感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2021年04月25日
吉村昭が好きで、よく作品を読んでいる。若いころ結核で死を宣告されたも同然の時期があり、吉村昭の死への思いはとても強い。
その作家の最期はすさまじく、自分で呼吸器を外しての死だった。自分で安楽死した、というと語弊があるかもしれない。
その光景を見た妻がどう感じていたのか知りたくて購入したのだが、ここに...続きを読む現れない様々な苦労が滲んでいて、読み進めるのがつらかった。
あの年代だから、女性が作家として生きていることへの後ろめたさ、でも作家として生きていること、夫への思い、そしてそれらに全部寄り添ってきた夫。
うらやましい夫婦であると同時に、吉村昭は彼の作品にあるような死生観を、そのまま自分の最期に実行させたこと、そしてその現場の凄まじさ…言葉もない。
Posted by ブクログ 2014年07月29日
辛い。
健康に生きるのは簡単じゃないけど、死ぬのはもっと難しい。ちゃんと向き合いたいけど、そんなこと出来るだろうか。
津村さんの本を読んで、吉村さんの本を読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ 2021年10月04日
この本を読む前、ご主人の吉村昭さんの「冷い夏、熱い夏」を読みました。
弟の凄絶な癌の闘病や死を書いた吉村さんが、ご本人が癌になった時、どう向き合ったのか知りたくて手に取りました。
この本は、同じ作家であり、吉村昭さんの妻である津村節子さんの目から見た、吉村さんの癌発覚から最期の様子を記した本です。...続きを読む
吉村さんは、辛い症状に苦しんでいたかもしれないけれど、病気を受け入れて、自分なりの死生観を貫いて、とても落ち着いて亡くなったのだなと思いました。
最期の最期の行動は、衝撃的だったけれど、本人にとっては一番納得のいく方法だったと思うし、それを受け入れた奥さんと娘さんも素晴らしいと思います。
日記に書かれていた奥さんに対する短い言葉に、感動もしました。日記、ちょっとつけたくなってしまいます。
淡々とした文章なのに、伝わってくる想いは大きくていい本でした。
Posted by ブクログ 2020年10月14日
まだ身近な人が亡くなったことがないのでグサグサ刺さったわけではないけど最後はザワッときた
こんな最後の最後まで想ってくれる人がおるなんて幸せやな、吉村さんの本も読んでみたくなった
Posted by ブクログ 2013年08月10日
吉村昭の最期の様子を新聞で読み、感動したものだが、その病気から臨終の様子を克明に淡々と描写していく。そして、合間合間に二人の作家の過ぎ去りし日々が語られていく。夫婦愛の物語でもあり、戦後を生きてきた夫婦の物語でもある。老境にさしかかりつつるある自分の身を振り返りながら読み進め、ずっしりと胸に響く一冊...続きを読むとなった。