あらすじ
ある出来事がきっかけで他人が作った料理を受け付けなくなってしまった高校生の冬真は、同級生の時枝くんに「難病を抱えた美少女」の妹がいるという噂をきく。友達にそそのかされ、時枝くんの家まで行ったことがきっかけで、冬真は時枝くんと仲良くなっていくが――。一方、国際交流プラザで働く紗里は、「きれいなものが好き」なあまり、太ることへの嫌悪感を抱えていた。自分が撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、“罰”としてマッチングアプリを始めて……。それぞれの理由で世界への信頼が薄くなった彼らが、大切な人と歩いていくために一歩を踏み出す感動作。
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Posted by ブクログ
一瞬で読んだ。
綺麗事で傷つけてしまったり、無意識に甘えてしまったり、理解しきれなかったりするけど、自分の内側の好き・大切という感覚に従って真っ直ぐ向き合う関係に感動した。特に冬真や冬真の母の言葉には、はっとさせられることが多かった。
物事をネガティブに考えてしまいがちな私にとって、救いになるような本だった。
Posted by ブクログ
世界への期待や信頼をなくして、静かに日々を過ごす冬真くんと、その周囲の人たちの、それぞれの悩みと、触れ合いによる気持ちの変化の話。
優しさを積み重ねるような連作短編集であり、登場人物は、とても魅力的だった。
様々な場面でしみじみ感動したが、『チョコレートサンドイッチと未来』で、2人の登場人物がお互い、会話の語尾に「ですね」をつけて、心情を吐露する場面は、思わず微笑んでしまい、涙もにじんでしまった。
世界は思うほど悪くないよというメッセージ、しかと受け止めました。
Posted by ブクログ
心の中に抱えている傷とか、秘密とかを、優しく包んでくれるような、自分の中にある様々な負の感情も、ちゃんと認めてあげていいんだな、と感じられる一冊だった。
他人の作ったものを無条件に食べられる、っていうのは他人を信じられるということで、とても幸せなことなんだな。
Posted by ブクログ
寺地さんの物語はいつも、傷ついている人に優しい。でも、傷付けている側にも、表面からは見えない別の傷があるかもしれないよね…と見せてくれる。
みんながみんな、自分のままでラクに生きられる世の中ならいいのだけれど、なかなかそうもならなさそうだから、せめて自分の心は、自分や周りを蔑視しないでいたいと思う。
Posted by ブクログ
大切な人とめぐり逢ってともに歩いていくために交わされる言葉たちはとてもあたたかくて澄んでいてキラキラしているなあ
寺地さんの本はいつでもあたたかい世界へ連れて行ってくれる
特に第4章の恋とレモネードのパートが好きでした
水田さんが紗里に掛ける言葉がいちいち良い…好きになってしまうよ
Posted by ブクログ
「世界は、きみやわたしが思っているより、悪くないかもしれないよ」
何かしら他人とは違って戸惑うこと、生きづらく感じること
それらを否定しない寺地はるなさんが好き
Posted by ブクログ
えらいねとかかわいそうにとか、人の気持ちを勝手に決めつける言葉を自分も軽率に使っているかもしれないなと気付かされた。自分の痛みには敏感なくせに他人の痛みには鈍感なまま大人になってしまったな、と。主人公達の周りの大人のように、おかずシェアの会のように自分一人では難しいことを、他人と分け合いながら生きていく姿を見せて、頼って良いんだよ、あなたは間違ってないよ、と子供に気づかせてあげられる生き方をしたいと思う。
登場人物みんなに幸あれ!!と爽やかに言いたくなる読後感。
Posted by ブクログ
すごくよかった。
ほっこり、ほっこり、ああなるほどなぁ、いい話だなぁと読み進めていた。
冬真の母最強じゃんと、いいなこうありたいなぁという感想で読み終えると思っていたところ、、最後の数ページで止まらないくらい号泣した。
全ての登場人物の背景や思いが、それぞれに違って、想像できて、ぐっときた。
