あらすじ
ある出来事がきっかけで他人が作った料理を受け付けなくなってしまった高校生の冬真は、同級生の時枝くんに「難病を抱えた美少女」の妹がいるという噂をきく。友達にそそのかされ、時枝くんの家まで行ったことがきっかけで、冬真は時枝くんと仲良くなっていくが――。一方、国際交流プラザで働く紗里は、「きれいなものが好き」なあまり、太ることへの嫌悪感を抱えていた。自分が撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、“罰”としてマッチングアプリを始めて……。それぞれの理由で世界への信頼が薄くなった彼らが、大切な人と歩いていくために一歩を踏み出す感動作。
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Posted by ブクログ
寺地さんの作品は人に寄り添ってくれる気がしています。
人は1人1人違っていて、考え方も違っていて、感じ方、受け止め方、愛し方、それぞれ色々と違う。読んでいて何故か涙が出そうになりました。
個人的にその人が好きだから触れ合っていたいという気持ちはあるけど性行為がしたいか、と言うとそうでもないし、水田さんとはちょっと違うけど…
でも、私も世界は私が思うより悪くないと思う。
Posted by ブクログ
最後にもらい泣き。子育てを振り返ればいくらでも後悔がわいてくる。
いやいや、そんな話しではないんですよ。
他人の作った料理が食べれなくなった高校生冬真、伯母の元で難病の妹と共に暮らす時枝。2人の男子高校生をメインにジェンダーレスやヤングケアラーや、自分の中に巣くうルッキズムなどなど、いい塩梅の軽やかさで書かれています。
寺地さん大好き!
Posted by ブクログ
とても良かったです。
食とセクシャリティに不自由を抱える人たちが関わり合いながら自分の居場所を掴み取っていく物語。
高校生の冬真くんと社会人女性の紗里さんの視点が一編ずつ交互に入れ替わって物語が進みます。
冬真くんたちのお話が好きですが、紗里さんと似た食への不自由を持っている身としては紗里さんに共感しながら読みました。
最後2編は泣きました。
メインの登場人物含めクラスメイトや職場の同僚なども、間違うことはあってもみんな優しくていい人たちです。
自分の正義が誰かを傷つけることもあること。気をつけていても難しいなと思いました。
個人的にはブロマンスが好きなので、そういった目線でも楽しめました。
みんなに幸あれ!
Posted by ブクログ
世界はきみが思うより、悪くないかもしれない。そうだったらいいなぁ。寺地さんの描くこの世界が、優しくてあたたかくて大好きだと思った。
ままならないこともあるし、信じられらないときもある。それでももう少し生きてもいいかなって思えるような世界だったらいい。冬真と時枝くんの会話に感じる、相手との距離感、相手のことを考えること、発する言葉、彼らの柔らかい空気感がすごく好きだと思った。
Posted by ブクログ
他人の料理が食べられない、太るのが気になって、食事がたくさん食べられない、同性が気になる、、、。さまざまな生きづらさを抱えた人々が交わることによって、心を開いていく物語。
スラスラと一気読みした。
Posted by ブクログ
『寺地はるなさんの作品の中で一番好きが上書きされた』
すごく良かった。高校生の青春友情小説かと思いきや、センシティブなテーマを繊細に物語にした素朴で優しい作品。ストーリーに大きな山や谷はないのに、登場人物たちの心の機微を丁寧に紡ぎ、読者自身がどう捉えるか考えさせられるような余白を感じる。
今まで数多くの寺地作品を読んできたが、寺地さんは書き手として「誰も傷つけたくない」という配慮のような、ポリシーのようなものを感じる。この物語のように、他人に言葉や態度の刃を向けることなくフェアな接し方ができれば、世界はきみが思うよりもっと良くなるはず。この本を好きな人とはとても仲良くなれる気がする。
同じPHP研究所から刊行された「ガラスの海を渡る舟」も大好きな作品だが、今作は寺地はるなさんの作品の中で一番好きが上書きされた。(寺地作品ファンはほたるいしマジカルランドでニヤけること間違いなし!)
