、ここにいるのはほんとにただのどうぶつだ。」
「子どもから愛情を搾取するなど、一生一生一生やってはいけなかった」
「人間から人間へ、罹って罹らせて繰り返してしまう何か、自分の力だけではどうしようもない何かが、生まれて生きるの中にあるんでしょうか、わたしにはどうにもできなかったんでしょうか」
Posted by ブクログ
ここ1年で一番面白かった。ディストピアものじゃなければ芥川賞もあったと思うくらい、考えさせられる物語。
特に虐待されて育った子が、それを乗り越えるには、家族全員が亡くなって、さらにロボット技術で200年生きる必要があったと思うと、とてもせつない。
ただ、3章が全て平仮名なのは、もしかしたらすでに脳がロボットに乗っ取られているからなのでは、というのは邪推しすぎか。
Posted by ブクログ
自分の幸せを振り返る日記みたいな本だった。
前半は、主人公が漢字を習っていないので平仮名がほとんど。読みにくいったらありゃしない。簡単な漢字と平仮名が組み合わさっている、芸が細かい...。
融合手術により、ほぼ機会と化した主人公。高度に技術が発達した社会。
最大幸福化できる行動をAIが提示、記憶を改竄し自分の都合のいいように(自分が幸せと思えるように)することが可能になった社会。
何か温度のあるものが抜け落ちている、そんな状況で、自分だったらどんな選択をするか、そればかり考えていた。
Posted by ブクログ
いつかこんな未来が来るのかもしれない。
たんたんと語られる人間の生。
それでも、心は残しておきたい。
ひらがなが広がるページを前に、単語の区切りに苦戦しつつ、だんだん速く読めるようになってくる自分の変化も面白かった。
Posted by ブクログ
2123年、九州の山奥の小さな家に1人住む「わたし」が語る家族の物語。っていうとハートウォーミングな感じがするけど、100年前に身体が永遠に老化しなくなる手術を受け、それにまつわる家族の交錯する思いが綴られ、ちょい重め
Posted by ブクログ
後半の地球の近未来の話はとてもリアリティがあると思った。初めから計画的に人間を繁殖させ、争わない脳をセッティングする。何世代かかけて他の惑星に移住するなら必須なことだと思います。宇宙船の中で戦争が起こったら大変ですものね。
主人公が綴るほぼ平仮名の家族史については個性なんだと思い読みにくさとかは感じませんでした。
トムラさんの記憶のメモリにだけある部分は普通に漢字表記になってるのかな。
主人公の名前だけ最後まで さんって感じで出てこなかったのはどういう思惑があったのかな?
Posted by ブクログ
評判が良かったので読んでみた。
未来のお話。そんなに遠くない未来、こんなふうになるのかな?無機質なつるんとした関係。
ラストの さんの自我のようなものが私を勇気づけてくれた。不思議な感覚。
漢字を書くのが面倒だと画数が多い漢字は使用していないのだが、かな文字と漢字の混ざり具合が独特でこわい。これまたスペーシー感が出てるテクニックのような気がする。
Posted by ブクログ
昔からあまりSF作品は読んだ記憶が無かったのですが、事前情報も何も無くなぜか読み始めました。
なので冒頭からどこまでこの読みにくさは続いていくのか!と…
高校生の時に読んだアルジャーノンを思い出したりして、妙なタイミングでエモーショナルな感じになったりもしました。
話すことが大好きで、壊滅的な家庭環境の中で育った「わたし」が融合手術なる手術を受け不死を手にした先にある未来。
途中世界が広がるのかと思ったら、余計に狭い世界に入り込む感じが何とも言えない感情に押しつぶされそうでした。
私は家族史と言う言葉を使う事はないと思いますが、家族やこれからの私達について、凄く考えるきっかけをくれた作品でした。
2025年8月10日
Posted by ブクログ
特異な状況設定で生きる主人公や登場人物を通して、
「人として生きる」ことをビビットに描いている。
読後に、どこまでも、どうしようもなさを突き付けられた。
私には共感しようのない状況の主人公ではあるのだが、しかし、結末含め、主人公に共感する部分を確かに感じる自分がいた。
また、未来描写は、私は、非常にリアリティを感じてしまった。
とても、面白かった。
Posted by ブクログ
過去に端を発する苦しみを消去して幸せに生きるか、苦しみを(向き合うのではなく)見つめながら幸せに生きようとするか...
人生における「幸せ」って何かわからないね〜
何となく幸せについて、以下で考えてみる。
幸せっていろいろな場面で感じられる。例えば、人間らしく生きることが幸せとか、争いのない平和な日常が幸せとか、愛する人と共に生きることが幸せとか、趣味に没頭する瞬間が幸せとか、人の役に立てて幸せとか...
でも、どれも幸せではない瞬間があるはずなのに、そのことは言及しない。当たり前だけど、人間らしく生きて不幸せに感じることはあるし、日常の中で不幸せに感じることはあるし、愛する人といても不和などで不幸せに感じることはあるし、趣味にいつも没頭できるとは限らず趣味で不幸せに感じることはあるだろうし、人の役に立とうとした行為がそうならずに不幸せになることもあるし...
