【感想・ネタバレ】コンビニ人間のレビュー

あらすじ

「普通」とは何か?
現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作

36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、
「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。

「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。

ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。

累計92万部突破&20カ国語に翻訳決定。
世界各国でベストセラーの話題の書。

解説・中村文則

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コンビニのアルバイトとして18年働く、独身女性の古倉恵子36歳。
週5でシフトに入り、勤務態度はマニュアル通りの”正しい”対応。
店長から重宝され、同僚ともうまくやっている、はずでした。
新入りのアルバイトが入ってくるまでは…。

かく言う私もコンビニ店員として4年間働いていました。
正社員、歳の近い学生アルバイト、日中に働く40代の主婦、未婚(恐らく)の30歳以上の謎の人。
日本社会の縮図かと思えるほど様々な人がいますが、それぞれ自分の価値観で相手をみていて、
「自分こそが主人公」だと思っているはず。
本作は、「コンビニ店員である自分こそが、普通で正しい主人公」と考える恵子の主観が鮮明に描かれています。
「なぜコンビニ店員なのか」。これが神髄だと思います。

目まぐるしく変わる衝撃展開に魅了されたいあなたも、
世の中の“普通”について考えを深めたいあなたも、
1~2時間でサクッと本を読みたいあなたも。

世界各国で読まれていることからも、作品の魅力は語るに及ばずですが、
皆様に1度は読んでいただきたい名作です。

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感情タグBEST3

購入済み

共感しかない

冒頭から難しい描写が一切なく、
全ての言葉、文章が読みこめ、コンビニで働く自分を見ているようでした。
幼少期から周りと同じでなければいけないという
呪縛、皆と違うと変わった人と思われ、削除される「村社会」をストレートに描かれています。自分の思いを発言し皆に驚かれる描写は、私自身がいつも感じている違和感を具現化してくれました。ストーリーもこちら側の人間には「わかるわかる」と頷ける事ばかりで、普通に生きている人には衝撃かもしれません。賞を取るにふさわしい作品でした。1時間で完読しました。

2
2021年02月17日

購入済み

すごい!

普段読書などはしませんが、何かでおすすめされていて気になって読んでみました。
そんな自分にもスラスラと読めて、とても楽しめる作品でした。
そしてたまには読書もいいなと思えさせてくれました!

1
2021年05月20日

Posted by ブクログ

ASDの人間の本と聞いて読んでみた。普通のムラの内側にいる人たちが読者の大半だろうに、これが本屋大賞を取るというのはどういう感覚で読まれた結果なんだろう。理解不能な奇特な生物を檻の外から覗き見るような感じ?私は主人公の言うなぜ結婚や出産をしていないことで気味悪がられるのか分からない感覚も、白羽さんが言うムラから排他される苦しさも共感しながら読めたけど、普通はそうではないわけでしょう。普通の人の感想が知りたい。
ムラに迎合する生き方でなくても、居場所だと思えるものがあるのは幸せなことじゃないかな。迎合もできないしこれと言ったこともないので正直羨ましい。

0
2025年12月28日

Posted by ブクログ

出てすぐ読んだな…
既読感すらちょっと嬉しい
なんだこの、短い小説なのに完成された姿…

わたしの母は15年コンビニに勤めていて、初めての彼氏もそこで働いていた人で、
コンビニの裏すら知ってるからこそ、このリアリティと不協和音がすごい

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりに小説を手に取ったが、非常に読みやすかった。
「普通」を知らず知らずのうちに要求する現代社会に対する風刺に思えた。
ただ、白羽さんがとにかく気持ちが悪く、典型的なダメ人間だと思ってしまった。
彼をダメ人間と考えてしまうのは、私が「普通」の考えに染まってしまっているからなのだろうか。

0
2025年12月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「普通」ということについて考えさせられた。
また、それと同時に世の中にある「世間」の目や考え方について想起させられた。皆が当たり前だと思っていることやこれをして普通だということに疑問を持ったりすることも多かったので共感する部分もあった。

古倉と白羽はどちらも社不ではあると思うが、
古倉は社会に馴染もうとして努力をしていて、
白羽は社会に馴染もうとせず自分の意見を通そうとしていて対照的だった。

古倉は最終的に社会に馴染むのではなく、自分の意見を通そうとしてコンビニに戻ることになるんだと思うが、自分も同じ立場であればそうしたい、そうあるべきではと思った。

必ずしも社会の求める普通が良いとも思わないし、完全に自分の意見だけでいくのも良いとは思わないので流されたり、頑固に自分の意見を通すだけでなく、2つの良いところを取り入れながら生きていくのがいいのかなと思った。

