あらすじ
村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、家庭を知らずに育った生徒──後悔、責任、そして希望。ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。
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Posted by ブクログ
重松清にはずれなし!やっぱりおもしろい。
最初の話と最後の話を涙がでた。
村内先生は、大切なことしかしゃべらない。自分の娘も無口な方なので、よく考えると大切なことしかしゃべらないかも。耳をしっかり傾けようと思った。
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苦しくなって、嬉しくなって、何度も泣いた。
吃音でうまく話せない村内先生は、たいせつなことしか言わない。
生きづらさを抱える中学生たちの心の奥に寄り添っていくお話。
理性が出来上がっていく途中である中学生という中途半端な年頃、学校という狭いコミュニティの中では大人の世界よりも過酷な子供の残酷さがあり、例えば無意識に自分より下の存在を作っていくカースト上位群、相手の状況や気持ちに考えが及ばないことからの未熟な発言、簡単に受け流せない側の未熟さ、、
そういった全てのものから関わりを断とうにもにも断てない’狭さ’が、さらに強い苦しみの原因となる。
まさに本にあったとある女子の周りに全員が集まるような構図が、自分が小6の時にあった。順番に誰かを仲間はずれにしていくのに自分も途中まで加担した。順番が来て自分が仲間はずれにされた時、携帯電話の画面を歩き回って話しかけてくれるクマのアイコンだけが友達・・・なんて思ったこともあった。そのことを思い出した。(最後は思い切って離脱に成功し、離脱仲間もできて楽しく過ごせたので良かった)
少しずつ大人になるとそういうことはなくなる、少なくともあからさまなものは当然無くなる。特に今や会社のハラスメントが厳しくなっているので、ある意味理性が未成熟な生徒で構成され、簡単には罰則ともなりづらい学校の方が無法地帯だろう。
昨年2024年の日本の子どもの自殺数は527名で、歴代最多らしい。慣らすと1日1人以上の子どもが亡くなっていることになる。未遂や、そこまで至らなくても辛い思いをしている子はたくさんいるのだろう。
村内先生のように、心の奥底に寄り添ってくれる存在が、1人でも多くの子に現れますように。
自分も子を持ったら、また読み返したい本だと思いました。
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吃音の非常勤講師である村内先生が、たくさんの中学生に出会っていく話。吃音って言葉を初めて知った。中学生の打ち明けられない思いに対して、ムラウチ先生は寄り添ってくれる。そばにいてくれることの安心感は絶対に力になってくれる。きっと中学生たちはムラウチ先生を忘れないし、周りに優しくなれると思う。どんな時もムラウチ先生は大切なことしか言わない。だからこそ、その言葉には嘘がない。勝手に判断しないで、真実を見極めてくれる、そんな先生だから安心出来る。先生みたいな大人になりたい。
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受験生だけど、この夏休みどうしても本が読みたくてこの一冊を選びましたが、大正解。本当に読んで良かった。購入して再読したい。
村内先生のようにたいせつなことを教えるのは私には難しい気がするけれど、子どもたちにそっと寄り添い、そばにいられるような先生に私もなりたいです。受験が終わったら重松清さんのほかの作品もいっぱい読むぞ!、
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心温まる連作短編小説。様々な課題を抱えた中学生の話なのですが、この本のヒーローは、吃音で地味でモッサリしていて(確か)お腹も少しでている、でもいつも本気で、大切なことしか発言しない中学校の村内先生。
心配な生徒のそばにいることが仕事と言う。嘘の考え方が秀逸だなと思った。嘘をつくのはその子がひとりぼっちになりたくないからで、嘘は寂しいことなんだと。嘘を悪いことと決めつけては危ないと、考えさせられた。
よかった。
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泣いてしまった。特に最後の話。
小説の感想って本当に難しい。
村内先生のように、子どもの話をしっかりと聞いて、信じて、その子の居場所になれるような大人でありたい、と思う。
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読んでよかったなと思う本。
村内先生が教えてくれる「たいせつなこと」
それはとても大事なことだと思いました。
社会人になった中で自分の在り方や社会に疑問を持ってた自分も自分らしく生きることが大事ということが自分らしくある中で当たり前ながらに大事なんだなあと感じました。
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大好きな本。
こんな大人に出会いたかったなって思うし、なりたいなとも思う。
出会えなかった分、私が周りや子どもにとっても村内先生になれたらいいんだけど。難しい。
私自身もまだ嘘をついてしまう。
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吃音で最低限の大切なことしか話さない、だからこそ話す言葉は全て大切なことである村内先生の言葉が好きです。
