あらすじ
ある出来事がきっかけで他人が作った料理を受け付けなくなってしまった高校生の冬真は、同級生の時枝くんに「難病を抱えた美少女」の妹がいるという噂をきく。友達にそそのかされ、時枝くんの家まで行ったことがきっかけで、冬真は時枝くんと仲良くなっていくが――。一方、国際交流プラザで働く紗里は、「きれいなものが好き」なあまり、太ることへの嫌悪感を抱えていた。自分が撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、“罰”としてマッチングアプリを始めて……。それぞれの理由で世界への信頼が薄くなった彼らが、大切な人と歩いていくために一歩を踏み出す感動作。
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Posted by ブクログ
連作短編集
作品に漂う雰囲気がとても好きでした
読み終わってから、漠然としか受け止めきれず、タイトルに続く言葉は何だろうと考えていました
生きづらさや辛さ、抱えている問題など、粛々と描かれていてさらさらと読んでしまうけれど、取り上げられている事柄は重い。
それでも、少しずつ受け止めて一歩ずつ切り開いていく姿をかみしめながら読みました
菜子さんや冬真の母がいてくれて本当に良かった
世界への信頼ができなくなっていても。
今後、何が起こるかはわからないけれど。
もう一度噛み締めながら読みたいと思う
そして、自分が息苦しさを感じたら、何度でも繰り返し読みたい
Posted by ブクログ
今作も安定の面白さでサクサク読めた。
いつも心の奥底のモヤモヤを言語化してくれる。
勝手に写真をSNSにのせられた経験ありなので、その時の怒りや気持ち悪さを代弁してくれた。茅島や村中のように、盗撮に罪悪感を感じない人って結構いる。SNSで映り込んだ他人の顔普通に晒しても平気なのね。
ほたるいしマジカルランドが出てくるとは!嬉しかった!
Posted by ブクログ
家族だから全て理解できるわけでも許せるわけでもなかったり、他人でも理解してくれたり、そっと寄り添ってくれたり、守ったり守られたり、優しい繋がりは自分で作っていけるんだなと思う。世の中は意外と優しく思いやりに溢れていることに気づいていたい。
Posted by ブクログ
ものすごく良かった。すごく、すごく良かった。誰かを思って、動くこと。誰かを思って、見守ること。難しいと分かっていても、側にいることを選ぶこと。覚悟を持って選んだことなのに、いつか突然、選んだ今が消えてしまうのではないかという恐怖。そのときが来たときに、自分はきちんと歩けるのだろうか。どうか、歩けますようにと願い、想う。そんな気持ちのゆらぎの中で、それでも大切にしたいものを見つけ、守ろうとし、もがく。この物語は、真っすぐに生きる誠実さと、誰かを思う、思いやりで溢れた世界を描く。大切な人が、ただただ幸せであってほしいと願うこと。その想いが、自分を受け入れてくれるその存在が、今日も真っすぐ生きようとする人たちの力になる。そう、「世界はきみが思うより」ずっと。そのことに気付ける大人でありたい。何度でも読み返したいと思う、心温まる一冊。
Posted by ブクログ
この本は、日常や社会の当たり前に思えることを少しずつ疑い、世界の見え方が実は人それぞれ違うことを教えてくれます。読むと、自分の常識や固定観念がどれほど世界のほんの一部しか見ていないかに気づかされますね。でも、果たして本当に「世界は思うより広い」と言えるのか、それとも読者自身の視点次第でしかないのか、少し考えてしまいます。
Posted by ブクログ
それぞれの事情で、世界への信頼が揺らいでいる人たちの話。それぞれの想いや行動には必ず何かしらの理由がある。自分にも、その他の人にも。立ち入ってはいけない、立ち入って欲しくない領域もある。それに気付いて、その思いを尊重できる人になりたいと思った。とっても難しいことだけれど。
Posted by ブクログ
連作短編集
さまざまな生き方や気持ちを肯定し、
後押ししてくれるような作品だった。
父親の不倫のせいで手料理を食べられなく
なった主人公の冬真、難病を抱えた妹が
いる時枝くん、太ることに恐怖を感じている
紗里。彼らの周りにいる人たちも、それぞれが
悩みや生き辛さを感じている。彼らがお互いに
関わり合い、大切に思いながら乗り越えていこうとする姿が羨ましい。
人を許すこと、違いを受け入れること、
他人から無理に認められようとしなくても
自分自身を肯定すること、出来そうで
なかなか難しい。
幸せかどうかを決めるのは自分。
他人が決めることじゃない。
幸せの定義は人それぞれ。
そんな風に強い気持ちを持てたなら
もう少し、生きやすくなるのかもしれない。
私も過去、人間関係で辛い目に遭った事が
ある。ただ、ひたすら耐えた。
それしか方法がなかったから。
誰かに頼れば良かったのかもしれない
だから、「大丈夫だよ」って言うなぁ‥
元気のない人に。
でも、これって大きなお世話なのだろうか。
優しさの暴力?
