【感想・ネタバレ】僕には鳥の言葉がわかるのレビュー

あらすじ

ようこそ シジュウカラの言葉の世界へ。

山極壽一先生(総合地球環境学研究所所長)絶賛!
「類人猿を超える鳥の言語の秘密を探り当てたフィールドワークは
現代のドリトル先生による新しい動物言語学の誕生だ」

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NHK『ダーウィンが来た!』をはじめ国内外のメディアが注目する気鋭の若き動物言語学者による初の単著、ついに刊行!

古代ギリシャ時代から現代に至るまで、言葉を持つのは人間だけであり、鳥は感情で鳴いているとしか認識されていなかった。
その「常識」を覆し、「シジュウカラが20以上の単語を組み合わせて文を作っている」ことを世界で初めて解明した研究者による科学エッセイ。
動物学者を志したきっかけ、楽しくも激ヤセした森でのシジュウカラ観察の日々、鳥の言葉を科学的に解明するための実験方法などを、軽快に綴る。

シジュウカラへの情熱と愛情あふれるみずみずしい視点に導かれるうちに、動物たちの豊かな世界への扉が開かれます。読後に世界の見え方が変わる一冊。巻頭口絵にはシジュウカラたちのカラー写真が、巻末にはシジュウカラの言葉を聞ける二次元コードつき。

※この作品にはカラーが含まれます。
※本書に掲載されている二次元バーコードは、デバイスの機種やアプリの仕様によっては読み取れない場合もあります。その場合はURLからアクセスしてください。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

エレガント鈴木、恐るべし。
動物言語学の第一人者でありながら、文章と絵の才も秀でている。エピソードの端々から伝わってくる努力と人柄に、心を強く惹きつけられた。
専門的な内容を扱っているにもかかわらず、難しさはほとんどない。研究の日々がコミカルに綴られていて、私のような素人にもとても読みやすい一冊だった。
これからは、鳥の声をただの音ではなく、「言葉」として聞いてみたい。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

 面白かったです!! 内容は深いのに、文章は平易でとても読みやすかったです。
 私は、オタクや一芸に秀でている人を尊敬しますが、鈴木さんはオタクの中のオタク、トップ・オブ・ザ・オタク、完全無敵で突き抜けていました。
 「好きこそものの上手なれ」といいますが、本の紹介の記事を読んだとき、さらにこれの上をいくものがあることを知りました。それは、孔子の「之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」という言葉です。「学ぶことにおいて、その知識を知っているということは、勉強を好きな人間には及ばない。勉強を好きな人間は、勉強を楽しんでいる人間には及ばない。」という意味だそうです。まさに、「これを楽しむ」を体現した人でした。

 そうした「楽しむ」究極的な活動の中で、鈴木さんは、シジュウカラの鳴き声には違いがあり、「タカ」を発見したときの声や、「ヘビ」という意味の声があること等を発見しました。
 また、言葉を組み合わせて「警戒して・集まれ」という文を作っていることなど、今まで研究者の誰もが考えもしなかった世界的な発見までしました。本にシジュウカラの鳴き声が聞ける二次元コードが載っていたので聞いてみましたが、言葉を組み合わせて鳴いているなんて、私なら思いもしないことです。

 この話、映画かドラマになりませんかねー。見てみたいです。

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2025年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本年の話題書の一冊だと思うのですが実に面白かった。久々一気読みしました。
鳥に格段に興味がない自分でも相当面白く読めたのは、著者のワクワクが伝わるような躍動感ある文体と分かりやすく丁寧な描写の力、何よりもシジュウカラが言葉を持っているということを証明したい、世の中の人に広く知ってもらいたい、そのためには時間も手間も惜しまないという絶え間ない熱意の力が大きかったと思われます。

これは中高生にこそ読んでもらいたいなぁ。教科書に著者の文が掲載されているそうですが、きっと面白く読んで興味を持つお子さんが多いのじゃないかと想像。反応を聞いてみたいですね。
このぐいぐい読ませる力は、発見する→その発見が恒常的であることを証明するにはどうしたらいいか→証明する方法を考えて実行する→観察して証拠を集める→論文にする→論文が認められ絶賛されるという繰り返しがあり、その「論文が認められる」ということで読んでいるこちらも一種爽快感といいますか、高揚感を感じられる仕組みになっていることも大きい気がします。
どうしたら他人に伝わるのかということをよく考え抜いた「さすが言葉について考え抜いた学者だ(鳥語だけど)」と思わせられる構成になっています。