周りに流されず自分の人生楽しみたいなと思います。

0
2025年12月24日

Posted by ブクログ

この本を読んだ後にコンビニに行くと、本と同じ物語が起きているかも?と思えて、少し日常が違って見えるようになりました。

0
2025年12月23日

Posted by ブクログ

自分が考える普通は、他人にとっての普通なのか。仕事や結婚、子育てはいったい何のために行なっているのか。自分の当たり前について考えさせられる内容でした。読書週間がなかったのですが本を読む手が止まらなかったです。

0
2025年12月23日

Posted by ブクログ

今まで読んでこなかった人生を悔い、改めて初めてこの作品を読めた喜びをかみしめる。161ページしかない薄い本に、こんなにも夢中になって読み進めたいと思える中身の濃い文章が詰まっていたとは。

主人公の恵子の狂気についおののいてしまうが、だれも社会が孕む狂気について疑わないのはなぜだろう。村田さんの作品はまだこれで3冊目(?)だけど、文章を書くうえでのテーマが、今自分がいる環境への異常さを綴ることなのだろうか。

白羽の登場により、全ての予想を裏切られたまま話が進んでいくことで、ページをめくる手が止められなかった。

0
2025年12月22日

匿名

購入済み

難しい言葉はひとつもなく、とても読みやすい本でした。読み終わるのも一瞬で、そこまで長い話ではないが、この短い話の中でとても考えさせられるものが多くありました。人生のうちに一度でいいから読んでみてほしい本のひとつだと感じます。

#深い #タメになる

0
2025年08月09日

購入済み

おもしろい

初めての村田ワールド。気になって手に取ったが大成功。さっそく次の作品を買ってしまった
解説が中村文則なことも納得。

#共感する

0
2025年05月03日

購入済み

「普通」とは?

普通とは何なんでしょうか
普通に学校に行く?普通に友達を作る?普通に就職する?普通に結婚する?普通に子供を産む?私も様々なことに違和感を感じながら生きてきた人間なのでこの本は非常に面白かったです。
なぜ他人の人生にそこまで関心を持てる人が多いのか、いつも不思議に思います。
私は普通がつまらないです。変なやつでいたい。
きっとまた読み返します。そのくらい好きな本でした。

#深い #スカッとする

0
2024年05月15日

QM

購入済み

読みやすいが考えさせられる

読みやすい文章で、忙しい時でもサクッと読めました。
周りと同じでなければいけないという小さいころからの空気に疑問をもつ主人公、
彼女自身の考え方を見て、こういう人もいるのかと、改めて勉強になったと思います。

0
2023年12月19日

購入済み

オンリーワンの大肯定

 現代日本の同調圧力による生き辛さを一蹴する好著である。
 評価の分かれるラストシーンについては、コンビニバイトの行かず後家である主人公古倉恵子が、他人の目を気にし過ぎず、自分の納得できる生き方に進むことを示唆したもので、オンリーワンの生を大肯定するハッピーエンドと捉えたい。
 また、本書はラノベのようにエッジの効いた会話やコンビニを水槽に見立てるなど文芸作品らしい表現技巧に優れ、ぐいぐい惹き込まれつつ読んだ。

#笑える

0
2023年08月31日

Posted by ブクログ

普通とは何なのか?
合理的ってどこに対してなのか?
人間は何を基準にしているのか?
など考えさせられる作品だった。
着眼点も面白いし、これはこれであってもいい姿なのかもとも感じた。

0
2025年12月27日

購入済み

一気に読んだ

面白くて夢中になって読んでしまいました。偏った思考だし、共感できるような事はなかったのですが、何故かこちらが救われるような気がしました。

#深い

0
2022年08月03日

ネタバレ

おもしろい

読後の最初の感想は、「今っぽい話だなぁ」でした。
私は小説を頭の中でしっかりと映像化する癖があり、俳優さんや女優さんを当てて読みます。そうすることでより入り込めます。
今回の主人公は黒木華さん、店長は長谷川博己さん、など。

