【感想・ネタバレ】アイネクライネナハトムジークのレビュー

あらすじ

妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL……。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

伊坂さんの描く恋愛小説を、これまでとは異なる作風で感じることができ、読後の満足感の高い作品だった。
最初の2作の短編を読んでいるだんかいでは、それぞれ出会いをテーマにしたユーモアのある恋愛小説だと感じたが、その先を読み進めていくにつれ、登場人物たちが時空を超えて繋がりを持ち、奇跡が起こっていくストーリーに心が動かされた。普段の伊坂さんの作品と違って一風変わった登場人物は出てこないが、何度も読み返したくなる作品。

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2026年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あるサラリーマンに始まり、顔も知らない相手と電話友達になった女性、ファミレスでクレームの仲裁をした男性、免許更新のたびに再開するある女性などの様々な人物を6つの短編で描く描く群像劇。
一見関連のない彼らなのに、どこか縁ができて関わりあっていく。
伊坂幸太郎さんの作品はいつもばらばらの登場人物が一つにまとまっていくのが楽しい。

ここで最高の結果が出たらきっとすっきりするんだろうなあと期待するような展開にはならないことが多い。
家を出て行ってしまった妻は帰ってこずに離婚したし、復讐は果たされないし、日本中を沸かす勝利も得られない。
けれど、その人生が失敗なわけではない。
作中では、「自分が正しい、と思いはじめてきたら、自分を心配しろ」「自分の仕事が一番大変だと考えるような人間は好きではない」「特別な仕事に就けたからえらいわけじゃない」など、自分だけを特別視しないような生き方が語られる。
そういう人生を肯定するし、そこから繋がっていくものもあるんだと思える作品です。
縁の積み重ねで、他人から見て百点じゃないかもしれない結果を自分だけの合格点にしていくような作品だと思います。

終盤の、小野とラウンドボーイのシーンが特に印象的だ。
あの日自分の生き方にとびきり影響を与えた人に、自分だけのやり方で再開しにいった青年。
人が誰かに救われるとき、必ずしもそのひとは相手を救おうとして救ったわけではない。
最初公園で出会ったときは、それこそ偶然だった。
2回目リングで再会したとき、きっと救おうとしたわけじゃない。けれどきっとあの瞬間のできことに小野は救われた。
選手としてではなくラウンドボーイとしてその場に立つことになった青年は、あの日の出会いをきっかけに強く成長していった。
人は人に影響を与えあいながら生きている。それが意図的でも、意図的でなくても、運命的じゃなくても。
決定的な影響を誰かに与え、それが良い方向のものであること。それは人生の意味とか答えとかそういうことのように思えて目頭が熱くなった。

伊坂幸太郎さんの作品の中では明るい部類の作品。
登場人物がかなり多いため、時折人物を確認しながら読んだ。電子書籍の検索機能は便利。

♪ベリー ベリー ストロング 〜アイネクライネ〜/斉藤和義


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かっこつけて文章をおえてしまったので書くところがなくなってしまったのだが、憧れのひと追い続ける人間のことが好きなんですよね、単純に………。憧憬が好き…

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2026年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いろんな人がつながっている物語で、おもしろかった。
最後の小野がラウンドボーイのに触発されて戦い切るところが一番印象的だった。
こういう縁がいろんなところで実はあるのかなと思ったし、縁を大事にしたいなあと思った。

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2026年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伊坂幸太郎さんの読んだことがある作品はこれで2作目。
初めて読んだのはグラスホッパーという殺し屋の話。
とっても生々しくてグロテスクだった記憶がある。
今回アイネクライネナハトムジークを読んでみようと思ったきっかけは友達が読んでいたからだ。
装丁が期間限定でかわいくなっていたのも惹かれた理由。
連作短編集というものに少し苦手意識があり楽しく読めるかなと不安だったけどとっても面白かった。
あとがきにもあったが伊坂幸太郎らしいという作品ではないものの伊坂さんが考える友愛・恋愛が描かれていてとても新鮮で楽しく読むことが出来た。
連作短編集ではあるものの物語が少しずつ繋がっていて共通する登場人物が出てきたりと読んでいて面白かった。
日々をがんばって生きている人たちに少し元気をもらえるようなお話。

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2026年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伊坂幸太郎さんの『アイネクライネナハトムジーク』
連作短編集になっています。



1. アイネクライネ
市場調査会社の佐藤は、先輩・藤間が職場で机を蹴り飛ばしたため、余波を食ってコーヒーをサーバにこぼし、サーバをこわしてしまいました。罰として街頭アンケートをやることになってしまいました。アンケート中にはとある女性に出会います。
さらに佐藤は大学時代の友人・織田一真夫妻や上司・藤間らと関わりながら、日常を過ごしている中、道路工事のガードマンをしていた女性に再会します。



2. ライトヘビー
美容師の美奈子は、常連客・板橋香澄から「落ち込んでいる弟・学の話し相手になってほしい」と頼まれ、電話だけの交流が始まります。やがて連絡が途絶えた頃、香澄の家を訪れた美奈子は、テレビで世界戦を観戦し、勝利したボクサー「ウィンストン小野」が学本人であると知ります。
小野はインタビューで「会いたい女性がいる」と語り、どうもそれは美奈子であるらしいです。



3. ドクメンタ
ドクメンタは5年に一度開催されるドイツの美術の祭典です。藤間は免許更新のたびに同じ女性と偶然会ってきた過去を思い出します。妻と娘に去られた後、彼はその女性との再会を少し期待していました。
物語は、藤間の過去10年の免許更新時の出来事と現在が交互に描かれます。彼女がいうには、彼女の旦那は謝罪のメッセージを通帳に記帳していたらしいです。それを聞いて藤間も通帳を確認しに行きます。



4. ルックスライク
高校生の織田美緒は、駐輪シールを盗む犯人を探すため、クラスメイトの久留米和人に相談します。
同時に、ファミレスで働く大学生・笹塚朱美と邦彦の恋愛が描かれますが、これは時間軸が古い物語であり、数人の両親と邦彦と担任の深堀先生の話でした。



5. メイクアップ
化粧品会社で働く窪田結衣は、高校時代に自分をいじめていた小久保亜希と、広告企画の仕事で再会します。結衣は動揺しつつも仕事を進めます。小久保亜希に合コンに勧誘され参加します。彼女が狙う男性にいじめのことを話そうと思いますがやめます。その後、小久保の狙った男性が既婚者であることが判明します。



6. ナハトムジーク
46歳になった小野学は妻・美奈子とテレビ番組に出演し、過去の試合映像が流れます。
番組では、小野の少年期からの半生、姉・香澄との関係、美奈子との結婚、9年前の試合などが紹介されます。小野学は再度世界戦に挑戦していましたが、ゴングと同時に相手を倒していたため、認められませんでした。



日常の小さな出会いや人とのつながりが丁寧に描かれ、読後感が優しいです。アイネ・クライネ・ナハトムジークは、小さな夜の物語という意味です。
たまにはこういう伊坂幸太郎さんの小説も良いかもしれません。

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2026年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

平凡な日常の中に潜んでいる心の暖かさ、不思議な人と人との繋がりを感じることができた。
短編集ではあるが、実は一つの大きな長編の物語になっているところが面白い。
歌のために書いた物語とは思わずビックリ。

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2026年03月05日

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