あらすじ
愛ゆえに、人は。
『流浪の月』『滅びの前のシャングリラ』本屋大賞受賞&二年連続ノミネートの著者が描く、家族の物語。
すみれ荘のその後を描く「表面張力」を収録した完全版。
下宿すみれ荘の管理人を務める一悟は、気心知れた入居者たちと慎ましやかな日々を送っていた。そこに、芥と名乗る小説家の男が引っ越してくる。彼は幼いころに生き別れた弟のようだが、なぜか正体を明かさない。真っ直ぐで言葉を飾らない芥と時を過ごすうち、周囲の人々の秘密と思わぬ一面が露わになっていく。
愛は毒か、それとも救いか。本屋大賞受賞作家が紡ぐ家族の物語。
感情タグBEST3
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面白かったんだけど途中から青子さんがめっちゃ怖くてビビったーーーーーー!!!
おうじくんの情緒がお兄ちゃんといることで育つと良いなと思う。
うちの両親はどの子供にも分け隔てなく愛をくれたなぁと思った。
Posted by ブクログ
2025/11/15
あらすじを見て、タイトルを見て、作者を見て、うっすらともしかして…と思いつつもほのぼの系の下宿に集う人たちのお話なんだろうなと思ったら全然そんなことありませんでした。
奥さんを不慮の事故で亡くした主人公の和久井は自転車に乗っていたら芥という小説家の青年と接触事故を起こしてしまい、彼の腕が治るまで和久井が運営するすみれ荘の下宿で一緒に暮らし、小説を代わりに口述筆記することになった。
一緒に下宿している他のメンバーともあんまり関わろうとしないぶっきらぼうな芥となんだかよく分からないけど行動を共にするようになる和久井と、その周りの人たちとの関わりを描いた小説です。
これだけ見るとほのぼの系ですが読み進めていく内に小説の様相は変わって行きます。
和久井のお人好しにはイライラする場面もあるし、周りの人たち…なんなんだ…と思うような葛藤の場面がたくさんあって揺さぶられる気がします。
ちょっとミステリーみたいな、最初に書いてあることが後になって絡んでくるうっすらダークな読み応えのある小説だと思いました。
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人それぞれ色んな愛の形があるけれど、そもそも愛とは人が作ったただの概念であるのではないかと。
愛とゆう概念が人を壊すこともあれば、救うこともある。すごく好きな本です。
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題名と表紙からほのぼの下宿話かと思って読みすすめてたら、中盤から一気にサスペンスに。
鈴蘭みたいに、じわじわくる怖さがたまらなくよかった。
この本は一貫して、人にはいろんな一面があることをわかりやすく題材にしてくれてるから読みやすかった。展開も読めるはずなのに、ハラハラドキドキできた。
青子は私は一生許さないので、主人公の判断には少しモヤモヤしてしまったが、子を持つ親としてそこまでの考えに至らなかったので少しだけ尊敬?してしまった。
エピローグは、正直いるかな?と思っていたが、オチにはヒヤリとしたが大満足だった。(ヒトコワ好き)
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愛があるからこそ、なにかを好きになって真剣にるからこそ起こる事件ばかりで共感したし、人間とは理不尽で出来ている存在でどうしようもない生き物なんだと思える。生きているものが美しく見える理由なんだと思う
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すみれ荘で、起こる人間ドラマ
愛されてる兄と愛されなかった弟
その周りにいる普通に見えるけれども
抱えきれない罪や業を背負っている人々
ほのぼのかと思いきやハラハラや色々考えさせられる
物語だった
この兄弟の話しがもっと見たいと思える素晴らしい作品でした
初めてこの作家さんの作品を読んだが他にも読みたいと思いました
血のつながらない人たちがまるで家族のようにつながるハートフル下宿ストーリーかと思って読みましたが、すこし違いました。
ひとは見えない苦しみや弱さを抱えて生きているし、愛は平等ではないですが、自分をいたずらに卑下することなく前を向いて生きたいと思わされました。
裏と表
一吾と芥、二人の関係がとても良い。なかなか言葉にできない複雑な過去があっても相手を思いやる気持ちが心根にある。住人の人達もそれぞれいろんな事と葛藤していて応援したくなります。巻末の表面張力も必ず読んで欲しい。
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すみれ荘の大家代理人・一悟がある日自転車で人をひいてしまう。
