あらすじ
「苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ」
元エリートサラリーマンにして、今はドラァグクイーンのシャール。そんな彼女が夜だけ開店するお店がある。ここで提供される料理には、優しさが溶け込んでいて――。
仕事一筋の40代キャリア女性へ「春のキャセロール」。
手料理を食べない中学生男子に「金のお米パン」など、心と身体があたたまる四つの物語。
10年愛され続ける名作が、ついに文庫化!
〈解説〉ドリアン・ロロブリジーダ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
本シリーズの存在は知っていましたが、
ようやく文庫化されたので購入
女王様の意味だけで、
本書の内容はまったく知らなかったのですが…
昼はダンスファッション専門店だが
夜は賄いカフェの「マカン・マラン」での
4つの優しい短編
読後に温かくなる本でした。
マカン・マランでは、
傷ついたり弱った人に
体も心もいたわる料理をそっと出して
優しく寄り添ってくれる。
「キッチン常夜灯」も夜食の店の話で
本書と似た部分もありますが、
「キッチン〜」は料理が主で、
本書は、シャールが主ですかね。
どちらも続編を読みたいけど
急いでガツガツ読むのではなく、
気が向いた時にゆったりと読みたい。
ちなみに本書を読んでいる間、
頭の中ではback numberの「ブルーアンバー」が
流れていました。
曲のMVのドラァグクイーン(ドラッグではない)に
影響されてますね。
Posted by ブクログ
友人から勧められて読みました。
シャールさんの自分自身を受け入れて、核心をついた一言と自慢の料理で必ずその章の登場人物&読者を同時に前向きにさせ、気づきを与えるとんでもない作品。なんでもっと早く読まなかったんだろう。
本の中の世界観と読者の距離が近く感じる作品で、読後にシャールさんが本を飛び越えて、直接背中を軽く押してくれたような錯覚に陥りました。
「読み終えた?面白かったでしょ?あとは貴方次第だと思うわ?頑張ってちょうだい〜。しんどくなったらまた読みに帰ってきたら良いのよ。」とか言ってきそうで笑。
キッチン常夜灯シリーズと同じくらい大当たりです。
Posted by ブクログ
何度も読み返したいと思える貴重な一冊です。
「苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前に進もうとしている証拠よ」だから、今はなにも見えなくても、絶望する必要はない。
こんな言葉で人を励ませるシャールさんは、沢山傷ついて辛い思いをしてきた人なんだろうなあ。
Posted by ブクログ
買っちゃった♡
文庫化されるまで3回は読んでるにもかかわらず(*´艸`*)
だって…。
『女王さまの休日 マカン・マラン ボヤージュ』を読めば読むほど、"はじまり"である『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』がたいせつで愛おしく…♡
文庫であれば手につつみ込める愛おしさといったら…(ღ*ˇᴗˇ*)。o♡ウットリ♡
カバーイラストの西淑さんの作品もずっと眺められるし…
正月疲れと年始の慌ただしさを癒やしてほしくて、ゆっくりゆっくり七草粥を食べるのように…
あ〜。
本当に大好きな作品♡
解説をドリアン・ロロブリジータさんが担当されていたことも購入ポイントでした
知性と毒っ気を持ち合わせたかたで、文章も素敵でした
Posted by ブクログ
『マカン・マラン』
------------
慈しみ
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
彩り豊か味わい深い食事
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
誰もが一歩を踏み出したくなる処方箋
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
1. 主人公・シャールが贈る「夜の癒やし」
街の裏路地にひっそりと佇む、夜食カフェ『マカン・マラン』。
店主のシャールは、ドラァグクイーンという華やかな顔を持ちながら、病を抱える身でもあります。
彼が提供するのは、季節の野菜をふんだんに使い、素材の味を活かした滋味深い料理の数々です。
「サラダはメインになれないなんて言うけど、私はそうは思わないわ。
最初からなにもかもそろってる人生なんて、面白くないじゃない。
自分を、立派なサラダにするの。そこに粗挽きの黒胡椒があれば、もっとすてきね」
という彼の言葉通り、料理には「どんな立場の人も、そのままで輝ける」という強いメッセージが込められています。
------------
2. 競争に疲れ果てた心を救う、温かな言葉
フリーの編集者として過酷な下請け仕事に忙殺され、「自分自身が空っぽだからだ」と自らを責めていました。
そんな彼女の背中に手を当て、シャールは静かに語りかけます。
「苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ。
だから、今はなにも見えなくても、絶望する必要はない。悩むことが大切な時期だってあるのよ」
この言葉に背中を押され、彼女は「誰かの評価」ではなく、自分自身の道を歩む決断をします。
------------
3. 五感を刺激する、瑞々しい料理の描写
この本の最大の魅力のひとつが、行間から香りや温度が伝わってくるような、繊細な食事の描写です。
お客様は、提供された色鮮やかな料理を食します。
「美しい星屑(のような料理)たちに散々迷ったが、まずは、トマトのゼリーを食べてみた。
甘くて瑞々しくて、本当に身体の隅々まで潤っていくようだった。
次にアスパラガスを口にした。しゃくしゃくとした歯応えが堪らない」
------------
4.読み終えて
読み進めるうちに読者の心まで「潤っていく」ような感覚の物語でした。
心にマイナスを抱えて訪れた人々が、店を出る時には心に小さな灯がともっています。
その鮮やかな変化が、私たちの心も浄化してくれます。
------------
5.なぜ、『マカン・マラン』に惹きつけられるのか?
