あらすじ
「普通」とは何か?
現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作
36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、
「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。
「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。
ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。
累計92万部突破&20カ国語に翻訳決定。
世界各国でベストセラーの話題の書。
解説・中村文則
コンビニのアルバイトとして18年働く、独身女性の古倉恵子36歳。
週5でシフトに入り、勤務態度はマニュアル通りの”正しい”対応。
店長から重宝され、同僚ともうまくやっている、はずでした。
新入りのアルバイトが入ってくるまでは…。
かく言う私もコンビニ店員として4年間働いていました。
正社員、歳の近い学生アルバイト、日中に働く40代の主婦、未婚(恐らく)の30歳以上の謎の人。
日本社会の縮図かと思えるほど様々な人がいますが、それぞれ自分の価値観で相手をみていて、
「自分こそが主人公」だと思っているはず。
本作は、「コンビニ店員である自分こそが、普通で正しい主人公」と考える恵子の主観が鮮明に描かれています。
「なぜコンビニ店員なのか」。これが神髄だと思います。
目まぐるしく変わる衝撃展開に魅了されたいあなたも、
世の中の“普通”について考えを深めたいあなたも、
1~2時間でサクッと本を読みたいあなたも。
世界各国で読まれていることからも、作品の魅力は語るに及ばずですが、
皆様に1度は読んでいただきたい名作です。
感情タグBEST3
共感しかない
冒頭から難しい描写が一切なく、
全ての言葉、文章が読みこめ、コンビニで働く自分を見ているようでした。
幼少期から周りと同じでなければいけないという
呪縛、皆と違うと変わった人と思われ、削除される「村社会」をストレートに描かれています。自分の思いを発言し皆に驚かれる描写は、私自身がいつも感じている違和感を具現化してくれました。ストーリーもこちら側の人間には「わかるわかる」と頷ける事ばかりで、普通に生きている人には衝撃かもしれません。賞を取るにふさわしい作品でした。1時間で完読しました。
すごい!
普段読書などはしませんが、何かでおすすめされていて気になって読んでみました。
そんな自分にもスラスラと読めて、とても楽しめる作品でした。
そしてたまには読書もいいなと思えさせてくれました!
Posted by ブクログ
朝井リョウの「正欲」を読んだ後にコンビニ人間を読んだのもあり、多様性の解釈がしやすかった。
主人公の言動の「普通じゃない感、異質な感じ」が少し気味悪く感じた私も多数派の人間なんだなと思い知らされた。
Posted by ブクログ
1文字も取りこぼしたくない作品
淡白で無機質な世界、『コンビニ』で生きる主人公とその周りを取り巻く個性的な環境。
こんな世界観の中でも物語の迫力と目まぐるしさを感じ色彩を感じるよう。
あっという間に読める、現代世界を切り取っているようにも思える作品
Posted by ブクログ
✶感想↓
鬱に苦しみ社会のいう''普通''から離れたり、コンビニバイトを経験したことのある私は共感だらけだった。
✶印象に残った言葉↓
「普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ。」
「皆、変なものには土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている。私にはそれが迷惑だったし、傲慢で鬱陶しかった。」
Posted by ブクログ
ずっと気になっていて、やっと読めました
社会的に「普通ではない」と言われる人がいますが、その人がその人として在るだけなのに、アルバイトという身分であることや結婚してないことなど、表面的な部分を見て周りが騒いでいるだけにすぎないのだと思いました
あと白羽は生理的に無理すぎる。けど、言っていることが完全に理解出来ない訳ではありませんでした。
Posted by ブクログ
4.5
コンビニの解像度が高い 自分も半年バイトしててマニュアルというかパターンで働くのが好きだった
普通の人間として生きる事の恐怖みたいな 視点が素晴らしいと思った人には色んな事情があるので好き 勝手生きていこう
Posted by ブクログ
2026/02/07 読み終わった
イギリスで流行っている日本文学読むキャンペーン。柚木麻子さんに続いて。
1日で読み終わった!
