あらすじ
愛ゆえに、人は。
『流浪の月』『滅びの前のシャングリラ』本屋大賞受賞&二年連続ノミネートの著者が描く、家族の物語。
すみれ荘のその後を描く「表面張力」を収録した完全版。
下宿すみれ荘の管理人を務める一悟は、気心知れた入居者たちと慎ましやかな日々を送っていた。そこに、芥と名乗る小説家の男が引っ越してくる。彼は幼いころに生き別れた弟のようだが、なぜか正体を明かさない。真っ直ぐで言葉を飾らない芥と時を過ごすうち、周囲の人々の秘密と思わぬ一面が露わになっていく。
愛は毒か、それとも救いか。本屋大賞受賞作家が紡ぐ家族の物語。
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Posted by ブクログ
いい意味での『裏切り』が心地よい一冊。
表紙の柔らかなデザインや序盤の雰囲気からほっこりした群像劇モノかと思いきや、人間の表と裏を描きじわじわと背筋が凍るようなミステリー?サスペンス?だった。単なる下町群像劇では終わらない。凪良先生の小説は仄暗くざらざらとした何かを胸に残していくので、そこが私としては非常に好ましく感じます。
Posted by ブクログ
1年前くらいに本で読み→audible☆
人間の心情を繊細に細かく、表現豊かに描く著者。
そんな言葉達に吸い込まれるような感覚になりながら、自分の心にも問うている。
愛ゆえの執着…
"けれどそんな欠陥品である愛を、自分はどうしても手放せない。これまでもこれからも愛ゆえの間違いを重ねていくだろう。愚かだと思う。思うけれどー。"
"世の中の人すべてが理解し合い、許し合えるなんてのは幻想だ。だからといって希望を捨てることはない。世界にも、心にも、グレーゾーンというものがあっていい。"
Posted by ブクログ
Audibleで聞了。
文字で見てないから、王子と苺のファンシー兄弟のイメージから離れられない。
親子にも相性があるのは、綺麗ごとじゃなく本当にその通りだ。また、最後の一線を超える時の、ああもう無理だ、と急に真空になる感じ。経験者にはリアルにわかるよな。
各自それぞれの価値観に従って生きている幾多の登場人物の、世間に照らしたら眉を潜めるような行動に対しても、安易に一方的に断罪しない作者の俯瞰したような目線は、実世界でも見習いたい。
Posted by ブクログ
すみれ荘の住人を中心に巻き起こる不思議な人間関係の連鎖を覗きみた1冊。
印象に残った価値観
・子供の時に辛いことがありすぎると感情を捨てる傾向
・自分の子でも平等ではなく親と子にも相性がある
・グロ作家に救われる人もいる
愛は怖い
他人から故意に人生を悪い方に仕向けられるって…ほんとうにこわい。
すずらんを挿していた水でって、子供の頃に夾竹桃が毒だと教えられたことを思い出しました。
Posted by ブクログ
歪んだ愛の人ばかり。
青子と三上のように度が過ぎてしまうと行き着く先は悲劇でしかない。
しかし、私は母親の悦実が一番ひどいと思う。
一吾の方を大事にするようになった過程は理解できるけど、天涯孤独になった央二の養育を拒否するのはあり得な過ぎる。
きっと子どもを平等に愛せないことで苦しんでいる親は世の中にたくさんいる。それでも責任は平等であるべき。
歪んだ愛で育った子どもは、青子のように同じく歪んだ愛で人を傷つけるのだと思う。
央二の場合は他人を傷つけないけど自己防衛で感情の欠落した人間になっている。
育つ環境って大事だなと思った。
最後の誕生日ケーキの場面はじーんときた。
これから央二がどんどん心を開いていってくれるといいな。
登場人物がことごとくみんな深刻なのはリアリティに欠ける。