シリーズを通して読みたくなるのは、物語全体が「慈しみ」に満ちているからだと感じます。
【どんなに色々なものが足りなくたって、誰もが自分の人生の女王様よ】
世間の枠組みに縛られず、自分の足で立つシャールの生き方。
それは、迷いながら現代を生きる私たちへの、最高のエールになっています。
読み終えた後、温かいスープを飲んだ後のような、優しい幸福感に包まれる一冊でした。
Posted by ブクログ
夜な夜な常連客が集まる、ネットにも情報のない秘密の夜食カフェ。元エリートサラリーマンで、今は品格あるドラァグクイーンのシャールさんが店主を務めている。
シャールさんは、相手が誰であろうと態度を変えず、自分の考えを自分の言葉で穏やかに語り、時に厳しく、時に優しく人の心に寄り添う不思議な魅力の持ち主。人生の転機に立つ人の背中をそっと押し、心の奥に小さな灯をともしてくれる。
物語には、少し人生に疲れた人たちが訪れ、心のこもった料理とシャールさんの言葉に背中を押されながら、もう一度明日へ踏み出す姿が描かれる。どこにでもいそうな誰かの人生をのぞき見しているようで、その中に自分の要素も重なり、読み進めたい気持ちと胸が痛む感覚が入り混じる。登場人物は皆魅力的で、思わず「私もシャールさんの手料理を食べてみたい」と感じてしまう。
先日、NHKの『ネコメンタリー 猫も、杓子も。』で、女装家のブルボンヌさんがトランスジェンダーであることを「今は贈り物のように思っている」と語っていた姿が、シャールさんの温かい言葉と重なった。自分と向き合うことで生まれる強さと優しさが、この物語全体にあたたかく流れている。
Posted by ブクログ
待ちに待っていた「マカン·マラン」の文庫化。
本屋さんで装丁のイラストに引き寄せられ、何度も手に取り…懐事情とにらめっこしながら、ため息をついた。
だから文庫化されると知った時は、思わず小躍りしてしまう程嬉しかった。
ドラァグクイーンのシャールさんが営む、夜のみ開店するお店。
それが「マカン·マラン」だ。
ここは、縁あって辿り着いた常連さん達が集まる、知る人ぞ知る隠れ家的な場所。
提供される料理はシャールさんの、心のこもった唯一無二のもの。
その味とシャールさんの暖かな言葉は、「自分が自分であること」に気づかせてくれ、前に一歩踏み出す力をくれる。
読み終えた時、まるでマカン·マランに自分がいたかのような錯覚を覚えた。
マカン·マランに行きたい。シャールさんに会ってみたい。
そう思いを馳せながら、再び表紙をめくる私である。。。
Posted by ブクログ
おなかすくー!
出てくる食べ物がみんなおいしそう…
「心を育てるのが栄養と愛情がたっぷりつまった美味しい料理だ」
ほんとそう。
ついついコンビニ飯に頼りがちだけど、たまにでも自分の身体を労る食べ物を口にしようって思った。
Posted by ブクログ
ずっと気になっていたけど、読んでいなかった本。
やっと読み終えましたが、、、
心につっかえたモヤモヤした感情を、シャールさんが温かく、優しく拭き取ってくれる感じ。最高です。
もっと早く読めばよかった!!!!
