あらすじ
ある出来事がきっかけで他人が作った料理を受け付けなくなってしまった高校生の冬真は、同級生の時枝くんに「難病を抱えた美少女」の妹がいるという噂をきく。友達にそそのかされ、時枝くんの家まで行ったことがきっかけで、冬真は時枝くんと仲良くなっていくが――。一方、国際交流プラザで働く紗里は、「きれいなものが好き」なあまり、太ることへの嫌悪感を抱えていた。自分が撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、“罰”としてマッチングアプリを始めて……。それぞれの理由で世界への信頼が薄くなった彼らが、大切な人と歩いていくために一歩を踏み出す感動作。
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Posted by ブクログ
高校生の冬真は、父の不倫がきっかけでひとの作る料理を食べられない。家の裏に住む同級生・綱と、その妹の難病の美少女・弓歌と、ある日のやりとりをきっかけに仲良くなる。
それぞれ世界に息苦しさを感じる登場人物たちが、大切なひとと出会い関わり、世界への信頼をほんの少し取り戻していくお話。
Posted by ブクログ
最近はジェンダーの話が多い。
ひたすら優しい。
相手を受け入れ、無理をせず、やさしい。
そして、自分が知らず知らず相手を傷つけないかと思い悩む。
いいのだけれど、いいのだけれど、
世の中はそんなに変わったのだろうか?
そんなに優しいのだろうか、と危惧するけれど、
物語の世界ぐらいそれでもいいよ。
そして、そのことが世の中を変えていくことにつながったら嬉しい。
Posted by ブクログ
高校生・冬真と、外国人支援の仕事をする沙里の視点から描かれています。
野百合市に住んでいる設定。この街は『水を縫う』一つ隣の駅なのかな、と思います。
寺地さんの小説は『それ、私も感じたことある』ということが書かれていて、すごく身近に感じます。
『そんなことないよというのは無責任だし、そうだねと言うのは無神経だ』
「明日のパンない」「香川家は『超熟』派?」(ええ、私も超熟派です)
「そうなん?」(そうなん?って気が付いたらよく口にしている)
など、ちょっとしたセリフから大切な言葉まで、気に入ったところに付箋をつけていたら、いっぱい付いていました。
好きになる対象にもいろいろあって、どうにもならないものがある。それをどう受け止めていくか。人に話して理解を求めるのかどうか…難しい問題です。
沙里の水田に対する積極的な言い方は、ここまで激しくぶつけられたら、スッキリするだろうな、と思う。沙里なりの幸せが見つかればいいな、と思いました。
最後の冬真が沙里に語る内容は、冷静すぎるというか、切なすぎるというか、行く末を応援したくなります。