あらすじ
父と子のふたり旅が紡ぐ新感覚ロードノベル。
かつて新進気鋭の写真家として脚光を浴びた吉川士朗は、出張中に身重の妻が緊急手術をしたことが原因で、長期の旅行を伴う撮影をやめてしまった。日々の仕事に埋没していた折、旧知の編集長から米国フロリダを旅する紀行写真の企画を持ちかけられる。これは「最後のチャンス」かもしれない……。そんな思いを抱きながら、病弱の妻を日本に残して、小学2年生の息子・登士を「助手」として連れていくことになった。
「世界でいちばん美しい道」を息子と一緒に見にいきたい----。マイアミ国際空港から米本土最南端「0(ゼロ)マイルの街」キーウエストを目指してドライブする「ふたり旅」。ホテル内を無断で撮影しようとして警備員に拘束されたり、夜の繁華街で息子が行方不明になったりと、トラブルの連続で思うように仕事ができない士朗は、つい息子にきつくあたってしまう。しかし、些細なことでケンカをしながらも、旅先で様々な人たちとの出会いを経て、「助手」から「相棒」へと、親子の距離も少しずつ変わっていく。そして「世界でいちばん美しい道」の果てで、士朗たちが出会ったのは……!?
父と息子の交流を描いた感涙必至の紀行小説、待望の電子化。
【ご注意】※この作品はカラー写真が含まれます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
親子の話が好きで、よく読みます。この本も、親子の絆の物語をたくさん書かれている重松清さんが絶賛、と書いてあったので手に取りました。感動しました。父親と7歳の息子の会話が、まるで自分がその場にいるように、聞こえてきます。そして場面場面の景色も、自分が目にしているように、こころに残ります。ぜひドラマ化して欲しいです。
Posted by ブクログ
作者の稲葉なおとさんは一級建築士であり、写真家としても活躍されている。B'Zの稲葉浩志さんのいとこにあたる方でもある。
本書は、親子のドライブと、彼らの心の交流を描いた
作品だ。
主人公の吉川士朗は写真家だ。以前、ホテルを題材にした作品で脚光を浴びたが、現在は雑誌関係の細かい仕事を淡々とこなしている。
ある日、知り合いの雑誌編集長から依頼を受け、アメリカ・フロリダの紀行写真を撮影することになる。士朗は、小学二年生の息子・登士と共に旅立つ。
旅行中、志朗は登士の言動に振り回され、写真家としての仕事に没頭できず、苛々を募らせる。そして、そんな自分をかすかに嫌悪し、反省する。
登士のほうは、父親の良き助手になろうと、一生懸命に
行動する。時としてその気持ちが空回りしてしまうのだが、何とも健気なのだ。
「ああ、子供って、こういうこと言うよな~」
「登士の気持ちも判るなあ~」
いろんな出来事が起きるたび、双方に感情移入していった。
国道『US1』の終点は、キーウェストだ。
マイルマーカーの『0』が、市朗に新たな気づきを
もたらす。
親子の絆がさらに深まることを予想させる、後味の
爽やかな作品だった。
Posted by ブクログ
一言、おすすめです。
それだけじゃ読んでいただけないかと思うので
というかもっと語りたいのでやっぱり一言では終わりませんが。
写真家である父親と小学生の息子のロードストーリー。
舞台がアメリカということで、なんとなく興醒め感(ありふれてるから)がありつつ
手にとったのですが、いやはやそんなことを考えたことを反省。
この父親がね、いわゆる「普通の人間」なんですよ。
頼りになるパパ(ヒーロータイプ)でもなく、ダメダメ人間(アウトロータイプ)でもなく
仕事に対して焦りを感じ、その焦りから軽率な行動を起こすこともある
「失敗する大人」。
そして子供も「出来杉くん」でもなく「のび太」でもない
いわゆる「普通の子供」。
だからこそいたいけであり健気に映る。
一級建築士であり数々のホテルを旅した本を著書に持つ作者らしく
建物の描写、またそれを活かす方法を知っている。
景色を見ながらこのストーリーを追いたくなってくる。
思わずこの著者の写真つきエッセイ本も購入しました。
それはまたおいおい・・。
Posted by ブクログ
キーウェストいってみたいな。昔から海の上を走るハイウェイに憧れがある。昔々テレビでみたときから。山下達郎がBGMだったwハンフリーボガードのキーラーゴって映画もあったな。でも、セレブの観光地なんだって。無理だな。