「どうしたら証明することができるか」と実験の方法を編み出して(?)いく発想力が本当にすごい。
そしてそれをやり抜く忍耐力。凄まじいと思います。
白米だけ一月生活とかキャベツ一玉イッキ食いとかもあり得ない!?と思ったけれども、何よりそのシジュウカラを観察し続ける忍耐力が「知りたい」という好奇心といいますか探究心といいますかそれに支えられ続けているのがすごい。
研究者ってやはり特別な人だなぁとその意味でも思います。

突然推理探偵になってみたり、研究者が研究対象に似てくる考察があったりユーモアもたっぷり。「エレガント鈴木」に爆笑してしまいました。いや、嬉しさがすごく伝わりました。
集めた音声がヒナたちを救った船のエピソードには感動しました。

一つ考えさせられたのは「(p234)今日解決されていない諸々の環境問題も、こうした井の中の蛙と化した人間たちの暴走によるところが大きいと、僕は思う。このままでは、そう遠くない未来、人間も地球も滅びるだろう。」という警鐘です。
さらっと書かれているからスルーしてしまいそうになるけれども、自分はこの文を読んで今年の日本で起きた激しい熊害について考えました。熊の問題もこの文の前段に書かれている「人間は高度な動物だ」「人間は自然を支配する特別な存在だ」という思い込みから始まっているようにも思えました。

先生の「シジュウカラの言葉を知りたい」という探究心が動物言語学という新しい学問の扉を開いたということにも感動。
それは他の動物にも彼等の言語があること、それを知って人間と彼等が今後良き共存をしていくという意義があるのだろうと思わされました。

他の動物達の言葉がわかった、鳥の言葉がさらにこんなことも言っていたとこれからこの分野が深まった話を知ることが楽しみになりました。
今年一番の本かも。

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2025年12月20日

Posted by ブクログ

この本はものすごい。こんなに偉大なことをした人がいたなんて恥ずかしながら全然知らなかった。日本人として鈴木氏を誇りに思いました。

動物言語学という新たな学問を立ち上げるまでの鈴木氏の情熱と執念にただただ拍手。しかも研究のエピソードが軽いエッセイのような形で読みやすいし分かりやすい。ルー語の説明も秀逸。
専門的な論文なんかより、こういうエッセイチックで大衆に読みやすくしたのがとても良いと思いました。全日本人に読んでほしい本です。

この本を読んでから、街中にいる鳥のさえずりに耳を傾けるようになりました。

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2025年12月19日

Posted by ブクログ

作者の探究心と実験と発見が凄い!
とにかく面白くて一気読みした。
鳥の声に耳を傾ける事が増えました。

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2025年12月18日

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大好きなことがあって、それをずっとやっていける強さと幸運。研究業績はもとより、この人、エッセイストとしてもかなりの腕前ではないでしょうか。確かに人間は動物の一つ。それぞれの種の進化の一つに過ぎない。なので、人間だけ言語を持っている、というのは、著者の指摘通り、確かに疑問。人間も動物の一種。謙虚さが必要ですね。ということは置いといて、とにかく楽しく読ませていただきました。研究者の皆さーん、お忙しいこととは思いますが、素人にも分かるこんな本、お待ちしていまーす。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

面白い!鈴木先生はたまたまみたテレビでピックアップされていて、面白い研究されてるなという印象だったが、まさか本を出されていたとは。シジュウカラの言葉を見つけていく過程がユーモアある文章で滑らかに語られており、一緒に新しい発見をしているようだった。最後にシジュウカラの鳴きQRコードがあり、本の内容をリアルに感じられたのも良かった。

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2025年12月14日

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未踏の動物言語学を立ち上げた鈴木先生。
鳥の言語を解明する手段が素晴らしかった。抜け目のない手段を用いた非の打ち所のない研究に感銘を受けた。

