あらすじ
「苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ」
元エリートサラリーマンにして、今はドラァグクイーンのシャール。そんな彼女が夜だけ開店するお店がある。ここで提供される料理には、優しさが溶け込んでいて――。
仕事一筋の40代キャリア女性へ「春のキャセロール」。
手料理を食べない中学生男子に「金のお米パン」など、心と身体があたたまる四つの物語。
10年愛され続ける名作が、ついに文庫化!
〈解説〉ドリアン・ロロブリジーダ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いわゆる“ご飯もの小説”として手に取った一冊。
古内一絵さんの作品は初めてだったけれど、この文体がとても好みだった。やわらかくて読みやすいのに、ちゃんと心に残る余白がある。登場人物たちもそれぞれに個性があって、自然と愛着が湧いてくる。
中でも印象的だったのは、ドラァグクイーンのシャールの存在。言葉や距離の取り方が絶妙で、相手を否定せず、でも甘やかしすぎない。その包み込むような優しさに、ただ癒やされるだけではなく、少しだけ背筋を正されるような感覚もあった。
深夜にふらりと立ち寄って、あの空気ごと味わってみたくなる。シャールの言葉とごはんに、そっと救われる人の気持ちがよくわかる一冊だった。
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友達に教えてもらって、読んでみた。自分らしく生きようとする様子が、心温まる感じがした。食事の大切さも、しみじみと感じる。自分も、7年くらい前から、我慢し過ぎないと決めて生活してるためか、共感するものがあった。
友達に教えてもらわないと読まなかったと思うから、教えてもらって良かった。
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待望の文庫化!
ずっと読みたくてやっと読めた。
最後のドリアンさんの解説すごく良かった。
なぜか涙が出て止まらなかった。
みんな何かしら生き辛さを抱えてるとは思うけど、
それがトランスジェンダーなら尚更のことなんだろうな。
でも普通ってなんだろ。
普通や常識にとらわれるより、周りになんと思われようと自分のご機嫌は自分でとる。自分がご機嫌であることが何より大切なんだと改めて思った。
それにしてもシャールさんが作るお夜食食べてみたい!
Posted by ブクログ
ご飯から力をもらうだけではなくて、シャールさんがシャールさんでいることで人が励まされていく物語でした。読んだだけなのに、私もなんだか励まされた気がします。また、提供される料理を想像するのも面白かったです。ぜひ食べてたい、、!
「自分の負荷は自分で決める」
お気に入りのフレーズです。
漠然と今の自分に不安を感じていましたが、みんながなにかしらの負荷(荷物)があると考えたら、なんだか気が楽になりました。どうせ背負うものなら、登場人物のように責任を持って自分で決めるべきですね。
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ドラァグクィーンのシャールさんが店長の深夜カフェ。
優しく温かな料理と思ったらが、心身ともに染み渡るよう。
前向きな気持ちになれる素敵な一冊だった。
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とても温かくて優しい物語だった。迷ったときや辛いときに、そっと寄り添ってくれるような一冊だ。
夜遅くにひっそりと開くカフェ「マカン・マラン」に集う人々は、それぞれに悩みや迷いを抱えている。けれど、シャールの言葉や店で出される料理に触れることで、少しずつ自分の気持ちと向き合い、前に進むきっかけを見つけていく。その様子がとても優しく描かれていて、読んでいて温かな気持ちになった。
物語に登場する料理もどれもとても美味しそうで、どんな味なのだろう、どんな香りがするのだろうと想像が膨らむ。料理がただの食事ではなく、人の心をほどいていく存在として描かれているのも印象的だった。
もし本当にこんな夜食カフェがどこかにあるなら、迷った夜にふらりと立ち寄ってみたい。そんな隠れ家のような場所を探してみたくなる、優しい余韻の残る物語だった。
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読み終えた後、まるで温かいスープを飲んだ後のような余韻に包まれた。
店主シャールさんの言葉がこれほどまでに心に響くのは、彼が圧倒的な人間性を持ちながら、常に自分の考えを自分の言葉で、素直に語っているからなのだと思う。
特に、20代半ばのさくらが自分の人生を「空っぽ」だと自覚するシーンが深く心に残った。
「受験とも恋愛とも本気で向き合ってこなかった。その都度流れに身を任せ、流され続けたツケが回ってきたのだ」
この気づきは、親となった今の自分にとっても無視できない重みがあった。人生の節目節目で、目の前のこととどれだけ真剣に向き合えたか。その積み重ねが、社会的な立場以上に、その人の価値観や人間性を形作るのだと痛感させられる。
そんな絶望に近い気づきに対しての、シャールさんの返しがまたいい。
「空っぽなら埋めていけばいいんじゃないかしら」
「苦しかったり、辛かったりするのはあなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ」
誰かの救済を第一に考えている彼だからこそ、第一声でこれほどシンプルに、優しく肯定してくれるのだろう。
今、人生がうまくいっていないと感じるすべての人に、シャールさんのような存在がいてほしい。そして自分自身も、いつか誰かにとってそんな存在になれたらいいなと思わせてくれる、大切な一冊になった。
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素晴らしく良いお話でした。
シャールさんの人柄が本当に素晴らしくて素敵で、
言葉一つ一つがとても心に響きました。
わたしもこんなお店に行きたい…
シャールさんに悩みを聞いてもらいたい…
シャールさんに会いたい…
シャールさんがとても心配なまま終わってしまったので、続きが気になってます。
続編は文庫化するのかな?