主人公は周りとは少し"違う"という幼少期をすごし、極力自分から何かを発さないように過ごします。
ゆくゆく自分が"違う"部分を治すのではなく、周りの"普通"な人を真似てあたかも同じかのように振る舞い生きていく。
それが非常にスムーズでやりやすいと感じたのが、コンビニ。
"古倉さん"という店員として存在し、幼少期がどうだとか考え方がどうだとか、主人公の感情や生き方など誰も気にしない。
品出し・レジ・掃除など必要とされていることを必要な分こなすという生活を35歳まで、アルバイトのまま、未婚で、続けます。

そもそも、この「誰も気にしない」というのは"普通"の人なら寂しく感じることだろうと思うけれど、主人公はその環境が心地よく感じています。
今まで"違う"ということを押し付けられていたがために、コンビニの一部になれていることに幸福を感じている。
正直、今は社会でもプライベートにまったく介入しないというのがむしろ良しとされる風潮がありますよね。
若者に多いのが
有給を取る理由を言う必要があるか?
恋人の有無を教える必要があるか?
オンライン会議では部屋を映さない  とか。
何かとハラスメントでネーミングされます。

主人公のと訳が違うのは大前提ですが、
「迷惑をかけているわけではないのだから放っておいてくれ」というのは、今っぽいですよね。
白羽は迷惑かけまくってましたけど。

といった感じで、そのリアルな社会の感じが気分を暗くさせます。
それだけ入り込めるということだと思います。
いくらでも書けそうなので強引に締めました。

あと書いておきたかったのは途中で一瞬出てきた"主人公の成れの果て"の男性です。
お客の癖に商品を整理したり客の列を正したり。
白羽に促されるまま就職してしまったら、ああなっていた。
だから主人公の判断は正解で、ハッピーエンドだと思います。

#深い #タメになる

0
2022年06月23日

Ayu

購入済み

面白い

主人公の超合理的な考えに驚かされました!

0
2022年04月25日

ネタバレ 購入済み

読みやすくて

一気に読みました。発達障害者と思われる人物がコンビニで有能なバイトとして働く様子、ラストの決断に、ロッカーや正社員のふりなどは非常識な行為ではありますが、社会に大きな迷惑をかけるでもなく、この主人公がいきいきと輝ける場所があることを嬉しく思いました。

#タメになる

0
2021年09月20日

購入済み

いつものコンビニ

いつも必要最低限の買い物だったり、滞在時間だったりの無機質なコンビニ店内。その向こう側にある人間らしさを考えさせられた作品です。

0
2021年04月23日

A

購入済み

面白かった

面白かったです。
ただ、この話をどうとらえたら良いのかは難しいですね。
読んだひとそれぞれに思うところがあるでしょう。
良いとか悪いとかの話ではないでし。

ともかく、できるだけ多くのひとが下記のことに気づいて欲しいものです。

絶対的な善悪は存在しないこと。
生きることに意味は存在しないこと。
人間の行動はすべて自分のためであること。
(人のためにしていることであっても、
その人が心のそこから相手のためだと思っていたとしても)
世界中の人間はすべて別の生き物だということ。

0
2021年04月08日

ネタバレ 購入済み

読みやすかった。

とても読みやすく面白かった。主人公の思考や価値観が淡々と語られている。考えさせられる内容ではあるが、読後感は意外とすっきり。

0
2020年04月25日

悲哀を拒否している

アプローチが違えば、もう少し掘り下げられる気がする、
と読後に最初は考えた。
あまり異常な人の、突飛な行動で脚色して読者が面白がる作り方(構造)は、
これみよがしで共感も得がたく嫌だな、と思ったが、
深く考えてみると、演出や脚色が大袈裟なだけで、
こんな人はいくらでもいるのではないか、とも後で思った。
私の身近な職場にもずっとフリーターで生きている40歳オーバーが何人かいるわけで。
ただ、作者はそういう人を描きたいわけでなくて、
どちらかというと描きたかったのは、
主人公(多分作者の内面の一部)のある種の純粋さ(短絡的傾向)だと思う。
つまり、何がいけないの? と。
『主人公は』普通でありたいだけなのに、と。
間違ったことは何も言っていないと。
言ってしまえば、主人公はただすごく真面目に働いていて、
すごく真面目に質素な生活をしているだけの人ですよね。
ずるさもなく、欲もない。誰も傷付けない。周りが理解できないだけ。
肉親が哀しめば、合わせようとさえする。
独り身が悪いわけがないわけで。
それが、パブリックとプライベートの切り分けをして生きている世間の人たちからすると、
残念ながら受け容れられず浮いてしまう。
ただし、そのへんを悲哀に持っていかないのは、
作家としてそういった視点をもしかしたら
拒否しているのかもしれない。
言い換えれば、それは怒りではないかな。
やっぱり間違ったことは何もしていないわけですよ。
結婚なんて、したい人がすればいいわけで(私は妻子がいますが)。
それらを考えると、作者が主人公をかなりの変人のように描いたのは、
ある種の皮肉かもしれませんね。
そこまで考えると、大変良作だと思います。
私も作者と同じく、個性と言いながら異質なものを平均化しようとする世間は嫌いですね。