AIの時代、情報はありふれており、既に確立された学問の情報収集など容易である。重要なのは新たな発見をするということ。しかもそれは今知り得る情報以上にありふれているのだと思った。人類は手を取りあって未知を開拓すべきだと思った。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

ラジオで著者のお話を聞き、興味が出たため、本書を手に取ってみた。
昔から、動物も会話をしているとなんとなく思っていたため、実際に動物の言語を明らかにした著者の研究内容は非常に興味深かった。研究生活も、大変ではあるものの非常に充実し、また、楽しんでいる様子が伝わって面白かった。
理系を専門とし、研究したことがある身として、著者の実験デザインに脱帽した。改めて、沢山の論文を読む重要性を感じた。専門ではなくても、研究を行う人は一度読むと勉強になることが多い作品だと思う。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

最高だった!
こんなにもわくわくするなんて。
研究者の研究対象への純粋な興味とひたむきな努力に感服する。
緻密に検討された研究を分かりやすく楽しく教えてくださったことに感謝。
動物言語学の今後を追い続けたい。

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

鳥が好きで鳥の研究ができる大学に進学し、そのまま研究を続けて、まだ40代前半という若さで動物言語学という新しい領域を切り拓いた、その研究人生を綴った本。毎年何か月も軽井沢の森にこもり、シジュウカラの鳴き声の観察・研究を続けるのは大変なことだと思うが、その大変さがさらりと書かれており、楽しくて研究をやっている感じが伝わる素晴らしい本。人間だけが言葉を操るという観念を覆し、シジュウカラが文を作る、ということの証明も素晴らしいし、その手法について「ルー語による文法の証明」「「ぼく・ドラえもん」実験」とわかりやすくユーモアのある語り口で説明している。観察するだけではなく、論文にまとめるために緻密に実験計画を組み立てて、粘り強く検証し、その結果、論文は高い評価を得ている。途中に挟まれている「ヒナ救出大作戦」などのエピソードも心温まる。
【目次】
はじめに

鳥たちの世界へ
小鳥が餌場で鳴く理由
救いと拷問のキャベツ
ヒロシ先生の思い出
巣箱をかけた話
都会の住宅事情
繁殖の観察
修士課程の秋と冬
巣箱荒らしの犯人
大発見! ヒナの力
パースの思い出
動物の博士
実家の巣箱
ヒナ救出大作戦
井の中の蛙
シジュウカラに言葉はあるのか?
「ジャージャー」はヘビ!
シジュウカラは文を作る
ルー語による文法の証明
「ぼく・ドラえもん」実験
翼のジェスチャー
カエル人間救出作戦
動物言語学の幕開け

おわりに

特別付録 シジュウカラの鳴き声を聞いてみよう
参考文献

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

Audibleにて耳読したのがとてもよかった。シジュウカラの鳴き声(言葉)が聞き分けられるようになりました!
鈴木さん、いろんなメディアに引っ張りだこで、先日「徹子の部屋」に出演しているのも拝見した。あの黒柳徹子さんを目の前に、全く動じたり緊張したりすることもなく(そのようにお見受けしました)、シジュウカラの言葉について語ってらした。時にタメ口で(^^;)
自分の興味関心があることにどっぷり浸って続けていくこと、そしてそのためには周りの大人(両親や教師)がそれを見守り支えることがとても大事なんだなと改めて思った。前者を子供たちに伝えたいなと思っていたら、すでに光村図書の教科書に鈴木さんの書き下ろし文が掲載されているとのこと。
特に好きな章は、「実家の巣箱」「ヒナ救出大作戦」。どちらもニンゲンがシジュウカラの言葉を使って、シジュウカラを守っている。すごい!