Posted by ブクログ
人の数だけ想いがある。
相手を理解して受け入れてやさしさを見せたつもりでも、それが相手を傷つけてしまうこともある。
複雑で難しい。
冬真が、時枝くんが話していないことは自分からは話さない、としたスタンスが、1番相手を思いやった行動なんだなと思った。
ほたるいしマジカルランドが出てきた!
寺地さん好きとしてはうれしい。
Posted by ブクログ
連作短編集
作品に漂う雰囲気がとても好きでした
読み終わってから、漠然としか受け止めきれず、タイトルに続く言葉は何だろうと考えていました
生きづらさや辛さ、抱えている問題など、粛々と描かれていてさらさらと読んでしまうけれど、取り上げられている事柄は重い。
それでも、少しずつ受け止めて一歩ずつ切り開いていく姿をかみしめながら読みました
菜子さんや冬真の母がいてくれて本当に良かった
人を好きになったときのいろんな気持ちがたくさんあってそんな気持ちがたくさん詰まっている。
今までに世界への信頼ができなくなっていても。
今後、何が起こるかはわからないけれど。
もう一度噛み締めながら読みたいと思う
Posted by ブクログ
ある出来事がきっかけで他人の料理を受け付けなくなった高校生の冬真は、同級生の時枝くんに難病を抱えた美少女の妹がいるという噂を聞き、見に行ったことで仲良くなる。
時枝くんのある画像から国際交流プラザで働く紗里が原因だとわかり…。
冬真を中心に周りの人たちとの関わりで繋げる連作短編集になっている。
みんなが真っ直ぐだから繊細だから少し生きづらく感じるのだろうか…
だが冬真を見ていると時枝くんと親しくなってから強くなったような気がする。
誰かを守ろうとするからだと思うとその優しさがときには悲しくさえ感じてしまう。
どれにも愛はある。
それは確かに感じられた。
Posted by ブクログ
短編のようにエピソードが6つ積み重なり、一つのお話となる展開でした。他の人が作ったものを食べられないような少し神経の細い高校生、冬真(他にも言えない秘密あり)が同級生の時枝と親しくなる。きっかけは高校でよく一緒にいる仲間が、時枝の妹が美少女だったので探りに行って欲しいと言われたこと。
時枝が学校とは全く関係ないイベントでやったことがSNSにあがっているとクラスで話題になるのだが、そのイベント側の紗里から語られるのが2章。紗里もやせていないといけないという縛りを持ち、生きづらいのだが、マッチングアプリで知り合った水田も大きな陰りを持つ者だった。
少しずつ登場人物たちがかかわり合って行くのだけれども、スタンダードから外れていることを生きにくく思ってる人たちが生きづらいなりに優しく思いあってあるのが良かった。読み終わるとタイトルが活きてきます。
性的なことにも踏み込んだ内容なので中学校から。
Posted by ブクログ
高校生の友情物風だが、家族を含めて他人との関わり方を突き詰めて描いている。無神経な人が溢れる世間では生きづらいだろうが、その人間性にとても共感できた。
登場する食べ物がことごとく美味しそうです。
Posted by ブクログ
冬真の他人へグイグイいかず、一歩置いて考えて接する仕方が私とは違っていて、良い意味で考えさせられました。
親として子どもにグイグイ聞いてしまう事があるけれど、本人が話してくれるまで待つというのもあるんだな〜と。
うちの長男はそんなタイプなのに、グイグイ聞いて心配して、こうした方が良い、ああした方が良いと言っていた事に反省。
涙が出て感動するお話しではないけれど、1人の人として子ども達と接しなければと思わせるお話しでした。
時枝君と冬真のこれからが幸せであってほしいと願う作品でした
Posted by ブクログ
それぞれの事情で、世界への信頼が揺らいでいる人たちの話。それぞれの想いや行動には必ず何かしらの理由がある。自分にも、その他の人にも。立ち入ってはいけない、立ち入って欲しくない領域もある。それに気付いて、その思いを尊重できる人になりたいと思った。とっても難しいことだけれど。
Posted by ブクログ
連作短編集
さまざまな生き方や気持ちを肯定し、
後押ししてくれるような作品だった。
父親の不倫のせいで手料理を食べられなく
なった主人公の冬真、難病を抱えた妹が
いる時枝くん、太ることに恐怖を感じている
紗里。彼らの周りにいる人たちも、それぞれが
悩みや生き辛さを感じている。彼らがお互いに
関わり合い、大切に思いながら乗り越えていこうとする姿が羨ましい。
人を許すこと、違いを受け入れること、
他人から無理に認められようとしなくても
自分自身を肯定すること、出来そうで
なかなか難しい。
幸せかどうかを決めるのは自分。
他人が決めることじゃない。
幸せの定義は人それぞれ。
そんな風に強い気持ちを持てたなら
もう少し、生きやすくなるのかもしれない。
私も過去、人間関係で辛い目に遭った事が
ある。ただ、ひたすら耐えた。
それしか方法がなかったから。
誰かに頼れば良かったのかもしれない
だから、「大丈夫だよ」って言うなぁ‥
元気のない人に。
でも、これって大きなお世話なのだろうか。
優しさの暴力?
