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  • 裁判の非情と人情
    4.2
    1巻946円 (税込)
    裁かれるのも「人」なら、裁くのも「人」のはず。しかし、私たちにとって裁判と裁判官はいまだ遠い存在だ。有罪率99%といわれる日本の刑事裁判で、20件以上の無罪判決を言い渡した元東京高裁判事が、思わず笑いを誘う法廷での一コマもまじえながら、裁判員制度、冤罪、死刑などをめぐり、裁判官の知られざる仕事と胸のうちを綴る。

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ユーザーレビュー

  • 裁判の非情と人情

    Posted by ブクログ

    親しみある語り口で裁判官の矜持が伝わる筆致は、司法の立場を熟知した表れだと感じる。審判はどこに焦点を合わせるのか、被告人の生い立ちや原告側の悲しみ、各々の生活の崩壊や感情の不穏に身を寄せながら法の尊重や良心からの判断を肝に銘じる。決して己の立身出世や保身であってはならない。そこに司法の腐敗は宿る。終盤、冤罪は不正義だという意見にも賛同する。ほんの少しずつだが社会は変わっていく。その些少な希望に期待したい。

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    2025年03月16日
  • 裁判の非情と人情

    Posted by ブクログ

    素晴らしい一冊だった。裁判官というのは厳粛さに満ちていて異世界のようにさえ思っていた。本書の内容からもそうであるが、ユーモアを交えた原田さんの淡々として親切な文章、読んでいてワクワクするような文章力そのものにも裁判官へのイメージがアップデートされ世界が広がった感覚を抱くことができた。

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    2024年12月25日
  • 裁判の非情と人情

    Posted by ブクログ

    エピソードトークがおもろい
    あと、先輩たちへのリスペクトがすてき
    尊敬できる人がまわりにいてくれるのまじでありがたいしラッキーと思う

    薬物犯罪は病院にぶち込む一択

    証人が長々と話しているのに、通訳人があまりに短い言葉で通訳すると、不信感をもつ。
    これめっちゃわかるー!!

    主文の言い回し、無罪だけが「被告人〝は〟」で、死刑とか懲役なら「被告人〝を〟処する」だから、この〝は〟か〝を〟かが、運命の分かれ道
    「被告人を無罪とする」とは言わない

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    2024年07月27日
  • 裁判の非情と人情

    Posted by ブクログ

    感動した。特に働き方について学ぶことが多かった。また司法と裁判官のあるべき姿・ありたい姿について自由な捉え方を可能にしてくれる。そして、人としての謙虚な考え方を一つ学んだ。
    なお内容は法律モノのエッセイであり、判決文の書き方にまつわる小咄や、裁判官の趣味・生き方、司法制度改革に関わる意見など、いろいろな話が載っている。それぞれの話の特徴は、簡潔で知的に面白い内容であること。
    判決文を簡潔にする石田裁判官と、文学的な長文とする四ツ谷裁判官の対比が面白く、石田裁判官が四ツ谷裁判官の補佐をした際には長文としていたという話も、石田氏の謙虚さが窺えて面白い。また若いうちは長い証拠文書を効率よく読もうとす

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    2021年04月10日
  • 裁判の非情と人情

    Posted by ブクログ

    よく知らない裁判官の世界。裁判官が書いたものを読むのは初めてかも?
    堅苦しい話はほとんどなくて、裁判官が世間からどうみられているか、それなりによく認識されていることに多少の驚きあり。。。彼らは、どのようにその世間の見方を知るのだろうかとか。

    紹介されてた本が軒並み面白そう。
    『法服の王国』『汽車ポッポ判事の鉄道と戦争 』『青春の柩―生と死の航跡』『裁判官の書架』『落日の宴』

    法服の王国だけ、意外にも黒木亮さん作だったので、買ってみた。

    厳密さは違うけど、内部監査の独立性や「保証」の難しさが、裁判所、裁判での事実認定と重なってみえて、妙な親近感がわいてきました。

    ・訓戒は無意味なのか
     

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    2017年04月04日

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