【感想・ネタバレ】コンビニ人間のレビュー

あらすじ

「普通」とは何か?
現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作

36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、
「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。

「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。

ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。

累計92万部突破&20カ国語に翻訳決定。
世界各国でベストセラーの話題の書。

解説・中村文則

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コンビニのアルバイトとして18年働く、独身女性の古倉恵子36歳。
週5でシフトに入り、勤務態度はマニュアル通りの”正しい”対応。
店長から重宝され、同僚ともうまくやっている、はずでした。
新入りのアルバイトが入ってくるまでは…。

かく言う私もコンビニ店員として4年間働いていました。
正社員、歳の近い学生アルバイト、日中に働く40代の主婦、未婚(恐らく)の30歳以上の謎の人。
日本社会の縮図かと思えるほど様々な人がいますが、それぞれ自分の価値観で相手をみていて、
「自分こそが主人公」だと思っているはず。
本作は、「コンビニ店員である自分こそが、普通で正しい主人公」と考える恵子の主観が鮮明に描かれています。
「なぜコンビニ店員なのか」。これが神髄だと思います。

目まぐるしく変わる衝撃展開に魅了されたいあなたも、
世の中の“普通”について考えを深めたいあなたも、
1~2時間でサクッと本を読みたいあなたも。

世界各国で読まれていることからも、作品の魅力は語るに及ばずですが、
皆様に1度は読んでいただきたい名作です。

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感情タグBEST3

購入済み

共感しかない

冒頭から難しい描写が一切なく、
全ての言葉、文章が読みこめ、コンビニで働く自分を見ているようでした。
幼少期から周りと同じでなければいけないという
呪縛、皆と違うと変わった人と思われ、削除される「村社会」をストレートに描かれています。自分の思いを発言し皆に驚かれる描写は、私自身がいつも感じている違和感を具現化してくれました。ストーリーもこちら側の人間には「わかるわかる」と頷ける事ばかりで、普通に生きている人には衝撃かもしれません。賞を取るにふさわしい作品でした。1時間で完読しました。

2
2021年02月17日

購入済み

すごい!

普段読書などはしませんが、何かでおすすめされていて気になって読んでみました。
そんな自分にもスラスラと読めて、とても楽しめる作品でした。
そしてたまには読書もいいなと思えさせてくれました!

1
2021年05月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さくっと読めた。
女性が結婚も出産にも意欲を示さないことを私は普通にあることだと思うけど、プラスでずっとコンビニバイトをしている、といわれたら普通じゃないなと思う。でも作中にあるようにわざわざそれ以上干渉することは無い。
世間には色んな「普通じゃない」ことがある。なぜ普通じゃなければ排斥されるのか、なぜ普通でいれば喜ばれるのか。どこからどこまでが「変わっている」で済まされて、「治さねばならない」に変わるのか。ずっと分からないけど、まぁどうでもいいかと思う私は、主人公とおなじような素質はあるのかもしれない。

0
2025年12月07日

Posted by ブクログ

カフカを彷彿とさせるアツい作品だった。
頭の狂った主人公を通して、頭の狂った世界を、コンビニという日常を舞台に描写している。
普通にコンビニフリーターを描くと、なんだかやるせない切ない話になりがちだが、頭の狂った主人公を立たせることで風刺がピリッと効いた、笑える作品になる。
最後のバッドエンドも素晴らしかった。
もちろん、現実にはこんな人間はいないだろうから、リアリティの面では薄いが、ある種のSFやシュルレアリスムのような面白さがあった。
良い意味で何度か笑わせてもらった。なんと残酷に現代を描くのだろう。
欲を言えば、もう少し残酷でアツいキャラクターや事件があれば、よりアツい良い作品になったかもしれない。せっかくヤバイ主人公で淡々と狂った世界を描写するなら、もう一枚狂ったキャラがドラマを作っても楽しかったかもしれない。
それでも、振り切った良い作品だった。

0
2025年12月06日

Posted by ブクログ

自分も社会に迎合しようと生きているが、いわゆる「普通」に比べたら肩身が狭い側なので、古倉・白羽がイカれた人間と思いつつも共感できる面もあった。
村田作品を色々読んでいるとむしろ「普通」も狂っているのでは?と段々思えてきてしまうのが恐ろしい。