自分の言動に不安を覚える‥
それぞれが辛い思いをしてきた彼らだが
少しずつ世界への信頼を取り戻していく
世界はいろいろと難しいけど
「世界はきみが思うより」
少しだけ、信じても良い場所なのかも
しれない
Posted by ブクログ
高校生男子2人、そして家族の繋がり。
世界は思うよりどうなんだろう?と考えながら読む。
思うより甘くなく試練にぶつかる事もある。
思うより優しく、温かく見守られていたりもする。
どちらにしても、見上げる空が美しく有ります様にと願う心が温かい。
Posted by ブクログ
父親の浮気が原因で手作りの料理を食べられなくなってしまった冬真。
両親から育児放棄をされている時枝くん。
太ることに異常に恐怖を感じている紗里。
彼らそれぞれが、生きづらさを感じ、世界を信じられなくなっている。
でも、ちゃんと彼らには愛してくれる、理解しようとしてくれる、幸せであるようにと祈ってくれる人がいる。
そんな世界の優しさがじんわりと沁みてくるお話。
この作品の驚くべきところは、主人公たちにとっての敵対人物にとっても、支えてくれる人たちがいること。
例えば冬真の父親は、浮気をして離婚したが、今は新しい家族がいる。
紗里も、最初は時枝くんを傷つけた張本人だったが、水田という理解者に出会える。
時枝くんの母親は育児放棄をしてしまうけれど、夫のサポートあっての生活をしているようだ。
分かり合えない立場の人にも、世界の優しさが享受される。
タイトルが示すように、世界は私たちが思うより、信じても良い場所なのかもしれない、と感じられる作品。
Posted by ブクログ
読み終えて心が温かくなる物語でした。理不尽を理不尽だと言える強さも欲しいけれども飲み込んで強くなる道もあるんだなと。誰かの普通は万人の普通ではなくて、じゃあ普通である事は重要では無いんじゃ無いかなと。自分が心地よく生きられるのが一番。自分自身を信じてあげたい。
Posted by ブクログ
生きづらい世の中の暗部を突きつけられつつも、確かな希望が残る一冊。
「世界はきみが思うより悪くないかもしれないよ」——冬真と時枝くんの未来が、どうか明るいものでありますように。
Posted by ブクログ
いつものように「ふつ~って何?」と問いかける著者の一冊。
おいしそうな食事がつくのも、寺地流。
男子高校生が近所に住む男子転入生、
その同級生が知られたくない画像がSNSにアップされていて
そのアップをしたとされる社会人の女性が食べることに悩んでいて・・・
・・・という具合に連関していく。
世界は君がおもうより・・・きっと優しい。おおらか。信頼できる?