最後の、ドリアン・ロロブリジータさんの解説も読み応えがあり、解説まで含めて、何度も読み返したい本になりました。
続編も絶対読みます。
こういう夜食カフェどこかに無いかなぁ。
あと、作中に出てくる音楽がどれも落ち着く曲調で、とってもすきです。
・モーツァルト アイネクライネハトムジーク
・ガムラン
・ドビュッシー アラベスク
・サティ ジムノペディ
この音楽を流しながら、本を読むと至福の時間を過ごせます、、、。
Posted by ブクログ
とても温かくて、やさしい一冊なんだけど、
今生きながら毎日感じる焦燥感とか劣等感とか、苦しみも凄くリアルな描きた方で自身とリンクして、すごい没入しながら読めました。
昔、摂食障害いわゆる〝拒食症〟になった経験が
あるのですがあの時私もシャールさんとマカンマランに出会っていたらなと心の底から思いました。
食べ物への知識は勿論、何よりも身体に素直に優しく生きることへの大切さを沢山学ばせてくれる、そんな素敵な路地裏にわたしも迷い込みたいです。
いつかシャールさんに出会えますように。
Posted by ブクログ
たまたま本屋で見かけたので、読んでみました。
読み終わりたくないな、と思う読書体験は久々でした。
物語の主要人物であるシャールはもちろん、キャラクター全員が魅力的かつ、お話の構成もサクサクと読みやすく、本当に素晴らしい本でした!!
続編もあるとのことなので、引き続き読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
初めての、古内一絵さん。
昨年、読書YouTuberがオススメされてて気になっていたものの、文庫を待とうと思ってた矢先に先月文庫で出たので購入。
元エリートのシャールが夜に開く『マラン・マカン』で、自分に自信がなく不安な日々を送る人たちに、温かく体に優しいご飯を提供する。
そんな彼(彼女というべきか…)の言葉は、温かく心に染み込む。それがシャールの人生を物語ってるかのように、弱った心を支えてくれる。
ライターのさくらと同じような状況でもある自分にも、シャールの言葉は包みこんでくれた。
言葉もご飯も上手ければ、元気、前を向いて進められる後押しにもなり、心がホッとする。そんな物語に出会えました。
ドラァグクイーンの生き様、好きです。性の立ち位置に苦しく、苦い思いをしてきた人生であれど自分の生き方に後悔も未練もない、自由奔放に自分らしく生きる。それが彼らなんだろうなと。
リアルでお会いしてみたいです。
Posted by ブクログ
ドラァグクイーンのシャールさんの言葉ひとつひとつが優しい。彼はきっと辛いこと、悲しいことが沢山あったのだと思う。だからこそこんなにも人に寄り添える。私もそんな風になりたいと思う。なれるかどうかは分からないけど、なりたいと思う心はずっと持っていたい。
Posted by ブクログ
マカン・マラン。インドネシア語で夜食という意味のカフェ。おかまのシャールこと御厨清住がドレスの店をやりながら、夜には夜食のお店を営む。シャールは癌を患っており、抗がん剤治療中。
第1話 中堅社員への早期退職勧告が始まり、塔子はどうするか決めあぐねていた。そんな時貧血で倒れ、シャールに介抱される。
第2話 ある時から家出ご飯を食べなくなり、ジャンクフードやコンビニしか口にしなくなった。何なら食べられるのか?教師の奮闘が始まる。
第3話 雑誌のライターをしているさくらは、「秘密の夜食カフェ」特集のために孤軍奮闘していた。なかなかいい店が見つからない。足を棒にして探しまわるが…
第4話 黒光大輔は宅配便の配達員。同時にマカン・マランの常連であり、夜にはドレスの縫い子であるジャダでもある。マカン・マランの店が、地上げにあっていることを知り、不動産業者の男と戦うが…
Posted by ブクログ
文庫化するのに10年待っただけあった⋯!
