あらすじ
愛ゆえに、人は。
『流浪の月』『滅びの前のシャングリラ』本屋大賞受賞&二年連続ノミネートの著者が描く、家族の物語。
すみれ荘のその後を描く「表面張力」を収録した完全版。
下宿すみれ荘の管理人を務める一悟は、気心知れた入居者たちと慎ましやかな日々を送っていた。そこに、芥と名乗る小説家の男が引っ越してくる。彼は幼いころに生き別れた弟のようだが、なぜか正体を明かさない。真っ直ぐで言葉を飾らない芥と時を過ごすうち、周囲の人々の秘密と思わぬ一面が露わになっていく。
愛は毒か、それとも救いか。本屋大賞受賞作家が紡ぐ家族の物語。
感情タグBEST3
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美寿々にも青子にも悦実さんにも、共感したり、分かると思うところがあった。
男性陣については、そこまでの感情移入はなかったけれど、和久井と芥の話は面白かった。
芥目線の物語があっても面白いなと思う。
物語は終わっても、登場人物たちの日々はこれからも続いていくし、また新たな物語が紡がれていくんだろうなと思える作品だった。
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愛ゆえに、愛のせいで、愛と思い込んでたもののせいで、、、。
愛って難しいね。
表紙だけを見て勝手にホノボノ系と思って油断して読んだらエライ目に合う。
ヒリヒリかんとチクチク感が山盛りの一冊。
☆プロローグ ファミリアⅠ
☆たゆたえども沈まず 美鈴の告白
☆アンダーカレント 隼人の告白
☆名前のない毒 青子の告白
☆イマジナリー 央二の告白
☆不条理な天秤 母の告白
☆エピローグ ファミリアⅡ
☆表面張力
Posted by ブクログ
タイトルや表紙の雰囲気から勝手に阿佐ヶ谷姉妹のほほん2人暮らしのようなルームシェアものを想像していました。でも実際はかなり人間関係が濃くて、愛情や依存、孤独みたいなものが絡み合う、想像以上にドロドロした作品でした。
登場人物たちは、特別な人というより、普通に働いて普通に暮らしているどこにでもいそうな普通の人たちです。それぞれに悩みや苦しさを抱えていて、その上でみんな愛に飢えている。その「普通さ」がすごくリアルで、だからこそ読んでいて痛かったです。
特に印象に残ったのが、「愛されたい」という気持ちの扱い方です。愛されたいという願い自体は誰にでもある自然な感情なのに、その向かう先や満たし方によって、人を強く優しくもするし、逆に自分や他人を傷つける方向にも行ってしまう。その危うさがすごくリアルでした。
読んでいて、自分の若い頃を少し思い出しました。私自身も、愛されたいとか認められたいという気持ちが、あまり良くない方向に向いてしまって、損をしたり失敗したりしたことがあったので、「わかるなあ」と苦しくなる場面が結構ありました。
だから単純に“面白かった”というより、人間の弱さや寂しさを見せつけられる感じの作品でした。でも、その生々しさがあるからこそ、読後もしばらく残る本だったなと思います。
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とっても面白かったです!のんびり日常系かな?と思って油断していたらいつの間にか人間関係のもつれに飲み込まれている感覚がとても楽しかったです。あとがきに出てくる「普通ってなんだろう」という感覚は自分の中にもずっとあったものでした。作者さんの作品を好きだなと思う理由がその言葉に詰まっているように感じました。もっと他の作品も読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
今まで沢山作者の小説を読んだが、他とは一味違う作品だった。
少しミステリーやサスペンスっぽさも含まれていてすごく面白かった!