自分に重なるところもあるのかもしれないけど、心に刺さった作品になった。
Posted by ブクログ
大好き❤
登場人物、みんな大好き❤
みんな、いろんな悩みも事情も抱えてるけど、
ちゃんと、ちゃんと?素敵に暮らしてる感じがすごく好き❤️
さすが寺地はるなさん‼️‼️
私は母親なので、
ラストで、香川さんにすごく感情移入しました。
Posted by ブクログ
読み終えた後、心に灯がともったような、非常に前向きな気持ちになれる一作だった。
物語のラストで明かされる「世界はきみが思うより」というタイトルの回収がよかったな。主人公が抱いたその実感は、読んでいる私たちが物語を通じて受け取った感覚そのものであり、作者からの温かいメッセージとして深く胸に響いた。
全編を通して流れる空気感はどこまでも優しく、読んでいる間中、ずっと温かい気持ちにさせられる。文章も非常に読みやすく、物語の世界に自然と没入できる点も魅力だ。
日々の生活に少し疲れたときや、誰かの優しさに触れたいときに、ぜひ手にとってほしい。自信を持っておすすめできる、心温まる作品である。
Posted by ブクログ
読んで良かった。
多様性要素がてんこ盛りすぎるけど、章毎に別の人の視点が知れる小説は読んでいて楽しい。
“大人になるということはもしかしたら、うまく人に頼れるようになることなのかもしれない。自分ひとりで解決できる物事には限りがあると知ることが、大人になることなのかも。”p181
うまく人に頼る事も大切だけど、頼る人を間違えたらダメだとも同時に思う。頼ると利用するは=では無いから。
Posted by ブクログ
「がんばりたいよ、ぼくは。世界への信頼を、取り戻したい。」
世界を信じられなくなったら何を糧に生きていけばいいのだろう。みんなそれぞれに抱えてるものがあって不安があってどうすればいいかわからなくなって。そんな時に「おかずシェアの会」みたいな人に頼るという術を知ること。
「自分ひとりで解決できる物事には限りがあると知ることが、大人になること。」
冬真くんにそれを気付かせてくれた母と菜子さんに拍手を送りたい。
「世界はきみが思うより悪くないかもしれないよ。」
Posted by ブクログ
ダイバーシティ。
普通なんてない。みんな多少なりとも何かを抱えていたりする。
おかずシェアの会は素敵なアイデアだと思った。1人、2人分も5人分も材料はそんなに変わらない。だから一品だけつければ3品4品のおかずが手に入るってシステムは素晴らしい。
水田さんとの関係性に共感。
Posted by ブクログ
自分にとっての居心地のよさだったり、快不快を感じる基準は、人に理解されなかったり、“ふつう“から離れていることがある。
本来は“ふつう“なんてものはないのかもしれないけれど、人と違うと不安になったり隠したくなったりしてしまう。
その隠すことすらも、なんだか良くないんじゃないかと思ってしまうこともあるが、自分の心地よさを大事にして良いのだと思えた。
世界にひとりでも、数人でも、心地よさを共有できる、あるいは自分の基準を理解してくれる人がいるだけど生きやすくなるのだろうか。
まず自分の身近なところに、その心地よさがどんどん広がっていったら嬉しい。
Posted by ブクログ
この人といると息がしやすいって感覚がよく分かるなあと思う。こちらのイヤな事とか今あまり話したくない事とかを根掘り葉掘りしてくる心配が全くない人とか、逆にこの人ならそういうこと片意地張らずに話せるなあとか。
そして1番印象的だったのが、許せない人も誰かの大切な人だということ。この事を心に留めて置くだけで、自分の許せない人に対する態度も少し緩やかにできそうだなと思った。
Posted by ブクログ
この本の前に読んだものとリンクしているような箇所があってびっくりした。
本を読んでるとときどきこんなふうに同じようなシチュエーションやトピックスを扱っていたり、似た状況の登場人物が出てきたりして、あっちの話とこっちの話が私の頭の中で勝手に混じり合ってしまうことがある。
それはそれとして、
