あらすじ
狂い出す若者たちの運命。
バブルとは何だったのか?
欲、たぎる地で迎える圧巻のクライマックス
時代はバブル全盛に。東京本社に栄転が決まった夫とともに上京した佳那は、ヤクザの愛人・美蘭のてほどきで瞬く間に贅沢に染まっていく。同じく東京にやって来た水矢子は、不首尾に終わった受験の余波で流転と波乱の生活がスタートする。やがてバブルに陰りが見え始め、静かに運命が狂い出す。
解説:山口ミルコ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
下巻。上巻を読み終わってから、バブルが崩壊したらどうなる!?と、気になって気になって一気読み。
望月は株の取り引きで暴力団や、怪しい仕手師と関わっちゃうし。
バブルは崩壊するからさぁ…堅実にいこうよー…って読者は思うけど、でも実際、バブル景気のときはこんな人たちがいっぱいいたんだねって思うと、もの悲しくなってくる。水矢子だけは、幸せになってほしいと祈るような気持ちで読み進めるが、上巻の最初に、水矢子がホームレスになっていることが分かっているから、こんなに堅実に、地道に頑張っているのにな、ととにかく悲しい気持ちで読み進めるしかない。
その辺、やっぱり著者はちゃんと狙って書いてるよね。すごい。
バブルはもちろん、見事に崩壊し、みんな転落していくわけだが、唯一救いがあるなと思ったのが、望月は本当に佳那のことを大切に思っていたんだな、と思えるところ。追い詰められて、どうしようもない状況になっても、一緒に過ごす時間がなくても心の中では、「どうか佳那だけは幸せに笑っていてほしい」と願っている。その祈るような気持ちだけは本物で、だからこそ悲しい。
書いてしまうと本当に陳腐になるが、幸せはお金では測れない、どんなにお金持ちになっても、それで幸せにはなれないんだということが、上下巻通して読み続けて身に染みて分かる。一番近くにいる人が大切だし、大切な人と笑い合う時間が大切だし、もし「誰とも一緒にいたくない」と思うなら、一人で気ままに過ごす時間が大切だし、それはお金がいくらあるかは関係ない。
でも、「もっとお金が欲しい」と思いながら努力する時間も大切だったりする。一緒に夢を見て、野望を抱いて、どん欲に仕事に励む時間は、けっこう尊かったりする。
望月と佳那はそれで結ばれたわけだし、水矢子はそんな佳那にあこがれたわけだし。
水矢子の佳那に対する思いも切なかった。
ほんとに、水矢子には幸せになってほしかった。頑張って、自力で道を切り開いてきて、つつましくても幸せな暮らしを一度は手に入れたのに、転落するきっかけはけっこうありきたりなものだった。ネタバレですが・・・・
結局水矢子は、母が作った借金の返済に追われて、幸せになれなかった。もっと他の展開はなかったのか?と桐野夏生さんを恨みそうになるが、もちろんこれも、あえてそんなあっけない、つまらないと言えばつまらない展開にしてあるのだろう。ここは、賛否が分かれるかもしれない。
読み応えありまくりの上下巻でした。
Posted by ブクログ
素晴らしいですね。装丁(外見)と小説(中身)、それぞれがお互いのやるべきことをきっちりやっていて、単体で見てもセットで見ても、素晴らしい完成度となっている。これほどまでに素晴らしい本の表紙がこれまであっただろうか。なんかそういう賞を受賞してほしいくらいです。
Posted by ブクログ
上巻から下巻にかけて一気に読み切り。
バブル崩壊後の暗い時代の急転直下部分が読み応えありました。
一落千丈、好事魔多し、勝って兜の緒を締めよなどなど色んな教訓が散りばめている内容。
バブル時代だけでなく人生の教訓になり得る内容かなと。
Posted by ブクログ
桐野夏生『真珠とダイヤモンド 下』毎日文庫。
いよいよバブル崩壊により、株で莫大な財産を築こうとしていた人たちの人生が狂い出す。
特に終盤の緊迫感は半端無く、この世には神も仏も居ないのかと思うような無慈悲な展開が待ち受ける。人を騙して泡銭を稼いだ者も、慎ましやかに堅実に暮らす者にもバブル崩壊の火の粉は同じように降り注ぐのだ。
そして、何と潔い結末。何も残さず、潔く全てを描き切った桐野夏生の手腕に感服した。
華やかな酒と薔薇の日々を過ごしていた小島佳那と、慎ましやかに堅実に暮らす伊東水矢子の2人の人生は……
小島佳那と結婚し、東京にある証券会社の本社の国際部に栄転した望月は九州のヤクザの山鼻と付き合いながら、互いに株で一儲けしていた。専業主婦となった佳那は山鼻の東京の愛人である美蘭と知り合い、東京ディズニーランドを一望するマンションで華やかな日々を過ごす。
望月はさらに金を増やそうと仕手筋の若手カリスマの亀田優成に近付き、山鼻に仕手株を勧める。
一方、東京の女子大に通う伊東水矢子は大学に馴染めず、住んでいるアパートの環境にも悩み、近所の女性占い師の南郷に相談する。
本体価格850円
★★★★★
Posted by ブクログ
ドリーム/フェイク
エピローグ
時々に良いと思える道を選んで来たのに
そんな筈のない場所にたどり着いてしまった
それは失敗だったのか成功だったのか
バブルの時 弾けた時
銀行には細々とした貯金、証券会社って何
どちらからも声はかからず
落ちなくて良かったのか
登り詰めれなくて残念だったのか
Posted by ブクログ
下巻も一気読み!バブルが弾けたことは知ってるので、破滅に向かってどう動いていくんだろうとハラハラしながら見届けた。この株の話とか、ほぼ事実に近いことが起きてたんでしょうね…。世代じゃないので、どこかよその国の話にも思えるというか、本当にこんな時代があったんだっていう…。雑誌の連載だったようで、飽きさせない展開、エンタメみ全開で楽しかった!