どちらにしても、前向きになれるところが、この小説家の好もしい点。
高度成長期に生まれたシニア世代は、令和の世についていくのは
なかなか大変なのだけれど、
大丈夫、がんばろうと思えわせてくれる。
Posted by ブクログ
難病なのに健気に振る舞って周囲に生きる意味を教えるなんて、と憤る弓歌。SNSに娘の作った弁当を載せて悦に入ってるあかり父を愛情搾取と断罪する香川母。ドレスを着た時枝くんの写真を見て、勝手に大丈夫と言う、周囲の優しい暴力と、抗議する冬真。冬真は他人の作ったものを食べられなくなった元凶の元父をきっぱり否定。
そんな中、きちんと時間をかけて築かれる、冬真と時枝くん、そして紗里と水田さんの関係性。
一つずつ積み重ねながら歩む彼らの日常がとても心地良い。
表紙のイラストは全て本文に登場するものたち。
Posted by ブクログ
高校生の冬真と国際交流プラザで働く紗里の視点で、周囲の人たちとの関わりが描かれる。
一見普通に見えても普通なんてない。みんなそれぞれ事情を抱えているものだ。それに自覚的であるかどうか。
よかれと思って踏み込む無神経な冬真の同級生のような人も多いのだろう。主語は自分。彼らは、自分の好意を受け入れられない相手が狭量なのだと掌返しをするから始末に負えない。
冬真の母親も時枝の叔母の菜子もかなりいい大人だと思う。(おかずシェアの会は唐突な感じがしたけれど。)
冬真の父親や時枝の両親はどうしようもない大人の見本みたいだけれども。そっちと暮らさずにすんだ幸運に感謝だな。
ほたるいしマジカルランドが出てきてちょっとうれしい。
Posted by ブクログ
これ受け入れられるのかなって思いながら生きてしまうこと、自分や他人を少し尖った目で見て、NOのレッテルを貼って生きてしまうことが多い私にちょっとだけ前を向いて頑張ってみる勇気をくれた1冊
世界は思うほど悪いもんじゃないなって教えてくれました◝✩
章によって誰目線かが変わるけど登場人物全員が絡み合った普段の生活を通じ、前を向く登場人物たちに共感したし、この輪に入りたいなと思って、最後はジーンとしながらこの本を読んだ。
おそらく大学生の子を持つお母さんの心に一番沁みそうだなっておもった!
私にとってまだ大人かなって思うこともあった
そしてとってもお腹がすいた☺︎
藤のバスケットにお弁当入れてピクニックしたいな(今は寒すぎるけど)
Posted by ブクログ
ひまわりめろんさんの本棚から
「大丈夫」この言葉がまた私に鋭く刺さる
「こまどりたちが歌うなら」でも私が気になった言葉
本書でも注目の的になった高校生時枝くんに、クラスメイトたちが声をかける
「だいじょうぶやで」
「ぜんぜん恥ずかしがることちゃうし」……
気遣うように明るく優しく
いったい何が「だいじょうぶ」なのだろう
時枝くんを傷つけようとした人はいないのに
優しく温かい世界にも刃は存在する
この小説に悪意のある人は登場しない、と思う
でも登場人物ひとりひとりの生きづらさの中に、時として悪意なく人を傷つけていることがあり、自分自身の言動を考えさせられる
自分の今思っていることを口に出して言えた冬馬、時枝くん、紗里さんの成長が未来の幸せに繋がっていくと信じたい
初めて手にした寺地さんの作品「ほたるいしマジカルランド」が出て来た時には、懐かしくて嬉しかったし、「オズのオズマ姫」がオズの魔法使いシリーズだとわかりびっくりした
寺地はるなさんの登場人物への優しさを感じた作品だった
Posted by ブクログ
いくつになっても人間関係の難しさはある。紆余曲折を経て一緒にいて心地よい距離感の人や理解してくれる人と出会える事が出来た時、自分が思っていた世界は意外と変わるのかもしれない。
Posted by ブクログ
このタイトルから、きっと世界は良くないイメージで、あまりにも希望がない
みたいなことだろうと思っていたけれど、正にその通りで
読み始めて、朝井リョウさんの正欲を思い出した
あんなに尖ってないけど、もっと優しい世界だけど
とてもじゃないけど生きやすくはないこの世界
認め合ってる?そんなことはない
昔ほど言いやすい?そうかも知れないけどまだまだだと思う
この世界にこびりついた普通はそう簡単には取れない
でも、寺地はるなさんの描く世界は優しいから
もう少し、この世界を信じてもいいかなって思える
Posted by ブクログ