0
2025年12月04日

Posted by ブクログ

すごい面白い!「普通」って何だろう?
社会に適応しようと普通のふりをする主人公がいじらしく思えたが、私は同級生と同じあちら側の人間だと思い知らされた。
学生時代のあの子や職場のあの人、少なからず主人公のような人に出会っている。作り上げられたこの世界の普通のルートが正しいとは誰も決めることはできない。恵子にとってはこれが普通なのだ。
ラストの行動が最高だった。

0
2025年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1.普通ってなんだろう
この小説を読むと、やはり「普通」とは何なのかを考えさせられる。社会の中であたりまえとされること――実家を出るべき、結婚するべき、出世するべき――は、必ずしも自分にとっての「普通」ではない。

2.自分のこれまで
振り返ると、自分は「普通」を目指したことが一度もなかった。学校では常に一番を目指していたし、部活では自分の役割を探して努力した。社会に出てからも、自分にしかできない仕事をしたくてシステムや業務の勉強をしてきた。「普通」であることを良しと思ったことはない。なんで「普通」になりたいんだろうか。

小説との重なり
「コンビニ人間」の主人公は、コンビニという枠組みの中で自分の役割をまっとうし、それを生きがいにしている。他人から見れば奇異でも、本人にとっては一番しっくりくる生き方だ。自分もまた「普通」とは違う軸で生きてきたことに少し誇りを持ちたい。

「普通」ではない自分を認めてくれる人がいるなら、それ以上に嬉しいことはない。

0
2025年12月01日

Posted by ブクログ

見たもの、聞こえたもの、感覚を合理的な情報として感じ取る。感情という曖昧で不確かなものより、事実で考え、社会と自分との秩序を保とうとする。

主人公の姿が、そんな風に見えました。

彼女は正しくて、それなのに、確かに違和感はあって、普通ってなんだろう……と頭の中で自分の考えが迷子になります。
そして縄文男、ちょっと悔しいけど、その考え方理解出来なくもないぞ……。

満遍なく共感するのに、どことなく違和感な矛盾?がとても面白かったです。

0
2025年12月01日

Posted by ブクログ

オーディブルにて
大久保佳代子さんのナレーションが機械的な主人公にとてもよく合っていました。
主人公は発達障害なのかな。
苦手な事が多く生きづらいだろうけど、自分に最適でやりがいのある仕事と出会えた事は羨ましい。

0
2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々に大当たりの本見つけた。
自分の生きる役割が明確なのが羨ましいと思った。
現実的には、冷笑している男の人の方が私には近いと思う。
こうであってほしいって求めている結末で満足。
すっきりした!!!

0
2025年11月29日

Posted by ブクログ

 昨今の多様性を最重視する風潮に戸惑い気味の私に突き刺さりました。

 シンプルな文体で読みやすく、描写も無駄なく美しいです。それだからこその主人公から感じるズレ、違和感、不気味さ、でもどこかで共感してしまう。
 そんななんとも言えない重い泥が混じった感情が心に沈殿していきます。
 説教くさくなく、演説めいてもいないので、生々しいです。
 ただ在るだけの1人の人間の内情にフォーカスし続けているのでより没入感がありました。
 すばらしいです。

 私はものすごく感銘を受けました。
 国語の教科書に載せていいレベルだと思います。

0
2025年11月29日

匿名

購入済み

難しい言葉はひとつもなく、とても読みやすい本でした。読み終わるのも一瞬で、そこまで長い話ではないが、この短い話の中でとても考えさせられるものが多くありました。人生のうちに一度でいいから読んでみてほしい本のひとつだと感じます。

#深い #タメになる

0
2025年08月09日

購入済み

おもしろい

初めての村田ワールド。気になって手に取ったが大成功。さっそく次の作品を買ってしまった
解説が中村文則なことも納得。

#共感する

0
2025年05月03日

Posted by ブクログ

大きな出来事が起こるわけでもないけど、すらすら読めた。最後のコンビニから甥の誕生を連想するところと解説を読んで、なんとなく話がわかったような気がする。

0
2025年12月08日

購入済み

「普通」とは?