自分から当たりにきたように思えた事故相手の男の泣きぼくろには見覚えがあった…。
芥と名乗った男は、全身痛いといいつつ、大丈夫、だが一応連絡先を交換してくれとボソボソ言いその場を離れたが後日「手の甲にヒビが入っている」「仕事にならない」「こっちに住み込んで世話をしろ」と無理を言ってくるので逆にすみれ荘に来てもらうことに。
そこから自称作家の芥と一悟、すみれ荘に下宿する3人の共同生活が始まる。
人間の裏表や多面性、善行をはき違えた悪意、無知の代償などなど…。歪んだ愛や相手のためという善意の顔をした暴力を見ていると泣きたくなった。
本書の表紙やタイトルで勝手に正反対のお話かと思っていたのでなかなかに心へのダメージが大きかった。カウンター気味だった(汗)。
凪良ゆうさんの作品は自分の中ではコンディションを整えてから読まないとヘコむという印象です。
それを含めても、作品自体はとてもとても良かった。
お気に入りです。
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装丁を見て、シェアハウスのほのぼの話かしら?と
思ったらとんでもなかった。
人は表と裏がある。
私がいつも見てるあの人は表なのか、裏なのか。
私が見せてるのは表なのか、裏なのか。
一緒に暮らしてるからと言っても、オフの顔を見ているつもりでも、それがオフなのかは分からないんだなぁと
。
そんなことってあるのかもしれない。
凪良ゆうさんの小説は、毒のある部分を上手く
掘り下げるね。
まぁ、自分のことも分かっているようで分かってないかもなぁ。
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どの世代も、どのライフステージも、誰もが苦しんでいる。それでもやり過ごして、どうにか生きている。
人生って、現実って、こんなもんだよなと思うし、これでいいんだよなと思う。力強く思う。
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前半は、下宿の管理人であるお人よしな一悟と個性豊かな住人たちの話だったが、途中から殺人やら放火やら不穏な方向へ進んでいく。
愛が間違った方へ形を変えるとこんなことになるのか…
一悟の人の良さで優しくまとめられているが、かなりサイコパスな話ではないか。
Posted by ブクログ
想像していた物語と違って面食らいましたが、続きが気になってさくさくと読み進めました。
自分でも自分のことを100%理解していないと思うくらいなのに、相手の本当の顔なんて分かるはずもないよなと。
親からのまっすぐな愛を幼少期にどれだけ受け取れるかで、人生が大きく変わりそうだなと思いました。
Posted by ブクログ
表紙かわいいなーと思い購入し、読んだら内容にびっくり笑
人間の色んな顔を改めて感じることができました。
あの人の本当の顔はこれではないかもしれないと同時に、自分の本当の顔を知っている人はいない
Posted by ブクログ
ふと、凪良ゆうさんの作品に通底するままらなさを味わいたくなり手に取った一冊。
すみれ荘の住人たちは、他人より家族に近い立ち位置で、お互いほどよく干渉しながら暮らしている。愛憎うずまく人間模様の中で生まれたそれぞれの罪。最後は兄弟の絆を回復してよかった。
泣きたい時に泣けない。泣くべき場面で泣けない芥。最近読んだ涙の箱を思い出した。
凪良さんの作品、読むの何作目だろう、、
と数えてみると、
流浪の月→神様のビオトープ→わたしの美しい庭→汝星の如く→すみれ荘ファミリア
5作目でした。
次作も楽しみ。
Posted by ブクログ
ずっと読みたかった本の割に
なかなか進まなかった…
けど話の展開が分かってくると、
先を進まずにはいられず一気に読めた。
一悟を取り巻く環境がすごくて
途中で悲しくなったけど、
弟と仲良くなれてよかったと安心した
部分もあった。
凪良ゆうさんの作品は物語に入るとすごい!
また読んでみたい☺︎
Posted by ブクログ
普段ほっこり系ばかり読んでいるから、重い内容でヒェッとなったけど、全体を通しては面白かった〜。
美寿々と隼人の告白は、胃がムカムカするような不快感があったけど、青子の告白からはぐいぐい惹き込まれた。
みんながみんな歪んでて、自分が大切で、裏の顔があって、、怖かった〜。
人の裏の顔(考えてること)なんて分からないし、愛って歪むとこんなにも狂気になるんだなと思わされた。
親子でも相性があるし、兄弟で親から受ける愛情の差があるのは、悲しいけどそうなのかもしれない。
短編の「表面張力」も様々な歪んだ愛とそれを知った上でその上をいくほのかの底知れ無さにヒェッとなった。面白かった!
