ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 噓つきジェンガ

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    すごくよかったー。
    「嘘つきジェンガ」、タイトルも上手いなー。
    ジェンガのように嘘をどんどん積み重ねる。
    塔が高くなってくると次第にぐらぐら揺れて不安定になり、ついにはすべて崩れてしまう。
    3章ともこの流れになっていて、ものすごくよかった。
    嘘がばれるまでは危なっかしくてずっとハラハラドキドキ、その後の展開はどれもとても心がヒリヒリするんだけどちゃんとラストに温かさもあって。

    特に「五年目の受験詐欺」は、多佳子の気持ちが痛いほど分かってしまった。最後の大貴とのやりとりには涙、涙。
    うちの息子と重なった。優しい子だぁ。

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    2025年12月11日
  • 国宝 下 花道篇

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    ネタバレ

    上巻は概ね映画と内容がリンクしていたが、下巻は映画には無かったエピソードが沢山あり読み応えがあった。自分ではどうにもならない理不尽な環境に直面したり、挫折や偶然的な成功等、様々な経験を通しても一貫しているのは、喜久雄の歌舞伎に対する執念に近い熱量だと感じた。ただただ歌舞伎がしたい、舞台に立ちたい、もっと上手くなりたいと願った行動のせいで、周りの人を不幸にすると言われることがのは、少し同情してしまうが、その経験ですら歌舞伎への執念をより一層強くする糧になっていた。
    印象的だったのは藤娘の演目で観客が舞台上に上がってきた場面。映画では喜久雄が狂気に満ちて踊るシーンに繋げる為の場面だと感じたが、小説

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    2025年12月11日
  • 逃亡犯とゆびきり

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    帯の「親友が、シリアルキラーになった」って…やっぱりいいなぁ、櫛木さん。連作短編で、ライターの世良未散が事件の取材をしながら真相にたどり着く。知らなかった言葉「クロゼットの中の骸骨」は、どんな家庭にも人には言えない隠し事はあると。どの事件にもそんな秘密があった。最後の表題作で「陰謀説だろうと捏造だろうと、脳を喜ばせてくれるものなら受け入れる。物語を脳の中で育て、さらにねじ曲げる。現代ではSNSのエコーチェンバーが、それを助長し加速させる」と。ここにグッときた。そして全ては古沢福子の計画通りだった…。

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    2025年12月11日
  • 希望が死んだ夜に

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    絶望の先に希望はあるのか、

    ネガとのぞみはあまりにも周囲の大人に恵まれなさすぎた。中学生なんて周りの大人が全ての世界。

    貧困でそれでも親が福祉に助けを求めない、理由をつけて働かず子どもに働かせる。そんな大人が親になっていいはずがない。私自身思っていることだけれど、「まともな家庭を知らない」人間が家庭を築いていいはずがない。
    まともな家庭を知らない人間がまともな家庭を築けるはずがないのだから。
    私も父親がいる世界を知らない。父と母と3人で旅行に行った記憶がない、家族全員で食卓を囲んだ記憶がない。それどころか、父親の顔もわからない
    そんな私は恋愛ができない。相手がまともな家庭で育った人なら尚更

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    2025年12月11日
  • ラブコメ今昔

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    キュンキュンの最高峰。
    それでいて、どうしようもなく胸が熱くなって、涙がこぼれちゃう。
    いい意味で情緒が安定しない一冊。

    みんな自分の命に変えてでも守りたい、大切な家族や恋人がいる。
    真摯に向き合い、戦う姿がとても印象的だった。
    こんな風に人から愛されてみたいな、と思った。

    有川浩さんの本は読んだあとはいつも、ほわわわ〜となってしまうところが本当に素敵。

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    2025年12月11日
  • カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

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    話としても面白かったです。しかし、結末でもう一度驚かされました。よくよく考えれば確かにそうだ。と思うことばかりで、見事に騙されてしまいました。道尾秀介作品を他にも読んでみたいです!

