あらすじ
ベストセラー異色エッセイ、待望の文庫化
芥川賞作家の鋭い観察眼で「妊娠・出産」という大事業の現実を率直に描きベストセラーとなった異色エッセイ。
待望の文庫化。
35歳で初めての出産。それは試練の連続だった!
つわり、マタニティーブルー、分娩の壮絶な苦しみ、産後クライシス、仕事と育児の両立……
出産という大事業で誰もが直面することを、芥川賞作家の観察眼で克明に描き、
多くの共感と感動を呼んだ異色エッセイが待望の文庫化。
号泣して、爆笑して、命の愛おしさを感じる一冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
凄まじい本を読んだ。
性別関係なく、全人類が読むべきだと思った。
無関係の他人であるわたしでも、わたしの生まれた時を想像して泣いた。母はこんな気持ちだったのかと思い、また泣いた。
この感想を書きながら、また泣きそうになっている。
Posted by ブクログ
川上未映子さん…
他の作品はまだ読んだことがなく、妻夫木聡さんと共演されているサッポロビールのCMで初めてお姿を拝見した。ほうほう…おしゃれで色気があって、少し気の強そうな女性だなという印象が強く残っていた。
だから本書を開くまえ、きっとおしゃれで軽やかなキラキラ育児生活の日々が綴られているのだろうと少し気後れしていた。
それでも色んな本屋で探してやっとの思いで手に入れるほど読みたくなったのは、自分が妊娠して、文字だけで書かれた育児エッセイというのは、それもプロの小説家が書いた育児エッセイというのは、意外にも世の中にあまり存在しないと知ったから。
妊娠中に読みたいと思っていたものの、気後れしているうちに出産し、5ヶ月経ってようやく開く勇気が出た(遅い…笑)
けれど読んでみると驚きの連続だった…!
赤裸々すぎるほど赤裸々に、妊娠・出産・育児のあれこれを綴っている。しかも彼女は生粋の大阪人で、随所にノリのいい関西弁が散りばめられている。そして本人によると相当なネガティブらしい。なんか想像してたんと違う!と良い意味で裏切られ、ページをめくる手が止まらなかった。
何より良かったのは、妊娠・出産・育児において私が感じていた、言い表しがたい不安や衝撃の数々がとても丁寧に綴られていたこと。
おなかの子どもが男の子だったら将来、性犯罪者にならないか、女の子だったらその被害者にならないかを心配するというのはとても、本当にとてもよく分かった(男女関わらずどちらの可能性もあるのだけども、やはり私も同じ心配をしていた)。
他人に打ち明けたら心配しすぎだよ〜と言われるようなことを、母親になり、妊娠中から毎日一緒に過ごしていると、どうしてもぐるぐると考えてしまう。
体調の悪さやホルモンバランスの急激な変化から、そういう思考になるのは自然なことだったと、今はようやく落ち着いて考えられるようになった。
川上さんと同じように、私も出産後、生まれてきた赤ん坊を抱っこしながら何度も涙を流した。「私たちのところへ、生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ」とつぶやきながら、腕のなかですやすやと眠る赤ん坊の顔をじぃっと眺めているといつも涙で視界がゆがんだ。
こんなに不確かで、今にも壊れそうな小さい赤ん坊。悲しいでも喜びでも感動でもなく、胸がぎゅっとなるような切なさでいっぱいになって、なにかの大波が押し寄せて目から流れる。そんな感覚があった。
最後の章を読みながら、あぁもうこのエッセイも終わりなんだなと思うととても寂しいような、でも川上さんの出産・育児のあれこれを見届けられて清々しいような気持ちになった。
私も育児の合間を縫って、ある時は赤ん坊が遊んでいるのを見守りながら、またある時は授乳しながら、ある時は膝のうえで寝かしつけながら本作を読み終えたことへの感慨もあった。
私たちが望んだ結果とはいえ、自分の元に赤ん坊が生まれてきてくれたことは、5ヶ月経った今もまだ信じられないような気持ちになる。
赤ん坊の、周りの景色をそのまま写し出すキラキラした瞳や、触れたら壊れそうなくらいにふわふわさらさらの寝顔を見つめているとき、胸に押し寄せるあの気持ち。育児・家事分担について、夫と意見が割れ「自分がおかしいのか?いやでも…」と納得できなかったあの気持ち。
自分が子どもを持つまで知らなかった、でもうまく言い表せないたくさんの感情が、そう…それっ!!と何度も言いたくなるほど的確に綴られていて感動した。プロってすごい。言語化できるってすごい!