普通とは何なんでしょうか
普通に学校に行く?普通に友達を作る?普通に就職する?普通に結婚する?普通に子供を産む?私も様々なことに違和感を感じながら生きてきた人間なのでこの本は非常に面白かったです。
なぜ他人の人生にそこまで関心を持てる人が多いのか、いつも不思議に思います。
私は普通がつまらないです。変なやつでいたい。
きっとまた読み返します。そのくらい好きな本でした。

#深い #スカッとする

0
2024年05月15日

QM

購入済み

読みやすいが考えさせられる

読みやすい文章で、忙しい時でもサクッと読めました。
周りと同じでなければいけないという小さいころからの空気に疑問をもつ主人公、
彼女自身の考え方を見て、こういう人もいるのかと、改めて勉強になったと思います。

0
2023年12月19日

購入済み

オンリーワンの大肯定

 現代日本の同調圧力による生き辛さを一蹴する好著である。
 評価の分かれるラストシーンについては、コンビニバイトの行かず後家である主人公古倉恵子が、他人の目を気にし過ぎず、自分の納得できる生き方に進むことを示唆したもので、オンリーワンの生を大肯定するハッピーエンドと捉えたい。
 また、本書はラノベのようにエッジの効いた会話やコンビニを水槽に見立てるなど文芸作品らしい表現技巧に優れ、ぐいぐい惹き込まれつつ読んだ。

#笑える

0
2023年08月31日

購入済み

一気に読んだ

面白くて夢中になって読んでしまいました。偏った思考だし、共感できるような事はなかったのですが、何故かこちらが救われるような気がしました。

#深い

0
2022年08月03日

ネタバレ

おもしろい

読後の最初の感想は、「今っぽい話だなぁ」でした。
私は小説を頭の中でしっかりと映像化する癖があり、俳優さんや女優さんを当てて読みます。そうすることでより入り込めます。
今回の主人公は黒木華さん、店長は長谷川博己さん、など。

主人公は周りとは少し"違う"という幼少期をすごし、極力自分から何かを発さないように過ごします。
ゆくゆく自分が"違う"部分を治すのではなく、周りの"普通"な人を真似てあたかも同じかのように振る舞い生きていく。
それが非常にスムーズでやりやすいと感じたのが、コンビニ。
"古倉さん"という店員として存在し、幼少期がどうだとか考え方がどうだとか、主人公の感情や生き方など誰も気にしない。
品出し・レジ・掃除など必要とされていることを必要な分こなすという生活を35歳まで、アルバイトのまま、未婚で、続けます。

そもそも、この「誰も気にしない」というのは"普通"の人なら寂しく感じることだろうと思うけれど、主人公はその環境が心地よく感じています。
今まで"違う"ということを押し付けられていたがために、コンビニの一部になれていることに幸福を感じている。
正直、今は社会でもプライベートにまったく介入しないというのがむしろ良しとされる風潮がありますよね。
若者に多いのが
有給を取る理由を言う必要があるか?
恋人の有無を教える必要があるか?
オンライン会議では部屋を映さない  とか。
何かとハラスメントでネーミングされます。

主人公のと訳が違うのは大前提ですが、
「迷惑をかけているわけではないのだから放っておいてくれ」というのは、今っぽいですよね。
白羽は迷惑かけまくってましたけど。

といった感じで、そのリアルな社会の感じが気分を暗くさせます。
それだけ入り込めるということだと思います。
いくらでも書けそうなので強引に締めました。

あと書いておきたかったのは途中で一瞬出てきた"主人公の成れの果て"の男性です。
お客の癖に商品を整理したり客の列を正したり。
白羽に促されるまま就職してしまったら、ああなっていた。
だから主人公の判断は正解で、ハッピーエンドだと思います。

#深い #タメになる

0
2022年06月23日

Ayu

購入済み

面白い

主人公の超合理的な考えに驚かされました!