それにしても、鈴木さん、シジュウカラの観察に没頭する余り、3食を①白米、②お湯かけご飯、③水かけご飯…でバリエーションをつけているなんてぶっ飛んでいらっしゃる。シジュウカラ以外は興味関心が湧かないのだろう。自分のことに構ってる時間なんてないのだ。そんなふうに夢中になれる何かがあるって、本当にすごい!
鈴木さんを見ていると、mina perhonen デザイナーの皆川明さんを彷彿とさせる。自分の好きなことに一直線で、まっすぐで、関わりのある人(鈴木さんの場合鳥や自然)を大事にし、小さなことをコツコツ積み上げ、大きな成果を生み出している。それに対して周りの人が興味をもち、みんなの幸せを生んでいる。類稀なる偉大な人物だなぁと思う。自分も、自分の道で頑張ろう…そう思わせてくれる素敵な人である。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

子どもの教科書に載っていた方だと思い読みました。昨日の情熱大陸も見ました!今まで鳥の鳴き声を意識して聴いてませんでしたが、これから耳を傾けたいと思います。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

レコーダーと双眼鏡と知恵。
それだけでこんなにも深い世界に辿り着けるのか。
身近にいる鳥たちの世界に想いを馳せることで、見える景色が変わった。

いつのまにか動物を共生ではなく、利用の対象と見ている人間の傲慢さにも気がつく。

作者の軽快な語りも魅力的だった。
爽やかな鳥たちの世界の虜になる。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

おもしろかった
そして凄い!
特別付録の二次元コードを聴いていたら
うちの猫の耳がピーンとなって
今までぬくぬくと寝てたのに
起き上がってきた(笑

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

ちょっと面白すぎる
この本の(一応)主題である「シジュウカラが言葉を話す」という発見の内容だけでも面白いし
エッセイとして書かれているからこそ「学問における証明の仕方」も分かりやすく体験として感じられる
そして言語学者の、反論し、確認し、そしてそれを受け入れるという矜持にも興奮した
とりあえず街歩きながら鳥の声聞けるようにイヤホンしない日を作ろうかなとか思い出す

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

話題の一冊

人類が井の中の蛙で危機感を覚え、本を書いたと言う。
動機がすごい。

動物には言葉がない。確かにそう思っちゃってました!学術書など読んだことがないけど、なんとなく、人間の知能(言語能力)の高さが人間をここまで連れてきたのだろうと思っていたかも。
うんうん、確かに自分の常識を覆された。

すごく読みやすいのだけど、とにかく初っ端から鳥への熱意に圧倒される。
この没頭ぶり、これが成功する人の特徴なんだろうな。
なにかにこんなに夢中になれるって羨ましい!

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

202511

シンプルにエッセイとして一級なんじゃなかろうか。
さくらももこの『ひとりずもう』を読んだときを思い出した。

- 軽井沢でのフィールドワークの様子、論文の投稿、審査、学会での発表の様子。
- 憧れの学者との出会い。新しい学問分野「動物言語学」の提唱。
- 簡潔で読みやすいウィットに富んだ文章で、感動すら覚える。
- 子供たちにも読ませたい一冊。

- 後書きの最後の一文が嬉しい。「それでは、また次の本でお会いしましょう。」

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

街で見かける鳥たちはどこで眠って何を食べ、集まってどんな分かち合いをしているんだろうと思っていました。本書は地道なフィールドワークを重ね動物言語学をたちあげた鈴木俊介さんによるおもしろエピソードの紹介。イラストもエピソードも心温まるものが多く、関わる対象への愛や好きという気持ちの素晴らしさを感じました。

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2025年12月20日

Posted by ブクログ

こんなに情熱的な研究者を尊敬する。
こんなに夢中になれることがあるなんて、うらやましい。

世界の常識を変える力、素晴らしいです。

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2025年12月19日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白くて一気読み。
題名だけ見ると専門的な話が多いのかなと思いきや、とっても読みやすいノンフィクション。クスッと笑えるところもちらほらあって、本当に読みやすい。
全く泣ける内容じゃないのに読んでて何度か目頭が熱くなったのは、鈴木先生の、たんに鳥が好きというだけじゃない、鳥に対する熱いリスペクトの気持ちがしっかり伝わってくるからなのかも。
あとシジュウカラが大変尊い。
鳥好きや鳥飼いはもちろん、鳥に興味ない人も読むべき話題作。

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2025年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 年初から話題になっていたし書店の店先でも絶えず目にしていた。
 年末になってもまだ、ラジオパーソナリティがオススメしていたり、人気が衰えないのが凄い。ぼちぼち帰省の季節、甥っ子どもへの推薦図書選びもと思っていたところだったので、やっと手にした。