0
2020年02月14日

購入済み

人間らしさってなんだろうと思う

人間らしさってなんだろうと考えさせられる作品。人の目をつい気にしてしまう人にはとても刺さると思います。題材は結構重いが、結構サクサク読めます。おススメです。

0
2019年12月17日

購入済み

まさか、こんな内容とは

芥川賞を受賞した作品として知ってはいましたが、題名からライトな内容だと思い込んでいました。
誰かの普通は誰かの普通じゃない、そんなの当たり前だと思っていたけど、それこそ普通じゃないのだと思い知らされた感じです。
2人以上人が群れると、時として怖くなる。
普通圧力か…
深呼吸ができる場所で暮らしたいし、一緒にいる人には深呼吸させてあげられる人になりたいです。

1
2021年07月11日

Posted by ブクログ

「代謝するコンビニ」この表現に深く共感を覚えた。
コンビニは常に基礎となる栄養素(よく売れる商品)を店頭に陳列し、それらを排泄(売ること)によって息をしている(利益を上げている)と私は解釈した。
この点を踏まえ、主人公はコンビニにおける「臓器」として機能しているように感じた。
これに加え、白羽のいう「普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ。」というのは現代社会の生きづらさを上手く皮肉っている素晴らしい表現だと感じた。

0
2025年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと読みたくてやっと読めた。
面白くて一瞬で読み終わりました。
最後自分が生きる意味を見つけたかのような感じだったけど、それでいいのか感……
普通ってなんだろうと主人公の不気味な明るさが続いてるお話だった。社会の普通ってなんだろう?
結婚、就職、子供…。

0
2025年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

身近な人に影響を受けて、喋り方が似たりするのは実際そうだなと納得した。
白羽くんの言葉が聞いてられないくらい酷い言葉多くて辛くなる。

私は、ひとから、かわいそうだとかさみしいでしょとか決めつけられて語られることが好きでは無い。でも自分自身を振り返ると、同じことを頭の中でやってしまってることがある。あかんあかん、と考え直したりする。
多様性とか他者を理解しようとか偉そうに言ってても、普通はさーて子どもに言っちゃう自分に引くことがある。気をつけて。。。

0
2025年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白い。色々と頭の中であーだこーだと考えることが出来た。主人公は、いびつだけど自分の中で大切な物に気がつくことができ、自分で考えて行動しようと思えた。いびつなサクセスストーリー。

0
2025年12月27日

Posted by ブクログ

ずっと気になってた一冊
ようやく読めましたが、とても面白かった

白羽さんヤバいやつだなと思いつつも、
言ってることはよく理解できました(笑)
世間や自分の価値観を当たり前だと思って、
知らず知らずのうちに日常会話でも相手に不快な思いをさせちゃってる時もあるんだろうな〜と感じて
自分も気をつけなきゃと思いました。

あと、自分も学生時代コンビニのバイトをしてたんでその時のこと色々思い出しました(笑)

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

主人公の思考回路はかなり極端な所があり、所謂一般的な感覚を持った登場人物の非寛容さは、少しデフォルメされている部分があるが、多かれ少なかれこのような構図は世の中にあると思う。主人公は、このような非寛容さに窮屈や反感を覚えず淡々と生きており、それは見習うべきところがある。