わかって欲しかったいつかの感情や、見せたくなかった傷のようなものをそっと撫でてもらえたような、叫びたかったいつかの怒りや悲しみを、吐き出したモノを全部掬い上げてくれたような、そんな読後感。
自分がいつか誰かや何かにモヤモヤしていた事を、優しくも鋭く言語化してくれている。
正しさや正義は人の数ほどあって、変わりようのない事実の咀嚼の仕方次第なんだよな。
悪意の無い優しさこそ凶器性を持っていたりするし、誰かにとっての普通や当たり前が、誰かにとっての苦しみや死にたみになり得る。
世界はきみが思うより、信用できないかもしれないし、やさしかったのかもしれない。
Posted by ブクログ
私の存在が母親の人生の足枷になっていると思ってた。だから早く生きるのをやめたい。
綺麗じゃないと、痩せていないと愛されないと思ってる。だからそうではない私は無価値だ。
人の気持ちなんて変わるものだと思ってる。だから誰も信用しない。期待したくない。
それは両親の存在が、言葉が、私に刷り込ませたものだと思ってる。でもそうやって人のせいにしても仕方ない、考え方次第だよって、自分に修正をかけようとしてもどうしても拭いきれない。
世界は私が思うより、、、
私自身がどうしたいか
もっと自由に
心を楽に生きてみようと…
ちょっとだけ思わせてくれた物語でした。
Posted by ブクログ
数時間あれば読めてしまうほどサラッとしているが止まらない
幸せそうに見えても側からは分からない
誰にだって色々ある
でも他人を思いやれる気持ちは温かくて良いし素敵だ
そして改めて親の愛って最強だと思う
読後「ありがとう」と母へ伝えたくなった
Posted by ブクログ
重いテーマの本を読んだ後は、優しい気持ちになれる寺地はるなさん。
高校男子を中心に周りの人々との繋がりを感じさせるストーリー。
冬馬くんや時枝くんが、いつも家族や友人の気持ちを考えて行動する姿が丁寧に描かれている。
我が家にも年頃の男子が二人いるけれど…
果たして我が家の男子、ここまでできているのだろうか。
あっ、それをいったら私もだけど…
紗理さんの気持ちの変化や、自分と相手にキチンと向き合っていく姿も、見逃せない。
偏見なしで相手と向き合うことはなかなか難しいことだ。
それでも、時間をかけて相手を知るということをキチンと行なうことで、相手に対する偏見の目が消えていくことを改めて実感。
それが、なかなかできないんだよな。
でも、今日だけでもまっさらな気持ちで行ける気がする。
Posted by ブクログ
「隣の芝生は青い」のことわざではないが、あの人は自分より幸せそうだなと思うことが誰でもあると思う。
この物語の登場人物達も傍から見る分には幸せそうに見えるかもしれない。
抱えている悩みなんて本人にしかわからない。
それを口に出しても軽蔑する人ばかりじゃない。
全ての物語を読み終わってタイトルの意味がわかった気がしました。
こんなあたたかい世の中ならいいな。
Posted by ブクログ
最後の言葉がキュッとしみました。物静かな冬馬くんが自分の気持ちを言葉にできるようになったのがとても嬉しかったです。出てくる人、皆それぞれいい人で、巡り会えてよかったねと言ってあげたいです。周りの人を大切にしたいと思える、温かな気持ちになれる一冊です。
Posted by ブクログ
寺地さん作家生活10周年。
他人の作った料理が食べらなくなったぼくがようやく見つけた友達を傷つけてしまう。家庭環境や世の中の常識、恋愛の対象等自分が当たり前と思っていることが違っている「この世界」。生きにくいこの世界が悪くないかもと思えるようになればいいですね。#NetGalleyJP
Posted by ブクログ
複雑な気持ちの表現とか、逆に行動で複雑な気持ちなんだろうな、ということをこちらに読み取らせる文章力が好きで、すぐ読み終えてしまった。
この人から見るとこうなんだ、相手はこうなんだ、でも悪気はなくてそれがむごいし言い訳に聞こえるけど、でもその出立ならその発言もわかるよな、という場面が多く、リアルだった。
感動!号泣!というわけではないが、そのリアルさと物語だからこその奇跡があって救われた作品。
定期的に読みたくなる。
Posted by ブクログ
その人が気づいていないだけで、誰しもが誰かの大切な人。受け入れてもらえていないようで、受け入れられている。頼ることをしないようで、上手に頼っている。依存は相手への愛ではない。
愛とか思いやりは、目に見えず、自分の見えないところで密かにたしかに存在しているもの。