あらすじ
人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな――。ひどく損壊された6人の少年の遺体が発見されると、社会はその事件の異様さに衝撃を受けた。大学の生物学科で蝶の研究をする榊史朗は、蝶の世界を渇望するあまり、息子を含む6人の少年たちを手にかけたと独白する。蝶に魅せられ、禁断の「標本」を作り上げたという男の手記には、理解しがたい欲求が記されていた……。耽美と狂おしさが激しく入り乱れる、慟哭のミステリ。
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Posted by ブクログ
非常に美しい作品だった。ストーリーが綺麗な作品、展開が面白い作品、それぞれどこかに秀でた作品はたくさんあるが、今回はそのどれをとっても秀でていると感じる作品だった。おそらく別の人の感想もストーリーだったりミステリーだったり表現だったりと、高評価はさることながらその評価する点は様々なのかなと想像する。読書初心者にも玄人にも一度読んでみたら?と素直に推せる作品だった。
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あまりにもおぞましすぎて、途中で読むのを止めようかと思ったのは初めて。どうしてそうなったのかが気になって途中休憩を挟みながらも完読。
真実だと思ったのものが何度も覆されてその度に驚愕していたのだけれども、最後の最後まで結局物語の起点、要因となったのは誰なのか、何なのかがはっきりとはしなくて、永遠に誰のせいなのかという気持ちになる。
モンシロチョウくらいしか蝶の種類を知らなかったのだが、さまざまな特色を持つ蝶が描かれていて、写真を見なくても簡単に想像できた。
かなり絶望的な物語だと感じた。
最後に救われるかどうなのかと聞かれたら、かなり悩む。全ての登場人物は救われないが、ある1人は救われたのかなとも思う。
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犯人はあなただったのかという展開から、父が子を庇う悲しいミステリーからのさすが湊かなえといった展開。イヤミスだなあ。
標本についての書記は想像すればするほど禍々しくグロテスクで蝶の世界に引き込まれるようだった。
読んでよかった。
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倒叙ミステリーかと読み始めたところ、幾重にも重なった愛と罪が徐々に詳らかになる中盤からのドンデン返しの展開は圧巻でした。
この作品に出会えたことに感謝を。
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この読書体験もヤバかった。
ラストは思わず涙がにじんだ。
感動なんかじゃない。心から込み上げるどうしようもない感情をどう表現するのか。
さすがは湊かなえ。イヤミスの女王。とことん読者を突き落としてくれる。
ほんとにさ、
ボタンのかけちがいだったよ。
SNSの章では見事に伏線回収をしてくれた。
人より見える色が多い留美。そして至。
こんなのお母さんじゃない。
その発言の意図は私は至と同じ解釈をしてた。
だけど、そうじゃなかったね。
留美は見えるものしか見てなかった。
言葉も当然、そのままに受け取っていた。
人間標本。
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ドラマを観た後 原作を読み終えました。
後味の悪さは 湊かなえ作品の中でも上位に入ると
私は思います。
グロいですけど ストーリーに引き寄せられて
夢中で読みました。
ドラマも完成度が高く原作と ほぼ変わらず
少年達の美しい姿に魅了されました。
蝶が嫌いになった人増えたと思います(笑)
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どんでん返しの連続で最後の最後まで楽しめる作品でした。人間標本という名前の通り芸術を見せてもらったような読後感です。
芸術と理性の境界。
芸術で個の価値観を内から外に放ちたい衝動にかられたとしても、そこには理性やルール、モラルといった境界線があり、何でも許されることではない。
ましてや殺人を犯してまで表現したい芸術とは何か…。
ただの「殺人鬼」と一括りにできない、芸術家として人と違う感覚の先を少し垣間見た気がします。
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再読。最初に読んだときは、湊さんの挑戦的なテーマへの取り組みに目を惹かれた。2回目は父と息子、母と娘、芸術への執着といった面により深く感じ入った。映像化も挑戦的すぎて観るつもりはなかったが、巻末の特別対談を読んで観てみたくなった。
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久しぶりに湊かなえの書籍を読みました。
何冊か読んだことがあり、「告白」が最初にして最高に面白いと思っていましたが、
同じぐらい面白かった!