 思っていたとおりの(装丁から予想される)軽めの筆致。
 でも、飾らない言葉、ユーモアのある文章、子どもにも分かる平易な表現で、動物の生態の面白さを楽しく伝えてくれている。
 いや、それだけじゃない。本書が人気なのは、好きこそものの上手なれ以上に、創意工夫と豊かな発想、問いかけの大切さといった、昨今忘れられがちな価値観に気づかされてくれるからだろう。
 AIで簡単に答えが得られるが、自然観察で得られる気づきと発見の素晴らしさを、あとがきで改めて記すまでもなく、本書を読んで鼓舞されることだろう。
 いや、それすらも、今の子ども、若者は鬱陶しいと敬遠するだろうか。

 恩師の「たまには逆の発想をしてみることも大切だ。みんなが当たり前だと思っていることも、間違っている場合がある」という教えに応え、常識を疑ってかかる姿勢も素晴らしい。
 人間以外の動物に、意味のある言葉はない、文法はないという常識を根底から覆した。

「証拠がないことは、ないことの証明にはならない」と、オッカムの剃刀の例を引く後半が、本書のハイポイントだ。
 その証明のために、
「人間の言葉のように特定の意味を伝えているのかを区別する“方法”を考え出すことだ。もし、思考節約の原理に沿って考えても、具体的な意味を伝えているとしかいえない証拠を示せれば、動物も言葉があることを証明できるはずである」
 と、あきらめずに、愚直にその方法を考え出す。そのことが何より大切だということを教えてくれる。

 “言葉”というものの概念も、もしかしたら変わってくるのかもしれない。
 人間だけのものと思っていた、2000年もの傲慢な思い込みを改める時が来ているのかもしれないと思うと、ちょっとワクワクさせられる。
 新たな未来も期待させる好著だ。

 ちょっと、論文が専門誌に採用、掲載されたのクダリが多すぎるのがタマニキズだけど(笑)

 帰省の際、甥っ子に持ち帰って読ませよう。末の子は、来年もう中学生(早いなあ)。ちょうど良いかもしれない。

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

文章・イラストがマッチしていてクスッと笑えて楽しい。好きが文章全体から伝わってくる。知らなかった鳥の言葉にも、それを追い求める著者の情熱も含めて最後まで楽しく読めた。これから鳥の鳴き声を意識して聴きたくなる一冊
好きを極めるひとつのサクセスストーリーとしても楽しめた。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

とても読みやすく虫や、動物に夢中になっている小学生にも読んで欲しいと思った本でした。
動物言語学が広まるとドクタードリトル先生の世界も夢じゃないかもしれないとワクワクしました。イラストも分かりやすく実験内容が想像しやすかったです。

好きこそ物の上手なれ。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

何かにずっと夢中ってすごい!

好きなことに取り組めば
無限に世界が広がる。
それを誰かに知らせれば
底辺はぐっと広がる。
その中の誰かが違う好きなことを見つければ
そこから先はループのように広がっていく。
もちろん鈴木俊貴の粘り強い研究方法と発想力は称賛に値するが
まずはその研究の仕方を世に知らせ
研究をしないまでも
人々に自然と関わりましょうと種蒔きしたことがすごいと思う!

平易な文章でユーモアもあって
読みやすい。
人間の言葉使いも達人ですね。
自身で描かれたイラストも愛に溢れてメチャ可愛い。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

◼️ 鈴木俊貴「僕には鳥の言葉がわかる」

シジュウカラの研究が、世界の常識を変えた。読みやすいだけに、込められた苦心がにじむ。

読んでいる最中、読書友たちにこれめっちゃおもしろい!と見せたら、NHKでドキュメンタリーやってたとか、話題の本だとか、中には生物好きもいるので盛り上がった。と、テレビ見てたらその翌日の「情熱大陸」でも特集すると。なにかと繋がったこの良書。パワーを感じる。

著者は動物行動学を専攻として、軽井沢の森に自作の鳥の巣をかけて回り、シジュウカラの営巣や外敵からの身の守り方その他のフィールドワークを積み重ねていた。その中で、シジュウカラが「ヂヂヂヂ」という鳴き声を出すと、コガラなどカラ類で混群を形成している鳥たちが集まってきたり、「ピーツピ」と鳴くと警戒体制に入ったりすることを認識する。上記の警戒音に加え、ヘビを見て「ジャージャー」と鳴くと巣の中にいる雛たちが驚きの行動をすることが分かってきた。

