あらすじ
妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL……。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。
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Posted by ブクログ
6つの連続短編集で感覚的には同著『終末のフール』に近い。
全体的に柔らかい印象を受ける理由は恋愛、友情のような人間味があるテーマに重きを置いてるからだろうか。多分、通常の伊坂作品なら織田一真が伊坂節を駆使して無双してそうだが今回はなんとなく地に足がついている。
この本を読んで気づいたのは、伊坂幸太郎の好きなところの一つに「登場人物がゆるやかに、そして徐々に強固につながる」ように描かれている緻密さにあると思う。
同級生、友人、兄妹、夫婦…挙げればきりのない人間関係がこの本には落とし込まれていて最後の大団円に向かう感じがとても好き。