どうやら俺は、周囲と違う主人公が、それに悩むという話よりも、それが何?と言わんばかりに堂々と変な行動をしている方が楽しく読めるらしい。もちろんこの主人公も悩みはあるのだけども。そういう意味で成瀬シリーズに近い読後感もあった。
一方成瀬と決定的に異なるのは、話自体や結末は全く一般的なハッピーエンドではないこと。むしろ1984や素晴らしい新世界みたいな、ディストピア然として終わる。これも、現代日本でしかもコンビニという日常の舞台に立っていた読者を一気に引き摺り込む感じがしてよかった。
匿名
難しい言葉はひとつもなく、とても読みやすい本でした。読み終わるのも一瞬で、そこまで長い話ではないが、この短い話の中でとても考えさせられるものが多くありました。人生のうちに一度でいいから読んでみてほしい本のひとつだと感じます。
「普通」とは?
普通とは何なんでしょうか
普通に学校に行く?普通に友達を作る?普通に就職する?普通に結婚する?普通に子供を産む?私も様々なことに違和感を感じながら生きてきた人間なのでこの本は非常に面白かったです。
なぜ他人の人生にそこまで関心を持てる人が多いのか、いつも不思議に思います。
私は普通がつまらないです。変なやつでいたい。
きっとまた読み返します。そのくらい好きな本でした。
読みやすいが考えさせられる
読みやすい文章で、忙しい時でもサクッと読めました。
周りと同じでなければいけないという小さいころからの空気に疑問をもつ主人公、
彼女自身の考え方を見て、こういう人もいるのかと、改めて勉強になったと思います。
オンリーワンの大肯定
現代日本の同調圧力による生き辛さを一蹴する好著である。
評価の分かれるラストシーンについては、コンビニバイトの行かず後家である主人公古倉恵子が、他人の目を気にし過ぎず、自分の納得できる生き方に進むことを示唆したもので、オンリーワンの生を大肯定するハッピーエンドと捉えたい。
また、本書はラノベのようにエッジの効いた会話やコンビニを水槽に見立てるなど文芸作品らしい表現技巧に優れ、ぐいぐい惹き込まれつつ読んだ。
一気に読んだ
面白くて夢中になって読んでしまいました。偏った思考だし、共感できるような事はなかったのですが、何故かこちらが救われるような気がしました。
おもしろい
読後の最初の感想は、「今っぽい話だなぁ」でした。
私は小説を頭の中でしっかりと映像化する癖があり、俳優さんや女優さんを当てて読みます。そうすることでより入り込めます。
今回の主人公は黒木華さん、店長は長谷川博己さん、など。
主人公は周りとは少し"違う"という幼少期をすごし、極力自分から何かを発さないように過ごします。
ゆくゆく自分が"違う"部分を治すのではなく、周りの"普通"な人を真似てあたかも同じかのように振る舞い生きていく。
それが非常にスムーズでやりやすいと感じたのが、コンビニ。
"古倉さん"という店員として存在し、幼少期がどうだとか考え方がどうだとか、主人公の感情や生き方など誰も気にしない。
品出し・レジ・掃除など必要とされていることを必要な分こなすという生活を35歳まで、アルバイトのまま、未婚で、続けます。
そもそも、この「誰も気にしない」というのは"普通"の人なら寂しく感じることだろうと思うけれど、主人公はその環境が心地よく感じています。
今まで"違う"ということを押し付けられていたがために、コンビニの一部になれていることに幸福を感じている。
正直、今は社会でもプライベートにまったく介入しないというのがむしろ良しとされる風潮がありますよね。
若者に多いのが
有給を取る理由を言う必要があるか?
恋人の有無を教える必要があるか?