これらの成果をまとめた論文は一流のジャーナルに採用され多くの反響を巻き起こした。当時学界では言語、会話は人間に特有のもので動物の鳴き声は感情表現に過ぎないと、断定のような形で理解されていた。著者はさらに、シジュウカラは文を作る能力があるのではという感覚をもとに、実証実験を重ねるー。

著者は動物言語学というジャンルを確立し、世界中の注目を集めている。夢のある話で、他の動物の言語についても研究がすでに始まっている。

シロートとしては、正直、動物の意思伝達としての言語、ジェスチャーの研究がこれほどまで進んでいなかったことに少々驚く。恐竜絶滅についても巨大隕石衝突という理論は、少なくとも私が子どもの頃にはなかったし、大陸移動説も最初は敬遠された。科学が自らふたをしている部分が多い、という感慨がよぎる。

番組では、本に書いていないシジュウカラ夫婦の会話のようなものも捉えられていて大いに興味をそそられた。小鳥も言葉を話している。どうやって文を作っていることを実証しようと考える中で、ルー大柴の「ルー語」から発想したのは楽しかった。「ピーツピ ヂヂヂヂ」=「警戒して、集まれ」ルー語では「警戒して、トゥギャザー」。これをコガラの同じ意味の鳴き声に置き換える。このくだりはもう1回読む気になる。

文芸的にも多くの賞に輝いたこの本、軽いタッチで、あまり難しい、専門的な領域の記述はほとんどない。その裏には、何年にもわたる地道なフィールドワークと実験データの蓄積、さらに専門的で複雑、詳細な検討があったのだろうと、平易な文章がかえって滲ませる効果を発揮している。

一般的にも大変興味のあるジャンルで、繰り返すが夢のある話。数多存在する動物の言語が、次々と解き明かされる日が待ち遠しい。

ホントにおもしろい本でした。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

面白かったです
分かりやすい文章で内容も感心させられますし、著者の方の人となりがなんとなく伝わってくるようで気持ちよく読み切ることができました。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

動物の言葉を知りたいなんて何度思ったか。

ペットや野良猫ちゃんと触れ合う時、いつもいつも気持ちを探りながら対話しようと試みるけどなんとなく分かってもなんとなくでしかないのよ。

鳥にも言葉や文法を操ることができるし、ジェスチャーもできちゃうなんて動物の世界の深さに驚愕。
シジュウカラが好きすぎて追いかけて研究する著者自身の根気強さも圧巻だし、その成果も読者が読みやすく理解できるように書かれていてありがたい。

まだまだ知らない動物の世界、今後も動物言語学の成長を見届けたい。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

地面を走って逃げる
ネクタイしてるあの鳥
(これ書いたあとで気がついたけど
違う鳥だった)
何回調べても名前忘れちゃう鳥
この本のおかげで
もう二度と名前を忘れたりしない鳥

もっと簡単に
鳥だって言葉くらいしゃべるやろ
って思ってた
結構いろんな種類の鳥類と暮らしたことあるから
鳥の鳴き声にいろいろあるのは知ってたし
あるじゃろ、言葉くらいって思ってた

それ、全然違ってた
たぶんそうなんじゃない?ってのと
証明してみせるの
全然違ってた
心意気とか素直さとか
そうか、これが一般人と
何かを成し遂げる人の違いか
って
めちゃくちゃ腑に落ちた

研究内容もとても興味深かったうえに
エピソードも楽しく読めるように書かれてて
子どもから大人まで楽しめると思う

世界に誇れる研究者が
同じ言語を話す人でよかった
星は4つ

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2025年12月21日

Posted by ブクログ


今話題の動物言語学の鈴木俊貴さんのノンフィクション大賞受賞作の本書
貧乏努力学生からひたむきにシジュウカラと向き合い、鳥達の言葉を理解して動物言語学を世界に発表するまで

キャベツ事件や巣箱荒らしなどいろいろな事件が起こるけれど、とにかく文章がやさしくて温かい

読んでるだけで森の中にいるような癒しの1冊

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2025年12月15日

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