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    2025年12月11日
  • だから夜は明るい

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    ネタバレ

    良かった
    自分から見えている周りの人は、
    その人のほんの一部しか見えてなくて、
    自分に自信がないから、
    自分が傷つかない様に解釈してる。

    以下、心に残った言葉
    それでも私たちは理解しなくてはならない。理解していなかったとしても、理解しているふりをしなければならない

    好きものを共有できないのは寂しい。けど、同じ趣味や嗜好は人と人を結びつけるきっかけの一つで、それ以外の大事な部分で惹かれ合っている。

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    2025年12月11日
  • 夜市

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    【未開封の箱磔の箱】
    【老化が早く進む薬】
    【首】
    静かな夜市では
    穏やかならぬ物が出品されている

    はたして必要になる時は来るのだろうか…

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    2025年12月11日
  • ババヤガの夜

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    ネタバレ

    話題作なんだな〜まぁ粗暴肉体派と華奢なお嬢様の組み合わせなんて絶対好きなやつ〜くらいのふわっとした気持ちで読み始めたけど、予想というか想定を超えた展開でした。彼女達の40年を想像して、寄るべない気の抜けない「綺麗な地獄」の生活でもお互いに寄り添い合った一番幸せな時間だったんだろうなとも思い…
    依子が襲われた時尚子が「あんな酷いことは無いでしょう」「私は許せない」と本気で憤っていたのは、ヤクザとはいえ箱入りで、意に沿わない性行為なんて良くないと教えられ大事に育てられてきたからなのかな?と最初なんとなく思ってたんだけど、父親から常習的に被害を受けてたんだもんね。それなのに、自分だってやられてること

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    2025年12月11日
  • エディシオン・クリティーク

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    文章の断片、メモの切れ端、全く読めない文字で書かれた手稿。ここからこれだけの話を立ち上げる力はさすが。圧倒される読み応え。次から次に繰り出される衒学的情報。合間合間の男女の話が一休みできて、小気味良い読後感でした。

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    2025年12月11日
  • さよならジャバウォック

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    どういうこと?が最後に回収されてスッキリでした。その他の仕掛けや展開はある程度想像できましたが、最後の種明かしは「なるほどー」となりました。

    この本のテーマの一部であろう、正義か悪か、敵か味方という区別による見え方の違いなど、フィクションですが実体験から共感できる部分が多く、自然と入り込める物語でした。

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    2025年12月11日
  • アクロイド殺し

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    面白かった
    過去1かなと思った
    もう一度読み返したいかな
    良き良き
    アガサポアロ5作目で最も好き
    次もアガサポアロの一作かな

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    2025年12月11日
  • 成瀬は信じた道をいく

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    少し世間とズレているけど、オッと思わせる新たな視点を提供してくれるのが成瀬。何になりたいかではなく何をしたいか、とか、クレーマーの投稿に一目置くところなど、なるほどそうかと認識を改めることがしばしば。飄々と歩み続ける成瀬はまさに「信じた道をいく」のタイトル通りで気持ちがいい。

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    2025年12月11日
  • 風が強く吹いている(新潮文庫)

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    ネタバレ

    竹青荘というオンボロアパートに住む10人の学生。大半は陸上経験無し。そんな彼らが箱根の頂点を目指す物語。
    とにかく熱い。心も身体もアツくさせてくれる。
    自分も部活をそこそこしっかりやっていた事もあって共感できる部分や尊敬できるところがあってとても面白かった。
    良いシーンは山ほどあるけど一番好きなのはハイジが走に対して「お前は最高のランナーだ」と、言ったシーン。その前のセリフ含めて最高すぎる。
    読み終わってから割とすぐにこれを書いてるけど興奮しすぎて上手く言葉にできない。
    今すぐにでももう一回読みたい。号泣不可避。