オンライン会議では部屋を映さない とか。
何かとハラスメントでネーミングされます。
主人公のと訳が違うのは大前提ですが、
「迷惑をかけているわけではないのだから放っておいてくれ」というのは、今っぽいですよね。
白羽は迷惑かけまくってましたけど。
といった感じで、そのリアルな社会の感じが気分を暗くさせます。
それだけ入り込めるということだと思います。
いくらでも書けそうなので強引に締めました。
あと書いておきたかったのは途中で一瞬出てきた"主人公の成れの果て"の男性です。
お客の癖に商品を整理したり客の列を正したり。
白羽に促されるまま就職してしまったら、ああなっていた。
だから主人公の判断は正解で、ハッピーエンドだと思います。
読みやすくて
一気に読みました。発達障害者と思われる人物がコンビニで有能なバイトとして働く様子、ラストの決断に、ロッカーや正社員のふりなどは非常識な行為ではありますが、社会に大きな迷惑をかけるでもなく、この主人公がいきいきと輝ける場所があることを嬉しく思いました。
面白かった
面白かったです。
ただ、この話をどうとらえたら良いのかは難しいですね。
読んだひとそれぞれに思うところがあるでしょう。
良いとか悪いとかの話ではないでし。
ともかく、できるだけ多くのひとが下記のことに気づいて欲しいものです。
絶対的な善悪は存在しないこと。
生きることに意味は存在しないこと。
人間の行動はすべて自分のためであること。
(人のためにしていることであっても、
その人が心のそこから相手のためだと思っていたとしても)
世界中の人間はすべて別の生き物だということ。
悲哀を拒否している
アプローチが違えば、もう少し掘り下げられる気がする、
と読後に最初は考えた。
あまり異常な人の、突飛な行動で脚色して読者が面白がる作り方(構造)は、
これみよがしで共感も得がたく嫌だな、と思ったが、
深く考えてみると、演出や脚色が大袈裟なだけで、
こんな人はいくらでもいるのではないか、とも後で思った。
私の身近な職場にもずっとフリーターで生きている40歳オーバーが何人かいるわけで。
ただ、作者はそういう人を描きたいわけでなくて、
どちらかというと描きたかったのは、
主人公(多分作者の内面の一部)のある種の純粋さ(短絡的傾向)だと思う。
つまり、何がいけないの? と。
『主人公は』普通でありたいだけなのに、と。
間違ったことは何も言っていないと。
言ってしまえば、主人公はただすごく真面目に働いていて、
すごく真面目に質素な生活をしているだけの人ですよね。
ずるさもなく、欲もない。誰も傷付けない。周りが理解できないだけ。
肉親が哀しめば、合わせようとさえする。
独り身が悪いわけがないわけで。
それが、パブリックとプライベートの切り分けをして生きている世間の人たちからすると、
残念ながら受け容れられず浮いてしまう。
ただし、そのへんを悲哀に持っていかないのは、
作家としてそういった視点をもしかしたら
拒否しているのかもしれない。
言い換えれば、それは怒りではないかな。
やっぱり間違ったことは何もしていないわけですよ。
結婚なんて、したい人がすればいいわけで(私は妻子がいますが)。
それらを考えると、作者が主人公をかなりの変人のように描いたのは、
ある種の皮肉かもしれませんね。
そこまで考えると、大変良作だと思います。
私も作者と同じく、個性と言いながら異質なものを平均化しようとする世間は嫌いですね。
人間らしさってなんだろうと思う
人間らしさってなんだろうと考えさせられる作品。人の目をつい気にしてしまう人にはとても刺さると思います。題材は結構重いが、結構サクサク読めます。おススメです。
まさか、こんな内容とは
芥川賞を受賞した作品として知ってはいましたが、題名からライトな内容だと思い込んでいました。
誰かの普通は誰かの普通じゃない、そんなの当たり前だと思っていたけど、それこそ普通じゃないのだと思い知らされた感じです。
2人以上人が群れると、時として怖くなる。
普通圧力か…
深呼吸ができる場所で暮らしたいし、一緒にいる人には深呼吸させてあげられる人になりたいです。
Posted by ブクログ
冒頭の主人公の話で心掴まれてから一気に読み進めちゃいました。
人それぞれ向き不向きがある。
いろんな人がいて世界は回るんだ。
ちゃんと自分の居場所があって、
自分で居心地がよければ人になんて言われても。
自分の基準を人に押し付けない人でありたい
Posted by ブクログ
昨年「世界99」を読んで面白かったので、遅ればせながら手にとってみた。作者ならではの不気味な登場人物の解像度に引き込まれるが、生きづらさを感じる人にとってある意味、ハッピーエンドといってよい結末に凄みを感じた。