自分の言動に不安を覚える‥
それぞれが辛い思いをしてきた彼らだが
少しずつ世界への信頼を取り戻していく
世界はいろいろと難しいけど
「世界はきみが思うより」
少しだけ、信じても良い場所なのかも
しれない
Posted by ブクログ
高校生男子2人、そして家族の繋がり。
世界は思うよりどうなんだろう?と考えながら読む。
思うより甘くなく試練にぶつかる事もある。
思うより優しく、温かく見守られていたりもする。
どちらにしても、見上げる空が美しく有ります様にと願う心が温かい。
Posted by ブクログ
父親の浮気が原因で手作りの料理を食べられなくなってしまった冬真。
両親から育児放棄をされている時枝くん。
太ることに異常に恐怖を感じている紗里。
彼らそれぞれが、生きづらさを感じ、世界を信じられなくなっている。
でも、ちゃんと彼らには愛してくれる、理解しようとしてくれる、幸せであるようにと祈ってくれる人がいる。
そんな世界の優しさがじんわりと沁みてくるお話。
この作品の驚くべきところは、主人公たちにとっての敵対人物にとっても、支えてくれる人たちがいること。
例えば冬真の父親は、浮気をして離婚したが、今は新しい家族がいる。
紗里も、最初は時枝くんを傷つけた張本人だったが、水田という理解者に出会える。
時枝くんの母親は育児放棄をしてしまうけれど、夫のサポートあっての生活をしているようだ。
分かり合えない立場の人にも、世界の優しさが享受される。
タイトルが示すように、世界は私たちが思うより、信じても良い場所なのかもしれない、と感じられる作品。
Posted by ブクログ
読み終えて心が温かくなる物語でした。理不尽を理不尽だと言える強さも欲しいけれども飲み込んで強くなる道もあるんだなと。誰かの普通は万人の普通ではなくて、じゃあ普通である事は重要では無いんじゃ無いかなと。自分が心地よく生きられるのが一番。自分自身を信じてあげたい。
Posted by ブクログ
生きづらい世の中の暗部を突きつけられつつも、確かな希望が残る一冊。
「世界はきみが思うより悪くないかもしれないよ」——冬真と時枝くんの未来が、どうか明るいものでありますように。
Posted by ブクログ
いつものように「ふつ~って何?」と問いかける著者の一冊。
おいしそうな食事がつくのも、寺地流。
男子高校生が近所に住む男子転入生、
その同級生が知られたくない画像がSNSにアップされていて
そのアップをしたとされる社会人の女性が食べることに悩んでいて・・・
・・・という具合に連関していく。
世界は君がおもうより・・・きっと優しい。おおらか。信頼できる?
