【感想・ネタバレ】ここはすべての夜明けまえのレビュー

あらすじ

2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受けるときに提案されたことだった

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読みきったものは☆5にするという自分のルールで、高評価にしたのですが正直に言って(私には)面白くなりませんでした。
どこかで面白くなるだろうと期待し読み進めましたが、残り半分を切ったあたりで、これは読んでから罵倒するタイプの読書だと割り切りました。

「ゆう合手じゅつ」を受けて老いない体を得た女性が語る家族史です。
テーマに虐待、尊厳死、気候変動、身体性、人工知能、身内との恋愛など扱ってますが、どれも効果的に働いていません。知識として得た情報をもとに書いた、表面的なものに感じました。主人公の視点が幼く、しかもあらゆる出来事をなんだかんだ「わからない」と受け入れる(または放置する)ので、深みもなにもあったものではありません。もちろん経験したものだけ書けなどとは言いませんが、こういったテーマを取り扱えば読者が感動するだろうって感じはよくないですね。まぁ若くして読めば、受け入れれたのかもしれませんが。

あと本書を特徴づけるひらがなが多めの記述ですが、

「マシンの手だからつかれないのはいいことです、でもいまマシンてかいたのは機械の画すうがおおくてつかれなくてもとてもめんどくさいからです、めんどくさいものはだいたいひらがなでかいてしまおうとおもいます。」(p5)

などと書かれています。暇で始めたんだから、手が疲れないんなら漢字で書けよ、って思いますよね。ただ読みにくいだけの文章を読ませていて、これはいくらなんでも読者に失礼でしょう。語り手の精神年齢が低いのは、内容読めばわかるから。
と、この時点(p5)で読むのをやめれば、よかったのに、どこかで面白くなると期待して読んでしました。トホホ。
ほんとつまらないのなら初めから、つまらないと書いておいてほしい。

なんでハヤカワはSFコンテストの特別賞あげたんだ?三島由紀夫賞の候補作ってマジ?

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここ1年で一番面白かった。ディストピアものじゃなければ芥川賞もあったと思うくらい、考えさせられる物語。
特に虐待されて育った子が、それを乗り越えるには、家族全員が亡くなって、さらにロボット技術で200年生きる必要があったと思うと、とてもせつない。
ただ、3章が全て平仮名なのは、もしかしたらすでに脳がロボットに乗っ取られているからなのでは、というのは邪推しすぎか。

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2025年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の幸せを振り返る日記みたいな本だった。

前半は、主人公が漢字を習っていないので平仮名がほとんど。読みにくいったらありゃしない。簡単な漢字と平仮名が組み合わさっている、芸が細かい...。


融合手術により、ほぼ機会と化した主人公。高度に技術が発達した社会。
最大幸福化できる行動をAIが提示、記憶を改竄し自分の都合のいいように(自分が幸せと思えるように)することが可能になった社会。

何か温度のあるものが抜け落ちている、そんな状況で、自分だったらどんな選択をするか、そればかり考えていた。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

評判が良かったので読んでみた。

未来のお話。そんなに遠くない未来、こんなふうになるのかな?無機質なつるんとした関係。
ラストの   さんの自我のようなものが私を勇気づけてくれた。不思議な感覚。

漢字を書くのが面倒だと画数が多い漢字は使用していないのだが、かな文字と漢字の混ざり具合が独特でこわい。これまたスペーシー感が出てるテクニックのような気がする。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

過去に端を発する苦しみを消去して幸せに生きるか、苦しみを(向き合うのではなく)見つめながら幸せに生きようとするか...

人生における「幸せ」って何かわからないね〜
何となく幸せについて、以下で考えてみる。

幸せっていろいろな場面で感じられる。例えば、人間らしく生きることが幸せとか、争いのない平和な日常が幸せとか、愛する人と共に生きることが幸せとか、趣味に没頭する瞬間が幸せとか、人の役に立てて幸せとか...

でも、どれも幸せではない瞬間があるはずなのに、そのことは言及しない。当たり前だけど、人間らしく生きて不幸せに感じることはあるし、日常の中で不幸せに感じることはあるし、愛する人といても不和などで不幸せに感じることはあるし、趣味にいつも没頭できるとは限らず趣味で不幸せに感じることはあるだろうし、人の役に立とうとした行為がそうならずに不幸せになることもあるし...