閉鎖的で孤独を感じやすい妊娠・育児のなか、このエッセイに精神的に励まされた人たちがどれほどいるだろう。もちろん私もその一人であり、思い出深い一冊になった。
Posted by ブクログ
産後10か月の時期に読んだ。妊娠が分かってから今に至るまでのあっという間に過ぎ去った日々を、この本はありありと思い出させてくれた。ほかほかした幸せな気持ちになれる。
産後、子どもの順調な成長を願い、この先起こりうる危険や困難を想像して不安になり、涙がでることは私にもあった。その部分は特に共感した。
Posted by ブクログ
妊娠35週頃の妻におすすめされて読んだ本
妊婦の方だけじゃなく、男性にもお勧めです。
妊娠してからの悪阻や、身体的変化、精神的変化など側から見てるだけでは決してわからないことが見事に言語化されていました。
(恐らく多くの妊婦さんはここまで言語化できないのと、目まぐるしい生活を過ごす中で忘れていくことも多いでしょう)
出産後はホルモンバランスの変化などで通常とは異なる精神状態になることもあるので、予め知っておいてよかったと思いました。
また、全体的におもしろおかしく書いてくれているので、スラスラ読めました。
生まれてくる子どもに早く会いたくなった。
Posted by ブクログ
出産から最後まで嗚咽しながら一気に読んでしまった…
子供は2歳になり、お腹の中には2人目でつわり中。
ちょっとうっすら忘れてしまっていた記憶、つわり仕事子育て家事旦那との関係で重なるしんどさ、めちゃくちゃ久しぶりにできた自分の時間を使う本としては最高でした。
まだ頭が混沌としているけど、やっぱり今を楽しみたい!みんな頑張ってる!
Posted by ブクログ
友人の妊娠をきっかけに読んだ本。
妊娠出産、育児をしていく中で母親が内面で何を思っているのか、何にモヤモヤしているのか本当によく言語化されていたと思う。
これから母親になる予定の人はもちろん、
最近子供が産まれて妻にめちゃくちゃ邪険に扱われたり、謎に八つ当たりされたりで、散々な目にあっているなんていう男性にも読んでほしい。
Posted by ブクログ
川上未映子さんの妊娠から子が1歳になるまでのエッセイ。
産後編の「父とはなにか、男とはなにか」が共感できた。と同時につらかった時期を思い出してしまった。
「グッバイおっぱい」「夢のようにしあわせな朝、それから、夜」「ありがとう1歳」で号泣。
お母さんってみんなすごい頑張ってる。
Posted by ブクログ
出産9ヶ月になり、ネットでこの本の存在を知り読みました。今までの共感、これからの不安、色々感じるものがあり、産んでからまた読み直したいと思いました。
■出産編
つわり:読みながら夫が毎日私が食べられるもの買いにスーパーに言ってくれたこと、排水口ふくむ食べ物の臭いが嫌すぎたことを思い出した。あと、まだおなかが大きくない妊婦さんもつらい時期があると体験した。(産む以外にこんなにしんどい時期があるとは思ってなかった!)
出生前診断:一貫して子どもは親の都合(エゴ)で産んだんだから、という作者の意見が響いた。
生みたい気持ちは誰のもの?:野田聖子さんのお子さんの話が心に残った。他人がそのことに口を出すことができるだろうか?いやそうじゃない、というのは私も同意見だった。私も肯定された気持ちと、とはいえ産まれた子に障害があっても自分は育てきらなければならないのだと思うと背筋が伸びる思いがした。
乳首、体毛、おっぱい、そばかす、その他の報告:乳首、体毛、肌の艶が良いことは完全に同意!!(今の私もニベアしか塗ってないのに、お肌すべすべ。)
帝王切開:腹を切るとは聞いてたけど、怖すぎる、、、これは読まないほうがよかったかも()
その他感想
・作者と異なり、私はマタニティブルーは起きず、むしろ生理が来ていた時よりメンタルが安定してる気もするが、出産目前になったらやっぱり不安でいっぱいになるんだろうか?