凪良ゆうでこんな感覚まで味わえるなんて、一石二鳥すぎる。
けれど、やっぱり“愛ゆえに”なんだなと思った。
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“誰もが持つさまざまな顔。ある人には表で、別の人には裏に見える”
のんびりした物語かと思ったら、やっぱり凪良ゆうさん。
人間の裏表や複雑な愛情が静かに刺さる。
普通そうに見える人ほど、誰にも見せない顔を持っている。
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ほんわかした表紙で手に取ったけど、人の心の闇が深い世界だった。なんとなく「ジョハリの窓」を思い出した。わたしも知らないわたし。あなたは知っているけど、わたしは知らないわたし。
血のつながらない人たちがまるで家族のようにつながるハートフル下宿ストーリーかと思って読みましたが、すこし違いました。
ひとは見えない苦しみや弱さを抱えて生きているし、愛は平等ではないですが、自分をいたずらに卑下することなく前を向いて生きたいと思わされました。
裏と表
一吾と芥、二人の関係がとても良い。なかなか言葉にできない複雑な過去があっても相手を思いやる気持ちが心根にある。住人の人達もそれぞれいろんな事と葛藤していて応援したくなります。巻末の表面張力も必ず読んで欲しい。
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青子ーーーーー!!!!
わたしなら絶対許さねーーーー!!!
すみれ荘という下宿屋で繰り広げるほっこりハートフルストーリーでは無い。
人それぞれ大なり小なり表と裏の顔があったり、割り切れない部分があるんだよ、という人間を描いた物語。
どうしても青子のことが許せなくて、というか、あの章自体が解せなくてもやもやしてしまった。
血液検査したら絶対わかるはずなのになんで病院で見過ごされ続けたんだ?こんなにもずっと?自分の人生犠牲にされたのに……と勝手に悔しくなってしまっているが、物語自体は面白かったです!!
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何が正しいとか、愛のカタチとか、自分が思ってる普通とか色んなことを考えながら読みました。答えは分からないけど、分からないまま、グレーゾーンの中を生きていけばいいのかなと思います。
愛は時には諦めることもあるし、希望を探したくもなるような日もあります。色んなのを丸ごと抱えてそれでも何とか生きていくすみれ荘の人たちが好きです。
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下宿の管理人の一悟と芥との関係、一悟を取り巻く人間関係。ちょっとしたミステリーちっくのようでもあり人間の感情を軸とした小説でもあり。人それぞれの感情や心の揺れ動きが面白い。
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壮絶な過去を持ち、病弱でいつも周りに気を使わせてしまう自分に劣等感や諦めをどこか感じながら生きる姿は、描き方でもっと暗くネガティブになってしまいそうなのに、シリアスなシーンでも作中に漂う空気感はいつも柔らかく優しく、読んでいてなんっていうか、安心して読めた。
中盤から雲行きは怪しくなるけど、それでも和久井さんの人を信じる気持ちがそのどろどろを少しずつ緩和させてく。自分に向けられた歪みまくった愛を前にしても気が触れないって、実はメンタル一番強くないか。
芥との、兄と弟との距離感が少しずつ縮まっていくのも、掛け合いがほっこりして好き。
終盤好きなフレーズがいくつか出てきたけどAudibleだから見つけられず。
また原作見てみよう。
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「神様のビオトープ」
「私の美しい庭」
少し悲しい設定なのに心がふんわりする
凪良ゆうさんの作品が大好きで
こちらを手に取りました…が
思っていた物語を良い意味で裏切る!!
が読んでみた感想です。笑
和久井さんがとにかく不幸で優しい。
人の不完全さ、そこから生まれる
歪みを分かりながらも許せる強さ。
学ぶべきことが沢山あった一冊でした。
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ミステリーではないけれども、ミステリーと思わせるようなドキッとする場面や、騙された!と思う場面がいくつかあり面白かったです。
