あらすじ
育った家がごみ屋敷となり果て、久しぶりに戻った美佐。家を片づけていく過程で金庫を発見する。そこからひもとかれる、家族にさえ言えなかった叔母の秘密とは……。朝日新聞連載時から話題! 湊かなえが新たに挑む、先が読めない「介護ミステリ」。
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いやー重い。重いという発想が既に現実から目を背けていた邦彦と同じなんだろうか。とても重い現実的テーマ。日記帳のシステムで語られる人生の「上巻」に秘められた数々の出来事。自分もまた親の下巻のみ知っているのかも。そんなことを思った。介護というものを考えさせられる…自分も他人ごとでないと痛切に思わされた。介護で結ばれる奇妙な人間関係。過去の出来事は悲劇だけど、最後は皆が現実に立ち向かいに帰っていくのは良い。頑張りましょう。村上春樹のノルウェイの森読んだことないから気になるなぁ。主人校の下巻しか読まない元カレと上巻しか読まない旦那設定秀逸。
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今回の作品はイヤミス感は低めの作品だった。叔母の弥生に育てられた主人公の美佐が、認知症を患いごみ屋敷化した弥生の家を片付けるうちに弥生の過去、自分と元恋人との繋がり等を知っていく。
後半は点と点が線になり伏線回収していく流れが読むスピードに拍車をかけた。
またこの話は介護問題が柱になっていて、決して他人事ではないなと思いながら読んだ。
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幼い頃に両親を亡くした美佐、快く引き受けてくれた叔母の弥生。美佐は大学で上京、就職も結婚もし、弥生の家に戻ることはほとんどなかったが、役所からみどりの屋敷に戻ってきてほしいという連絡があり、帰ることに。弥生は認知症が始まっており、屋敷もボロボロ。弥生を施設に預け、屋敷の掃除をしていきながら、弥生の過去、元彼邦彦との過去、邦彦の母菊枝の過去などが明らかになっていく。美佐が子供の頃見ていた弥生の姿から家の中で見つけたモノたちが全て繋がる物語。介護の内容だが、ミステリー要素があり、点と点が全て線となり、読み終えた後の充実度が高い。屋敷を荊の家にしたのも、直接は言及されていないが、弥生の過去の影響でなっているもので、認知症が全て要因ではないと感じた。美佐にとってはたった数十日の出来事ではあるが、忘れられていく記憶の中でおそらく最後まで残るであろう数十日ではないか。
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久しぶりの湊かなえ作品。
章タイトルに絡んだタイトルというのがオシャレ。
物語が複雑になっていくようでいて、確かに同じ線上で起こっていた。
昔ながらの嫁姑、夫婦関係がドーンと入ってくるので、それなりの年代向けのように感じた。
新聞掲載だったので、そうなったのかな。
姑にされて嫌だったことを、自分が姑になったら嫁にする。上司が部下に、上級生が下級生にするのも然り。
今でこそ少なくなった気がするが、この手の連鎖はありがち。やられた本人にはやり返せない。他の人を攻撃して、一時的に気持ち良くなったとしても、自分の中の負の感情が消えることはないのだろう。だから執拗に怒っているし、そこから抜け出せない。この辺、イヤミスだ。
そういえば村上春樹の作品がすごく出てきたな~。
あと、口に押し込むの、「夜行観覧車」を思い出した。読者サービスかな。
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2025.47
育った家がごみ屋敷となり果て久しぶりに戻った美佐。家を片づけていく過程で金庫を発見する。
そこからひもとかれる、家族にさえ言えなかった叔母の秘密とは……。
朝日新聞連載時から話題! 湊かなえが新たに挑む、先が読めない「介護ミステリー」
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これは、ミステリなのか?と思いながら読み進めて、どんどん謎に引き込まれて、後半一気に読み終えた。ケアや子どもを産むこと=女性の責務、という連鎖が受け継がれていく、不条理。その中で友情が生まれながらも、当時はすれ違い、時を経てからようやく想いが重なった二人のシスターフッドにグッときた。ゴミ屋敷が片付けられていく様が爽快だったし、丁寧な暮らしの描写や、随所に出てくる様々な「色」を場面を想像するのも楽しかった。ちょうどクリスマス時期に読めたのも、良かったな。
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面白かったです。
一気読みしました。
両親を亡くし叔母の弥生さんに育てられた美佐。
結婚後離れて暮らす美佐がゴミ屋敷と化した実家の片付けの格闘する様や認知症になった弥生さんの意外な過去が明らかになっていきます。
片付けの途中で見つかった金庫に入っていたものが、ラストで大事なパーツになっていきますが、オチが少し弱いような気もしました。
なぜ義母は二階に行かなければならなかったのか。
謎。
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家庭に悩む1人の女性の心情が体験できたような気がします。私は性別が違う中で、思考の違いや戸惑いを感じました。私の中にスッと入っていかなかったのは、まだ男の目線から雲の上から見るような感じだったのかもしれません。
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母の介護を思い出しながら読んだ
これは、介護の経験や同居して
自分の意志とは、まったく違うことを押し付けられた事がある人には、心に重たいものが残る作品かもしれない
読んでいて
あーそうね そうよね…と思った
もう、同居や気を遣いながら過ごすのは
嫌です
作者も同じような経験があるのだろうか?