それぞれの人にそれぞれの事情があって、ままならないこともあるけれど、思っているよりも世界はやさしくていいものかもなと、素直に思えるよい本だった。
Posted by ブクログ
人は外からみたらわかんないだけで、それぞれ色々抱えてるんだよな。お互いすべてを話す必要もないし、根掘り葉掘り聞かない。話してくれるのをただ待つという優しい世界だった。
なかなかただ待つことは難しいし、我が子に対してはやはり根掘り葉掘り聞きたくなるんだけど、わかっているけど言わなくていいこともあるんだよな。他人との距離感と同じく、我が子にも香川さんみたいな距離感で接する事ができる母になりたいなぁ。
Posted by ブクログ
ままならないんだな、という感想が漏れました。
日本は特に型にはまらないと、生きにくい。
でも、
どんな形であってもいいんだって、幸せがずっと続くかなんて誰もが平等にわからないのだから。
逆に無理やり型にはめて苦しんでいることがあるのかもしれません。
自分の心地いいこと、琴線に触れることを優先したっていい。自分の心に正直になろう。
そんな気持ちになりました。
この本に出てくる人物たち全ての今後を応援したいです。
Posted by ブクログ
読み終わった時に、『世界はきみが思うより』というタイトルを改めて素敵だなと思いました。読む前後で、私が思うこの言葉の続きが、少し変わったように思います。
寺地はるなさんの作品は何作か読んでいますが、どの作品でも、ひとの心の繊細な部分をそっと包み込むような優しさを感じます。最高でも最低でもない世界や日常を愛おしく思えます。
Posted by ブクログ
綺麗さに取り憑かれた紗里の物語が自分と重なる部分が多くて響いた。
誰かと同じものを美味しく食べることの喜びと美しさがとっても身に染みた。
苦痛と感じることは共有しなくていいし合わない人と無理に合わせる必要はないけれど、共有することの喜びを知らずに死ぬのは勿体ない。
誰かと何かを一緒に分かち合う、そんなものが見つけられたら豊かな人生の後押しとなるだろう。
この作品を読んで寺地はるなさんの生み出す世界ではありのままの私で息ができると気付いた。
大袈裟だけれど世界中の人がこんなふうにくつろげる場所を見つけてほしいと願った。
Posted by ブクログ
今どきの悩みや固定観念に寄り添った作品。
表面的には見えない悩みと向き合い、他者の力を借りながら自分なりに咀嚼して前を向いていく登場人物たちに、前向きな温かい気持ちになった。
私は人の力を借りるのが苦手であるが、こういう作品を読むと、他者の力を思い切って借りたら違う世界が見えるのかなとも思う。
Posted by ブクログ
寺地はるなさんの作品は、生きづらさを生きづらさとして認めてくれる感じが心地よい。ひとと違うことで嫌な気持ちになったり、つらくなったりすることがあっても、それをそれとして受け止めてもらえる。
高校生のぼくと、20代前半のわたしが語り手となって、家族との関係、友人との接し方、恋人との付き合い方などを描く。痛みやつらさを知っているからこそ、安易な発言や共感はしない。相手を思いやると、言葉が出てこなくてぎこちない雰囲気になってしまうこともある。でもその思いやりはちゃんと相手に伝わっている。
そういう、優しい作品だった。
日々の困難や厄介ごとを、「おかずシェアの会」みたいに分け合って、みんなで解決できたら素晴らしい。自分が思っているより助けてくれる人はたくさんいる。
世界はわたしたちが思っているより悪くない。
読後感が爽やかで、少し泣けました。
Posted by ブクログ
よかった。この世界は思っているより悪くないのかもしれないと思えた。
同年代だからか、紗里さんに特に共感した。水田さんに惹かれる気持ちがよくわかる。すごく素敵な人。
子供の頃、親に不満に思うこともあったけれど、ちゃんと子供でいさせてくれた。それってすごく幸せなことだったんだなあと気づけた。
Posted by ブクログ
寺地はるなさんは最近好きな作家さん。
その中でも、装丁が素敵で手に取った一冊。
前情報無しで読みましたが、読み終えたら、確かに「世界は君が思うより」というタイトルがストンと心におさまりました。