凪良ゆうさんは人間の醜さというか、嫌な部分を書かれるのが上手な方なんだなぁとおもった。
Posted by ブクログ
愛ってすごく神聖なものと思われている。一面として間違いではないけれど、泥々していたり歪んでいたり。表と裏で単純に言えるものでもなくて、混じり合ってごちゃごちゃなものだから難しいんだろうなあ。
登場人物もたっていて、何気ない言葉が後々の展開につながっていたりとストーリーとしても面白かった。
Posted by ブクログ
凪良ゆうさんの作品を続けて読んでみました。個人的には、神さまのビオトープよりもこちらが、内容に掴みどころがある感じがして好きでした。
世間から求められるふつうやあるべき姿から逸脱することに焦点があたっているのは同じです。終盤にかけての伏線回収によるテンポ感の良さや、登場人物の恐ろしさが際立っていて中弛みしなかったあたりが読みやすく感じました。
親だって人間なんだから、真の意味の平等な愛を子どもたちにわけあたえるなんて無理な話ですね。
Posted by ブクログ
前半は割と淡々と。後半の展開がとにかくおもしろい。
人間の見えない本質部分や生々しさが言語化されるとズキズキ痛い。凪良ゆうの描き方やなあ。
「ウェーイ」!!!!のシーンがとにかく好き。インスタでキラキラ見栄を張るのは言霊と同じ。脳を騙すって悪くない。悲しくても苦しくても楽しいって笑うのは悪くない!!!
愛情は身勝手なもの。
何で愛情を注いでやってるのに ってやってあげた気になるんやろう。それ、誰に頼まれたん???
自分が求める愛の形で貰わなければ満たされないのも身勝手。
日々のイライラが募って日々事件が起きる。
見過ごせるイライラは流す、そうやって現代人は人間関係を上手く紡いでいくものだけれど、溜まりに溜まったフラストレーションが爆発する時がいずれ来る。
自分の気持ちを言語化することで脳が再認識してしまうので目を瞑ることが多いけれど、自分の中で残り続けるモヤモヤは何かしら納得できる形で解消していかないと長期的に良好な人間関係は築けない。
間に合わないことの方が多いが間に合うこともいくつかある。
悔やんでも悔やんでも取り戻せないことが多い人生の中で、諦めを学んでいくのだけれども、間に合うこともあるかもしれない。
Posted by ブクログ
凪良ゆうさん作品に沼ってしまい、あらすじも読まずに手に取る。
内容は、キャラクター、一人ひとりの事情が書かれており、どれも自分とは違うキャラクターだったけど、1人の人で描かれるものはこんなにも多くて違う物語なのだと思った
と、同時に
きっと私もキャラクターにされたら、表と裏がはっきりみえてくるんだろうなあと
まだボヤッとしている自分のキャラクター、自分自身を知ることが大切なのではないかと感じた
あとがきでは、作者の人間味を素直に感じて、
あーやっぱりこの人の作品てすごいなーと
評価4にしたのは、腑に落ちた、というより、自分の課題を見つけてしまったからです
いつか再読した時、自分自身としっかり向き合える力が私に備わっていたらいいな
Posted by ブクログ
弱い人の心に寄り添う系の短編集かと思いきや、急にサスペンスになってちょっとびっくり。印象が二転三転したお話だったけど、総論としてはかなり好き。
清濁併せ呑むという作品のテーマは最後まで変わらずに人間のグレーゾーンが描かれていて、完璧ではない自分を許せるような作品だったので私は好きだった。
登場人物は主人公以外善人とは言い難くて、極端な性格で現実味のないキャラクターも居たから、その当たりが好き嫌いが分かれるかもしれないけど、この"清濁併せ呑む"というテーマにはよく合っていると思う。
愛は怖い
他人から故意に人生を悪い方に仕向けられるって…ほんとうにこわい。
すずらんを挿していた水でって、子供の頃に夾竹桃が毒だと教えられたことを思い出しました。
Posted by ブクログ
人を愛するが故の歪んだ行動をとってしまう人たち。
親は子供を平等な愛情では愛せない。気が合う、合わないもあり、自分でも気づかないうちに左右に1人ずつ子供を載せた心の天秤が、少しずつ一方に傾いていくこともある。
文中から
神さまは人にとって無駄なものはなにもお与えにならない。冬が長く続き、きみの心は種のように眠っている。けれどいつかふたたび芽を出す。
今はまだ、その芽にはなんの名前もついていないけれど。
気づかず通り過ぎ、気付いて振り返り、慌てて戻る。間に合わないことのほうが多いが、間に合うこともいくつかはある。そして今日という日が流れ、過ぎ去り、また明日がくる。
Posted by ブクログ
和久井一悟
三十三歳。実家は「すみれ荘」もちつ下宿を経営している。管理人代理。幼いころから身体が弱い。虚弱体質で高三の夏以降は入退院を繰り返して就職もできず、すみれ荘の大家代理に落ち着いている。妻を亡くしており、娘は妻の両親の下で育てられ、今年で五歳になる。