0
2022年04月25日

ネタバレ 購入済み

読みやすくて

一気に読みました。発達障害者と思われる人物がコンビニで有能なバイトとして働く様子、ラストの決断に、ロッカーや正社員のふりなどは非常識な行為ではありますが、社会に大きな迷惑をかけるでもなく、この主人公がいきいきと輝ける場所があることを嬉しく思いました。

#タメになる

0
2021年09月20日

購入済み

いつものコンビニ

いつも必要最低限の買い物だったり、滞在時間だったりの無機質なコンビニ店内。その向こう側にある人間らしさを考えさせられた作品です。

0
2021年04月23日

A

購入済み

面白かった

面白かったです。
ただ、この話をどうとらえたら良いのかは難しいですね。
読んだひとそれぞれに思うところがあるでしょう。
良いとか悪いとかの話ではないでし。

ともかく、できるだけ多くのひとが下記のことに気づいて欲しいものです。

絶対的な善悪は存在しないこと。
生きることに意味は存在しないこと。
人間の行動はすべて自分のためであること。
(人のためにしていることであっても、
その人が心のそこから相手のためだと思っていたとしても)
世界中の人間はすべて別の生き物だということ。

0
2021年04月08日

ネタバレ 購入済み

読みやすかった。

とても読みやすく面白かった。主人公の思考や価値観が淡々と語られている。考えさせられる内容ではあるが、読後感は意外とすっきり。

0
2020年04月25日

悲哀を拒否している

アプローチが違えば、もう少し掘り下げられる気がする、
と読後に最初は考えた。
あまり異常な人の、突飛な行動で脚色して読者が面白がる作り方(構造)は、
これみよがしで共感も得がたく嫌だな、と思ったが、
深く考えてみると、演出や脚色が大袈裟なだけで、
こんな人はいくらでもいるのではないか、とも後で思った。
私の身近な職場にもずっとフリーターで生きている40歳オーバーが何人かいるわけで。
ただ、作者はそういう人を描きたいわけでなくて、
どちらかというと描きたかったのは、
主人公(多分作者の内面の一部)のある種の純粋さ(短絡的傾向)だと思う。
つまり、何がいけないの? と。
『主人公は』普通でありたいだけなのに、と。
間違ったことは何も言っていないと。
言ってしまえば、主人公はただすごく真面目に働いていて、
すごく真面目に質素な生活をしているだけの人ですよね。
ずるさもなく、欲もない。誰も傷付けない。周りが理解できないだけ。
肉親が哀しめば、合わせようとさえする。
独り身が悪いわけがないわけで。
それが、パブリックとプライベートの切り分けをして生きている世間の人たちからすると、
残念ながら受け容れられず浮いてしまう。
ただし、そのへんを悲哀に持っていかないのは、
作家としてそういった視点をもしかしたら
拒否しているのかもしれない。
言い換えれば、それは怒りではないかな。
やっぱり間違ったことは何もしていないわけですよ。
結婚なんて、したい人がすればいいわけで(私は妻子がいますが)。
それらを考えると、作者が主人公をかなりの変人のように描いたのは、
ある種の皮肉かもしれませんね。
そこまで考えると、大変良作だと思います。
私も作者と同じく、個性と言いながら異質なものを平均化しようとする世間は嫌いですね。

0
2020年02月14日

購入済み

人間らしさってなんだろうと思う

人間らしさってなんだろうと考えさせられる作品。人の目をつい気にしてしまう人にはとても刺さると思います。題材は結構重いが、結構サクサク読めます。おススメです。

0
2019年12月17日

購入済み

まさか、こんな内容とは

芥川賞を受賞した作品として知ってはいましたが、題名からライトな内容だと思い込んでいました。
誰かの普通は誰かの普通じゃない、そんなの当たり前だと思っていたけど、それこそ普通じゃないのだと思い知らされた感じです。
2人以上人が群れると、時として怖くなる。
普通圧力か…
深呼吸ができる場所で暮らしたいし、一緒にいる人には深呼吸させてあげられる人になりたいです。

1
2021年07月11日

Posted by ブクログ

初めて芥川賞受賞作品を読んだ。
村田沙耶香の作品をいくつか読んだ今思うことは、この著者の作品は全ていい意味で狂気じみている。それが好きだから自分は進んで読んでいるのかもしれない。
何も深く考えず最後まで読み、それなりに楽しんだが、解説を読み終えた瞬間、この作品のすごさ、素晴らしさを再認識できたように感じる。解説をでは『普通圧力』が強調されていたが、今の社気も本当にその通りだと思う。みんなが共通認識で持っている、普通と言うものは一体誰がいつ作ったものなのか、それがどのような経緯でマニュアル化したのか、そのマニュアルによって、主人公が気温をただ商品の売り上げの指標にしていたように、自分たちの感受性に影響しているのかなど考えるきっかけをくれた。

