あらすじ
育った家がごみ屋敷となり果て、久しぶりに戻った美佐。家を片づけていく過程で金庫を発見する。そこからひもとかれる、家族にさえ言えなかった叔母の秘密とは……。朝日新聞連載時から話題! 湊かなえが新たに挑む、先が読めない「介護ミステリ」。
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母と子、家族の在り方がテーマで私の中では湊かなえさんの世界観全開の一冊だった。
ゴミ屋敷は最近はあまり聞かなくなった気もするが、まだまだ多いのだろうか。
ゴミ屋敷の掃除をして、「お宝発見!」なことなど基本的にはないと思うが、金庫が出てくると話は違ってくる。金庫はとても重要なもの、価値のあるものを入れるという前提があるので、やはり中身がわからないからこそ期待が膨らむものと思われる。
そんな金庫の発見からストーリーの展開が変わっていくが、金庫が絡むからと次のストーリー展開を想像しながら読むが、いい意味で見事に裏切られ、どんどん人間味溢れる深い話になっていく。
よもやよもやの流れで、世代を超えて繋がる過去からの誤解や現実の状況…この話はどこに向かっているのかわからなくなりそうだったが、そこはきちんと繋がっていく。
自分から客観的に見えている他人の家族のことは、当たり前だが当事者じゃないとわからないことだらけだと改めて思った。
家族の在り方、親との繋がりを振り返って考えさせられ、今後のことを見つめ直すそんな一冊だった。
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核家族が当たり前の世の中だから、この手のモラハラは少なくなってるのかな?
でも、マザコンも多そうなので、まだまだあるのかな?
いずれにせよ、自分の言動には気をつけないと。
あと、延長コードにも
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両親を亡くした後育ててもらった叔母の家に久しぶりに帰った主人公を待ち受けていたのは認知症が進んだ叔母とゴミ屋敷だった…。世代を超えた人間関係や過去が絡み合い、物語はそしてあのことが起こった日へ。
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主人公が家族の過去の秘密に辿り着いていく物語。先が気になってほぼ一気に読みました。大事件ではないけど想定以上の過去がありました。人生いろいろあるあると思った読後感。面白かった。「c線上のアリア」、care(介護)、chain(絆という束縛)は同一線上にあれど、同一のcode(体系)ではない。風邪を引けば病院に行く、髪が伸びれば美容院に行く。昔は家で行われていたことも、現在では、専門家に任せるのが当たり前になっているのなな、どうして、育児や介護は、家庭内で主婦が請け負うことだと、おおくのひとに認識されたままなのだろう。他にも同感できる記述が多くてみにつまされた。
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実親を交通事故で中学三年生の時に亡くした美佐は高校三年間を夫を亡くし一人で暮らす叔母の弥生の家のみどり屋敷で暮らしました。
そして美佐は二十年後、認知症になった弥生を介護施設に入居させるためにみどり屋敷に戻ってきます。
美佐には高校の頃に秘かに想っていた山本邦彦という同級生がいました。
「何十年後でもいい。この風景を懐かしいと感じたら本を返しに来てください。K」というメモ書きのある『ノルウェイの森』の下巻を発見し邦彦の実家に本を返しに行き、邦彦の母である菊枝に「弥生さんエルメスのスカーフ返しにきてくれたんだね」と弥生に間違えられます。まさか叔母と邦彦の母が知り合いだとは知らなかった美佐は…。
読みやすい文章でスラスラ読めました。
『ノルウェイの森』、エルメスのスカーフ、赤と緑などのキーワードが散りばめられています。
でも「謎はどこにあるの?」「これ、ミステリだよね」と確認しながら読みました。
そしたら謎は一番最後に答えが全部出てきました。
最初は認知症をモチーフにしたミステリなのかと思ったら全然違う二人の女性の間に起こったことと、その周辺の話でした
恋愛小説でもありました。
最後は湊かなえさんにしては爽やかでした。
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主人公の女性が、あるきっかけで学生時代に思い合っていた男性の母親の介護を手伝うことになる。
それをきっかけに、その女性の叔母と男性の母親は過去にお互いの家庭の交換家事をしていたという繋がりが見つかる。
その他にも、少しの出来事の違いでお互いの母親が生まれておらず、つまりは一歩間違えば自分自身もこの世に存在していなかったかもしれないという事実が数多く判明する。