Posted by ブクログ
バブル期の証券会社や株という決して単純ではない題材をわかりやすく、疾走感あるタッチで描いている。ドラマを見ているかのように想像しやすかったし、とにかくエンタメを求めている方にお勧めしたい作品。
特に下巻で転落していくさまはかなり心にはくるが、登場人物が完全に良人でも悪人でもないというところがこの作品のミソだと思う。
一番の悪を描かず、、
小説としてとても読み応えがありました。文章が上手いのであっという間に読破できます。上巻はパーフェクトでした。ですが下巻では最後まで追及せずに途中で逃げた感が強かったです。グロテスクな描写が全くないのでそこはとてもありがたかったのですが、悪の中の悪が暴⚪︎⚪︎止まりになっていることに違和感を感じました。利権に群がる一番の人種は政財界なのでは?っと正直思っています。
Posted by ブクログ
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「運がどこまで保つか、
あんたが見届けてやんなさい」
狂い出す若者たちの運命。バブルとは何だったのか?
欲、たぎる地で迎える圧巻のクライマックス
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下巻では、
佳那と望月、水矢子が
東京に出てきてからが描かれています。
そしてバブルが弾ける。
本当にこんな感じだったんでしょうか。。。
途中から、これはホラーか?というぐらい、
怖かったです。苦笑
いや〜、すごかったです。
連休に読んで良かったです。
余韻がすごくてちょっと引きずりました。苦笑
全く株にもバブル期にも
興味、知識がありませんでしたが、
普通に楽しめました。
すごい!
さすが桐野さんの筆力。
ぐいぐい読めました。
Posted by ブクログ
バブルって聞くと
経験した人はいいよなーと思っていたけど
この本を読んで少し見方が変わった。
自分だったらどうしていたのか。
当時の親はどんなふうだったのか。
いろんな人のその頃の話を聞いてみたくなった。
終わり方は意外。
救いはないけど、
桐野作品にしてはどこか優しさを感じる終わりだった。
Posted by ブクログ
バブルが崩壊したとき、まだほんの子どもだったのでバブル時代の熱狂は全く知らないのですが、今作を読むとすごい時代だったんだなぁ…と改めて思います。
今作は、バブル期の証券会社を舞台にして、水矢子、佳那、望月という二人の女性と一人の男性の3人の半生を描いた作品です。
とにかくバブルの狂乱ぶりが恐ろしい…!バブル時代の証券会社はルールも罰則もなくてやりたい放題なのだ…他人や親族名義で勝手に株を買ったり…こんなの許されるの?と思うくらい滅茶苦茶で。その中で男たちは大きなお金を動かして得意になっているのだが、女性たちは女というだけで差別されて仕事をするだけでも苦労する上に、仕事が上手くいっても枕をしていると陰口を叩かれるのだ。
福岡で成功して東京に移り住んだ望月と佳那は次第に生活が派手で豪奢になっていき、最後破滅してしまう。
私はとにかく望月という男が苦手で…口八丁手八丁で上手いことを言って客に金融商品や株を売りつけるけれど、取引額が低い客は損しようが全く気にかけず、とにかく大物に取り入るためには何でもするみたいな性格で。
佳那が望月と結婚せず、水矢子と二人でずっと仲良く暮らしていっていればこんな悲劇は起こらなかったのに…と思ってしまいます。
読後、心がずーんと重くなりました。
Posted by ブクログ
登場人物の転落ぶりに引き込まれてあっという間に読んでしまった。
最後みやこも転落していくの辛かったな〜。
やっぱうまい話に乗っからず堅実に生きよう…
成り上がってキラキラした生活をしてその後失墜する話、人生に永遠はないことを突きつけられて悲しいし切ないけど結構好き。