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一時一緒に暮らした叔母について、行政からの連絡でしばらくぶりに帰省した主人公は、認知症の症状を見せる叔母と、ゴミ屋敷となったその家にショックを受ける。そこでの暮らしを回顧しながら片付けを始めると、知らなかった叔母の過去が明らかになってくる。その秘密とは・・・
帯にもあるとおり介護ミステリですが。介護8ミステリ2くらいでしょうか。各章のタイトルはCで始まる単語で、介護のテーマに絡めてあることもわかります。
介護については、著者、それから主人公と同年代の自分には、とても共感できる心情もありました。さすがに森に逃げるという選択は共感しませんが、介護相手を取り換えるというのはイライラが少なくて済みそう。
森といえば、「ノルウェイの森」が、物語にも装丁にも象徴的に使われていました。
明らかになる過去は、ドラマティックなようで、少しショッキング。
でも完全なイヤミスで終わらなくてよかったです。
Posted by ブクログ
湊かなえさんの直近で読んだ作品が人間標本で、過去最高のイヤミス具合に、しばらくは距離を置こうと思っていたのだけれどもあらすじに惹かれて読み出すと面白かったー。
イヤミスも軽めで文章も読みやすくて、ゴミ屋敷から始まる弥生さんとの再会、菊枝さんとの出会い、日記から過去を遡って…その時代その時代で、出産、嫁姑問題、介護とそれぞれが女というしがらみの中で悩んだり苦しんでいて。
邦彦と弥生さんはそんなことある?と驚きの展開だったけれど最後まで次の展開が読めず楽しんで読めた!
Posted by ブクログ
イヤミス大好きなのですが、そこまでイヤミス感なく気持ちよく読み終えました。(ちょっと物足りないくらいかも) 弥生さんの日記と共に真実がペラペラとあらわになる感じで、後半は読む手が止まらなかったです。
普段私も日記を書きますが、当然、読み手は自分だけだと考えて書いているなと。この本を読んで、何かの拍子で身内が読んだりすることを想定してしまい、「なんかもうちょっと丁寧に書こうかな」と気付いたら長めの文章でつけるようになってました(笑)
Posted by ブクログ
まさに現代社会の問題が軸に。
きっと私は美佐と同世代。たまたま義理の両親のお世話をする事はなかったが、可能性は大。
読み進めると3代にわたっての物語。
ここに湊さんらしいミステリーが加わっていく。
弥生さんが日記を書いててくれたからわかった事実。
老いるのが怖いな。
Posted by ブクログ
叔母に認知症の症状があると連絡を受け、故郷に戻った美佐。叔母の家はゴミ屋敷となっていた。叔母を施設に移し部屋を片付ける美佐は部屋の奥にある金庫を見つける。
叔母弥生さんとその友人菊江さん、美佐と元カレ邦彦の物語。最後の方は…「そっちかい!」ってなった。まあ湊かなえの割にはそんな暗い気分になることもなく読み終えた。
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介護・家族間の関係性がテーマなので、どんな人にもおすすめかと言われると、そうでは無い作品だと思います。
介護ミステリーとありますが、ミステリー要素は薄いです。
登場人物が多いこともあって、現在と日記間を往復して読んでいるうちに、頭が混乱しそうになりました。笑
最後は少しだけ明るい未来が垣間見えて安心しました!
Posted by ブクログ
湊かなえの作品は新刊が出る度に読んでいますが、やはり読み易い!ベストセラー作家の文章はどこがどう良いのか説明しにくいのですが自然と文章が頭に入ってきます。今回のお話もスーッと物語に入る事が出来ました。いつものイヤミスとは違い、介護ミステリとの事ですが、ヒューマンドラマ的なミステリーで、最後はいつもと違うちょっと温かみのある終わり方でした。
新たな挑戦との事で、いつものイヤミス程のインパクトは有りませんでしたが、楽しめました。
またの新作にも期待です!