特に第一話や第三話、10年前なら青二才ゆえにちょっと自分には味わいきれなかった箇所もあると感じたから、社会人経験をいくらか積んだ今にぴったりだった。
そんな風に、いつ読んでもその時々で誰かに沁みるような言葉が紡がれていて、心解けた。
これからも何度も読み返すだろう。
Posted by ブクログ
マカンマランはずーっと気にしていて早く文庫本になれと切に願う願いが叶う丙午。思っていたのと違うけど路地裏のここを舞台にして古内一絵さんの思い特に現代社会の矛盾をしかと書いている、社会への反発心は真骨頂、シャールを未だ掴みきれていないので次も楽しみに待つ
Posted by ブクログ
苦悩を抱え訪れる一元客を滋味深い料理で癒し受け止める店主。こんなカフェがあるなら自分も訪れ救われたい。そんな事を想像しながら読むうちに、店主自身の苦悩に思い入れ。弱さをおくびにも出さず包み込む強さはどこからくるのか。
Posted by ブクログ
ドラァグクイーンのシャールさんが営む夜食カフェを中心とした、優しくてあったかい物語。普段は文庫しか読まないため、今回の文庫化で初めて知った。帯にも書かれているが、「苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ」という一文には、仕事に疲れた身にはちょっと涙が出た。私の家の近所にも、こんな優しい場所があったらいいのになあ。続編もそのうち文庫化されるのかな、今から楽しみ。
Posted by ブクログ
文庫になるのをずっと待ってました。
心も身体もほっと温かく、軽くなるお料理たち。
みんな一生懸命生きているんだよなと思わせてくれる。
空っぽなら埋めればいい。
ほっと、癒されました。
〜すれば、って表現が文中にけっこう出てきて、それがだんだん気になってきたのだけど、この作家さんの文体なのかしら?
Posted by ブクログ
他の方々の本棚にお邪魔した時に出会った本。
ドラァグクイーンってテレビで見たことがあるけど、小説で読んだことはなかった。
「マカン・マラン」店主のシャールの人間性がすごい。
体に優しい料理、最高!
美味しそう!
外食ってホントに胃腸が元気な人のための物だよなぁ、といつもぼやいてしまう私。
減塩のおせちや、外食でもお年寄り向けの物もたまにあるけど、もっと色々と充実させてほしいな。
おっと、脱線。
本作は、4話に分かれていて、それぞれ視点が違う。
どのお話も良かったけど、特に4話が身につまされた。
人生はきつい、長い。苦しくて、人を傷つけてしまうほど自分を見失ってしまうこともある。
でもそっと羽根を休めて、自分らしく生き生きできて、そして人と触れ合える場所。
ものすごく大切だなぁ、と思った。
そういう場所を作れる人って貴重だ。
続編が何冊もあるので、シャールは大丈夫なのだろう、と安心した。
続編も(文庫本で)読みたい。
Posted by ブクログ
本書が単行本として出版されたのは、およそ10年前、その時には余り深夜カフェ形態のグルメ小説は余り出版されていなかったはずですが、10年も経てばあちこちに似たような設定の作品も多く出版されていて、正直そんなに心を動かされるのか⁉️半信半疑で読み始めました。
『第一話 春のキャセロール』を読むと、5年程前に自分の会社も希望退職を募っていたのを思い出し、ちょっと切ない気持ちになりましたが、第二話以降は思っていた以上に物語に惹き込まれて、結構面白く読み終えることができました❗️本書の魅力はなんと言っても、シャールとジャダというとても個性的なキャラクターたちが凄く魅力的だということです。個人的には、シャールの同級生の柳田もイイ味を出しています。
また最終話の展開が、ちょっとご都合主義的な感がありましたが、読む前よりも好意的に受け入れることができた作品でした❗️
好きな話しは、『第二話 金のお米パン』です。続きが気になりますが、一先ず文庫化されるまで待ちたいと思います。
Posted by ブクログ
マカンが食事でマランが夜とインドネシア語でいうとはじめて知りました。だからこのタイトルなのか〜と思いながら読み進められて、出てくる料理ひとつひとつも体に良さそうで、とても食べたくなった。読んでいてとてもホッとできました。
Posted by ブクログ
以前から「いつか読もう」と思いつつ、文庫本の発売を機に購入した。
本書は4つの短編から成っている。どの物語を読んでいる間も、私の中にはずっと優しい風が吹いていた。
温かい食事と寄り添いによって、人生の答えを他人から与えられるのではなく、自分の力で見つけだそうとする人たちの姿に、そう感じたのかもしれない。
『マカン・マラン』。
私の近くにもそんな場所があれば、と思う。
Posted by ブクログ
食べ物を軸に添えた小説は多々ありますが、ドラッグクイーンまで登場する小説は知りませんでした。考えようによっては中庸でバランスが取れている様に感じました。続編が楽しみです。
Posted by ブクログ
ドラァグクイーンと疲れ切ったOLが、マクロビオティックを通して人生を癒してくれる。という、現代を掴んでるというか、いかにも今っぽいなぁという印象は少なくとも受けましたが、人生の豊かさを諭すには今も昔も根本は変わらんのでしょうね。
ちゃんとした食事とか、組織にのまれすぎない仕事環境とか、嘘や誤魔化しのない生活とか。
東京の腐敗感の表現はすごく言い得て妙でした。
「ついで」は果たしてどっちだったのだろうか。