・運動は私も産院で言われるけど、やってなくて堕落の共感
■産後編
かわいい♡拷問:そっか、、、睡眠とれないのかと再認識して、恐ろしくなった。今8時間睡眠確保しないとフラフラするのに、3時間ごとに起床って自分は自我を保てるのだろうか、、、
頭のかたちは遺伝なのか:共感、自分も頑張ってケアしよう、、、!
その他感想
・かわいい、この子のために死ねる、誕生日を祝いたくなる気持ち、感じるのが楽しみ。
・保育園、離乳食、病気の基礎知識を得なければ、、、
・つわりのしんどさなど、数カ月前のことなのにもう記憶が薄い。ちゃんとメモしようと思った。
Posted by ブクログ
妊娠、出産、育児、川上さんが体験した子供を産むことと育てることの大変さ、尊さ、愛おしさが詰まった1冊。大変なことも沢山あるし、一生悩みが消えないのが子育てと言うけど、それ以上の幸せも沢山あるんだよなぁ、と感じられる本。全てのお母さん、本当に立派です。
Posted by ブクログ
おそらく産後の今でなければ目にも留まらなかった、けれど実際は絶賛産後子育て中なのでつい手に取り、買って、読んでしまい、そして今出逢えて、読めてよかったと思う。
わたしは日頃から自分の感情を言語化するのは得意な方だけれど、育児中という、感情をぶつける相手が(言葉の通じない赤ちゃんのほかは)夫しかいないという閉塞的な特異環境のなかで、ついつい飲み込んできた、日々飲み込み続けているあれやこれやの鬱屈した気持ちとか憤りとかを、文字という目に見えるかたちで、言葉で、こうして表してくれていることに安心した。わたしの飲み込んできたこの気持ちはある種普遍的なもので、その意味では間違っていなかったし、きっとなかったことにはならないだろう。ほんとうは飲み込まずに吐き出せるほうがいいのだろうけど、そうできない母親たちがたくさんいて、見えないけれど過去現在未来のそのたくさんのお母さんたちと繋がっているような、そんな安心感を得ることができた。
世のお母さんたちが、そういうあれこれを胸を張って吐き出せる、というかそもそもそんな鬱屈した思いを抱えずにすむ社会構造に早くなるといいなと思う。
そしてわたしもこれから辿るであろう、子の自立にともなう別離の寂しさ、切なさを想像し、ほろほろと泣き、今しかないかけがえのない一瞬一瞬を大切にしようと思わせてもらった。
Posted by ブクログ
妊娠5ヶ月(19週)あたりで何気なく読んでみた。妊娠がわかった時のことやら出生前診断のことやら共感できすぎるし、まだ私が経験してない妊娠後期〜出産以降までは自分の体・メンタルがどうなっていくのかをイメージするにあたりとても参考になったし面白かった!出産を控える人にはぜひおすすめ!
Posted by ブクログ
今更(子供はすでに成長)ながら手に取ってみて、妻がいかに偉大な存在か、思い知りました...
妻には怒られましたが、それが分かって、いい読書体験だったなと!
Posted by ブクログ
とても繊細で透明感のある文章を書く人だと思っていたのだけど、何このエッセイの面白さ!!電車やカフェで読む人は要注意です。クスッと笑うどころか吹き出しそうになってしまうw
とはいえ産まれたお子への愛情は半端ない。最後はうるっと。
Posted by ブクログ
独身男性の僕には、知らなかったことだらけでした。。出産の凄まじさは、色々と側聞していましたが、授乳が本書に書かれているように、そんなに痛さを伴うものだとは全く知りませんでした。大昔と違って、授乳しているおかあさんを見る機会なんて殆どないですからね。それと、産後クライシスでミエコさんが感じたことで、育児は女性が行うものとするという擦りこみが男性性女性性の中にいつの間にかあって、それが当たり前のように世の中の常識みたいになっているのは怖いことだと思いました。最終章のオニに対する愛情深い一連の言葉にはとても温かみを感じることが出来ました。
Posted by ブクログ
自分の妊娠をきっかけに読み始めたけど、内容が濃くなかなか進まない。笑 結局正期産になってしまった。産後クライシスの場面では、さすがの語彙力で女性の脳内ではこういうことが起こるんだなあと、言語化されていることでとても勉強になった。クスッと笑えるところも多かった。ぜひ、世の中のパパになる人にも読んでいただきたい!!