Posted by ブクログ
なんて心温まるお話しなんだろう。
シャールさんの心感じ取る能力の高さは
まるで占い師みたい。
でも占いとは違う、何か訓練して身につけた
ものでもなくて、素直に人を想いやる、その人のためになりたいって強く想う気持ち。
私にもマカン・マランみたいな場所、見つかるかな。
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店主シャールさんの、温かくて柔らかい言葉に何度も心打たれ、解され、涙がこぼれました。
夜の街の喧騒の裏で、こんなに穏やかな時間を過ごす登場人物たちを羨ましく感じました。
僕も会ってみたいなぁ。
きっと、優しく笑って「いらっしゃい。」って招き入れてくれるんだろうな。
Posted by ブクログ
ドラァグクイーンのシャールさんが営む夜食カフェ〈マカン・マラン〉。
看板も目立たず、知る人ぞ知るその店に辿り着けたこと自体が、どこか“運命の巡り合わせ”のように感じられる場所です。
タイトルの通り、物語には夜食が欠かせません。動物性食材をほとんど使わず、旬の野菜を中心に素材の力を引き出した料理の数々。派手さはないけれど、身体の奥にじんわり染み込むような滋味深さがあり、読んでいるこちらまで温められる感覚になります。
何より印象的なのは、店主シャールさんの在り方。誰かを急かすことも、否定することもなく、ただ相手をまるごと受け止める。その慈悲深さと慈しみの眼差しが、物語全編を静かに包み込んでいます。
「苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前に進もうとしている証拠よ」
この一言に、救われる読者はきっと少なくないはずです。
もしこんな言葉を自然にかけてくれる場所が現実にあったなら、理由もなく足が向き、いつの間にか常連になってしまう。そんな想像をしてしまいました。
疲れた夜に、そっと寄り添ってくれる一冊。
読後には、温かい夜食を食べ終えたあとのような、静かな満足感が残ります。
続編の文庫化も楽しみなシリーズです。
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なんだかホッとする良い小説で、美味しい身体に優しい料理が食べたくなった。
たまたまボーイフレンド2をNetflixで見たあとに読んで、タイミング的にも良かったかも。
Posted by ブクログ
シリーズものと知らずに読み始めたけれど、何度も読み返したくなるような心温まる物語だった。表紙も素敵で、全作揃えて本棚に並べたくなる。こんな隠れ家のようなカフェに憧れるけれど、朝型人間の私には少しハードルが高いかも。
Posted by ブクログ
同じ古内さんの「最高のアフターヌーンティーの作り方」が料理描写もお話もとても良かったので、こちらも外れないだろうと思ったがやっぱり良かった。
珍しくマクロビの料理が出てくる料理小説。
夜食店マカン・マランの店主でありドラァグクイーンであるシャールさんのこだわりだけど、肉やクリームがなくてもこんなに美味しそうで読んでて食べたくなる描写がとても良かった。
キャラの体質に合わせた料理や保存食や作り置きのお話も出てきて楽しく、ちょっと他のお料理小説と一線を画す。
店主のシャールさんのキャラも優しくて落ち着いていてとてもいい。昔からそうだった彼がなぜドラァグクイーンになったのか経緯が周りの人物から断片的に語られるけど、彼本人にも語って欲しいな。
キャセロール、金のお米パン、女王様のサラダが好き。
Posted by ブクログ
⬛︎ やさしい料理と、まっすぐな言葉
読書好きの友人に勧められて手に取りました。
ドラァグクイーンのシャールが営む夜食カフェを舞台にした、全4編の連作短編集です。
シャールが作る料理には、どれも「滋養」という言葉がよく似合います。
夜遅くに居場所と食事を求めて訪れる客たちへのいたわりが感じられる料理と、シャールのまっすぐな言葉。そのどちらもが、登場人物だけでなく読者の心にも、料理の香りや味を想像させながらじんわりと染み込んでくるようでした。
そして何より、シャールという人物がとても格好いい。
病気をきっかけに「自分に正直に、裏表なく生きる」と決めたその姿がまぶしく、強く心に残ります。
特に印象に残ったのは「金のお米パン」の章。
中学教師の柳田が主人公で、長い社会人生活の中で失いかけていた「教師としての情熱」を、受け持ちの生徒の問題に向き合う中で取り戻していきます。
シャールは相手が誰であっても子ども扱いをしない。「思春期だから」「反抗期だから」と決めつけず、言葉でごまかさずに真正面から向き合う。その姿勢があったからこそ、中学生の柔らかく繊細な心の奥にある本当の理由が見えてきたのだと思いました。
子を持つ親としても、胸に留めておきたいエピソードでした。
「世界で一番女王なサラダ」の章もとても良かったです。
特に第1章と第3章は、理不尽な仕事に揉まれる女性が主人公で、読んでいて胸が苦しくなる場面も多くありました。
「自分は空っぽだ」と悩む主人公に対してシャールがかけた、
「空っぽなら埋めればいい」
「苦しいのは、考えて前に進もうとしている証拠」
「どんなに足りなくても、誰もが自分の人生の女王様よ」
という言葉に、私自身も強く心を打たれました。
(そのときに出される、いろんな副菜を集めたサラダがとても美味しそうだった…!)