標本の作成過程の描写はなかなか生々しいものでした。
最後の方まで期待させる展開の作り方はさすがだなと思いました。
Posted by ブクログ
面白かった、と言っていいのか、悲惨さ、人間の業…
ニアミス湊かなえ、久々に読んだが文句なしの星5つ
この想像力はどこから来るのだろうか?
怖いし、どんでん返しに次ぐどんでん返し…
最後は涙が出てくる
それを映像化したアマプラ、絶対観なくては!
蝶博士の榊史郎の手記から始まり、至の自由研究、その間には読者に寄り添うようにSNSより抜粋、と構成もとてもにくい!すっかり騙され最後は涙がでてきた
一気読み、久々の湊かなえは、裏切らなかった!
『ただの殺人が、究極の芸術のための必然な行為となる思考の変化を「人間標本」に綴っていたじゃないですか。実際には至のしか作ってないのに。画家でもないのに。文章を読んで、私の頭の中はまさにこの状態だったのだと納得し、エスパーじゃないかと、おそろしくなったくらいです』
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蝶を標本にすることに魅せられて
人間の標本を思いつく??
蝶の目の見え方を想像してみる
正解は蝶にしかわからない
子供から大人への道の中で
思いついたこと 考えたことが
混然となって今の自分になっている
沢山の分岐点を過ぎて行くうちに
どんな私になっているのだろう
Posted by ブクログ
半日で読み終えてしまった。
単行本として出版された頃からずっと面白そう、読んでみたいと気になっていて、今回文庫本が出ているのを書店で見つけて迷わず購入。
何年経っても、湊かなえさんの小説がいちばん好きだ。
いったいどんな風に生きていたら、こんな物語が思いつくのだろう。
今までの湊かなえ作品の中で群を抜いてグロテスクだった気がする。猟奇性があまりにも現実離れしていて、感情移入することはできず、どこか遠いところから彼らの生き様を眺めているような、そんな視点で読み進めていった。
前半は、榊史朗が人間標本をつくるに至った経緯が、手記のようなかたちで記されている。グロい。私は比較的グロいのに耐性があるので、読みごたえがありとても面白いと感じた。
後半で、今まで見ていた景色が180度ひっくり返る。すごい。登場人物たちの思考は理解し難いが、このどんでん返しのおかげで中だるみすることなく、最後まで一気に読むことができた。
親が子を、子が親を思う気持ち。それ故に誰も救われることなく、湊かなえ作品を読んだ時にしか味わうことのできない、なんとも言えない感情になった。
久しぶりにこの感情と出会えて、今日はとてもいい日だった。
Posted by ブクログ
蝶の世界が見える目を持つ天才芸術家と、その目を持たないために親からの鍾愛を受けずに育ってしまった娘、「人間標本を作りたい」という発言によって業界から干されたかつての画家と蝶博士と呼ばれるその息子、さらには孫に至るまで...
それぞれの出会いが、思い違いが、そして小学生が作ったガラクタのような標本がきっかけとなって、各人の惨憺な人生が導かれていく、蝶を題材に、まさしく“バタフライ効果”を描いたような一冊。
途中、猟奇殺人者に対するSNSコメントを抜粋しただけの章が挟まるのも、現代社会に於ける無秩序な憶測と攻撃の民主化、それによって間々起きてしまうような痛ましい事件たちを揶揄しているのかな、などと想像した。
Posted by ブクログ
善悪の境界が静かに侵食される感覚が恐ろしい。
作者特有の語り口が静謐さを保ちつつ、読者を容赦なく冷徹に突き放す。
真実が語られたラストがとてつもなく辛く哀しい。
Posted by ブクログ
読んだ後のモヤモヤする感じ、さすが湊かなえさんだなと思いました。
作中の残虐な行為が目を引きますが、その中で芸術家の生み出す者の苦悩であったり、親子関係のなど、人間の感情が描かれていて心に残る作品です。
Posted by ブクログ
流石湊かなえというか、スッキリまとまってて読み易くて面白い!何より「人間標本」という残虐な題材なのに、読後の余韻が切なくてびっくりした。グロテスクでセンセーショナルな題材を取り扱っているけれどこの本の主題はそこじゃない。芸術に取り憑かれたアーティストの狂気に巻き込まれた被害者たちの話であり、父と子の話であり、親と子の話である。