型にハマった生き方になってしまえば、いくらそれが非合理でも、そこから逸脱することができなくなる気持ちは少し分かる。

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

仕事を、人間らしくあるためにコミュニティに帰属する行為だと思っている私に刺さりまくり。
主人公が、他のアルバイトや社員の愚痴に共感を見せようとするところ、めちゃくちゃわかる。どうでもいい正直。感情がないっていうのもほんとに分かる。
擬態して生きてることを改めて認識させられて少し鬱笑

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「普通」を疑いながらも、「普通」からは外れないことが大切だなと最近考えていたこともあって、この小説がまさにそれを体現していて読んでいて面白かった。
白羽の社会に対する不満には頷けるし、普通であることへの周りからの圧力はたしかに強い。そうやって社会に対して疑問に思うことはとても大切で必要なのだが、だからといって完全に拒絶し身を隠そうとするのは違うのではないかとも思う。人間である以上、生きていくためには社会との繋がりを最低限持っていなければならない。(マニュアル)
周りになんと言われようと自分の好きなように、自分の生き方をすればいいけど、ある程度は社会の規範(作中でのマニュアル)に従うのも大切で、マニュアルを守りつつも、呑まれすぎない、だけども離れすぎちゃいけない、外れてはいけない、バランスを保つことが何よりだなと思う。(言葉にするのは簡単だけれど難しいところ…)

0
2025年12月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んだことがあったから覚えておらず再読し始めたらすぐに2度目であることに気付いたのだけれども、
結末をさっぱり思い出せなかったのでどんどん結局読み進めてしまった。
で、途中の同棲のどんでん返しからの突然の失職からのラストの奇妙な再度どんでん返し。
コンビニという日常を舞台にここまで奇妙な気持ちになる描写をできる村田さん、とても面白く感じた。

他の作品読みたいのと
あとがきが今気になっている中村文則さんで繋がった感じが面白かった

あと表紙の絵が金氏徹平さんのドローイング作品なのも抽象度が高くて良い

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2025年12月25日

Posted by ブクログ

分かりやすい感動やカタルシスがあったわけではない。物語としても、劇的な展開や深いプロットを楽しむタイプの小説ではないと思う。

それでも、読後の印象は強かった。
その要因は、心理描写の切り込みの角度にあったように思う。物語で読ませるというより、その視点そのものが作品を形作っているように感じた。

会から求められる役割や振る舞いと、個人が持つ多様性。そのズレが、少し大袈裟にデフォルメされた人物設定によって、はっきりと可視化されていく。周囲の人間が共有している「普通」は意外なほど明確で、そこから外れた存在をより際立たせる。

主人公自身もその「普通」を理解しているわけではない。ただ、社会が何を求めているかは把握しており、それを忠実に演じることで、その枠の中に居場所を見つけようとする。

感じたのは、「普通とは何か」という抽象的な問いというよりも、その普通がどれほど強く人を規定し、同時に排他的にも機能してしまうという側面だった。

そのラストは良いものか、悪いものか。
自分の持っている尺度によって、その受け取り方は変わってくるように思えた。


0
2025年12月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初、村田沙耶香さんです。
この作品はずっと気になっていて、やっと読めました。
150ページくらいで短いのでサクッと読めましたが、内容が濃いのでもっとたくさんページ数があったように感じました。

主人公の感性がとても面白く、興味深かったです。
最初はサイコパスなのかな?と思いましたがそうではなく、周りを見て、周りに溶け込めるように、喜んでもらえるように行動しているのに、普通じゃないと言われ奇異なものを見るような目で見られる⋯
家族は優しいけど、そんな主人公にどう接したらいいか分からない⋯
双方の気持ちが分かり、こういうケースって実際にもありそうで、どうするのが正解なのか読みながら考えていました。
白羽さんは気持ち悪く、こういう人っているよね〜とただただ嫌悪感しかありません。

最後は自分の生きる道を取り戻すことができてよかった。
幸せは他人が決めることではなく、自分自身がそう感じるかだと思います。

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2025年12月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マニュアルがない人生の正しい生き方が分からず、36歳でコンビニのアルバイトしか職歴がなく、彼氏もいない恵子。そんな彼女にとって、従うべきマニュアルが完備されたコンビニはこの生きづらい社会の中で唯一自分が「普通」として生きていける場所なのだろうと思います。異物を排除しようとする社会から弾き出されないようにコンビニ店員であろうとする恵子の姿に、普通であろうとする息苦しさを感じました。

