小説・文芸の高評価レビュー
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ある村に越してきた名探偵ポワロが、その村の名士の殺人事件に挑むという、いわば典型的探偵小説。
この作品の肝とも言える構成については、ポーの前例があったものの、それを長編として完全構築したクリスティーの中でも有名な作品。
果たしてこの作品はフェアかアンフェアか、当時は物議を醸したらしいが、それだけ沸騰するのもこの作品の衝撃度のせいではないだろうか。
僕も中学生の時、海外の人の名前が覚えられないから紙に書き出したのを見ながら読み終えた時、してやられてしまった。
フェアかアンフェアか。
正直、そんなことどうでもいいくらい面白い。
あれから幾年もたった今読み直してみると、当時の衝撃は当然ない -
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【過去を清算して前を向ける透き通った本】
ーあらすじー
仕事をなくし、半ば引きこもりの生活をしていた若宮一香。スーパーに貼ってあった従業員募集の紙になんとなく惹かれ、調香師である小川朔と出会う。
自称未亡人の藤崎という女性が、亡くなった夫の香りを作成してほしいと朔のもとを訪れる。しかし、朔は藤崎の嘘の匂いを嗅ぎとった。興信所で働いている朔の相方である新城とともに、藤崎の不倫相手である男を、その匂いを根拠に探し当てる。嘘の申告があったため不倫相手の香水を渡すことを躊躇う朔であったが、何としてでも手に入れたいという藤崎の懇願に応じる。その後、藤崎は元不倫相手の男性に殺害未遂の事件を起こした。 -
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直木賞と山本周五郎賞、さらに映画化と知って読んでみた。
結果これは大当たり。ラストをあれこれ想像しながら楽しんで読めた。
悪所とよばれる芝居小屋に流れ着いた人々。
元幇間、立師、衣装部屋の女形、小道具係、戯作者。
彼らが2年前に木挽町で菊之助が成し遂げたあだ討ちについて語っていく。聞いて回っているのは菊之助と同じ年頃の武士。身の上話もしきりと聞きたがるので、少しずつ語るうちに彼らの来し方と人柄がわかってくる。
当時あだ討ちをたてたら届け出て、成すまで自分の藩に戻れなかったという。相手が見つからずにそのまま流れ者になってしまうこともあるのだと。ようやく親の仇に出会ったら名乗りをあげて討ち合い、 -
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ネタバレ前半は前作よりもセヒさんの病状が悪化しているように思えたが徐々に自分自身と向き合え、回復しているように思えた。
しかし自傷行為にまで。
自傷行為が死ぬためのものではなくて突発的なものだったよう。
よく自傷行為は心配してもらいたくてと言われたりするが人によって違って、血が流れるのがストレスが出ていくように感じたり、心の痛みを身体の痛みで紛らわしたりなどがあると知った。
先生も心配されていて入院を進めていたけど別の病院の対応が雑でなんだかなと。
セヒさん自身が以前まで大きな打撃を受けていた出来事を自分との対話や受け入れるための選択肢を増やすことで前作のような状態にならんとする行動が見えて凄いと -
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初めての、古内一絵さん。
昨年、読書YouTuberがオススメされてて気になっていたものの、文庫を待とうと思ってた矢先に先月文庫で出たので購入。
元エリートのシャールが夜に開く『マラン・マカン』で、自分に自信がなく不安な日々を送る人たちに、温かく体に優しいご飯を提供する。
そんな彼(彼女というべきか…)の言葉は、温かく心に染み込む。それがシャールの人生を物語ってるかのように、弱った心を支えてくれる。
ライターのさくらと同じような状況でもある自分にも、シャールの言葉は包みこんでくれた。
言葉もご飯も上手ければ、元気、前を向いて進められる後押しにもなり、心がホッとする。そんな物語に出会えました。 -
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高間夏子さんの話は別格として、刀根さんと道上さんの話がずーんと来た。「じーんとした」、に似て非なる「ずーんと来た」。
夏子は29歳で何か始めたい、始めなきゃと思っている。でも、最後には今できることに目を向けている。
今は、ただただ前に進む。とにかく経験を積む。
私も、29歳はかなり前のことだけど、
今はミドルエイジクライシスな年代で、やっぱりいろいろある。
次のステップへ。
私はとにかく経験を積むの時期を継続しつつ、経験してきたことを整理し、自分の引き出しを、取り出しやすいものにしたいなぁと思う今日この頃です。(来年の抱負)
ちなみに、1、2巻を文庫で読んでたけど、3巻目は単行本で購入。 -
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ネタバレ方舟、十戒に続き、ミステリの王道を読みたくなって探しました!ちょうどSNSで1行でひっくり返ると話題になっていたので楽しみにしてました。
ひっくり返りましたね〜〜
エラリイが途中から犯人を断定していたのが、気になっていてヴァンを少し疑っていましたが、まさか森須とは…気づかなかった……
縁ある土地だったので、想像しながら読み進めていましたが、森須すごい仕事量してますね(笑)
ヴァンが途中メンタルやられるのもそういう理由か〜と納得しました。
しかしながら森須の種明かしパートからのエピローグでさらなるどんでん返しが?と構えすぎていました。プロローグの伏線をさらっと回収して終了。なんだかもう少し