芥一二三
和久井が乗る自転車に衝突される。事故で右手の甲にヒビが入り、和久井に仕事を手伝ってもらうためにすみれ荘に入る。二十九歳。小説家。右目の下に涙形のほくろがある。三年前に妻を事故で亡くす。本名は斉藤央二。二十四年前に別れた一悟の実の弟。
玉城美寿々
二十歳ですみれ荘に入居し、六年目を迎える。PMS(月経前症候群)で体調の悩みを抱えている。大学卒業後、子ども用品を扱う会社に勤めている。
上郷青子
三十六歳。すみれ荘の一番の古株住人。フラワーショップの店長。和久井の亡き妻・桜子の姉。
平光隼人
テレビ番組の制作会社に勤める。弁が立ち、押しが強く、人の心をつかむのがうまい。大学時代は映画サークルを主宰していた。
悦実
和久井の母。すみれ荘の大家。夫と離婚したあと、幼かった一悟を連れて実家であるすみれ荘に戻った。
三上
和久井の母の恋人。家庭菜園が趣味。
駅前にビルを持つ地主。
居酒屋の店長
町内会で顔なじみの二代目。
アンディ
桜子
亡くなった一悟の妻。
前野
隼人の大学時代の映画サークル仲間。
一咲
一悟、桜子の娘。
藤田
すみれ荘の隣のお爺ちゃん。
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兄弟の愛を書いているのかな。人は一人で生きていけないのだと感じた。自分の生き方を自らでわかっている人たちがうまく関わりあって生きている画を書いていた。自分の行動を見直すきっかけになったかも。
Posted by ブクログ
和久井一悟は33歳、実家が経営する下宿すみれ荘の管理人をしている。彼が乗る自転車に故意に当たってきた男がいた。その男は芥一二三と名乗った。すみれ荘には、玉城美寿々、上郷青子、平光隼人の3人が下宿しているが、そこへ芥も加わることに。芥は作家だというが、いったい何者か。
表面上は穏やかな日常に見えても、その下では一人一人それぞれの感情が渦巻いていて、どことなく不穏な空気が常に漂っている。何かほんのちょっとしたきっかけで均衡が崩れてしまう危うさを孕んでいる一方、人を思い信じることの強さと喜びも確かにある現実、そのバランスをうまく取りながら、人はみな生きていく。
ちょっとミステリー的な要素もあって、この前読んだ『神さまのビオトープ』よりもずっとおもしろかったし、好きだと思った。
Posted by ブクログ
ほのぼの系の表紙だけど、人の弱いところをこれでもかってくらい緻密に表現してて、読んでてずーとヒリヒリした。
凪良さんって歪んでる人間とノンデリのおじさんを描くのが本当に上手い。
Posted by ブクログ
内容は日常的な出来事で、興奮するものはなかったが、時々ハッとする一文があった。「世界は面倒なことであふれている。けれどあらゆる面倒な仕事や面倒な人間関係 のしがらみこそが、自分を支えていたりもする。それらがなければ しんどい思いをして面倒ごとに立ち向かう理由はどこにあるだろう。 そうして手間をかけるほど、ますますそれらは大事なことになっていく」
「もう何が正しくて何が間違ってるのかわからない まるだったら 当事者がよければそれでいいじゃないか まる全ては 精錬にすることができないのなら 濁ったまま それでも少しでも良い方に進んでいきたい。」
Posted by ブクログ
初めて凪良さんの本を読んだ。誰でも持っているようなちょっとした悪意や偽善や無知がふくらんで現実世界に顕現したら、という感じ。ゆったりした語り口の主人公と、すみれ荘ファミリアという穏やかな調子のタイトルと表紙に誤魔化されているが、起きていることは結構えぐい(笑)みんなこれを読んでちょっと客観視して自分が行き過ぎるのを防いでいるのかな、あるいは常識的に振る舞う自分は偉い、と励まされているのかな、むしろ他人事として面白おかしく読んでるのかな??他の読者がどのような観点で楽しんでいるのか、も併せて気になる本だった。
Posted by ブクログ
寝る前にちょこちょこ読んで、やっと読み終わった本。
まず、ミスズのPMSがキツそうすぎて読み進まなかった。
そして隼人もまあ、業界人って・男の友情って
そんな感じなのかな〜くらいの感想。
しかし、
青子さん、、、え、、、、和久井をちょっとずつ殺しにかかってたなんてすごい試み。気付かなかったわあ( ̄д ̄;)
今までと展開なんだが違くない??
これも愛だなんて、拗らせまくってる、これは面白くなってきた、、?!と思ったけども、
このパートのみが最初で最後のピークって感じだった。
といっても、悪いとわかっていることをしつつ、なぜ祈るのか、私にはよくわからなかったけどねえ。
全体的にあんまり共感できる人がいなくて、ずっと集中力切れてたかも。
芥は、兄に接触して目標は達成したのかい?