あらすじ
恋愛-一時的の精神異常だが、結婚するか、あるいは、この病気の原因になった影響力から患者を遠ざけるかすれば、簡単に直る。…このような風刺と機知に富む社会批評で、19世紀末アメリカのジャーナリズムで辛辣な筆を揮ったビアス(1842-1914?)の箴言警句集。芥川龍之介の『侏儒の言葉』にも大きな影響を与えた。(解説=長田弘)
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中学か高校だかのとき、謎の岩波信仰を持ってたけどまともに読める本がなかった。そんな私にも読めたのがこれ。辞典形式で皮肉は超一級。今でも大好きな本。
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風刺と機知に富む社会批評で、
アメリカ草創期のジャーナリズムで
辛辣な筆を揮ったピアスの箴言警句集。
その中で面白かったのが、
「王子さま」
ロマンスの中では田舎娘に、
現実の生活では友人たちの細君に
愛情を施す青年紳士。
「電話」
気に食わぬ奴を寄せつけないでおく
便宜の一部を放棄せざるを得ぬ悪魔の発明品。
である。
読んだ瞬間、思わずふいてしまった。
確かに、その通りであるな、と思った。
「悪魔の発明品」という言葉が好きだ。
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一番のおすすめは『友情』
天気の良い日は二人ぐらい十分乗れるが、悪い日にはたったの一人しか乗れない船。
他のおすすめとしては『大砲』『批評家』『殺人』『お金』『阿片』『尊敬』などが素晴らしい。
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「人ってここまで皮肉れるものなんだなぁ…」と思わず感動さえ覚える一冊です。
古典文学の定番でもあり、未だに根強い人気を持ちます。
とにかくページをめくった瞬間から出るわ出るわ、ブラックジョークの嵐。
唖然のち苦笑、時々鬱。
「一年」を思わず「365回の失望からなる一期間」と読んでしまわない程度の服用をお勧めしますw
個人的にはいつか英語版も読んでみたいですね。
…下手したらMに目覚めかねないですけど(笑)
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人間って昔も今も考えてる事あんまかわんないだなあと読んで思った。
ウイットに富んだ会話を欲するけども、どうもするっと出てこない。そんなシャイで弱気な貴方のポケットに是非一冊。
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人道主義者。救世主は人間であり、当の自分は神であると信じている者。
急進主義。今日の諸問題に注入した明日の日の保守主義。
反逆者。新しい悪政を主唱しながら、これを敷くことに失敗した者。
実証主義。「実在」についてのわれわれの知識を否定し、「仮象」についてのわれわれの無知を肯定する哲学。
三段論法。大前提、小前提、非論理的な結論、の三つから成る論理方式。
理性。偏見に対する偏った好み。
偏愛。幻滅への準備段階のこと。
運命。暴君が悪事を行う時に利用する典拠または愚者が失敗をしでかした時に持ち出す口実。
労働。Aなる者がBなる者のために財産を獲得してやる方法の一つ。
無宗教。世界中の偉大な信仰の中でもっとも重大な信仰。
幽霊。内なる恐怖が外に現れた目に見えるしるし。
用心深い。耳にする10%、読むものの25%、目にするものの50%しか信じないさま。
恋愛。一時的な精神異常。結婚すれば簡単に治る。
バッカス。古代の人々が酒に酔っ払う口実として便宜上作り出した神。
冷笑家。物事をあるべきようにではなく、あるがままに見る、たちの悪いやつ。
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本著のあらましを紹介された上で読み進めてもやはり彼自身の筆の力を感じられずにはいられない一方で、あらすじで語られるように、幼少期の反発からついには消息不明で終りを迎えたその生涯のあり方が示唆的でもある。
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注目すべき点はp.294「人間の心は一定量の愛情しか持たない。従って、対象の数が多くなれば多くなるほど、一つ一つの対象が受ける愛情は、それだけ分量が少なくなる」である。これを念頭に入れてから読んだ方が、効力は一層大きくなる。
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まさに「冷笑家」のための辞典。
内容は皮肉が大半だが、自虐的なものもありそれほど嫌味っぽくは感じなかった。
見出し語が日本語訳後の五十音順で並べられており、非常に読みやすい。
内容に関しては、若干女性への軽蔑などの偏った見方が含まれるため、苦手な人は注意。
物事の見方が広がるのでオススメ。
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親の蔵書から。函入りのものだけど、見当たらないのでこちらで登録。ひねくれ加減が絶妙。ブラックユーモアたっぷりで思わずクスリとさせられる。ひねくれてるのに真意をついた説明が素晴らしい。ぱらぱらと少しずつ読むのがよい。2012/265
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この辞典を開くと、最初は愛国者から始まる(そう、愛は存在しない)。内容はこうだ。「部分の利害のほうが全体のそれよりも大事だと考えているらしい人。政治家に手もなくだまされるお人よし。征服者のお先棒をかつぐ人。」ははは。南北戦争の兵隊上がりのジャーナリストにとって、ペンと銃の区別など必要なかったようだ。敵兵だろうが言葉だろうが、対象を狙い定めてただ容赦なく打ち抜くのみ。乾いた時代には乾いたユーモアが良く似合う。巻末にある長田弘氏による解説は、本文の徹底した辛辣さの中に潜む誠実さを見事なまでに炙り出している。
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強烈な風刺本。