Posted by ブクログ
芥川賞受賞してから10年かぁ。いまだに本屋さんの店頭でよく見かけるので、読んでみることに。先に韓国小説『アーモンド』を読んだせいか、「主人公、似た感じかな」と思ったけれど、違った。私自身、主人公の古倉さんにはなれないけれど、彼女の話は聞いてみたいと思った。でもきっと、友人にはなれないな。だから、一緒のコンビニで働いて、話を聞かせてもらって「そんな感じなんだ」となりたい、と思った。芥川賞は、『推し燃ゆ』を少し前に読んだけれど、生きづらさにヒリヒリする人間を描いているのは同じだった。どちらも、主人公の人生の一部分を切り取って、ハッピーエンドなのか、アンハッピーエンドなのか分からないけれど、今回もやっぱり今後の幸せを願ってしまった。
Posted by ブクログ
あまり期待もせず読み始めたら、これが面白い!感動はないけど興味深い。途中で読むのを止められないし、しかもサラリと読めてしまう。引きずり込まれるというのかなー。周りに馴染めず生きづらい女が居場所をコンビニのバイト生活に見つける。が、お年頃になるとそこでも不協和音が生じ始める。というだけの話なんだけどね。コンビニにはコンビニの音があり、匂いや空気がある。その日の天気や温度によって売るものを決め、季節や行事に沿ってキャンペーンを打つ。そのひとつひとつがコンビニ人間には染み付いてるんだなぁ。
幼い頃から人とは違う考え方をし、(可愛い生き物を食べ物として見たり、喧嘩を止めるためにスコップで片方の男子の頭を殴ったり)怒ったり泣いたりという感情に乏しい女の子。学校では居場所を見つけられなかったけど、コンビニでバイトを始めてからはマニュアルに則って動くので重宝がられ、一緒に働く人たちの喋り方や持ち物をコピーしていれば他から浮くこともない。音も空気も自分に合ったリズムで動き、心地よさを感じていたはずなのに‥年齢が邪魔をした。35歳になり「ちゃんと就職しないの?」「彼氏いないの?」「結婚しないの?」そんな言葉で追い詰められる。
そんな煩わしさを避けるため、仕事しないで文句ばかり言ってるダメ男(そんなクズにもイラつかない)を家で飼う(?)ことにすると、周りは良かったねと祝福してくれた。それが「普通」ということなのだ。なんだか荒唐無稽な話だけど、本人はいたって真剣。
就職しないで20年近くバイトで暮らしているのは異常なことなんだろうか。結婚もしない、パートナーもいない女は普通じゃないんだろうか。多様化の時代というけれど、太古の時代から(白羽君のいうところの縄文時代から)人間のの常識は変わらない。なんとかそれに合わせて生きていくしかないのだ。
Posted by ブクログ
社会に適合するってなんなのか考えさせられた。
主人公は異質な存在で、私たちが普通にやっていることができない。社会の仕組みを、システムとして理解してマニュアル化してるのがおもしろい。
Posted by ブクログ
薄くて、半日もかからずに読めたけど、白羽が嫌な奴で後味悪かった。けど内容はおもしろくて、主人公と同じことしてる時あるし、理解できるところも多くて最後まで楽しく読めた!忙しくても読みきれるからおすすめ✨
Posted by ブクログ
短いから読みやすいが、あえて平易な文章に作者の力量や世界観を感じさせるようになっていると思う。主人公に共感するのは難しいはずだが、どこかこの理解できない、理解されない特性を持つ主人公に不思議と愛着すら湧く。現代の社会性や世相の反映といったありきたりな読み方を連想しやすい本書だが、主人公のひたむきさと、それに相反するような非社会性の両立は読者自身への問いかけのようにすらみえる。
Posted by ブクログ
2026/03/16
36歳未婚の女性が主人公。
コンビニでずっと働き、周りから「普通」を強要されるが、自分にとっての普通はコンビニ店員として働く事と気付いて働く物語。
周りからの目線、評価だけで生きる事を今までしてきた自分にとって、新鮮で自分の生きがいを改めて考える本だった。周りの意見は関係ないと思いたいが、なかなか自分の意見だけで生きていく事は難しい。自分のやりたい事、生きがいは何か?普通って何か?を考えなおして、うまく世渡りしていかなくては、世間の”普通”として生きていけないと思った。
環境によって自分自身が作られているのは本当にそう思う。身なりも話し方も考え方も。いい人の周りにはいい人が集まる様に。だからこそ新しい出会いは難しいのだろう。すでに良い人がいるのに新たな繋がりは必要ないと思ってしまう。でも新しい出会いがないとなかなか新しい価値観を手に入れることは難しいだろう。いい距離感で価値観を取り入れられる様に人付き合いをしていきたい。
