小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
物理の世界をわかりやすく、又科学者たちの人間模様も交えて興味深く読ませる筆致のスペシャリスト。宇宙の切り口は筆者によって様々だが、入門者がにもグイグイ読ませる構成がさすが。科学の進歩に純然にスポットを当てた美談ばかりでなく、地位や名声に執着した人間らしい嫉妬や欲に翻弄された、科学者や科学界の裏側も描いていたのが面白かった。
現在の科学は数多のサイエンティストやそれに関わる人たちの奮闘の末に発展していった。人間の好奇心は歩みを止めることはない。好奇心は過去と現在を繋ぐ遺伝子のようなものだ。
サイモンシンの別の作品もぜひ読みたい!
どんな科学分野でも、人が初心者であることをやめてその分野の達 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
知能は人との間に障壁をもたらす。知を求めれば求めるほど、人へ対して疎かになっていく。自分が高みへ行くほど、人間の無知や穢れが見えてしまう。正解を知っていると、正してしまいたくなる。それは時に人間社会と衝突する。人を見透かしたような気になり、人と心が通じ合う感覚を失ってしまう。また、相手も自分との距離を感じて離れて行ってしまう。
→天才よりもある程度の知能の方が幸せなのかもしれない。現代社会も同じだと思う。政治制度・政策は不完全なもので欠陥がある。賢い人は間違いに気づき、正そうとする。しかし、姑息な政治家に搾取されている制度が確立されているので、それらを翻すのは困難である。賢い人は人間の -
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ネタバレ映画→小説→舞台
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言葉にならない。
自分は何者なんだろう。
悠人が自分の苗字が何度も変わることに戸惑うシーン、心が痛かった。
「お父さんが好きだった」への帰着…苗字がどうとか過去がどうとか以前に、その人自身を見つめる大切さ。
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最後スーッと背筋が凍る感じは、星新一の読後感にも似ている。
ラストはルネ・マグリットの『不許複製』。
冒頭をもう一度確認してしまった。
「ある男」は誰だったのか。
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上記は映画を観た後のfilmarks感想だが、小説は映画では描ききれなかった部分を淡々と埋めてくれる感じがして、より一層心を掴まれた。 -
Posted by ブクログ
圧巻。驚愕。
中学生でこんな言語化能力、他者を思いやる想像力、読む本のジャンルの広さ。中学生にして言語、心理、科学、歴史、落語、海外文学など広すぎる分野の本を児童向け漫画や本を使いながら読んでいる。
中学生のときなんてTikTokを見て他人と比べて落ち込むか、もう狂うように暴れているものじゃないのか、、笑現に私はそうであった、、
愛菜ちゃんは学者さんや作家さんと対等に対話できるほどの言葉遣いや知識、自分の思いや経験を伝える力を持っている、、
本を読むたびに自分に問い掛けたり、今の生活と昔の生活を比べて当時を生きる人に思いを馳せたり、登場人物の行動から人との関わり方を学んだりと、、読み方が流 -
Posted by ブクログ
ネタバレ終戦を機に、教科書を墨塗りにさせられ、それまで教えたことが誤りだったかもしれないことに自責の念を感じた著者は、七年間の教員生活に終止符を打ち、虚無感の中に沈んでいく。そんな中肺病となり、同じく肺病患者でクリスチャンの前川正に導かれて次第にキリスト教の教えに触れ、信仰を得ていく。自殺未遂までした虚無から、さらにはカリエスとなって寝たきりになり、愛する前川正にも先立たれた悲しみをも生き抜いて、同じくクリスチャンの三浦光世と結婚するまでの自伝的小説。
人生に生きる意味はあるのか、自分は生きていても良いのか。子どもたちに偉そうに教えたことが次の日には誤りとして墨塗りにされる、この世で真実とされるものの -
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高校野球に挑む息子の航太郎。その母であり、女手一つで育てる菜々子の視点で描かれる高校野球三年間の物語。息子が大阪の強豪校へ入寮するのを機会に、そばで見守るために一人見知らぬ土地へと引っ越す決意をした菜々子。新天地での人間関係の葛藤、なかなか会えない息子の変化との向き合う姿など、高校野球の裏から支える母親目線で描かれる物語は面白かった。息子の成長を読者視点で楽しみつつ、息子の成長に戸惑いや感動を覚えながらも、一人の大人として自分の人生も見つめなおしていく菜々子の物語も楽しめる、そんなボリューム満点な物語。最初は父母会や監督やなんやの問題尽くしの展開にヤキモキしてしまったけれども、そこから心に響く