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2025年12月22日

Posted by ブクログ

すごいサクサクよめた以前呼んだ時はなにも話がわからなかったのに今ではすごく分かった
白羽さんだったり、部屋の様子の描写とかが結構リアルすぎて鳥肌もん

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

主人公の感性がおもしろい。コンビニの一部とか、話し方が周りに影響されているとか。恋愛に関しては全く理解できないし、本気で言ってるのがこわかった。

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2025年12月20日

購入済み

考えさせられた

普段全く読まない小説、純文学でしたが、とても読みやすかったです。社会、普通、異質、圧力…すっと全身に入ってきて理解が広がっていくようでした。主人公に今の自分が重なって、胸が苦しくなりました。

#切ない #エモい #深い

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2025年09月06日

購入済み

面白かった

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2025年05月30日

Posted by ブクログ

高校入試の時期に買ったまま放置していた。主人公のあまりの人間味の薄さに移入は難しいけれど、主人公の描写/コンビニの描写ともに聴覚/視覚に偏らせるように揃えられていたり、有機体としてのコンビニから主人公に癖が伝染っていったりするさまが奇妙で面白かった。

0
2025年12月24日

匿名

購入済み

社会が求める「普通」という名のコードとの距離感の問題はある人にとっては問題とも認識されず、またある人は完全にそれに同化してそのコードを拡大再生産する尖兵ともなり得るが、本作の主人公にとってはそれは対象として認識は出来つつもそのようには振る舞えない。一方で「コンビニ店員」としてのコードは完璧に振る舞うことができる。対して白羽にとってそのコードは自身を攻撃してくるのもでしかなく、と同時にそのコードを使って他者を攻撃してもいる。矛盾しているようでいて実際にはこのような人は多く見かける。
コンビニの他の従業員や地元の旧友、そして主人公の妹などは、彼らの価値体系(と言ってもそれは彼ら自身の頭で作り出されたものではなく社会が求める普通という規範であるが)からすると理解不能な主人公を、自身の理解可能な地平に持ってきてジャッジしようとする。そして「叱って」異物を排除して、内部の、「こちら側」の結束を固めようとする。
理解不可能なものを理解不可能なものとして理解する知性は多くの人には無いのだ。

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2024年09月12日

購入済み

普通って何?

個性が強すぎると敬遠され普通じゃないと言われ淘汰されていく。主人公は妹に助言を求め普通の人間に近づこうと外見や話し方を変えていく。そうしないと生きていけない。ただただコンビニの仕事に24時間精神も縛られてないと崩れてしまう。
毎回縄文時代を語る白羽さんとの出合いは彼女にとって普通になれる事だったのか?社会不適合者だったかも知れない彼女がコンビニ店員に身を置くことで社会の歯車に成れたと感じられればこれからも頑張れるのだろう。普通とは?と考えさせる一冊でした。

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2022年02月20日

a

購入済み

同調圧力

とはとても恐ろしいし、自分加害者になってしまっている時がある。
何事にもニュートラルでいる事は本当に、とても難しい。

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2021年07月13日

購入済み

想像の斜め上をいく展開

友達に薦められ、書評を読んでから購入しました。
ありきたりの人間の苦渋を描いたストーリーかと思いきや、想像の斜め上をいく展開に驚きながら一気読みしてしまいました。
色々な人の生き方。これからの社会の多様性のあり方を考えさせられました。

#深い #シュール

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2021年06月06日

購入済み

普通という脅迫

知らずのうちに普通を演じ普通を強要している社会で主人公はコンビニというパッケージされた社会の歯車の中で生きていて、
主人公は結局、普通を消化してしまったのかしら。
それとも選び取った選択だったのかしら。
最後に賛否が分かれるけども、その意味を考えてしまうわねー。

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2021年04月09日

購入済み

コンビニ人間

何だか知らぬうちにハマってしまう作品でした

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2019年11月25日

購入済み

せつない

コンビニ人間って何?
と思い興味本意で読んでみました。
現代の若者の象徴である就職難民からのコンビニバイト。
自分の娘や孫もそうなる可能性はゼロではないと思うと切なく、この様な社会にしてしまった大人達に是非読んで欲しいと思いました。