0
2025年12月08日

Posted by ブクログ

主人公、古倉さんと、白羽さんという2人の変人が出てくるお話。

主人公、古倉さんは変人だけどピュアで合理的で、そう悪くない、いい変人。
白羽さんもまた変人だけど、世の中に憤る厄介で嫌な変人。
変人という部分に瞬間、共感めいたものを感じる古倉さんだけど、普通であることはあくまでも生きていくための手段であり固執しない古倉さんと、普通ができない自分が正当な評価が得られないと憤る白羽さんは対象的。

私個人は、2人とも自分の中に存在する気がする。
なんなら白羽さんの方が主人格なんだけど、社会から弾かれないために、自分が傷つかないために意識的に合理的な古倉さんであることを済ました顔で演じてる気がする。

0
2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

非常に面白かった。
古倉の冷静で客観的な物の見方は、白羽のように生きづらさを抱える人間にとって、ひとつの救いになると思った。

彼女は「社会に上手く馴染めない自分」を苦しむ対象としてではなく、解決すべき課題として淡々と捉えている。
特性的に社会不適合であっても、古倉のような視点を持てば、少なくとも“苦しまずに生きる”という希望が見えてくる。

徹底して論理的で、マニュアルに忠実な彼女は、環境が異なれば優秀なビジネスパーソンとして力を発揮していただろう。
だが、その評価の裏には「30代後半・独身でコンビニアルバイト=落ちぶれている」という私自身の前提がある。
それこそが古倉には理解しがたい価値観であり、白羽にとっては“暴力的”にすら映るのだろう。

0
2025年12月07日

Posted by ブクログ

何の気なしにどんどん読み進めた先に待っていた素晴らしい解説で、自分の読解力、センサーの薄さに気付かされる。
もはやしてやられた、と。

0
2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょうどいい気持ち悪さだった。

自分が『普通』からはみ出しているように見られたこともあれば、自分を『普通』の枠に収めたくてだれかを『異物』扱いした覚えもある。
主人公と白羽はとくに『異物』(私から見るとそう思えてしまう)だが、こういうことは生活になじんでいる心地悪さみたいなものでもあるからきっとちょうどいいんだ。

0
2025年12月07日

Posted by ブクログ

社会は多様化しているのに、普通信仰はなかなか陰りを見せない。なんならかえって強化されているまであるかも。ただ、声を上げやすくなっていることは間違いないのでは。しかしそれが本当にプラスになるのかどうかはしっかり考えなければいけないのかもしれない。好奇な目に晒されるかもしれないし、さまざまなリスクを抱えるかもしれない。適材適所、なるべく多くの人が納得して暮らしていける世界をただ願うばかりである。

0
2025年12月06日

Posted by ブクログ

狂った主人公だと思いながらもたまに共感できるような考え方もあって少し怖くなった
自分も、普通を求めて他人を少し取り入れながら形成されていたり、周りを探りながら期待に合わせて行動したりすることがある
極端な例がこの「コンビニ店員」の主人公であって、誰しもどこかに属し、そこに自分の価値を見出し、そのリズムに合わせて生活を送る
普通なんてものはただの多数派なだけで
みんなこのコンビニ店員と同じような考えを持った人間なのではと思った

0
2025年12月05日

Posted by ブクログ

えぐい
圧巻やった
社会の1人としてその時に求められているものに応じられないと阻害されるときの息苦しさとか、みんなの言う普通のハードルの高さとか、必要以上に自分に干渉してくる人から守ってくれるのが、主人公にとってはコンビニ定員っていう役割だったんだね

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

古倉さんの諦念・合理性が良かった。
物が違うだけで社会人なんて皆同じなのかもしれない。
でもやっぱり、ある程度そうしないと安心して生きていけないんだろう。
少なくとも、古倉さんに土足で踏み入る人間にはならないようにしようと思った。
感情移入できるかと言われればNOだが読めて良かった本。