孤独なまま歳をとると、周りに言い訳を重ねながら生きていかなくてはいけなくなってしまう部分があるのかと思う。特に今感じる事はないが、独身として歳を重ねる事の怖さを少し感じた。
自分の意見を持つ事は素晴らしい事だと思う。が、それを他人に強要する人間にはなりたくない。
Posted by ブクログ
コンビニで働く中年の独身はなにか問題があるのではというなんとなくの共通認識がここまではっきりと書かれている衝撃がすごい
読み進めるたびに居心地が悪いのに、読む手が止まらない
うまく言語化できないが、主人公の周りの人がいう発言、価値観や押し付けが悪意のように見えてしまって、自分もその悪意ある価値観を持って人を見ていることに気づいてしまった
主人公のように自分を形成する何かに出会えることは普通じゃなくても幸せなのだろう
Posted by ブクログ
社会が求めるのは「共感」か「結果」か?——主人公と白羽の対比から考える
一般的に「正常」とは、共通する感覚をある程度の許容範囲内で持ち、そこからはみ出していない状態を指す。その範囲から逸脱した人間は「正常ではない」と見なされる。
本作の主人公は、この正常な範囲から外れた感覚の持ち主だ。彼女の特性は、一般に「アスペ」と称される人々の抱える違和感に通じるものがあるのではないだろうか。
普通に社会生活を送っている人の中にも、「この感覚は自分には理解できない」と思う瞬間があるはずだ。もし自分がその「理解できない側」だったとして、普通の人がどう感じるかを知識として学び、特定の場面でその知識に基づいた行動をとることで、周囲からの排斥やヘイトを回避しているのではないか。
自分が周囲とズレていること、そして一般的に「普通」とされる感覚を持っていないことを自覚できれば、あとは知識を蓄えて訓練することで、人間社会に溶け込むことは可能なのだ。
主人公は、マニュアル化された動きを完璧に模倣できる。それはまるで、人工知能が人間の感情を擬態するかのように、「コンビニ店員」というマニュアルに従って擬態している状態に近い。
彼女自身は知力や実務能力に問題がないため、店員として十分な役割を果たせている。
一方で、白羽という登場人物は、一般的な感覚こそ持ち合わせているものの、社会から求められる役割に対し、自分に何が足りないのかを把握する知力や、能力を身につけるための訓練、忍耐力が欠如している。その結果、彼は社会から弾かれてしまう。
この対比から、社会が重視しているのは「実際に同じ感覚を共有しているか」ではなく、「共有しているように振る舞えるか」という「結果」なのではないかと考えさせられた。
Posted by ブクログ
「皆、変なものには土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている。」かっこよすぎて痺れたとにかく白羽が受け付けない。どんな見た目か想像もしたくない。特に白羽がバイト辞めさせて求人探してるのはきもかったし読んでて苦しかった。店長とか他の店員の態度が変わって周りの人達にも影響していくところ鳥肌たった。普通の人間しか認めないし、人は周りの人間や環境から作られるんだなって。人間汚すぎ
考えさせられた
普段全く読まない小説、純文学でしたが、とても読みやすかったです。社会、普通、異質、圧力…すっと全身に入ってきて理解が広がっていくようでした。主人公に今の自分が重なって、胸が苦しくなりました。
匿名
社会が求める「普通」という名のコードとの距離感の問題はある人にとっては問題とも認識されず、またある人は完全にそれに同化してそのコードを拡大再生産する尖兵ともなり得るが、本作の主人公にとってはそれは対象として認識は出来つつもそのようには振る舞えない。一方で「コンビニ店員」としてのコードは完璧に振る舞うことができる。対して白羽にとってそのコードは自身を攻撃してくるのもでしかなく、と同時にそのコードを使って他者を攻撃してもいる。矛盾しているようでいて実際にはこのような人は多く見かける。
コンビニの他の従業員や地元の旧友、そして主人公の妹などは、彼らの価値体系(と言ってもそれは彼ら自身の頭で作り出されたものではなく社会が求める普通という規範であるが)からすると理解不能な主人公を、自身の理解可能な地平に持ってきてジャッジしようとする。そして「叱って」異物を排除して、内部の、「こちら側」の結束を固めようとする。
理解不可能なものを理解不可能なものとして理解する知性は多くの人には無いのだ。
普通って何?