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2019年01月24日

Posted by ブクログ

面白かった。

少し常識がない人の物語。たまに見せる古倉のサイコパスな一面は、物語を分かりやすくさせていて良かった。

古倉は人の気持ちを慮ることができない分、自分の中で人間として壊れている何かとして考えることができた。それに比べて途中から登場した白羽にはとても胸糞悪い思いをした。白羽は本当にどうしようもないクズだが、相手のことを分かることができる、所謂‘こちら側’の人間であるので不快感が凄まじかった。また、同窓会のメンバー達も不快だった。白羽と同じで‘こちら側’の人間でありながら、常識はずれなことをし優越感に浸るような行動は、古倉目線で語られていたのもあったためか不快を通り越して、怖かった。

結末としては私はハッピーエンドだと思う。自分の生き方を見つけられたので。あのまま生き方を見つけられなければ、古倉は死んでいたように思える。

自分はどこか変なのではないかと思っている人におすすめしたい本。

0
2025年12月28日

Posted by ブクログ

「普通」のこちら側と向こう側の話。
普通じゃない人の生きづらさを感じさせられる物語。
普通じゃない人は本書では二人

主人公の恵子。
多分、発達障害系の人なんでしょう。
コンビニの店員で入れる間、世界の歯車になれるという。
人とのコミュニケーションは苦手でも、マニュアル通りに行動することで、コンビニ店員という「役割」を果たすことができる。

もう一人は白羽。
就職もせず、すべては社会が間違っている!と自己中の周りのせいにする人間!
こりゃ、一般社会ではクズと呼ばれる部類です(笑)

そんな二人が同棲することに!?
しかし、恵子の考え方が面白い..
白羽を自宅で飼うという立場..

恵子にはちょっとは共感できるけど、白羽はダメですね。
恵子は応援してあげたい。
生きづらい世の中を必死で生きている印象を受けます。

自分たちが「普通」だと思っている概念って何?って思い直す物語でした。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

独特の感性を持っている親友からのおすすめの一冊

スラスラと読めるが、後味はなんとも言えない虚無感が残る
主人公は現代社会で言う発達障害の一種。赤ん坊を黙らせる方法としてナイフを使うことを想像するあたりから、サイコパスに近いのではと思われる。
「一般常識」で見ると主人公はとてつもなく負け組だが、彼女の幸せはコンビニ店員であり続けることであり、
ある程度一般常識を叩き込まれた自分からすると、あまりの価値観の違いに驚愕し、再三出てくるコンビニという文字にゲシュタルト崩壊寸前だった。
「普通」「常識」とは何か、考えさせられる。

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2025年12月27日

Posted by ブクログ

7年ぶりくらいに再読。
別にコンビニで働きたいんなら働けばいいじゃんって思う人間なので、周りの人間の方がマジで気持ち悪い。なんで人間って他人に考えを押し付けるんだろう。

人から何も言われたくないなら、自己開示せずになんとなーく偽ればいいし、そもそもつまらない飲み会なんて行かなくていい。そんな「普通って何?」とか深く考えなくてもいいと思う。
でもまあ、それが上手く出来ないのがASDなんだろうな。

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

社会というシステムの中で苦しむ人がいるのはわかる。女は結婚や出産すべきという圧力はいまだに根強いし私も疑問に思うことはある。でも社会化されてるからこそ色々なコミュニティがあったりむしろプラスなことも多いと思う。社会が混沌としていたら今こんなに発展した世界はないと思う。あくまでも小説の中だが、特に縄文ヤローみたいな社会化された世界をここまで否定する人がいると思うと困惑する。確かに行きにくさを感じたり、生きにくさしか感じない人にとっては辛いかもしれないからいろんなコミュニティがあればいいと思うが、こうして私が思うこともそっち側(正しい側)にうまくはめ込まれたからなのだろうか。私が真っ当に生きてきた社会人でうまく社会に丸め込まれたのだろうかとも考える。

0
2025年12月24日

Posted by ブクログ

『普通とは何であるか』帯に書かれていたこの言葉を意識しながら読みました。
登場人物は皆んな自分が一番まともだと思ってるんだろうなと感じました。『まともだと思いたい』の方がしっくりくるかもしれません。
自分の考えや感じ方から遠く離れた人はやっぱり怖いですね。『子供を静かにさせたいならナイフを使えば簡単』なんて考える人が身近にいたら怖いですよ。ま、それと同じくらい、自分の価値観だけでしか話しできない人も気持ち悪いんですが。
主人公が最後にコンビニ店員に戻ることを決意する場面は良かったですね。皆んなが普通の世の中なんて面白くないでしょうから、少し希望が持てる終わり方でした。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不思議だけど何かうなづける部分のある作品だった。
普通と違う子が普通になろうとする。みんなの真似をすればいいだけ。コンビニで働くと社会に出たと認められる。歳をとってくると結婚、妊娠とみんなと同じ道をいかないとおかしいと思われるのも、本当はおかしな話なんだなと気付かされた。コンビニに戻れてよかったね。