女性にはまさしく敵ともいえるような本ですね(笑)
だって扱いがあまりにもぞんざいなんですから。
こうやって書いている私もまあ、女ではありますが。
辞書よりも最後に出てくる
彼の生涯のほうが魅力的に
感じるかもしれませんね。
そう、彼の最後はまさしく謎…
人を選びます。この本。
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辛辣な風刺批判で有名だったビアスらしいですね。悪魔の…というのは人の心や影。辞典を手に取ってみたら「幸福」を引いてみてください、納得しますから。
辞典の中には当たり前ですが現代人に馴染みない単語も多々あります。気分転換程度にめくるにはうってつけの本ではないでしょうか。
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中学生の時に読んだ本。
友達、の欄にかかれてある「都合のよい大きな船」という表現(だったと思うけど)に、当時の私は衝撃をうけたのを覚えています。
友達に裏切られた裏切った、が自分の世界の大きな出来事だった学生時代。悠々と泳ぐ大きな船のはかなさや切なさを知っていたからこそ、その皮肉めいた表現に思わず苦笑いしたのでした。
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A・ビアスは世の中を再定義したといっても過言ではない。ただし、毒気が多すぎる気はするが。
「退屈な人間――聞いてもらいたいときに話をする人間」はその典型であろう。人間はみな自分の世界観を持たなくてはならない。本書は、読む人が自分なりの再定義をする作業を手助けしてくれるだろう。
ちなみにA・ビアスがペンネームで使ったのが、「Fiend:冷笑家」です。
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風刺と機知に富む社会批評で、アメリカ草創期のジャーナリズムで辛辣な筆を揮ったビアス(一八四二‐一九一三)の箴言警句集。芥川龍之介の『侏儒の言葉』にも大きな影響を与えた。名訳の誉れ高い旧訳にさらに手を入れ多くの新項目を加えた決定版。
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たった数行で物事の本質を的確に表してしまう。
しかも冷ややかなユーモアを持って。
100年ほど経った今でも十分通用する言葉の数々。
憧れの詩人です。こんな仕事をしてみたい。
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皮肉とユーモア溢れる約300ページ。かなり好きな一冊。始めから終わりまで通して読むもよし、暇な時適当に開いたページをフムフムと読むもよし。新しい智恵がここに。
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「あらゆる災難の中で、最初で最もすごいもの−」コレは、「誕生」の項に書かれた説明。全編、風刺に満ちた文章で満たされています。キリスト教や書かれた当時のアメリカの世情がわかればもっと楽しめるのだが。
Posted by ブクログ
時代が違うのでピンとこないもの、皮肉といえば皮肉だけど当たり前すぎてさほど面白くないものが結構多く、意味がわかってからするめのように面白く感じるものも少し、声を出してふふっとなるのは3割くらいかな。
本書によると私は低能である笑
おんな、口軽なこと、敵意、などの項目では女性への偏見たっぷりで女の私からしたら苛つく内容だった。対して、男性について語る時は自虐ネタなので差を感じる。まぁ著者が自由に語る本なのだから仕方ないが。
単体の本として読むというより、創作のネタ帳として使えそうだ。
悪党
市場へ出す箱づめのいちごと同じで、人目を引くように並べ立てたもろもろの素質を、つまり、上等な奴が一番上にならべてあるのを、反対の底のほうから開けてしまった男。
悪人
人類を進歩させて行く最も重要な要因。
安堵の思い
寒い日に朝早く目をさましてみたら、日曜日だったと知ること。
一年
三百六十五回の失望から成る一期間。
親殺し
子供が親に対して加える情けの一撃。これによって人の親たる者は、果して自分は親であるか否かとまさぐる苦悩から解放される。
懐古
不仕合せな人びとに許された最高の贅沢。
鏡
人間が迷いから目を覚ますようにと、その上で何かある束の間の芝居が演じられるガラス板。
休戦
友情。
空気
気前のいい神さまが、貧乏な連中を太らせてやろうとの思召しから、支給して下さる滋養分ゆたかな物質。
忠実
いままさに裏切られようとしている人びとに特有の美徳。
追伸
ご婦人の手紙の中で、急いでいるときにそこだけ読めばよい部分。
人間
自分の心に描くおのれの姿に、恍惚として眺め入っているために、当然あるべきおのれの姿が目に入らない動物。
歯医者
あなたの口の中に金属を入れたかと思うと、あなたのポケットの中から何枚かの硬貨をつまみ出す手品師。
Posted by ブクログ
数多くの追従を生んだウィットに富んだ歴史的パロディ本。
しかし現代人の感覚からすると、ビジネス版悪魔の辞典など現代版が感覚的に腑に落ちると思われる。
古典の名作として☆3つ。
Posted by ブクログ
辞典の形をとった随筆で知識の宝庫
この本自体が135ページの「造語」に
値するのかもしれない
毎回開いたどこから読み始めても問題なし
暇つぶしの知識のお散歩に連れ立つのに
適しているとも言えそうだ
無駄な知識に興味のない私には退屈だけれど
134ページの「象の鼻」などは
ユーモアを楽しめる人ならば
この本を読みこなしたことになれるだろう
しかし呉れ呉れもこの世をはかなんで
高い崖から身を乗り出さないように
お願いします
Posted by ブクログ
これは痛快にして悪魔。
相当の皮肉屋さんだ。ふふっと笑ってしまう。
諧謔がある。風刺がある。
現代ならミニブログ系SNSで持て囃されるのかも。
皮肉とは真実を不愉快に言い表すことだ、っていうのを耳にしたことがある。まさにそういう言葉のオンパレード。表現の在り方の幅を見せつける。
もちろん辞書として編まれているのでどこからでも読める仕組みになっている。