あらすじ
妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL……。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。
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Posted by ブクログ
とにかく面白かったし、すごく好きな一冊だった。
短編集の形をとりながら、それぞれの物語が少しずつ繋がっていて、別の話で見た人物や出来事がふと顔を出す瞬間がある。
「あ、これさっきの」「この人、あのときの」
その小さな気づきが積み重なって、物語の世界が静かに広がっていく感覚が心地いい。
登場人物それぞれの視点から描かれる人生を追っていくうちに、世界は思っているよりずっと狭いのかもしれない、と思った。
直接交わらなくても、どこかで同じ時間を生き、同じ出来事を共有している人たちがいる。その事実が、なぜだかとても愛おしい。
作中でふと浮かんだのは、テレビ番組のことだった。
ボクシングやお笑いなど、誰もが知る番組を、全国の人たちが同じ時間に見ている。
けれど、それぞれが置かれている場所や記憶、感情はまったく違う。
同じものを見ているはずなのに、心に残る風景は一人ひとり違う。
その当たり前のようで不思議な事実に、妙に感慨深い気持ちになった。
一話一話はとても読みやすく、気づけばすぐに読み終えてしまう。
それでも、読み終わったあとには、世界や人との距離が少しだけ近くなったような感覚が残った。
静かで優しくて、でも確かに心に残る。
そんな読書体験だった。
Posted by ブクログ
とても面白く読めました。
会話が素敵ですね。
最後は感動しました。
登場人物が多すぎて頭が大変でしたが、
おぉこんなところに繋がってるんかーいって、
ゾクゾクしました。
私が主役の私の人生を満喫していきたいなと思えました。
ベリーベリーストロング!
駅前でアンケート調査するサラリーマン、妻に出て行かれた上司、声しか知らない相手に恋する美容師など
様々な人間達の間で起こる少し不思議な(運命的な)物語。
斉藤和義のベリーベリーストロング~アイネクライネ~を聴いていたら
作詞:斉藤和義 伊坂幸太郎
あれ!?となりこの本に巡り合いました。
伊坂幸太郎作品はこの作品で三作目。
さり気ない各短編の繋がりに最後の見事な伏線回収。
伊坂幸太郎らしい物語の締め方で胸にティンパニーが鳴り響きました♪
登場人物の視点が面白い
短編ごとに出てくる登場人物が各話のときの出来ごとに関係していて、読み進めながら(あのときの!)と納得しながら読み進めました。物語全体としては爽やかな印象。爽やかだけど登場人物一人一人の発言が人生の格言になるかもしれないくらい深い。
伊坂幸太郎さんの作品は久しぶりに読みましたが、主人公だけではなく登場人物一人一人の個性がしっかりと描かれており、読んでいて飽きません。
あっという間に読み終えました。
Posted by ブクログ
連作短編集。
タイトルは、モーツァルトの曲名。ドイツ語で「ある、小さな、夜の曲」。そこから小夜曲。
すごく良かった。
伊坂幸太郎の、ミステリーをほっこりに仕立てる手腕とセンスが大好き。
・アイネクライネ
佐藤の該当調査からの、友人の小田夫妻や同僚との会話。
導入からユーモラスでテンポが良く、数ページで設定が理解できる。
ほっこりして、好きでした。
・ライトヘビー
美容師の美奈子が、馴染みの客の板橋香澄から、弟を紹介される話。
最高。アイネクライネからのつながりも、伏線とその回収も、ユーモアも、登場人物も、読後感も、全てが素晴らしすぎる。
・ドクメンタ
佐藤の先輩、藤間の物語。去った妻子、免許更新の女性。
藤間がとても好感が持てて良い。出て行った理由がリアルで良い。そして上司が良い。
・ルックスライク
「高校生」「若い男女」の話が交互に展開。
小田夫妻の娘が登場。若い男女はファミレスでのクレーマーがきっかけ。
そういうことね、と。そして、ほっこり。
・メイクアップ
化粧品会社に勤める窪田結衣。広告キャンペーンのプレゼンに来た代理店の営業が、高校時代に自分をいじめていた人だった。
そこそこ緊張感あるのに、香織がいい味出しててそれを和らげてくれる。純小説チック。
これは他の作品との関連ナシかな。
・ナハトムジーク
ウィンストン小野の試合を中心に、3つの時期を行ったり来たり、
これまでの登場人物が見事にからみ、嬉しい。
ボクシング描写も迫力があって良かった。
Posted by ブクログ
交差して行く感じが読んでいて気持ちよかった。
リアルな感じを醸し出してるタチの悪い奇跡。
偏屈だろうけどそう映る。
なんか何も変わってないんだよな。
人が出会う。何かが起こる。また出会う。