本作では、前述の男性と女性が過去に貸し借りしていた本の上巻と下巻が随所に出てくる。男性は本は下巻からでも面白いというが、女性は上巻を読んで登場人物の過去も知った上で読みたいという。
女性は男性の母親の介護を通して、過去を知ることで今の自分が存在することの奇跡を知った。やはり昔から上巻で過去のことも知りたいという彼女にはよく合うエピソード。
逆に、男性は過去や血縁に過度にしばられたくないという考えをもっており、それが下巻から読みたいということと繋がっているように思う。
どちらも一理ある考えだと思いました。
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最後になってようやくタイトルのC線上の意味を理解しました。 早くからわかってもおかしくなかったのですが。
認知症との関わりなど 色々身近に感じる題材でした。
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誰もが家族に言えない「人生」と言う物語がある
この帯の言葉に惹かれて手に取りました。
どれだけ近い関係でも、家族でも、私たちはその人の“人生の一部”しか知らないということを改めて感じた。一緒に過ごした時間の中で見てきた姿がすべてじゃなくて、その人にはそれまでに積み重ねてきた物語があって、これからも続いていく物語がある。
弥生さんの日記を通して、美佐の知らなかった弥生さんの“上巻”を知っていくという過程がとても良かった。
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久々の湊かなえ作品、読み始めはモラの片鱗や介護の辛さなど「イヤミスの女王だしいまの精神状態で読んだらしんどいかも…?!」と思いつつ、ミステリー要素がでてきたりでなんだかんだ読み進めていったら想像以上に前向きになれる終わりでしたよかったよかった。夫婦二組とも、ちゃんと向き合えるといいね。
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湊さん最新作♪♪
両親を亡くし、高校時代を叔母の弥生に引き取られて過ごした美佐。
その叔母が認知症を発症し、育った家がゴミ屋敷になっているという。
家を片付けるなか見つけた金庫の中身は?
弥生はこれまでの人生どうやって過ごしてきたのか?
ミステリー色はそんなに強くなかったかな〜。
どちらかというと、一人の女性の人生を追った人間ドラマって印象の方が強かった。
誰にでも家族にも見せてない部分があったり、秘密を抱えてたりするものなのかも知れない。
弥生さんのそれを知った時、あ〜愛だな〜と思った。
イヤミスではなかったけど、嫁姑問題とか女の嫌〜な所がチラチラ。
この辺りはさすが湊さんだなぁ〜って感じ♡
ちょいちょい 弥生の収入源は結局何やったん?とか、交換家事なんてする人おるんかな?とかちょっと、ん??と思うとこもあったけど、個人的には時々聞く物足りなさは感じず、面白く一気読みでした〜
この表紙「ノルウェイの森」にちなんでたのか〜!
素敵〜⟡.·
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図書室。好きな作家なので。
読む前は、介護もの暗かったらイヤだなという気持ち、読んでいる最中はだんだんワクワクする気持ち、読み終えたら何となくスッキリしないけれどもこれでいいのかもという気持ち。
色んな気持ちにさせてくれた。
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湊さんにしてはマイルドイヤミス
だが、同年代、同居嫁としては思い当たることが有り有りすぎて、読むのしんどい。でもやめれない。
タイトルはちと無理むりっぽい。
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著者の最近の小説の中では久々に面白かった。(失礼)
ほどよくミステリーもからめてあって。
介護、認知症、関心高いテーマもさらっと描かれていて読みやすかった。
それにしても出てくるお料理、焼き菓子の類も含めて全部、美味しそう〜。
その描写力はさすが!
”交換家事”が招いた悲劇。まさかそれを苦にした旦那さんが自死するとは…。
そして山本邦彦が心にずっと想って他人が美佐じゃなく弥生さんだったとはね。
それにしても小説を下巻しか読まないってありえない。
これ絶対ドラマ化は映画化になりそう。
以下、キーワード。
・ごみ屋敷の2階にあった金庫に隠されていた延長コード
・デイジーさんとローズさん
・ノルウェイの森
・エルメスのスカーフ
・手作りマヨネーズのポテトサラダ
・命に水
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イヤミス期待して読んだので、ちょっと違った。
話は面白かったけど…求めていたものとは違った。
最後、美佐の左ポケットに入っていた連絡先は誰の??
