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人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな――。ひどく損壊された6人の少年の遺体が発見されると、社会はその事件の異様さに衝撃を受けた。大学の生物学科で蝶の研究をする榊史朗は、蝶の世界を渇望するあまり、息子を含む6人の少年たちを手にかけたと独白する。蝶に魅せられ、禁断の「標本」を作り上げたという男の手記には、理解しがたい欲求が記されていた……。耽美と狂おしさが激しく入り乱れる、慟哭のミステリ。
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Posted by ブクログ
「犯人」視点のレポートという形式だからこそ、表現がとても生々しく、まるでその場を実際に見ているかのような感覚にさせられた。手を下した犯人の胸の内に秘められた歪んだ思いや狂気が、読者にダイレクトに伝わってきて、思わず鳥肌が立つ。
また、「人間標本」という作品をめぐって、手を下した人、手を下してしまった人、手を下されたい人、手を下したかった人など、それぞれ異なる立場の登場人物が描かれており、その心情描写も読み応えがあった。登場人物たちの思惑が交錯することで、物語の真相を想像する楽しさもあった。
真犯人については、設定からある程度予想できていたため、正直なところ大きな驚きはなかった。しかし、そこに至るまでに張られていた伏線の回収が秀逸で、答えを知った後に読み返すことで新たに気づく部分も多かった。気づけば同じ箇所を2、3回読み直してしまうほど、巧みに仕掛けられた作品だった。
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