今回最後主人公は宇宙に旅ただずに、地球に残って、有限の命の限り旅することを決意した。宇宙船に乗ればほぼ無限の命の中で、「みんな」の中に自分も加わって生きることができるのに...

けど、生きること=幸せ、なのだとしたら、今生きている人間はみんな幸せということになる。けど、そんなはずはなくて。生きてるだけでは幸せにはなれない。生きることは幸せの必要条件ではあるけど、十分条件ではない。

たぶん、幸せのためには、「私の選択」が必要なんだろうと思う。その選択は他の誰でもなく、「私」がする必要がある。きっと主人公は自分でした選択だから、未来において幸せを思い描けたのだと思う。たとえそれが瞬間的なものであったとしても。

もし未来で不幸が訪れたとしても、また新たな選択肢を考え、そのなかから私が選択をすればいい。そうすれば幸せはきっと感じられる。人生において私が選択する回数をいかに増やせるかが、幸福の実感を多くもたらす上で、必要なのかもしれない。

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2025年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受けるときに提案されたことだった。

ほぼひらがなで書かれた文章で最初はとても読みにくかったけど、話に引き込まれ、読み終えてすぐにもう一度読み直した。主人公の事をもっと知りたくて。
淡々と書かれた文章。ずっとずっと底無しの孤独の中で生きてきて、いつしか感情が麻痺してしまったのかな。
絶望の中で生きてきたのにこの子は優しい心を失わなかった。使う言葉もすごく丁寧。
気づいたんだけど、この子は自分の事を語るときには「めんどくさいから」という理由でひらがなで書いているのに、人から言われた事はちゃんと漢字で書いている。無意識に、他人を尊重しているのかな。それが、自分を傷つけた存在であっても。
最後に、「辛い記憶を消して幸せな記憶を埋め込む」ことを選ばず、「自分を見つめる」事を選んだ「わたし」。わたしはわたしでしあわせになりたいな。という言葉がぐっときた。
結局最後まで名前を知ることはできなかったこの子。
どうかきれいな夜明けの景色が見られますように。

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わたしはおとうさんの強い勧めで「融合手術」を受けて25歳のまま永遠に老化しない体を手に入れる。 家族と恋人が死に絶えたあと人生と家族を振り返り「家族史」を書く。

わたしが書く、おしゃべりをするような、それでいて、どこか湿気のない乾燥した「家族史」によって、わたしの家族について、わたしの環境について、恋人のしんちゃんについて、知るたびにどんどん引き込まれていきました。

人を愛することや、幸せや、過去と向き合うことなどが、不思議な角度で、しかも深く、心に刺さる話でした。

じんせいでたったひとつでいいから、わたしはまちがってなかったっておもうことがしたいな。
I need to know that I have done one thing right with my life!



この本を読みながら少〜し思ったのは、もしも「星の王子さま」が、地球の終わりのデストピアで、王子さまもバラも、小賢しくて、小ズルくて、王子さまが旅にでて会った人々が家族なら〜僕やキツネがAIなら〜この本のようになりそうだなぁ。

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2025年08月15日

匿名

ネタバレ 購入済み

人間が目指す理想とは

色々なことを考えさせられる近未来のストーリー。

主人公は酷い対応を受けた家族を恨むでもなく、むしろ淡々と生きている。逆に計算された理想的な世界で生きている親切な人達の対応に違和感を抱く。それは現代社会にも通じるようなぞわっとする恐怖感。私達はどこに向かえばいいのか、何が善なのか考えさせられた作品。

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2025年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

始め平仮名ばかりで読みにくく、いつのまにか漢字も混じった文章になり、また最後に平仮名文に戻ってた。そういう所でも何か変化を伝えてるんだろうな。でも読みにくい。

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほぼひらがなで書いてあり読みづらさはあった。内容は重めで死ねない身体になった人が過去の家族との出来事などを独り言の形で語られていく。安易に普通というのは言いたくないが環境によっては人間の持つ普通の喜怒哀楽の感情を無くさなければ耐えられないこともあるのかと悲しくなった。だから彼女は死ぬ事を選んだ。しかし生かされ改造死ねない身体にされた。自分の好きなことをなにもしていない人生ほど無駄なものはない。最後は自分がしたいことを語れていたので確かにそこに感情があったことは幸せだったと思う。

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2025年08月20日

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