Posted by ブクログ
湊かなえさんの作品はほとんど読んでいるけれど、この作品は割とスッキリした読後で珍しい感じだった。弥生さんの残した日記から過去を解明していくことが話の大部分。お互い厄介な姑がいる家に行って家事交換をしようって時点で何もトラブルが起きないわけないでしょーと思ってしまった。弥生さんが教室でお菓子作りをしたり、刺繍とか編み物をしている場面は優雅で好き。それにしても出てくる男性全員なんか嫌だった。弥生さんと主人公の関係には癒されるものがあった。
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ごみ屋敷と化した叔母の家で発見された金庫、そして赤い革の日記帳。
金庫の中身は何か、そして叔母の隠された過去とはー。
久しぶりに湊かなえさんの作品を手に取りましたが、過去と現在が交差しながら話が展開し、人間関係がどんどん複雑に入り組んでいく様はこれぞ湊かなえという感じですね。
嫁姑関係、介護問題など、時代は移れど誰しもにのしかかるテーマとミステリ要素を掛け合わせたもので、重たい内容ですが結末が気になりグイグイ読まされます。
複雑に絡んだ糸を私の読解力で読み解けたかどうかは謎ですが、久々の湊ワールドを堪能させてもらいました。
Posted by ブクログ
★★★☆☆星3【嫁姑介護問題、交換家事】タイトルと内容の繋がりがさっぱりわかりませんが、好きです!嫁姑の介護問題、家事を交換するのはストレスだなぁ。日記をつけるのはいいことだと思うけど、ある程度で捨てておくべき。思い出も秘密も心の中だけで十分。みどり屋敷が片付いていく様子は本を読んでいるだけで気持ち良かった。金庫の中身期待しちゃった。命の水の効果すごくない?
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老後、痴呆、介護っていうテーマで今後の参考になるのかなぁーって思って読みました‥
思った感じと違ってたかな
これをイヤミスというのかな‥
読みやすくてあっという間に読めたけど
なんか心に残らないかも。
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久しぶりの湊かなえさん。
ちょっと苦手意識があったので、イヤミスではないところは良かった。
読んでいくうちに、この解釈で合ってる??って正解がわからない不安のようなものを感じたのはこの方と私の相性の問題か。
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後半の方が読みたい欲がまして一気読みしてしまった。
こじつけかのようにくっつけたストーリーになっているな、、と感じる人、全ての物語が繋がっていて面白いと感じる人、感じ方はそれぞれだなって思った。
読みやすい本。
全てCから始まる物語。なるほど!
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叔母の介護のために家に戻ったことで色々な謎が生まれ、叔母の若かりし頃の日記を読むことで、その謎が解かれていく感じでした。後半からの叔母の日記を読み出し、家事交換が始まったところからが一気読みでした。主要登場人物の女性たちはみんな姑にチクチク言われてて、今はだいぶ減ったでしょうけど、改めて同居は大変だなぁという気持ちになりました。
Posted by ブクログ
湊かなえさんの作品ということで読むのを楽しみにしてました
特に後半展開が気になって一気に読み進めましたが、
読み終えて思ったのは家事交換を今も昔もしていたという設定に無理があるかなと思ったのと弥生さんと邦彦のこともこじつけ感があるかなと感じました。
湊かなえさんの作品は感動とかテーマを絡めた感じではなく純粋なイヤミスが好きです。
Posted by ブクログ
叔母の介護のため数年ぶりに故郷に帰って来た中年女性のお話でした。
物語の3分の2以上は、淡々と話が進んでいく様子で、時折伏線の様な内容はあるものの、退屈な印象でした。
話の中心人物は、意地の悪い姑、自分の母親なのにも関わらず介護を妻に押し付ける夫、本心が見えない友人等であり、暗く重たい雰囲気が続いていきます。
しかし、終盤の畳みかけ、伏線回収は見事でした。
Posted by ブクログ
介護職してて、普段から利用者のキーパーソンがお嫁さんと言うことがよくあり…うん、そこは実子である息子でよくないか?と言う思いがありました。
この小説はそのへんのモヤモヤをしっかり書いていてくれて、良かった!独居老人、ゴミ屋敷、実子の介護への無関心、嫁姑。プラスミステリー。
Posted by ブクログ
2025/10/16
嫁いびりと介護と疑心。
嫁いびり具合と夫の無関心具合がしんどくて疲れ切ってしまった。。
残り50ページくらいから、そういうことか!と読むスピード上がった。
途中でこの本の装丁に得心したけれど、そのつながりがいまいちわからず...
わたしの夫も介護はしないはず。子育てからも逃げてるくらいだし。
Posted by ブクログ
着地点の予想がつかないという点では楽しめた。しかしながら読み終わってみると、自分にはあまり残るものがなかった。感情は動かされ、これこそ湊かなえ作品だと思ってはみたものの、私にはハマらず。