今回最後主人公は宇宙に旅ただずに、地球に残って、有限の命の限り旅することを決意した。宇宙船に乗ればほぼ無限の命の中で、「みんな」の中に自分も加わって生きることができるのに...
けど、生きること=幸せ、なのだとしたら、今生きている人間はみんな幸せということになる。けど、そんなはずはなくて。生きてるだけでは幸せにはなれない。生きることは幸せの必要条件ではあるけど、十分条件ではない。
たぶん、幸せのためには、「私の選択」が必要なんだろうと思う。その選択は他の誰でもなく、「私」がする必要がある。きっと主人公は自分でした選択だから、未来において幸せを思い描けたのだと思う。たとえそれが瞬間的なものであったとしても。
もし未来で不幸が訪れたとしても、また新たな選択肢を考え、そのなかから私が選択をすればいい。そうすれば幸せはきっと感じられる。人生において私が選択する回数をいかに増やせるかが、幸福の実感を多くもたらす上で、必要なのかもしれない。
Posted by ブクログ
2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受けるときに提案されたことだった。
ほぼひらがなで書かれた文章で最初はとても読みにくかったけど、話に引き込まれ、読み終えてすぐにもう一度読み直した。主人公の事をもっと知りたくて。
淡々と書かれた文章。ずっとずっと底無しの孤独の中で生きてきて、いつしか感情が麻痺してしまったのかな。
絶望の中で生きてきたのにこの子は優しい心を失わなかった。使う言葉もすごく丁寧。
気づいたんだけど、この子は自分の事を語るときには「めんどくさいから」という理由でひらがなで書いているのに、人から言われた事はちゃんと漢字で書いている。無意識に、他人を尊重しているのかな。それが、自分を傷つけた存在であっても。
最後に、「辛い記憶を消して幸せな記憶を埋め込む」ことを選ばず、「自分を見つめる」事を選んだ「わたし」。わたしはわたしでしあわせになりたいな。という言葉がぐっときた。
結局最後まで名前を知ることはできなかったこの子。
どうかきれいな夜明けの景色が見られますように。
Posted by ブクログ
短くて読みやすかった点がまず良かった。
不老不死系特有の切なさが漂う作品。
あと、シンちゃんの時間を奪い尽くしたんでしたっていうフレーズが個人的にかなり響いた。
自分も誰かの時間を奪い尽くすことにならないといいな。
Posted by ブクログ
SF作品です。ひらがな多めです。
全体で120ページ位なのでさっと読めますが、
内容は深く重たいです。
そしてなんともせつない気持ちになりました。
将来こんな社会にしないように、今、やらないとなという気持ちになりました。
読んでよかったと思いました。
Posted by ブクログ
わたしはおとうさんの強い勧めで「融合手術」を受けて25歳のまま永遠に老化しない体を手に入れる。 家族と恋人が死に絶えたあと人生と家族を振り返り「家族史」を書く。
わたしが書く、おしゃべりをするような、それでいて、どこか湿気のない乾燥した「家族史」によって、わたしの家族について、わたしの環境について、恋人のしんちゃんについて、知るたびにどんどん引き込まれていきました。
人を愛することや、幸せや、過去と向き合うことなどが、不思議な角度で、しかも深く、心に刺さる話でした。
じんせいでたったひとつでいいから、わたしはまちがってなかったっておもうことがしたいな。
I need to know that I have done one thing right with my life!