どんなにいい人に見えていても実際に何を考えているかはその人にしか分からないんだなあと思うことばかり…。
若干人間不信にもなりそうな内容があるので、読もうとされてるい方はご自身のコンディションが良い時に読むことをお勧めします。
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3.8くらいかな。
重かった、良い人かと思ったらそうじゃなかったり、逆もあったりで、中々色々深かった。小説の内容のところだけは嫌だったけど、最後に書いた小説を読んでみたい。
Posted by ブクログ
主人公が生き別れの弟と事故で再会するところから始まり、すみれ荘ファミリアの住人たちの生活、そして弟芥との関係性の変化を描いた物語。PMSに悩まされながらも自分なりに生きていこうとする女の子だったり、現実を見つめながらも頭の片隅で夢を忘れられない男の子だったり、愛故に毒を飲ませ続けた女の人だったり。
印象に残っているのは、その女の人が教会で祈っているシーン。教会で祈るってそれ以上でもそれ以下でもないと思っていたけど、この描写を見て、祈るって外界をシャットアウトして自分とだけ対話する時間を作るためのものなんだなって初めて知った。
個人的には、自分のどうしようもない体調不良を抱えながらも頑張って社会で生きている女の子を見て、私も頑張ろうと思えた。
Posted by ブクログ
管理人とそこに住む下宿人との穏やかな日常の生活の話かと思いきや全然違ってました。
でも優しさや温かいさも感じるお話。
どの登場人物も丸ではなくどこかいびつで歪みがある人達。
ちょっと怖さを感じたりしながら、でもそうしてしまう気持ちもどこかわかってしまう自分がいる。
読みながら歪さを持っていない人など私も含めて果たしているのだろうか思う。
Posted by ブクログ
初めて完全にaudibleでのみ、体感した作品でした。
私は視覚優で、人物の名前の漢字などがものすごく気になる(印象に残る)タイプなので、GoogleのAIなどで登場人物のことを文字情報で追いつつ、聴きました。
青子の告白と、央二の告白は、ものすごいエピソードだったと感じました。青子が愛されることに飢えていて、その背景からいちごくんのことが好きになり、姉と結婚してしまった彼に自分のそばにいてほしいから、彼の身体に合わない飲み物を調合して作るだなんて、その執念深さを描いた凪良ゆうさんに感銘を受けました。
央二も央二で、まさかお父さんをすぐに亡くして、養護施設で育ち、その過程であらゆる感情を失っていき、それを取り戻すためにいちごに近づいた...など、壮大でした。
一つ屋根の下系ということで辻村深月さんのスロウハイツの神様とどうしても比較してしまう部分もありましたが、どちらも差別化されていて良作だと思います。
あとは、audibleで聴く央二(芥)の声が、キャラにどハマりしていたので、見どころだと思います。
Posted by ブクログ
2026.5.6
古本屋で買ってみた。
BLかと思ったら違った。
けど
「愛」の形の話ではあった。
久々に文章を読んで笑う。
面白かった。
痛いほど切ないけれど。
愛は怖い
他人から故意に人生を悪い方に仕向けられるって…ほんとうにこわい。
すずらんを挿していた水でって、子供の頃に夾竹桃が毒だと教えられたことを思い出しました。
Posted by ブクログ
凪良ゆうさん8冊目!
単行本の小説は全部読めた気がする。
この本は、こわかった。夏の日の夜に読む本みたいなこわさがあった。
背表紙のあらすじに「愛は毒か、それとも救いか。」って書いてあるけど、自分にとって救いの要素は感じられないくらいこわい。
愛の不平等さや、色々溜まってもう無理ってなった人の弁解が書かれてる。
人を信じれなくなりそう。今度はやさしい小説が読みたい。
Posted by ブクログ
ほのぼの系の話かなと思って読み始めたけど、徐々に差し込まれる違和感。
ざらっとした感じ。愛はゆがむと毒にもなるよね。身内だって家族だって。ひとつひとつは小さなことだけど、塵が積もると愛情も不満もとんでもない方向にいってしまうことがあるのね。
ぞくりとするような怖さ。心がざわざわする小説でした。
主人公の一悟は優しい人なのに、とんだとばっちりだよね。自分のせいではなくて呪われていた?毒をもられていた?不憫すぎるけど、最後まで穏やかでいい人で。こんな人生を受け入れている彼の人間性ってある意味すごいかも。
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家族は一番最初に出会う他人、らしいけど、
屈折して屈折して、
もはやどっち向いてるか分かんない。
家族同然、の信頼が崩れてしまった後で、