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美佐さんが高校生の頃両親を亡くし、お母さんの妹、弥生さんに面倒を見てもらいながら育った記憶から始まります。
あれから何十年後に、認知症になってしまった弥生さん宅はゴミ屋敷となってしまい、美佐さんは片付け清掃をするが、そこに弥生さんの金庫、何冊かの日記、高校の頃借りっぱなしだった「ノルウェイの森」下巻も見つかる。
当時男子高校生の邦彦の住居を調べ、その下巻の返却に行くのだが本人はいない。その代わり邦彦のお母さん菊枝さんと話しをすることができた辺りから、サスペンスのにおいがしてきました。
ノルウェイの森が登場してきて、また読みたくなります。
弥生さんの部屋に戻り美佐さんは片付けを続けるうち、金庫の中身、弥生さんの日記によって、その菊枝さんと弥生さんの関係性が少しずつわかってきたり、そこに邦彦さんとのキャンプ場がフックで入ってきて、ドキドキしますね。初の湊かなえさんなので慣れなていません。
凪良ゆうさん、辻村深月さん、町田そのこさんは読んでいるのに、湊かなえさんは読んでいなかったので、これを機に他も読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
湊かなえさん、久しぶりに読んだけど、他の作品を読んだときに感じた不気味さがなく、むしろ、読後感が良かった。
話の結末が全く予想できず、読者を楽しめました。
ただ、日記の内容が詳細すぎて、現在より過去の話が多くかった。
もっと、主人公の心情の変化とか現在進行形の話を詳しく読みたかった。
文章は綺麗に流れてとても読みやすかった。
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イヤミスの女王といわれる湊かなえさんの作品はたくさん読んできましたが、今回の作品は読み終えてからのもやっと度は低く感じ、⭐︎3つにしました。むしろ今までの作品のインパクトが強すぎたのかも。笑
もしドラマ化されるともっとドキドキするかもしれません。
ですが、現代社会における介護問題が一つの物語の筋になっているので考えさせられる場面も多々ありました。この先自分たちの前に立ちはだかるであろうテーマなので、いい勉強になりました。
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介護、認知症、ゴミ屋敷、、、興味深い内容で一気読みだった。
昔の彼と再会して、いい雰囲気になるところはファンタジーか!?という感じでやや白けて読んだが、最後にそうきたか、となるのでまあ良し。
ノルウェーの森へのオマージュが散りばめられていて、久しぶりにノルウェーの森が読みたくなった。
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どことなく不安感を感じさせ、先が気になる読ませる方はさすが湊かなえさん。
介護、認知症、嫁姑問題をタイトルと絡めて綺麗にまとめられてます。あとノルウェイの森も。
もしかしたらノルウェイの森読む方も増えるかもしれないですね。
Posted by ブクログ
老いと介護、生き方を考えさせられる
緑に赤の表紙は
村上春樹さん『ノルウェーの森』
弥生さんのお屋敷の緑
スカーフの赤
色々な思いを込めてつくられてる
Posted by ブクログ
思っていたよりミステリーだった。介護の関係のストーリーだということしか知らず、町田その子さんの「星を掬う」を思いながら読み始めた。下巻から読む人、と上巻しか読まない人、これには「?」を感じたのもあり、2人の過去の恋の部分は少し残念だったかな。家事を交換するのも現実味があまり感じられず、偶然が偶然すぎて今思うと苦笑。でも、中だるみもなく最初から最後まで楽しく読み進めることができた。
Posted by ブクログ
久しぶりの湊かなえ作品。独特なゾクっていうか、ドヨーって言うか、いつもの世界観が無いのが、いいような悪いような。介護問題を描いているが、重いような、軽いような。物語的にはよかったのですが、湊かなえ昨日としては、物足りなさが。
Posted by ブクログ
人間の内面の描写が上手い…!
少し上から目線じゃない?とか自惚れすぎじゃない?とか嫌味な言い方だなあ…とか思ってしまうけど
人間味の塩梅が絶妙で良かったです。
日記パートは少し退屈に感じてしまった…。
Posted by ブクログ
途中まではどういう事?この先どうなる?と読み進めましたが、結末がなんとも複雑な気持ちになりました。。
同居していたらもっと感情移入した作品なのかも。なんとも不思議な読後感でした。