個性が強すぎると敬遠され普通じゃないと言われ淘汰されていく。主人公は妹に助言を求め普通の人間に近づこうと外見や話し方を変えていく。そうしないと生きていけない。ただただコンビニの仕事に24時間精神も縛られてないと崩れてしまう。
毎回縄文時代を語る白羽さんとの出合いは彼女にとって普通になれる事だったのか?社会不適合者だったかも知れない彼女がコンビニ店員に身を置くことで社会の歯車に成れたと感じられればこれからも頑張れるのだろう。普通とは?と考えさせる一冊でした。
想像の斜め上をいく展開
友達に薦められ、書評を読んでから購入しました。
ありきたりの人間の苦渋を描いたストーリーかと思いきや、想像の斜め上をいく展開に驚きながら一気読みしてしまいました。
色々な人の生き方。これからの社会の多様性のあり方を考えさせられました。
普通という脅迫
知らずのうちに普通を演じ普通を強要している社会で主人公はコンビニというパッケージされた社会の歯車の中で生きていて、
主人公は結局、普通を消化してしまったのかしら。
それとも選び取った選択だったのかしら。
最後に賛否が分かれるけども、その意味を考えてしまうわねー。
せつない
コンビニ人間って何?
と思い興味本意で読んでみました。
現代の若者の象徴である就職難民からのコンビニバイト。
自分の娘や孫もそうなる可能性はゼロではないと思うと切なく、この様な社会にしてしまった大人達に是非読んで欲しいと思いました。
Posted by ブクログ
みんな「普通」を求めていて、「普通」でない人間は削除される、というのは真理だと思った。
社会の求める「普通」な人間と、コンビニ店員としての主人公の距離はおそらくとても遠いけれども、主人公の人生という物語の舞台がコンビニであることは、誰にも邪魔されるべきではないと感じた。
Posted by ブクログ
話に入り込みやすくてスラスラ読めた。
ただ、主人公や白羽を「おかしい、気持ち悪い」「異物だ」と自分も感じざるを得なかったのは私も所詮「こちら側」の人間で、「あちら側」の人間を薄ら見下して生きているからなんだろうな…と気づかされてしまった。
Posted by ブクログ
マジョリティが普通とされているだけで、マイノリティが普通じゃないとされるのはおかしいよね、でも自分が常識だと思っていることが通じないと驚くのはお互い様だし、怖かった。
Posted by ブクログ
「今の時代の普通ってなんだろう」
この本を読み終えて浮かび上がった疑問。
物語では、「普通」に生きることを社会から要求されることで、この時代の「普通」を考えさせられるような内容になっているが、この本が書かれた2016年から10年経った今、「普通」の概念はさらに変わっている気がする。
簡単に言えば「会社で働いて、結婚して、子供を産んで、、、」が幸せだという価値観を無意識に押し付けられる時代から、「幸せの形は人それぞれ」といった曖昧な多様性が浸透してきた時代に変化しているのではないだろうか。
そんな時代であれば、この物語の主人公はどんな人生の選択をしたのか気になって仕方がない。。。
Posted by ブクログ
主人公や白羽に対して、異様に思う所があった。という事は私も普通を勝手に相手に求めている所があるのかもとはっとさせられた。自分の価値観を相手に押し付けず相手の価値観も大切にしてあげたいと思った。そうすれば、白羽もこんなに拗れることはなかったのではないか。うちはうち、よそはよそ。短いのでサクッと読めた。後味はあまりいいものではない…。
Posted by ブクログ
普通ってなんだろうと考えさせられる本だった。就職して結婚して家庭を持つことが普通といわれる中で真逆の主人公の生きにくさを感じた。しかし、主人公が客観的に状況を把握できるからこそ展開が面白かった。
Posted by ブクログ
主人公は想像していた人物とは違った。
こういう人は変わり者と言うのだろうかと思いつつ、他人の「普通はこうだろ」みたいな事を言われて、表では合わせる事が多少あっても内心では淡々と感情を一定に保つ感じが自分に欲しい部分でもあった。
Posted by ブクログ
くすくす読めた。面白いと思った表現には付箋をするのだが、20枚くらい貼ったと思う。
妻のことを不思議に思うことがあるが、なんだか主人公には見覚えがあって、こんなふうに考える人もいるんだと優しい気持ちになれた。それと同時に、コミュニティで「ふつう」に抑え込まれ、形を変えさせられる風刺的な解釈が本筋のようにも感じられてよかった。
Posted by ブクログ