確かにそういうもんかもしれないけど、僕は小説で愚直なロマンを見るのが好き。
Posted by ブクログ
久々の伊坂幸太郎作品、やっぱり読みやすい。
一つ一つの運命や出来事が今に繋がってくるというのがよく分かる。
「あの時こうしていれば」とか「もっとこうしたかった」とか思うときはあるけど、何やかんやそんな過去の自分があるからこその自分というのがよく分かる本だった。
しかし、最後の章では登場人物と時系列に混乱し、「おおっ、ここでこの人!」と思う一方「誰だっけこの人?」って思うシーンも多々あり。
藤間さん(夫)と年代が近しい分、共感を持てた。
パートナーとの関係性が危ぶまれたところで「積み重ね、嫌な方の」と気付いたところは印象に残った。
日々素っ気なく話してたり、小さいことでも相手にイラッとされてることは確実にある。
そんなイライラを少しでも減らせるように、相手への配慮はどんな関係性になっても必要と思った。
サラッと読み返せば繋がりも思い返せたので、読解力の少ない私には2-3回読み返して満足しました。
Posted by ブクログ
色恋や夫婦の出会いや別れを描く、伊坂らしい短編集。中心として、斉藤和義とのコラボというのが基底にある。
あの作品にいた人がここにこう関わってくるのか!というのが、やはり作者らしくて面白い。
各物語の終盤にある、想像していなかった意外性も楽しい。
また、読んでいて、よかったねと心が和むところ、ざまあみ晒せとスッキリするところも気持ちいい。
Posted by ブクログ
最近、私たちは「奇跡的に何かが起こる」という選択肢を忘れがちになっている気がします。人と人がゆるく繋がっていく温かさや面白さが感じられる小説です。奇跡って思っているよりも起こるかもな〜と、少し前向きになれます。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎先生の作品。短編集なんだけどそれぞれの登場人物がどこかで繋がっているという出会いの物語。うまくいかないサラリーマンの話があれば、そのサラリーマンのせいで街頭アンケートをとるはめになった部下の出会いもあり、その部下の友達の奥さんの友達とボクサーが結婚してたり、そのボクサーの頑張る姿をみて頑張ろうときめた人がいたり、その試合をサラリーマンが楽しみにしてたりとかなんかね、全部が繋がってた。途中美容師の美奈子が出てきてボクサーと電話だけで繋がってお付き合いする話があるんだけど、いいなーその距離感て思った。会わんくていい。電話でいい。しかもたまにでいい。それくらいがいい。出会いはなにか意味があるし、大切したいなと思える作品だった。もっとポジティブに生きようってなんか思った。下向いてるより前向いてたほうが出会いあるだろうし、みーんな幸せをつかむことができるんよな!
Posted by ブクログ
ただの日常が鮮やかに感じられるようになる作品。必死でなくとも、劇的でなくとも、どこかで誰かと繋がっていて、奇跡は起こるのだろう。登場人物は「頑張って」人生を変えようとはしない。ただ目の前の生活を生きているだけなのに、その選択やすれ違いが静かに重なり合い、気づけば誰かの人生に確かな痕跡を残している。何も起こらないと思っていた日々にも意味があり、孤独だと感じていた時間さえ、実は物語の一部だったのだと、読み終えたあとにそっと肯定してくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
あとがきにも書いてありますが、暗殺者や超能力者が出てこない著者の作品はかなり珍しいのではないでしょうか。
時間軸をズラしながら、短編の中に繋がりを持たせていくやり方は、伊坂節が効きまくっていて、読んでいて楽しかったです。
ただ、これは完全に好みの問題ですが、自分は暗殺者や超能力者が出てくる作品の方が、よりクレイジーで好きです。
Posted by ブクログ
珍しく恋愛が絡んだお話で、特殊な環境は無し。
なので最初は掴みどころが無くて、登場人物も多いし、いろんな場面があって???となっていたけど、読み進むとやっぱり伊坂幸太郎。進むにつれて暖かくサラッと繋がってくる人達の物語の世界に自分も参加していたような幸せな気持ちになれて面白かった。
Posted by ブクログ
面白かったです。こういう気楽に読める感じの短編作品も伊坂さんならではという感じがして、好きです。ひとつひとつの話も面白いですが、連作短編なので、登場人物がそれぞれの話しで関連しているのがまた面白い。人との出会いの中で自分がその出会いに対してどう向き合っていくかは自分の選択次第、またその結果が自分の人生に与える影響も様々なわけですが、結局どうなるかはわからないわけで、器用に全てがうまくいくなんてなかなか無いわけですから、色々な出会い自体は大切にしつつ、あまり気負い過ぎずに楽しんで生きていけたら一番良いですね。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎さんのお話では珍しく、恋愛小説が集まった短編集。
