あらすじ
育った家がごみ屋敷となり果て、久しぶりに戻った美佐。家を片づけていく過程で金庫を発見する。そこからひもとかれる、家族にさえ言えなかった叔母の秘密とは……。朝日新聞連載時から話題! 湊かなえが新たに挑む、先が読めない「介護ミステリ」。
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Posted by ブクログ
いやー重い。重いという発想が既に現実から目を背けていた邦彦と同じなんだろうか。とても重い現実的テーマ。日記帳のシステムで語られる人生の「上巻」に秘められた数々の出来事。自分もまた親の下巻のみ知っているのかも。そんなことを思った。介護というものを考えさせられる…自分も他人ごとでないと痛切に思わされた。介護で結ばれる奇妙な人間関係。過去の出来事は悲劇だけど、最後は皆が現実に立ち向かいに帰っていくのは良い。頑張りましょう。村上春樹のノルウェイの森読んだことないから気になるなぁ。主人校の下巻しか読まない元カレと上巻しか読まない旦那設定秀逸。
Posted by ブクログ
久しぶりの湊かなえ作品。
章タイトルに絡んだタイトルというのがオシャレ。
物語が複雑になっていくようでいて、確かに同じ線上で起こっていた。
昔ながらの嫁姑、夫婦関係がドーンと入ってくるので、それなりの年代向けのように感じた。
新聞掲載だったので、そうなったのかな。
姑にされて嫌だったことを、自分が姑になったら嫁にする。上司が部下に、上級生が下級生にするのも然り。
今でこそ少なくなった気がするが、この手の連鎖はありがち。やられた本人にはやり返せない。他の人を攻撃して、一時的に気持ち良くなったとしても、自分の中の負の感情が消えることはないのだろう。だから執拗に怒っているし、そこから抜け出せない。この辺、イヤミスだ。
そういえば村上春樹の作品がすごく出てきたな~。
あと、口に押し込むの、「夜行観覧車」を思い出した。読者サービスかな。
Posted by ブクログ
湊かなえさんの直近で読んだ作品が人間標本で、過去最高のイヤミス具合に、しばらくは距離を置こうと思っていたのだけれどもあらすじに惹かれて読み出すと面白かったー。
イヤミスも軽めで文章も読みやすくて、ゴミ屋敷から始まる弥生さんとの再会、菊枝さんとの出会い、日記から過去を遡って…その時代その時代で、出産、嫁姑問題、介護とそれぞれが女というしがらみの中で悩んだり苦しんでいて。
邦彦と弥生さんはそんなことある?と驚きの展開だったけれど最後まで次の展開が読めず楽しんで読めた!
Posted by ブクログ
★★★☆☆星3【嫁姑介護問題、交換家事】タイトルと内容の繋がりがさっぱりわかりませんが、好きです!嫁姑の介護問題、家事を交換するのはストレスだなぁ。日記をつけるのはいいことだと思うけど、ある程度で捨てておくべき。思い出も秘密も心の中だけで十分。みどり屋敷が片付いていく様子は本を読んでいるだけで気持ち良かった。金庫の中身期待しちゃった。命の水の効果すごくない?