きっとシャール自身も、病気になったときに同じように「空っぽ」を感じたのではないか。
そこから考え方を変え、姿を変え、店を開き、自分らしさを少しずつ埋めていったのだろうと想像しました。
どの章にも共通しているのは、主人公の人生が劇的に変わるわけではないということ。
シャールの料理や言葉に触れたことで、ほんの少し考え方や行動が前向きになる。その小さな一歩が、いつか大きな変化につながっていくのだと感じました。
唯一、第1章の主人公にだけ後日談が描かれており、その積み重ねの先にある変化を確かに感じることができました。
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ずっと読みたいと思ってた本。出てくるご飯がどれもあったかくて美味しそうで、シャールさんの言葉に心があったかくなる。どのお話も良かったけど、春のキャセロールが好きかな。
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ドラァグクイーンのシャールさんのいる「マカン・マラン」。その人を想って作ってくれる優しい食事と、シャールさんの人柄に癒される。シャールさんのことが心配・・・。
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みんなそれぞれ悩みを抱えていて、解決できなくて、そんな時に見つけた夜食カフェ。マスターのシャールさんの言葉とあたたかい夜食が、疲れた心に染みこんでいく様子に癒され気力をもらえる小説。
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一つ一つのお話がちょうどいい長さで読みやすかった。最近仕事で折れかけている心に沁みた。。やっぱり食べることは生きることだと思った。女王様のサラダ がとてもすき。続編も文庫になってほしい。(既になってるのかも?)
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とても美味しそうな料理が出てきて、すごく食をそそられる。隠れ家的な場所に位置している夜食屋、行ってみたいです。
悩みを抱えている人や、疲れてしまっている人に読んで頂きたい1冊。
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体のバランスと食事。ができるようになりたいな。ちっちゃい、ほっこり飲食店。人が交わって、みんな人生いろいろあるけど、温め合う感じがいいなと思うのです。
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この本を読み始めてシャールが登場すると、大事なことほど小声でささやくのゴンママ、よりみち酒場灯火亭のユウさんを思い浮かべてしまった。
同じようなパターンかと思いながら読み進めると、なかなかガッツリこの作品の世界に入り込めた。
評価が高い作品だったので、少し期待が大き過ぎたかなという感じ。
Posted by ブクログ
2026.02.15
まあるく白いお皿にのった温かそうな料理と、それを際立たせる、落ち着いた濃紺の背景。
このなんとも洗練されたトーンの装丁からは想像もつかない、まるでビビッドカラーを纏ったような店主シャールの夜食のお店、マカン・マラン。
派手でゴテゴテした姿とは裏腹に、人を惹きつける魅力と、その人の悩みや奥底に抱える闇をそっと引き出し、今その人に何が足りてないのかを察知してそれを料理にのせて出してくれる。
見た目とは正反対な繊細な中身は、この装丁と中身のギャップのようで面白い。
つい最近キッチン常夜灯を読んだので、大枠は似ているなあと感じるが、あちらが正統派なのに対してこちらは異端なのかも。
でもついつい癖になる。私は常夜灯より、マカン・マランに行って、悩みや愚痴を吐き出して軽くなった心に、シャールのさっぱりしているようで芯をついた力強い言葉でたっぷり満たしてもらい、
柳田とジャダたちが戯れ合うのを少し離れたところで見ながら私に合った美味しくてあたたかいお料理とお茶を嗜みたいなあと思う。
Posted by ブクログ
登場する人達の悩みが自分にも当てはまるようで苦い思いで読んでましたが、カフェの店主であるシャールが魅力的です。
自分が悩んでる時にその気持ちをそっと包み込んでくれる人に会っちゃったら私も通い詰めるかも。
すっかりシャールのファンになりました!
シリーズが続いているようなので、また読んでみようと思います。