何も悪くないのに事件の根本の原因となってしまった父。その父の描いた四原色の世界に取り憑かれて狂ったアーティスト、留美。その留美からの愛に飢え、どうしようもなくもがきながらも母を拒絶できず、その狂気的な計画に手を染めさせられた娘・杏奈。その杏奈を見捨てられず、犯行に手を貸した息子・至。心優しい彼は凄惨な犯行の現場を不運にも目撃してしまい、人間標本の作成に手を貸さざるを得なくなった。しかしいたって普通の善性を持ち、優しさを持った彼は自分の犯した罪をそのままに出来なかった。だから最後に父に願った。自分をせめて標本にしてください。他ならぬお父さんの手で、自分を一番綺麗なまま残してくださいと。
作中で何度か真実が裏返り、どういう結末に向かっていくのかとハラハラしながら読んでいたが、最終的にこんな綺麗な父と子の愛に着地するとは思ってもみなかった。これだけの犯行をさせられたのに結局母からの愛も関心も得られなかった杏奈ちゃんとの対比で余計に胸が詰まる。作中の誰も幸せになってない凄まじい胸糞話のはずなのに、読み終えたあとの切ない余韻はなんなのか。あまりにも不条理で救いのない状況の中、それでも息子の願いはかなえられ、父はせめてもの救いを息子に提供できたのだ、というのがほんのわずかな慰めになるからか。なんとも不思議な読書体験でした。
Posted by ブクログ
こうなるとは…
湊かなえ、さすがです。
娘も春から美大へ進むのですが、作品のために、自己の表現のために、自分を救うために、ここまで命をかけられるのだろうか…
芸術って、際どいところをバランスをとりながら歩いてゆくことなんだなと思った。
Posted by ブクログ
すごい面白かった。
標本を作っている描写はちょっと気持ち悪かった。さすが湊かなえさん。
そして後半からどんでん返しに次ぐどんでん返し。
全く読めないラストですごい面白かった。
Posted by ブクログ
すぐにサイコパス本だと分かる。表現がわかりやすく、読みながら想像がしやすいのでグロテスクさがより感じられた。途中はサイコパス感満載で最後まで読むと驚きの展開になる。面白く読めたのでおすすめ。ドラマも配信されたから観てみようと思う。
Posted by ブクログ
人間を標本にするというグロテスクなのに、芸術性を感じさせる小説。
蝶に魅せられた研究者は、なぜ暴走したのかと読み進めるが、話は思わぬ方向に。
グロテスクな描写は苦手だが、続きが気になり、途中から読むペースも上がった。
力作でした。
Posted by ブクログ
芸術と猟奇的殺人は紙一重なのかもしれない。
残酷かつグロテスクな描写なのに、なぜか美しく惹かれる殺人手記。
どのように人間標本が作られたのか、男子それぞれにイメージされた蝶を調べながら読むと納得感が増します。
自白から始まるが、読みすすめると…。
さすがイヤミスの女王。
Posted by ブクログ
プライムビデオの広告でみつけて、アクリル板ケースに入った映像が気になって小説を読みました。
6人の標本の説明がやっぱり文字だと分かりにくいと思いました。
史朗が息子を殺してしまった後に、後々発覚する事柄が、史朗、至の立場でもやるせない気持ちになった。
Posted by ブクログ
かなりサイコ。イヤミスというよりエグミスという感じ。描写としてはそれほどグロくないが、これを映像化するのはかなり攻めてるな。怖いもの見たさで見てみたい気もするけれど…
Posted by ブクログ
蝶の名前が長くややこしくて、しかも何種類も何度も出てくる。申し訳ないが蝶の説明文については飛ばして読んだ。別に飛ばして読んでも問題なく読み進められるので、カタカナ蝶々の下りに疲れる人は飛ばして読んでもストーリーは破綻しません。人間の登場人物も多いと思う。被害者である5人の青年に含め(各々説明とイメージとして当てはめる蝶の説明があるので長尺だと感じる)主人公の3世帯、、ルミやアンナの方の家族もあるのでメモしておかないと忘れます。
映像のほうもあとから見ましたが小説より映像映えする作品でしたね。
二転三転するようなストーリーでした。驚きはあるけど、登場人物全員に感情移入ができない。
主人公も息子があんなことしたと思いこんだからってそう簡単に実行できるでしょうか。切ないというよりはなんだか愚かで可哀想。