産後に読むとまた違った気持ちで読めるのかもしれない。とにかくいまは、赤ちゃんに会うのがより楽しみになった。
ーーー誕生日におめでとうっていうのはきっと、この1年、無事にみんなが一緒に生きることができたっていうことにたいするおまでとうで、それはほんとうにすごいことなのだと、そういうかもしれない。1年間、毎日を生きて、大きくなるってことは、本当はすごいことなんだと。ぜんぜん、あたりまえのことなんかじゃなきんだと。そして、来年も同じように、みんなでこの日を迎えられたらよいね、という、おめでとうなんじゃないかなーと、 p283-284
愛が詰まった一冊でした。♡
Posted by ブクログ
母、そして人としての親心を感じれた気がした。
私自身、子どもが産まれて2ヶ月がたち、日々成長する我が子の動向に振り回され、ふとした笑顔に癒され何とか乗り切っている毎日。
育児の隙間時間で読み切ったのだが、共感の嵐、世の中にはたくさんの育児同志がいるのだな、と心強く感じられた。
いつ読んでも良いと思ったが、妊娠中から読んでおけば育児先輩の本音1サンプルとして今を構えられて良かったかもな、と思った。
「誕生日おめでとう!」
の意味を改めて考えさせられた。
そうだよね、大人になって生きるのが当たり前になってるから言葉の価値が下がってきてる(もしくは、生ではなく死に向かう意味合いが強くなってる)けど、本来1年間元気に生きるって凄いこと。
1ヶ月でもありがとう、って思えるのに。
人間らしさが好きでした。
奥さんと協力してこの子の成長と笑顔を見守り切るぞ。
=====
「案ずるより産むが易し」(コトバンクより引用)
・むやみに心配して悩むよりも、思い切って行動するほうが案外うまくいくことのたとえ。
・かつては「産は女の大たい厄やく」「産は女の命定め」などといい、出産は大きなリスクを伴うものでした。ことわざは、不安にかられ、心身ともに不安定になりがちな妊婦を支え、励ます表現であったと思われます。
しかし、近代の用例の大半は、出産と直接かかわりのない比喩的な用法で、むやみに取り越し苦労をしないで、ともかくやってみることを勧めるものです。世間を渡っていこうとすると、さまざまなリスクがあり、不確実な要素も必ずあります。しかし、思い悩んで心配するときりがなく、気分も落ち込み、積極的に行動できなくなりかねません。こういう楽観的なことわざは、気分を切り換え、行動に踏み出すうえで大いに役立つといえるでしょう。
Posted by ブクログ
作家ってやっぱりすごい。
子どもを産み、育てるという行為には、それはそれは並々ならぬ物語がある、ということは当たり前なんだが。人類の数だけその物語が存在するというのも、これまた当たり前なんだが。
そのことに関する全ての思い、考え、行動の数々をここまで忠実に文章化できるなんて、川上さんがただの作家ではないからかもしれない。
とにかく、出産、子育てを経験した女性なら、ああ、私はこういう気持ちだったのか、と代弁してもらった気がするし、男性なら、お母さんや妻にごめんなさい、と謝りたくなるはず。
Posted by ブクログ
卒乳後のおっぱいが「打ちひしがれたナン」でこらえきれず笑ったのに、「どうかどうか終わりませんように。」で目の前がじわりとゆがんで、カフェで情緒不安定な人になってしまいました。
オニくんを産んだ産院が、98%くらいの確信度で、子供達を出産したところだとわかってしまい、あの先生の顔が浮かびました。切腹後だとあのご馳走が食べられなかったのでは…
ツライ、シンドイ、カワイイ、イトシイ、でもツライ、の産前産後の気分のジェットコースターを、ただ追体験させるだけではなく、あのときうまく言えなかった思いを代わりに言葉にしてくれてありがとうございます。後書きで、いろんな事情の人の気持ちを考慮しきれていなかったのでは、と反省されていましたが、あくまで個人的な体験の話なので、全然いいと思います。
Posted by ブクログ
私だけじゃあなかったんだね〜(^^)
でも、私たちほんとうにがんばったんだよ。
と思いました。こんなに、パートナーに気持ちを伝えられる川上さんは羨ましいですね。