関係が切れることなく再構築されそうな事に、
安堵している。
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この物語は、令和の時代に「下宿」というファンタジーのような箱庭を用意しなければ成立しない、お互いの弱さに甘え合う共依存の空間で描かれる人間ドラマであると同時に、ミステリーとして読むことができる。
ただし、その謎の核心は下宿の中の人間関係にあるのではない。本当のミステリーは、「管理人である主人公・一悟が、これまでいかに生きてきて、周囲とどう関わってきたか」という、彼自身の人生の歩みそのものに隠されている。
一見すると、登場人物たちの「平衡感覚のなさ」ばかりが目につく。
あの下宿は、一悟自身が過去から逃れるための場所だったのではないか。
一悟がこれまで「良かれ」と思って積み重ねてきた生き方、その関わりのすべてが、のちに大きな事件を引き起こしていく。しかも、彼が信じて疑わなかった自らの半生や人間関係には、読者が息を呑むような「ある歪な支配」の影が潜んでいる。彼が歩まされてきた人生の因果の恐ろしさと、その過去の糸が解き明かされていく手際こそが、本作のミステリーとしての本当の醍醐味だ。
そんな、めまいを起こしそうな空間で、唯一の「救い」となるのが、小説家・芥として現れた弟の央二の存在である。
彼は、住人の中で唯一自分の重心をしっかり保っている。芥(央二)の言葉には修飾がない。だからこそスッキリとしていて、わかりやすい。一見冷徹に相手を突き放すようでありながら、実は誰よりもフラットに相手を観察し、理解している。優しい嘘や、見えない糸で縛られて破滅へと向かっていた一悟の人生の輪郭を、彼の飾らない言葉が鮮やかに切り出していく瞬間は、読者にとっても一種のデトックスのようだった。
正直なところ、凪良ゆうという作家の人間の描き方はいつも極端過ぎて、私の好みに「合う」とは言い難い。しかし、その過剰なまでの筆致だからこそ暴かれる人間のグロテスクさと、本当の意味での「自立」の問いかけには、今回もまんまと目を離せなくなってしまった。好みの枠を超えて、否応なしに思考を揺さぶられる一冊だった。
Posted by ブクログ
アットホームでほんわかした作品だと思っていたら全く違い、ミステリー要素もあり何度もゾワゾワとさせられた。装丁の柔らかな雰囲気とギャップがありすぎやしませんか?泣
幼い頃から身体が弱かったため、働くこともままなず母親の代わりに下宿すみれ荘の管理人を務める一悟。
家族のような入居者たちと穏やかな日々を過ごしていた一悟のもとに、生き別れの弟と思われる芥が引っ越してくる。
決して自身の正体を明かさない芥。
一方で芥の出現によって、すみれ荘での一悟の平穏な日常が少しずつ変化していく・・・
人間がもつ表の顔と裏の顔を描く本作。
次々と明らかになっていく入居者それぞれが抱える秘密。中でも強烈な裏の顔を持つ者が!キャーッ!!
って、ここは違和感に気付いていた方も多いはず。
エンタメとして割り切れば、面白い展開だった。
ただ盛り込み要素が多くて、細部でリアリティに欠けてる箇所が、最後まで回収されずモヤモヤした。
ラストは少しだけ救いがあったものの、圧倒的な負の要素に引っ張られて読み終えた。
誰しも表と裏の顔がある。
どちらが表でどちらが裏なんてことではなく、その人を形作る上で、どちらも必要な顔なんだと思う。
けれど、その一面だけを鵜呑みにして人付き合いをすることの危うさは感じた。登場人物に所々で感じた違和感が、作者からの警告なのかもしれない。
ホワイトとブラックだけではなく、本人すら意識していないかもしれないグレーにこそ、人の愚かさや弱さが詰まっている。それも含めてその人の魅力なのだから、心の有り様は複雑になるし、人付き合いが一筋縄でいかないのも当然だと思う。
最後に追加された、旧版にはない短編「表面張力」は、ゾワゾワ感マシマシで特別感があった。
毛色は違うものの、本作とは別角度でありながら同テーマを扱っていて、纏まり感が増している。
あとがきの後にコレを持ってくるのは、さすが凪良ゆうさんだと思う。
Posted by ブクログ
凪良ゆう作品全作読み終えました。
この作品も他作品と同じく、一見して分からない人間の思いや、愛のエゴが生々しく描かれています。
内容としては面白いものの、リアリティに欠くかな部分はあるかなと思ったところもあります。
Posted by ブクログ
ほんわか系かと思ったら普通に怖かった。ずっとあんなんされてたと思うと人間不信になるし、親もだしアバンギャルド老人もだし、歪んでんな〜
『おじさん』呼びもツラいし、唯一芥との関係性に癒された。