0
2025年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は主人公がとても気味悪くてなんだか嫌な雰囲気だなと思ったけど
読んでいくうちに世の中の普通ってなんなんだろう。
世の中の普通の人の普通を押し付けられる。
そんな世の中の生きづらさと言うのが見える作品でした。

私も変わってると言われたことがあって、普通になりたいと思って過ごしてきたので少し主人公の気持ちがわかる気がしました。
主人公の中の普通がコンビニの中にあったんだなって、それに気付けてとてもホッとしました。

みんなが生きやすい世の中に少しでも近づいたらいいな。

0
2025年12月01日

Posted by ブクログ

古倉さんの生き方大好きです!周囲から認められないこともあるけれど自分が自分らしくいられることを大切にすることがきっと大切だと思いました。

0
2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

海外で話題と聞きオーディブルで聞く

書評より
「普通」とは何か?
現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作

36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、
「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。

「いらっしゃいませー!!
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。

ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。

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2025年11月30日

購入済み

考えさせられた

普段全く読まない小説、純文学でしたが、とても読みやすかったです。社会、普通、異質、圧力…すっと全身に入ってきて理解が広がっていくようでした。主人公に今の自分が重なって、胸が苦しくなりました。

#切ない #エモい #深い

0
2025年09月06日

購入済み

面白かった

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2025年05月30日

匿名

購入済み

社会が求める「普通」という名のコードとの距離感の問題はある人にとっては問題とも認識されず、またある人は完全にそれに同化してそのコードを拡大再生産する尖兵ともなり得るが、本作の主人公にとってはそれは対象として認識は出来つつもそのようには振る舞えない。一方で「コンビニ店員」としてのコードは完璧に振る舞うことができる。対して白羽にとってそのコードは自身を攻撃してくるのもでしかなく、と同時にそのコードを使って他者を攻撃してもいる。矛盾しているようでいて実際にはこのような人は多く見かける。
コンビニの他の従業員や地元の旧友、そして主人公の妹などは、彼らの価値体系(と言ってもそれは彼ら自身の頭で作り出されたものではなく社会が求める普通という規範であるが)からすると理解不能な主人公を、自身の理解可能な地平に持ってきてジャッジしようとする。そして「叱って」異物を排除して、内部の、「こちら側」の結束を固めようとする。
理解不可能なものを理解不可能なものとして理解する知性は多くの人には無いのだ。

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2024年09月12日

Posted by ブクログ

自由は不自由 確か読んだことあると思ったのですが、定かではなかったので手に取りました。町田そのこさんの「コンビニ兄弟」と混同しているところもありますね。。。

人間が生きていくとき、自分の守備範囲みたいなものがあると思います。コンビニ人間であったり、山手線人間であったり、読書人間であったり、一つの人間であることは少ないと思います。多い方が潰しがきくと思います。

2度目も面白く読めました。

「いらっしゃいませ!」という自分の声で夜中に起きたこともある。って、吹きそうになりましたが、私も「やめてくれ!」とか悪夢で起きることがあるなと思いました。

自由であればあるほど不自由に感じる気持ち、コンビニというマニュアル通りにこなせる場所に安堵する気持ち、よくわかります。

主人公は皆から遠ざけられ疎外感、異物感を感じますが、私も感じることがあります。しかし、そこに居心地の良さを同時に感じます。普通に溺れたくないけど、目立って打たれたくない、わがままな考えですね。

最後は子どもを作ってしまうと記憶していましたが違いました。次読む時があればまたそう思っているのかこの感想を見てみたいです。

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2025年12月03日

購入済み

普通って何?

個性が強すぎると敬遠され普通じゃないと言われ淘汰されていく。主人公は妹に助言を求め普通の人間に近づこうと外見や話し方を変えていく。そうしないと生きていけない。ただただコンビニの仕事に24時間精神も縛られてないと崩れてしまう。
毎回縄文時代を語る白羽さんとの出合いは彼女にとって普通になれる事だったのか?社会不適合者だったかも知れない彼女がコンビニ店員に身を置くことで社会の歯車に成れたと感じられればこれからも頑張れるのだろう。普通とは?と考えさせる一冊でした。