どちらにしても、前向きになれるところが、この小説家の好もしい点。
高度成長期に生まれたシニア世代は、令和の世についていくのは
なかなか大変なのだけれど、
大丈夫、がんばろうと思えわせてくれる。
Posted by ブクログ
難病なのに健気に振る舞って周囲に生きる意味を教えるなんて、と憤る弓歌。SNSに娘の作った弁当を載せて悦に入ってるあかり父を愛情搾取と断罪する香川母。ドレスを着た時枝くんの写真を見て、勝手に大丈夫と言う、周囲の優しい暴力と、抗議する冬真。冬真は他人の作ったものを食べられなくなった元凶の元父をきっぱり否定。
そんな中、きちんと時間をかけて築かれる、冬真と時枝くん、そして紗里と水田さんの関係性。
一つずつ積み重ねながら歩む彼らの日常がとても心地良い。
表紙のイラストは全て本文に登場するものたち。
Posted by ブクログ
高校生の冬真と国際交流プラザで働く紗里の視点で、周囲の人たちとの関わりが描かれる。
一見普通に見えても普通なんてない。みんなそれぞれ事情を抱えているものだ。それに自覚的であるかどうか。
よかれと思って踏み込む無神経な冬真の同級生のような人も多いのだろう。主語は自分。彼らは、自分の好意を受け入れられない相手が狭量なのだと掌返しをするから始末に負えない。
冬真の母親も時枝の叔母の菜子もかなりいい大人だと思う。(おかずシェアの会は唐突な感じがしたけれど。)
冬真の父親や時枝の両親はどうしようもない大人の見本みたいだけれども。そっちと暮らさずにすんだ幸運に感謝だな。
ほたるいしマジカルランドが出てきてちょっとうれしい。
Posted by ブクログ
自分の思う普通や幸せを誰かに押し付けて傷つけたこともあるだろうし、相手にとっては思いもよらぬ一言に深く傷つくこともある。許さなくてもいいし、憎み続けるほどこだわらなくていい。怖がりすぎて未来を閉ざすほうがもったいないね。変化も楽しみながら。
Posted by ブクログ
人との関係性っていろいろですね。
人とはこうあるべきという固定観念にとらわれ過ぎないことが大切なのだと思いました。
それぞれの幸せの形があっていいのですね。
Posted by ブクログ
難病、性的指向、心理的トラウマ、家庭環境。生きづらさを抱える登場人物たちが少しづつ自分の在り方を確認していく物語。
周りに隠していたいわけではないけど、全部開示したいわけではない。問題のある環境でも全てが嫌なわけじゃなくて、好きなところも多々ある。
社会的な考え方とか施策って0か100かみたいなところがあるけど、押し付けがましさもあって難しい。
自然体でいられる場所を見つけた彼が、その時間が確かにあったことの証人を求める気持ちを考えるといたたまれない気持ちにもなるけど、お母さんのようにわかっていてもあえて何も言わずに尊重してくれる人が存在するこの物語はやはり優しさが勝る物語だったと思います。
Posted by ブクログ
それぞれが抱えてる生きづらさを描いた作品。
そしてその生きづらさを受け入れてくれる人が、世界のどこかにいる。
普通とは違うことに不安を感じ、世界を信じられなくなる時があるかもしれない。
それでも著者が書くように、世界は思っているよりも優しく、穏やかなのかもしれない。
読後はとてもスッキリした気持ちになることができた。
登場人物それぞれが、2人の世界で穏やかに暮らしてほしい。
Posted by ブクログ
ダメ親、なんだか切ない。でも子どもは、まっすぐ育つ。もちろん立派なおやに愛された子どもも。だから「世界はそんなに悪くないかも」だけど、キレイ事では済まない世界から離れて、しばし寺地ワールドに浸った。
Posted by ブクログ
数時間あれば読めてしまうほどサラッとしているが止まらない
幸せそうに見えても側からは分からない
誰にだって色々ある
でも他人を思いやれる気持ちは温かくて良いし素敵だ
そして改めて親の愛って最強だと思う
読後「ありがとう」と母へ伝えたくなった
Posted by ブクログ
重いテーマの本を読んだ後は、優しい気持ちになれる寺地はるなさん。
高校男子を中心に周りの人々との繋がりを感じさせるストーリー。
冬馬くんや時枝くんが、いつも家族や友人の気持ちを考えて行動する姿が丁寧に描かれている。
我が家にも年頃の男子が二人いるけれど…
果たして我が家の男子、ここまでできているのだろうか。
あっ、それをいったら私もだけど…
紗理さんの気持ちの変化や、自分と相手にキチンと向き合っていく姿も、見逃せない。
偏見なしで相手と向き合うことはなかなか難しいことだ。
それでも、時間をかけて相手を知るということをキチンと行なうことで、相手に対する偏見の目が消えていくことを改めて実感。
それが、なかなかできないんだよな。
でも、今日だけでもまっさらな気持ちで行ける気がする。