個人的に、全部の登場人物が程よく関わり合って進む短編集が大好物なので、とっても美味しかった。
あとがきを読んで納得したが、書かれた経歴からして、恋愛小説でありながらも“友愛”を描いているのがとても人間らしくて素敵。結局人には情け無い所もどうしようもない所もいっぱいあって、もがきつつも、なんとなく寄りかかったり寄りかかられたり時には馬鹿なことを言い合いながら生きている。それが総じて友愛であり、そのベン図の中にきっと恋愛も含まれているよ、そんなスタンス。きっかけ一つでくよくよしたりちょっと勇気が出たり、そんなくだらなくて情け無い人間たちが、なんだかものすごく愛おしい。その人間たちのもやもやっとした関係性のループの中に、きっとあなたも私も居るわけであって。
しょーもない事でがっかりしてめそめそしているあなたも、私だって、きっと愛おしい存在だ。そんな事を思った。
Posted by ブクログ
不器用に生きる人々の、思わず応援したくなるようなエピソード6篇。それぞれが少しリンクして、同じ界隈で生きているらしい彼らの“その後”も描かれる(おもしろいけど複雑…(*_*))
恋愛、家族…価値観のすれ違いって、あるよね。
Posted by ブクログ
面白かったです。
短編小説を6編集めた本ですが、登場人物がつながっていて…かつ、時間軸が20年くらいを行き来して、少し頭を使わないと理解出来ない。
Posted by ブクログ
短編集だけど登場人物が繋がっているので読み応えがある。
あれ、もしかしてこの人は?とページを戻ったりして読むのが楽しい。
それにしても『この子がどなたの娘かご存知ですか』作戦は秀逸すぎて笑った。
Posted by ブクログ
伊坂さんの『それぞれの物語が交錯する』伏線回収が好きなんだけど、数日かけて少しずつ読み進めたから誰が誰で、今がいつなのか分からなくなっちゃった(〃ノдノ)記憶が薄れた頃にもう一度、一気に読みたい。
匿名
リンク
この人はさっきのあの人か。そんな感じで読書があまり得意でない自分も最後まで楽しく読めた。映画化もされているらしいので見てみようかな。やっぱりやめておいた方がいいかな。そんなことを考えてしまうくらい好きな作品になりました。
Posted by ブクログ
映画で言うとラブ・アクチュアリーみたいな感じ。あったかい気持ちになれる短編集。
各短編の登場人物たちの関係性が明らかになっていって、最後はなるほどそこがそう繋がったか!って熱くなった。
やっぱり面白い
相変わらずテンポが良く、登場人物の会話が面白くて、時間を忘れて読んでしまいました。
この作品は「恋愛の出会い」をテーマにした作品とのことですが、恋愛物といった感じではなく、伊坂幸太郎さんらしい面白さに溢れた小説になっています。
Posted by ブクログ
伊坂さんの恋愛小説。ふわーっとして幸せになる作品。連作短編で、最終章でいろいろ伏線が回収されて、おーっ、という感じになった。
斉藤和義さんとコラボ(?)のようで、本作から新しい楽曲が誕生したみたい。斉藤さんを意識してだろうが、「斉藤さん 一回百円」という謎の路上占い師?アーティスト?が出てきて、悩みを打ち明けるとその答えになるような斉藤和義の楽曲を再生してくれるという。彼が全編に登場して本作のエッセンスになっているのが良かった。
特に後半、時系列の行ったりきたりがすごくて、ちょっとついていけなかったかなあ。誰か読解力を分けてください。
Posted by ブクログ
章を跨ぐ伏線回収が多く伊坂幸太郎ワールドを存分に感じることができた。
伏線回収の多くがハートフルなものが多いことが個人的な伊坂幸太郎の良さだと思う。
個人的には物語の軸ともなる"ライトヘビー"の話がお気に入りだ。
これまた伊坂幸太郎の魅力であるあっと驚くどんでん返しを食らうことができた。
最終編のナハトムジークではそれまでの異なる軸での物語の伏線を全て回収していくような様子が読んでいて楽しかった。
大丈夫のサインや喧嘩の仲裁など人同士の関わり以外の伏線回収と多いのも良かった。
個人的なお気に入り伏線回収は"ドクメンタ"で記帳をするシーンだ。
それぞれ5年に1度という共通点こそあるもののドクメンタというタイトルで免許更新という内容は繋がりが無さすぎるかと感じたが、ドクメンタの意味の1つのである記録と通帳の記帳でかかっていたのは驚きだった。
自分も佐藤と同じく出会いに理想を求めるタイプだったが、出会い方ばかりにこだわらず身の回りに転がっている出会いに気づき、この人に出会って良かったな思えるようになりたい。