この本を読みながら少〜し思ったのは、もしも「星の王子さま」が、地球の終わりのデストピアで、王子さまもバラも、小賢しくて、小ズルくて、王子さまが旅にでて会った人々が家族なら〜僕やキツネがAIなら〜この本のようになりそうだなぁ。
Posted by ブクログ
[こんな人におすすめ]
*ChatGPTがあまりにも便利で、人間の思考や判断もいつかはAIに取って代わられるかもしれないと不安に感じている人、あるいはAIにすべて委ねて気楽に生きたい人
想像を超えた未来が待っていたとしても、(争いに巻き込まれない世界であれば)最後は自分が判断しなければいけないことに気付かされます。最終決定権が自分にあることがどれだけ幸せで素晴らしいことで、しんどくて恐ろしいことか知ってしまうかもしれません。
[こんな人は次の機会に]
*通勤、通学時間やちょっとしたすきま時間にサクサク読み進めたい人
薄くてすぐに読み終わりそうな見た目に反して、「君たちはどう生きるか」ぐらい読みごたえがあるのでご注意ください。
Posted by ブクログ
分量もコンパクト、語り方も面白い。一気に読めた。
シンちゃんになんども好き?と聞いて、すべて受け入れて、好きにさせて、人生を奪った
と申し訳なさそうにする主人公
本来ならば手に入れられた人間同士の幸せを歩めなくとも、幸せな人生と言いながら死んでいったシンちゃん
話し相手になってくれてありがとうとシンちゃんに感謝をする主人公
その記憶を消さなかった主人公
この記憶を持ってなお、幸せを探す主人公
幸せって、ホント自分の尺度次第だよなあと思ってしまう。
匿名
人間が目指す理想とは
色々なことを考えさせられる近未来のストーリー。
主人公は酷い対応を受けた家族を恨むでもなく、むしろ淡々と生きている。逆に計算された理想的な世界で生きている親切な人達の対応に違和感を抱く。それは現代社会にも通じるようなぞわっとする恐怖感。私達はどこに向かえばいいのか、何が善なのか考えさせられた作品。
Posted by ブクログ
あえてひらがなや口語を使うことで、本を読んでいるというより本人と対話しているような感覚になるのがとても新鮮だった。主人公の大人になれなかったどこか幼い精神状態や欠落してしまった感情を感じることができた。
Posted by ブクログ
2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む「わたし」
おしゃべりが大好きな「わたし」は、
これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。
それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術、
融合手術を受けるときに父親から提案されたことだった。
老いない身体を手に入れた彼女の家族史。
これはSFなのか、それとも……
何とも言えない気持ちになる小説だった。
とかく、「わたし」の書く自分史がほぼ平仮名のみの構成で
これが読みづらくてしょうがない。
なぜ平仮名で書くのか理由もあり、
ちゃんとした狙いなのだろうが、これで脱落した人は一定数いるはず。
とは言え、なかなかに手強く抉られるような深さに満ちた自分史。
そこに描かれる出来事、歴史はしっかりと心に刺さる。
何とも評価と表現が難しい作品であった。
Posted by ブクログ
口語調で書かれているため、日記を読んでいるような気分になる。まさに家族史!
ひらがなが多いのが読みづらいが、融合手術を受けたロボット?のような無機質さを感じ、よくできてるな〜と思った。
短くあっさりした雰囲気で描かれているが、死にたいのに一生死ねない身体になったこと、自分のせいじゃないのに自分が生まれたと同時にお母さんが亡くなったことで家族に恨まれていることなど、主人公はかなり辛い境遇であった。
融合手術で老けない体になったら、たとえ叔母だとしても、恋人になってしまうことは起こりそうだと思った。
未来のことが書かれており、2123年はこんな風になっているのかもと想像しながら読めた。
Posted by ブクログ
積読チャンネルで見て気になったので。
動画を見たのが前だったので内容もあらすじしか覚えておらず新鮮に読めた。
家族、父との関係が歪すぎて気持ちが悪かった…
主人公は手術前のことうろ覚えだったりするから色々あったんじゃないかと思ってしまって吐き気。
無理やりのように手術した後も勝手に落ち込んで放置して全てが最悪だし諸悪の根源。
兄姉達との関係も悪いし本当に可哀想…
無自覚に搾取されていた主人公が、その後に無自覚に他の人の人生を搾取する構図もかなり歪んでいた。
お姉ちゃんも可哀想だけどまあ利用していた部分もあるし自業自得感もちょっとあるね。
シンくんの人生は側から見たらメリバじゃないか…でもクズめの行動してるし、家族みんな自己中だったのかな。
読後感は悪めかも。
やっと地球が滅ぶ頃に自由を手に入れて良かったね、という気持ち半分色々もやもやが半分。
最後らへんの新人類との会話が機械的だったけど1番まともな会話のような気もした。
Posted by ブクログ
始め平仮名ばかりで読みにくく、いつのまにか漢字も混じった文章になり、また最後に平仮名文に戻ってた。そういう所でも何か変化を伝えてるんだろうな。でも読みにくい。
Posted by ブクログ
ほぼひらがなで書いてあり読みづらさはあった。内容は重めで死ねない身体になった人が過去の家族との出来事などを独り言の形で語られていく。安易に普通というのは言いたくないが環境によっては人間の持つ普通の喜怒哀楽の感情を無くさなければ耐えられないこともあるのかと悲しくなった。だから彼女は死ぬ事を選んだ。しかし生かされ改造死ねない身体にされた。自分の好きなことをなにもしていない人生ほど無駄なものはない。最後は自分がしたいことを語れていたので確かにそこに感情があったことは幸せだったと思う。
Posted by ブクログ
夜明けシリーズ ひらがなばかりはきつかったけど、かんじをかかないとひらがなしかかけなくなるんだろうなと思いました。かんたんなかんじはかくことができても、かくすうが多いとおっくうになるきもちはわかります。
記憶を消すことは人生において良いことなのか、考えさせられました。消したい過去、忘れたい過去、ないといえば嘘になりますが、本当に決して忘れたとき、それは自分なのでしょうか。私も記憶に留めたまま生きていかないとならないと思いました。
私は間宮改衣さんの「ここはすべての夜明け前」と瀬尾まいこさんの「夜明けのすべて」と町田そのこさんの「夜明けのはざま」を勝手に夜明けシリーズと呼んでいます。