あらすじ
バブルに呑まれた
女たちの〈青春残酷物語〉
実態なき熱狂の裏側を抉る傑作長編!
日本にバブルの兆しが見え始めた頃、二人の女が福岡・博多の証券会社で出会った。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出て暮らす夢を温めていた。美貌の佳那は男に夢を託しマネーゲームに身を投じ、生真面目な水矢子は、自力で脱出し、大学進学をかなえようとするが......。
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Posted by ブクログ
桐野夏生『真珠とダイヤモンド 上』毎日文庫。
始めこそ大昔の安っぽいテレビドラマを見せられているかのような感覚だったのだが、読み進めるにつれ知らぬ間にストーリーに引き込まれていった。
バブル前夜の証券会社に入社した2人の女性を中心にストーリーは展開していくのだが、バブル期を知る者は懐かしさを覚えることだろう。
自分自身もバブル期の中で就職活動を行い、意外と簡単に第一志望を含め、数社から内定を貰えたのだが、内定を貰った証券会社に断りを入れるのには難儀した。人事担当に断りを入れたのに何度となく、飲みに行こうとか、卒業旅行をプレゼントするから入社して欲しいなどと3月末までコンタクトがあったのだ。
バブル期の当時は証券会社や保険会社はかなり儲かっていたようで、証券会社や保険会社に就職した自分の同級生は半年で見る影もなく横幅2倍に肥えていたのには驚いた。
しかし、この後直ぐにバブルが崩壊するなど誰もが知らず、誰もがカネを使うことを躊躇せず、皆が浮かれていた時代である。
1986年春、対象的な2人の女性がバブル前夜の福岡の証券会社で出会う。貧しい家庭ながら短大を卒業し、2年後に上京することを夢見る目端が利く美貌の小島佳那と、貧しい母子家庭に育ち、東京の大学に通うために2年間、証券会社で働くことを決めた慎重派の伊東水矢子は何故か意気投合する。
そんな佳那に目を付けたのは同期入社のパッとしない望月という男性だった。しかし、望月は見る見るうちに大口顧客を獲得し、福岡支店で1番の売上げを上げ、佳那と結婚し、東京本社に栄転する。
一方、水矢子も第一志望ではないが、東京の女子大に合格し、晴れて大学生となる。
自分の本作のイメージは御伽噺の『うさぎとかめ』である。小島佳那がうさぎで、伊東水矢子がかめというイメージなのだが、下巻ではどのような結末が待ち受けているのだろうか。
バブルがはじけることは決定事項なので、調子に乗り過ぎた望月が佳那をも巻き込んで、奈落の底に堕ちていくのではないかと思う。そして、堅実な伊東水矢子の方はバブルの痛手は受けないのではなどと予想したりする。
本体価格900円
★★★★★