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    2025年12月11日
  • リバー 下

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    連続殺人・死体遺棄事件の参考人のうち、一人はふっつりと姿を消してしまった。一人は多重人格で入院中。最後の一人の刈谷を警察は別件逮捕で引っ張るが、完全黙秘を貫き自白に持ち越せない。証拠品も揃っていないと地検に言われてしまい、勾留期間を過ぎてしまって、結局釈放せざるを得なくなった。
    警察は逮捕起訴できるのか?行方不明になっていた池田もどういうわけか娑婆に帰って来ている。誰が犯人がというところに、3件目、前回の事件を加えれば5件目の殺人・死体遺棄事件が起きる。

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    2025年12月11日
  • 夜は短し歩けよ乙女

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    「黒髪の乙女」に恋焦がれる「先輩」は、彼女を追って京都を西へ東へ。
    夜の木屋町を皮切りに、古本市に学園祭と追っては行くものの、乙女は「奇遇ですねえ」の一言。
    そんな中で出会う、正体不明な老人に自称天狗の樋口さん、大酒吞みの羽貫さんに、象のお尻の精巧なオブジェを作る女性、果てはその名も強烈なパンツ総番長と、奇妙奇天烈な登場人物たち。
    そんな彼らが居合わせるのだから、起きる出来事も珍事件ばかり。
    はてさて、先輩の想いが彼女に届く日は来るのだろうか。

    「キュートでポップな恋愛ファンタジー」とあるものの、ただの恋愛小説ではない。
    先輩は恋焦がれているものの、その好意はストーカーと紙一重。
    むしろ登場

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    2025年12月11日
  • 四畳半神話大系

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    冴えない大学生の主人公が、バラ色のキャンパスライフを求めてサークルに参加するも、悪友や謎の自由人に振り回されて全くの逆方向に進んでしまう。そんなお話。

    入学時にどのサークルを選んだかで、それぞれどんな経緯を辿って行くのか、それを独特の語り口で進めていく。

    映画サークル「みそぎ」、「弟子求ム」という奇想天外なビラ、ソフトボールサークル「ほんわか」、そして秘密機関「福猫飯店」。
    これらサークル名を並べただけでも、すでに言葉のチョイスが普通じゃない。

    それら奇妙なサークルを選択したのをきっかけに、別れた同一世界観での平行世界を描いたお話。

    例の独特の語り口かつ圧倒的な語彙を用い、1つの選択に

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    2025年12月11日
  • ゼロエフ

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    ネタバレ

    古川日出男ってノンフィクションも書くんだ。
    そう思ったのだが、これが初めてということ。
    そして、東日本大震災によって変化を余儀なくされた、福島の出身者だというのだ。

    日本中を震撼させた大災害ではあったが、いや、大災害だったからこそ、テレビやニュースは刺激的でドラマティックなものを優先的に放送した。
    だから私は、関東にも影響があったというのを知ったのは、それから6年後の関東に転勤になったからだ。
    当時夫が関東にいて、「俺は無事だよ」と連絡をくれたのを、ずっと「ふざけるな!」と怒っていたのだ。
    だって、テレビはずっと東北ばかりを映していたから。
    私は仙台にいる長男のことしか心配しなかった。

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    2025年12月11日
  • 失われた貌

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    まさに伏線、伏線、伏線。文体は淡々としているが警察小説的な深さを感じる。よみながら、目を大きく見開くような驚き。その伏線に騙される快感があった。

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    2025年12月11日
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―

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    たかが納豆されど納豆である。
    これは納豆の研究論文と言っても過言でない。

    以下ネタバレ注意。











    納豆、醤油、味噌はどれも大豆から作られるが、日本では3つとも作っているメーカーが無い。例えば、キッコーマンは納豆を作らない。これは、納豆は納豆菌、醤油と味噌は枯草菌と、それぞれ発酵させる菌が異なるからだ。
    しかし、韓国ではチャングッチャン(納豆)もコチュジャン(味噌)も同じメーカーが作る。これは後者が枯草菌と納豆菌の両方を使って発酵させているからだ。

    アフリカとアジアには納豆があるが、なぜか中国圏には納豆がない。あるのは豆豉(枯草菌で発酵させた大豆)だけ。中国圏が納豆のミッシ

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    2025年12月11日