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2022年02月20日

a

購入済み

同調圧力

とはとても恐ろしいし、自分加害者になってしまっている時がある。
何事にもニュートラルでいる事は本当に、とても難しい。

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2021年07月13日

購入済み

想像の斜め上をいく展開

友達に薦められ、書評を読んでから購入しました。
ありきたりの人間の苦渋を描いたストーリーかと思いきや、想像の斜め上をいく展開に驚きながら一気読みしてしまいました。
色々な人の生き方。これからの社会の多様性のあり方を考えさせられました。

#深い #シュール

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2021年06月06日

購入済み

普通という脅迫

知らずのうちに普通を演じ普通を強要している社会で主人公はコンビニというパッケージされた社会の歯車の中で生きていて、
主人公は結局、普通を消化してしまったのかしら。
それとも選び取った選択だったのかしら。
最後に賛否が分かれるけども、その意味を考えてしまうわねー。

0
2021年04月09日

購入済み

コンビニ人間

何だか知らぬうちにハマってしまう作品でした

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2019年11月25日

購入済み

せつない

コンビニ人間って何?
と思い興味本意で読んでみました。
現代の若者の象徴である就職難民からのコンビニバイト。
自分の娘や孫もそうなる可能性はゼロではないと思うと切なく、この様な社会にしてしまった大人達に是非読んで欲しいと思いました。

0
2019年01月24日

Posted by ブクログ

私も生きづらさを感じているので
分かるような気がする部分もあるけど
読書再開したばかりで、読むには難しかった

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらすじだけ読むと、婚活目的できた白羽が主人公にいい影響を与える話なのかなと想像した。
この時点でコンビニバイトに精を出す彼女のことを、私も好奇の対象として認識し正常は何かを固定していることがわかる。

白羽さんとの利害が一致した関係性は一見うまくいくように見えた。敵となる対象が同じ。"好き"より"嫌い"が重なるほうが価値観として一致したほうが良いという。
そこがどうとか関係なく、彼女は生物としてコンビニ人間なのだ。何も関係ないことだった
根本からムラのオスメスの規範は当てはまらない、白羽さんの話も妹含む周囲の人間の話も彼女に響かないのは当然だと納得できる。

コンビニのみが何故彼女をこんなにも魅了するのか

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

18年間働いたコンビニ。
普通か異常かを考えさせられた。
仕事っぷりを見ると普通に仕事ができる人間として見ることが出来る。コンビニ内の音や見るもの全てからどう動いたらいいのかがすぐに考えることができるのは18年間働いたからこそ出来ることだ。
主人公の幼少期の言動には異常さを感じたが、大人になって人と違うということを否定されているのは凄く可哀想で生きづらそうだった。
人に合わせて生きるということが、どれだけそこの場に打ち解けられるかというものに比例するものだと感じ、そこに関しては主人公にとても共感した。
普通と認識されていることから外れてしまうと、人から異常だと判断され、おかしい人だと思われる。それでも自分の感覚ややりたい事を貫こうとする主人公が凄いなと思った。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

新刊の時に話題だったので読んだ時は、面白さが分からず、全く印象に残っていなかった。
どんな話だったっけ…と、久しぶりに読んでみたら引き込まれた。
数年たって自分の置かれた環境や、仕事への価値観が変わり、違った心境で読むと物語の印象ってかわるんだと知った。
あの頃よりも心にゆとりがあるのかもしれない。

0
2025年12月03日

Posted by ブクログ

村田さんすごすぎる! 今、"きれいなシワの作り方"っていう村田さんのエッセイも読んでるんだけど、本当にその村田さんが書いたのか?!っていう衝撃がすごい。地球星人に続いて、衝撃の連続でした。

0
2025年12月01日

Posted by ブクログ

普通圧力による人生の強姦とは目からウロコでした。
自分も知らず知らず誰かに普通を押し付け、心を犯していないだろうかと考えました。
現代社会の皮を被った縄文時代の構図は確かに今も変わってないのかもしれないと思いました。
白羽さんの言ってることも分からなくは無い。
この世界中にいる古倉恵子にとってコンビニのような存在を見つけられることを祈ります。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