普通の人間なんていないと思っていたし、自分も普通の人間ではないと思っていたが、社会人になっているということは普通の人間に見えているのかもしれない
Posted by ブクログ
社会的テーマを考えさせる作品なんだと思うけれど、自分は主人公や登場人物のことを好きになれず、むしろ怖さや不快感さえ感じてしまった。
ただ、この作品に対して同じ感情を持った人が自分以外にも絶対いるだろと思うくらいの自信はある。
面白いシーンはあったし、ページ数少なくてとても読みやすかった
Posted by ブクログ
コンビニで働く、世間一般的に〝変わってる〟とされているアラフォー女性の日常を描く物語。
主人公古倉は、小さい頃から周りとズレていた。
大人になった恵子は毎日規則正しく起き、毎日コンビニに出勤。家事も一癖はあるもののこなしていく。
そしてなんといっても、コンビニに対して異常なほどの執着がある。
本作に自分が共感できたか問われると難しいが、こういう人は現実にいると感じた。
同じような境遇にある人も自分にとっての正しいを見つけて生きていってほしいと思った。
シュールすぎる
コンビニ人間って比喩でも何でもなくてそのまんまコンビニの為に生きる人間だった。でも自分も周りの話し方を真似したり影響されたりしてるから共感。
SF?それともサスペンス?読後感がとても後味が悪く、それが良い意味で面白かったです。
のほほんとしたコンビニでの日常小説かな?と、気軽な気持ちで読み始めたことを後悔しつつ、最後まで一気に読み終えてしまいました。
まず読み始めて、主人公は発達障害の傾向が強いなと思いました。
私自身ASDの診断を受けており、主人公には共感する部分が多い、というよりも、私が書いた日記を読んでいるかのような感覚でした。
作中で、主人公が妹に「いつになったら治るのか」「どうすれば普通になるのか」というように責められる場面があります。それに対する「指示をくれれば私はどうだっていい。ちゃんと的確に教えてよ」という主人公の言葉は、まさに私の主張そのものでした。主人公や私のような人間は、周りの要望に応えるためにわざわざ行動しようとしているというのに、一体どうして具体的な改善案を出してくれないのでしょうか。こちらが歩み寄ろうとしているのに、一方的に糾弾してくるなんて、どう考えても非があるのはあちらではないのでしょうか。
自分自身のモヤモヤが物語になった、というような作品で、共感は得られましたが、感動や新たな発見はありませんでした。
主人公がアスペルガー だとは書いていませんが、読み手によってはアスペルガーであるだろうと想像させて読ませてしまうところが、実際アスペルガーの人がいる中で生活している、もしくは家族や自分自身がアスペルガーである場合、評価というか読んだ感想や気持ちが大きく変わってくる作品だと思います。
小説というのはあくまで一人の人間、個人の思想を文字にするというものであるからこそ、それが全てではないということも含めて読むのでしょうが。
ここで描かれる普通や、主人公が紛れようとする普通や、登場する全ての人が目指す普通は日本独特の普通である部分も多く、人間世界に共通していえる普通もあり、日本の普通はどこかの国では普通ではない、アスペルガー だろうがなんだろうがここで書かれている皆が目指す普通のことは、ある人にとっては普通であっても、普通どころか君達は何に洗脳されてるのだと異様に感じる人もいるのも事実なので、普通を押し付けようとするシーンでのやりとりなどは、小さな世界感で独特で読んでいて気味が悪かった。カルト集団の小さな世界にも感じる。
この世界は広くて、どこかの空間では普通で当たり前になっているけど、どこかの空間では普通ではなく、当たり前じゃないことがある、人間は視野が狭くなると怖いなと感じ、気味悪さや生きづらさが伝わる作品です。
しかしながら、貧困という問題は個人の責任ではなく国をあげて取り組むべきことだと考えさせられます。こんなに真面目に一生懸命、天職を見付けて輝いて働いているにもかかわらず、人生の一生を保証されないなんて悔しいばかり。
コンビニのマニュアルは、軍隊の規律の中にいるようでさえあり、厳しいですね、怖いですね。
こんなに厳しい毎日なのに、一生懸命働いても保証されないのですね。料金支払い、荷物の受け渡し、毎日の食事まで。街の人々の為に、24時間手厚くおもてなしをしているのに、街の人のために動いてくれるはずの役所の窓口は態度が悪くても許されて、コンビニ店員は態度が悪いと社会の悪になってしまうのですね。