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2025年12月22日

ネタバレ 購入済み

シュールすぎる

コンビニ人間って比喩でも何でもなくてそのまんまコンビニの為に生きる人間だった。でも自分も周りの話し方を真似したり影響されたりしてるから共感。

#シュール

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2025年05月03日

購入済み

SF?それともサスペンス?読後感がとても後味が悪く、それが良い意味で面白かったです。
のほほんとしたコンビニでの日常小説かな?と、気軽な気持ちで読み始めたことを後悔しつつ、最後まで一気に読み終えてしまいました。

#エモい #シュール #ダーク

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2023年03月25日

ネタバレ

まず読み始めて、主人公は発達障害の傾向が強いなと思いました。
私自身ASDの診断を受けており、主人公には共感する部分が多い、というよりも、私が書いた日記を読んでいるかのような感覚でした。

作中で、主人公が妹に「いつになったら治るのか」「どうすれば普通になるのか」というように責められる場面があります。それに対する「指示をくれれば私はどうだっていい。ちゃんと的確に教えてよ」という主人公の言葉は、まさに私の主張そのものでした。主人公や私のような人間は、周りの要望に応えるためにわざわざ行動しようとしているというのに、一体どうして具体的な改善案を出してくれないのでしょうか。こちらが歩み寄ろうとしているのに、一方的に糾弾してくるなんて、どう考えても非があるのはあちらではないのでしょうか。

自分自身のモヤモヤが物語になった、というような作品で、共感は得られましたが、感動や新たな発見はありませんでした。

#ほのぼの

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2022年07月16日

購入済み

主人公がアスペルガー だとは書いていませんが、読み手によってはアスペルガーであるだろうと想像させて読ませてしまうところが、実際アスペルガーの人がいる中で生活している、もしくは家族や自分自身がアスペルガーである場合、評価というか読んだ感想や気持ちが大きく変わってくる作品だと思います。

小説というのはあくまで一人の人間、個人の思想を文字にするというものであるからこそ、それが全てではないということも含めて読むのでしょうが。

ここで描かれる普通や、主人公が紛れようとする普通や、登場する全ての人が目指す普通は日本独特の普通である部分も多く、人間世界に共通していえる普通もあり、日本の普通はどこかの国では普通ではない、アスペルガー だろうがなんだろうがここで書かれている皆が目指す普通のことは、ある人にとっては普通であっても、普通どころか君達は何に洗脳されてるのだと異様に感じる人もいるのも事実なので、普通を押し付けようとするシーンでのやりとりなどは、小さな世界感で独特で読んでいて気味が悪かった。カルト集団の小さな世界にも感じる。

この世界は広くて、どこかの空間では普通で当たり前になっているけど、どこかの空間では普通ではなく、当たり前じゃないことがある、人間は視野が狭くなると怖いなと感じ、気味悪さや生きづらさが伝わる作品です。

しかしながら、貧困という問題は個人の責任ではなく国をあげて取り組むべきことだと考えさせられます。こんなに真面目に一生懸命、天職を見付けて輝いて働いているにもかかわらず、人生の一生を保証されないなんて悔しいばかり。

コンビニのマニュアルは、軍隊の規律の中にいるようでさえあり、厳しいですね、怖いですね。

こんなに厳しい毎日なのに、一生懸命働いても保証されないのですね。料金支払い、荷物の受け渡し、毎日の食事まで。街の人々の為に、24時間手厚くおもてなしをしているのに、街の人のために動いてくれるはずの役所の窓口は態度が悪くても許されて、コンビニ店員は態度が悪いと社会の悪になってしまうのですね。

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2019年12月31日

K

購入済み

小説の本質がこれだとしたら、やはり小説を好きになれない。気持ち悪さだけが残った。

#ダーク

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2022年06月21日

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