個人的には最後の短編である「カッコウの卵」の「人はひとりぼっちになりなくないから嘘をつく、嘘をつかなければひとりぼっちになってしまう人が嘘をつく」というセリフが心に沁みました。
もし自分が村内先生と出会っていたら…という想像が広がる心温まるいい作品でした。
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大変心が熱くなる作品でした。
孤独感の強かった中学生の自分に贈りたい1冊です。
また、孤独感を感じた際には、何度も本作を読み返そうと思います。村内先生のように、ひとりぼっちな人にそっと寄り添える人になれるよう生きたいと思いました。
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吃音を患っている友達が小学校の時にいた。その時、なんであんな話し方なんだろう?って疑問に感じたことをきっかけに吃音というものを知ったから、のめりこんで読めました。泣ける本でした。
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さだまさし氏の「償い」に影響を受けているのだろうか、この曲を弾き語った時に聴者からこの本を読んでほしいと借りた。この本に収録されている「おまもり」という短編である。ストーリーが似ている。どちらのラストにも込み上げるものがある。読んでよかった。
せっかくなら、と他のすべての話も読んだが、これがまた素晴らしくよい話ばかり。
村内先生は言う。
「教師は、何があっても、どんな時でも、どんな生徒でも、その子をひとりぼっちにしちゃいけないんですよ。」と。
村内先生の言葉を忘れずに胸に刻んでいきたい。
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重松清好きの息子のおすすめで手に取った本。
正直、重松清は好みに合うかわからなかったけど、ひとまず読み始めた。読むのを途中で一度中断。前半は感動を狙った作品のように思えて、単調さが気になったのもある。しかし、後半は引き込まれるように、そして大切に読みすすめた。
一番最後のお話が一番いいんだ、と教えてくれた息子のお勧め、カッコウの卵。村内先生の「バンザーイ!ばんざーい!」が素朴で胸に刺さった。「ひとりぼっちにさせない」だからこそ、「共感する、寄り添う」。言葉は違っても、結局教師の仕事ってそこなんだろうなぁと改めて思った。この本を「書架に置きたいくらいいい本だと思う!」といった息子の感性が嬉しく、そしてそんな素直な気持ちをもった息子を誇らしく思う(親バカながら)。
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村内先生が登場するたびに涙が出てきて感動させられぱっなしでした。
読んでいて切なく苦しくなるところもありましたが出会えてよかった本のひとつになりました。
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最後のカッコウの卵がとても良くて、ボロ泣きで本を閉じました。
ひとりぼっちにならないために嘘をつき続けたてっちゃん。巣をつくるカッコウになったてっちゃん。
村内先生が間に合って、ほんとうに良かった。
ひとりぼっちは、寂しい。
うまくやれなくて、「みんな」からこぼれ落ちてしまう子供たちにとって、村内先生は間違いなくヒーローだ。
ひとりぼっちが二人いれば、それはもうひとりぼっちじゃないって先生は言ったけど、それってきっと、先生がひとりぼっちだったからなんだろうなぁ。
ひとりぼっちの子供の隣には、村内先生だから、寄り添うことができる空間がある。
子供たちの心が溶けて行く様子は、読み手の心もあたたかくしてくれる。
あとがきを読んで、「きよしこ」も読んでみたいな、と思いました。
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こんな先生に出会えてたら、人生変わってたなあと。大切なことを伝えてくれる先生って、記憶にないなあ。私的に傑作です。私的に「進路は北へ」が好き。
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久しぶりに読む重松さんの作品は昔ながらに暖かく、感動するものでした。ただ、少し出来すぎていたり、感動を誘っている感じも否めません。ただ、それでも涙腺が弛むのはさすが。吃音のヒーローの話、感動して読ませていただきました。
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学生生活をうまく送れたことがなかった。円滑な友人関係を維持できない。中学時代が1番ひどくて、別室で授業を受けたり、先生が家庭訪問にきたこともあった。1日が終わると生徒手帳の日付に×をつけることが習慣になっていた。卒業までの日数をカウントするためだ。
いじめを受け、本当に友達がいなかった。孤独だった。あの当時、村内先生がいたら私は救われていたのだろうか?ポジティブな言葉なんていらない。何も言わずただ側にいてくれるだけできっと私は救われた。そういう生徒がたくさんいる。当時の自分にこの作品を勧めたい。あなたはそのままで良いと言ってあげたい。
孤独な思いをしてる子供達が一人でも多く救われますように。
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悩みを抱えるひとりぼっちの生徒のもとに、フラッと現れる先生の話
進路は北へが特に好きだった。
学生時代のみんなと一緒がうまくできなくて苦しかった自分と重ね合わせながら読んだ
そばにいること