私は我慢してたし、今もガマンしてること多い。
Posted by ブクログ
川上未映子さんの出産・育児エッセイです。出産編(2013年web連載)「できたら、こうなった!」と産後編(書き下ろし)「生んだら、こうなった!」という構成です。
そういえば、「サッポロ生」のCM「大人エレベーター」で見目麗しい川上さんのお姿発見! 妻夫木さんから「大人とは?」「アイディアが枯渇する恐怖は?」などの質問へ、さらりとカッコよく答える言葉選びに唸ります。本に囲まれた背景もいいです。
男には到底わからない、女性の心とからだの生理的感覚を、実に瑞々しい言葉で紡ぎ読ませてくれます。切実さを一人ボケ・ツッコミに言い換えて笑わせる表現、「さきどりネガティブさ」と自己分析を裏打ちする?ような言葉の吐露など、とても魅力的な筆致に引き込まれます。
これらの豊富な感情の推移をテンポよく読むにつけ、またCMを思い出してしまいました。レビュー冒頭のCMが何パターンあるのか知りませんが、妻夫木さんの「自身の作品の背骨は?」という問いには、「文章のリズム」と答えていらっしゃいました。
なるほど10年以上前の執筆ですが、文章の核となる確かな背骨が感じられる気がします。
期待と不安、喜びと涙、これらが混在する愛すべきエッセイと思いました。小説で見られない親しみやすい側面を垣間見た印象です。多くの女性から共感を得るでしょうし、老若関係なく男性にも積極的におすすめしたい一冊です。
当たり前のことですが、子どもを産み育てることが如何に大変か、ひしひしと伝わりますし、夫婦間の相互理解の一助にきっとつながると思います。
Posted by ブクログ
妊娠中に読んだ!いろんな現実に向き合うことになるけど、やっぱりお腹の中の赤ちゃんに会うのがますます楽しみになった。
産後に再読!息子はいま生後6ヶ月。現実味をもってこの本を読むことができた。あるあるって共感するしたし、最後は涙、涙、涙
息子に出会えてよかったって心から思う日々に感謝
Posted by ブクログ
世代がかけ離れているので、自分とはずいぶん違うのだろうと思っていたが、妊娠、出産、育児は変わりようがないのか、「そうそう」などと思うことが多々ありました。
喜びや幸せ感は人それぞれだから、違うからといって共感できるできないなど感じることはないけれど、痛みに関しては、本当に人それぞれだと改めて思い出しました。
また、夫の育児への関わり方やそれを妻がどう思うかなど、リアルに思いそのままに丁寧に記されていて、まるで自分のことを書いてもらっているような気がするほどでした。
息子の奥さんにもおすすめしました。
Posted by ブクログ
これから親になる未来を見据えて読んだ本。妊娠・出産に関するお金や手続きといった現実的なところから感情の起伏まで、女性にのしかかるさまざまな負担を知ることができた。この本から男が学べるのは「男にできることは怒鳴られても罵られても黙っていること、金を稼ぐことだけ」ということである。
ただ、川上未映子が出産の不安や産後の苦労で旦那にキレ散らかしているのを「ホルモンバランスだから仕方ない」といった風に書いて夫に謝罪も悪びれる様子もないのは「気丈な女性」を通り越して不誠実だと感じた。
川上未映子の小説は抒情的でやや誇張された表現が多いが、このエッセイは軽いタッチで描かれており、関西のチャキチャキ感が出ていてよかった。
Posted by ブクログ
まだわたしには共感できる経験はしてないけど、言語化された感情に感動した。
子供を身籠る、出産する、育てることは奇跡である。現にわたしは授かるフェーズで奇跡を願わずにいられない。
正直、不妊治療を始めた今、この物語を読むことは少し勇気がいる。だけど、わたしの身の回りの妊婦の友達や実母の気持ちは知っておきたい。何かしら手助けができたらいいな、と思い読み始めた。
作者はユーモアを交えて壮絶な日々を描いており、読みやすかった。
子を産んだ後の夫への憎しみ(産後クライシス)に必ずなりそうだなぁとか思ってた。
どちらかといえば、夫に読んで欲しい。ジェンダーの観点からもぜひ彼に読ませてたい。