古倉恵子は、自分が異端と思われないよう人に合わせるという途方もないくらい神経をすり減らす事が大変だと思っていない。それが自分の生きる道であるかのように生活していく。
世間一般の普通から少し外れると少し変わっていると噂され、それに同調するのが普通だと。そう思うようにしていたこともあるが、普通って何でしょう。普通が良いとも限らない。
人の目を気にせず生きていくには勇気が必要だし、人と繋がらないで生活するのも怖いから普通に近づくようにしているのかなぁ。
と読み終えて思った。
本は面白くてサラッと読んでしまった。

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2025年11月29日

ネタバレ 購入済み

シュールすぎる

コンビニ人間って比喩でも何でもなくてそのまんまコンビニの為に生きる人間だった。でも自分も周りの話し方を真似したり影響されたりしてるから共感。

#シュール

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2025年05月03日

購入済み

SF?それともサスペンス?読後感がとても後味が悪く、それが良い意味で面白かったです。
のほほんとしたコンビニでの日常小説かな?と、気軽な気持ちで読み始めたことを後悔しつつ、最後まで一気に読み終えてしまいました。

#エモい #シュール #ダーク

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2023年03月25日

ネタバレ

まず読み始めて、主人公は発達障害の傾向が強いなと思いました。
私自身ASDの診断を受けており、主人公には共感する部分が多い、というよりも、私が書いた日記を読んでいるかのような感覚でした。

作中で、主人公が妹に「いつになったら治るのか」「どうすれば普通になるのか」というように責められる場面があります。それに対する「指示をくれれば私はどうだっていい。ちゃんと的確に教えてよ」という主人公の言葉は、まさに私の主張そのものでした。主人公や私のような人間は、周りの要望に応えるためにわざわざ行動しようとしているというのに、一体どうして具体的な改善案を出してくれないのでしょうか。こちらが歩み寄ろうとしているのに、一方的に糾弾してくるなんて、どう考えても非があるのはあちらではないのでしょうか。

自分自身のモヤモヤが物語になった、というような作品で、共感は得られましたが、感動や新たな発見はありませんでした。

#ほのぼの

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2022年07月16日

購入済み

主人公がアスペルガー だとは書いていませんが、読み手によってはアスペルガーであるだろうと想像させて読ませてしまうところが、実際アスペルガーの人がいる中で生活している、もしくは家族や自分自身がアスペルガーである場合、評価というか読んだ感想や気持ちが大きく変わってくる作品だと思います。

小説というのはあくまで一人の人間、個人の思想を文字にするというものであるからこそ、それが全てではないということも含めて読むのでしょうが。

ここで描かれる普通や、主人公が紛れようとする普通や、登場する全ての人が目指す普通は日本独特の普通である部分も多く、人間世界に共通していえる普通もあり、日本の普通はどこかの国では普通ではない、アスペルガー だろうがなんだろうがここで書かれている皆が目指す普通のことは、ある人にとっては普通であっても、普通どころか君達は何に洗脳されてるのだと異様に感じる人もいるのも事実なので、普通を押し付けようとするシーンでのやりとりなどは、小さな世界感で独特で読んでいて気味が悪かった。カルト集団の小さな世界にも感じる。

この世界は広くて、どこかの空間では普通で当たり前になっているけど、どこかの空間では普通ではなく、当たり前じゃないことがある、人間は視野が狭くなると怖いなと感じ、気味悪さや生きづらさが伝わる作品です。

しかしながら、貧困という問題は個人の責任ではなく国をあげて取り組むべきことだと考えさせられます。こんなに真面目に一生懸命、天職を見付けて輝いて働いているにもかかわらず、人生の一生を保証されないなんて悔しいばかり。

コンビニのマニュアルは、軍隊の規律の中にいるようでさえあり、厳しいですね、怖いですね。

こんなに厳しい毎日なのに、一生懸命働いても保証されないのですね。料金支払い、荷物の受け渡し、毎日の食事まで。街の人々の為に、24時間手厚くおもてなしをしているのに、街の人のために動いてくれるはずの役所の窓口は態度が悪くても許されて、コンビニ店員は態度が悪いと社会の悪になってしまうのですね。

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2019年12月31日

K

購入済み

小説の本質がこれだとしたら、やはり小説を好きになれない。気持ち悪さだけが残った。

#ダーク

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2022年06月21日

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