とても優しい世界観です。
ストーリーは主人公の高校生と、準主役の若い女性の視点で進みますが、それを支える母親と菜子さんがすごくいい。同じく子育てをする側の立場になっている私は、こうありたいなと思って残しておきたいフレーズがたくさんありました。
子育てを卒業する頃に、また改めて読みたい一冊です。
Posted by ブクログ
/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
いろんな世界があるということを感じさせてくれるお話でした。
いろいろなものが認められていくと、少数であっても差別されないという世界に近づいていくんでしょう。
人生をどう謳歌していくか、
人に迷惑をかけていないか、
何かの役にたっているのか、
大切なのはそんなところでしょうか。
人への興味が薄れていって、差別することもなくなるかもしれないですが、この先の時代はどうなっていくんでしょうね。
自分をもって深掘りして見つめていくことが何よりも大切だと感じる、今日この頃ですが、この作品を読んで、尚のこと、どう生きていくべきか、と、考えさせられました。
/_/ あらすじ _/_/_/_/_/
冬馬を中心として物語が進んでいきます。
登場人物、それぞれが、マイノリティな感じ。人が作ったものを食べれないとか、同性愛者とか、人がいると仕事できないとか、難病を抱えているとか、性交渉できないとか、、、
世界はきみが思うより、いろんな人たちがいて、いろんな選択肢があって、自由に満ち溢れたいるよ
という感じに受け止めました。
/_/ 主な登場人物 _/_/_/
香川冬馬
時枝綱 こう、冬馬の家の裏に住む
時枝弓歌
菜子 さいこ、時枝育ての母、綱叔母
茅島
村中
高木美月
紗里 さり
元木 さり同僚
水田
吉良あかり きら
吉良保 あかり父
藤代結子 作家、綱母、神経質
Posted by ブクログ
登場人物たちが繊細で、読んでいて少し辛かった。彼らのように世界への信頼を失っている人はきっとこの作品に救われると思う。
生きづらさを感じる人、特に若い人に読んでみてほしい。
Posted by ブクログ
多様性という言葉が使われる世の中になってきた。けれど、そんなひとことで片付けられる問題でもないなと思っています。
まさに本作のように、他人が作った料理が食べられない、「きれいなものがすき」だから自分が太ることへの嫌悪感、実の両親とわかり合えない、同性が好きである…。この世の中にはこれら以外にも様々な理由で世界への信頼が薄くなった人々がいる。
その理由に大きいもちいさいもなく、本人が悩み困っていたら大変な問題だ。
そんな問題を抱えている人は多い、はずである。けれど誰もがその問題を解決できたり、オープンにできたりする訳ではない。
そんな人々の支えになるような作品だなと思いました。作品を読んだから今すぐ解決できる!という訳ではないけれど、いつかの時のための力に、そして寄り添ってくれると思いました。
老若男女問わず読んでみてほしいと思う作品です。
Posted by ブクログ
どうしてこの本を読もうと思ったのか...
覚えていないんだけど、
装丁が素敵だったからなのか...
自分の読むきっかけを推測するに(笑)
この本のタイトルの後に続く言葉が
「やさしい」であってほしいと思って読んだのではないか、と思う。
けど実際に読んでみたら
「やさしい」だけじゃなくて
「複雑で多様で厳しくて」もつくようなそんな気がした。
あらすじは...
章ごとで人物目線が変わる短編ながらに
ストーリーは繋がってる構成で、
関西に住むある高校生とその大人たちの話
ここ最近読んでいる小説の多くが
最近刊行された本なんだけど
多様性を取り入れられてて、これもまた同じで。
そんな時代なのか〜と感じてしまったりも。
多様性を割りとすんなり受け入れている方だと
自負していたけど、こういった小説を読むと
いかに自分が分かったような人でいるのか、
と考えさせられる。
こうやって書くと重めの小説に感じるけれども
まったくそんなことはなくて、
すごく読みやすい方の小説だった。