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みんなと一緒でないと不安だもんな。
いじめって、そんなことがきっかけなのかもしれない。1人にならないために。
自分がたいせつだと思うことでも、他の人が賛同してくれないと不安だし、意見を曲げてしまうこともあると思う。
そばにいることって、とてもたいせつだと思いました。
村内先生は、そばにいるべき生徒と向き合うために非常勤の教員としてあらわれる。村内先生しか向き合えない仕事なのだと思う。
村内先生も過去に生徒として、そんな先生との出会いがあったのかもしれない。
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「進路は北へ」が好き。
【ぎゅうぎゅうに詰められている幸せ(の在り方)を嫌悪しつつも、その幸せに甘んじている自分がいる】こと、自己矛盾に食い潰される様を感情たっぷりに描ききっていて気持ちよかった。
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村内先生のような先生に出会えた生徒は幸せだろうな。
自分の人には見せにくい部分をオープンにして人と付き合っていく、彼の場合は仕事にしている。
とても簡単にできることではない。
どんなに強い気持ちが必要なことか。
けどそれをオープンにすることで周りの見方が変わってこれからの社会で受け入れてもらえる環境を作ることに貢献している。
なんて素晴らしいんだろう。
本当に尊敬します。
色んな人がいるんだよってことを存在自体で教えてくれている。
生きにくさを感じてる子どもたちには早いうちからこの作品に出会ってほしい。
周りと違ったり、違う部分を寄せて目立たないようにしなくてはという生きにくい社会を変えたいな。
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吃音症の非常勤講師ムラウチ先生。
なかなか上手く言葉がでないけど言葉にすることは全て大切なこと。
その大切なことを一生懸命教えてくれる。
人生において勇気づけられた言葉や助けられた人っていると思います。
自分はひとりじゃないんだなって思えることが大事で大切なお守りになるんだとも感じました。
様々な悩みや過去への後悔がある中で前向きに生きようとおもわせてくれる短篇集でした。
短篇集だけどムラウチ先生は毎回出てきて一応繋がっている?感じでした。
学生のうちとかに読むと良い作品かなと思いました。
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『学校の。教室は。みんなが西を向いて座っていないといけないから、西を向くのが。つらくなる生徒も、いるんだよ。どこの、学校の。どこの。教室にも。』
村内先生はそんな辛さを抱えている生徒のいる学校へ非常勤でやってくる先生、格好いい先生じゃないし、うまく喋れないけど、本当に大切なことだけを教えてくれる、寄り添ってくれる先生。途中、読んでいるのが辛くなったけどこんなスーパーヒーロー先生がいたら救われる子達がたくさんいるんだろうな。
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吃音の非常勤国語教師・村内先生が、思春期の中学生たちに寄り添い、大切なことを教える姿を描いた物語。
村内先生は言葉をつっかえながらも、余計なことを省き、心を込めて生徒に伝える。そのシンプルで真摯な言葉が、生徒たちの心に深く響く。
村内先生が伝えたかったのは、「あなたはひとりぼっちではない」という事。完璧な人間は存在せず、誰もが誰かに必要。先生自身、吃音を持ちながらも、それを必要とする生徒がいるように、誰もが自分を必要としてくれる人がいる。そして先生の言葉は、かつて中学生だったすべての大人たちの心にも深く響き、他者とのつながりを大切にすることの重要性を教えてくれた。
本書はどの世代が読んでも心が響く、温かく優しい物語です。
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吃音の国語教師、村内先生が人には打ち明けられない悩みを抱える中学生たちに寄り添い、大切なことに気づかせるハッピーエンド短編集。村内先生は、「自分は上手く話すことは出来ない代わりに、大切なことだけを一所懸命しゃべります。」と言う。その言葉通り、孤独な生徒たちにそっと寄り添い、様々な苦悩に希望を与える。いじめ関連4章、打ち明けられない悩み系4章で構成されている。前者はいじめ発生後に学校が用意した偽善的な学級目標や学校目標、いじめ告発box..etcいずれもどこか表面的で胡散臭く、むしろ歪な友情を作り出してしまう中、村内先生と接することでそれらに違和感を覚え始めるいじめ加害者の心理変容が興味深い。後者は悩みの種類は違えど吃音の村内先生に一人じゃないことを教えられ前を向いていく点は共通の印象。きっと先生も「ひとりぼっち」だったのだろうが、先生にも「村内先生」がいたのだと思う。著者の重松清氏も吃音であるらしく、間違いなくこの人にしか書けない作品だと感じた。個人的に「カッコウの卵」がイチオシ。
Posted by ブクログ
読んでいると気持ちが辛くなった。それほど人の悲しい感情を細かく描いてると思う。
舞台が学校だが、学生時代読んでも響かないかもしれない。それくらい深い内容だと思う。
最近人に安易にアドバイスできなくなってきた。多くのことを経験、知ることにより、多方面からものを見ることができるようになった。そのため答えが出ててもできないことがあることに気づいたかもしれない。
一人にさせないってことが子供だけではなく、大人にも必要な気がする。
嘘をつくのは、一人になりなくないため、その通りだと思った。