あらすじ
集大成的恋愛小説、圧巻の千三百枚
二人の恋の炎は、すべてを焼きつくす。
京都と東京を舞台に描く、集大成的恋愛小説
「誰かを傷つけるのはこわいけど、傷つけなければ生まれない感情もある。」――綿矢りさ
京都に暮らす久乃(ひさの)は、中学校の入学式で出会った同級生の綸(りん)にひと目で惹かれ、二人は周囲の偏見にも負けず、手さぐりで愛をはぐくんでいく。
「名前なんか、どうでもいーやん。私は久乃が好き。久乃は私が好き。それで十分やろ」
しかしあることがきっかけで二人は決定的に引き裂かれる。
そして十数年後、東京の会社に勤める久乃は思いがけない形で綸に再会するのだった――。
綿矢りさ史上最長、圧巻の1300枚!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
初綿谷りさ作品。中学生から高校生、そして30代、久乃の言葉で語られる学生生活、友情、恋、仕事、社会との関わり…読むほどに自分の若かった頃のフレッシュな感情がオーバーラップされて、目の前で繰り広げられているかのよう。分厚い本なのに読むペースが加速させられます。橋本くん、山尾くん、千賀子ちゃんという脇役もいい感じ。初とは言いながら、新聞などのコラムなどで綿谷氏の文章は目にしていて、短い文章ながらなんと的確な表現をされるんだろうと思って読む機会を狙ってました。他の作品も読み進めたいと思わせられました。
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中学入学と同時に惹かれ合い付き合う久乃と綸。気持ちの行き違いで卒業式の日に大喧嘩し音信不通になった二人が十数年後東京で再会し再び付き合うが…。誤解を乗り越え本当に大事な物に気づくラストが感動的。友情とも単なる愛情ともつかない二人の関係性が尊い。
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ワタシヲ ミテ 「やっと気づいた」
恋の炎を甘く見過ぎて、いつまで経っても消し止められず、気づいたら毎晩焼かれてる。
久乃と綸。634ページ。炎が燃え続けた。
Posted by ブクログ
手にした時、こんなに分厚い本を読み切れるだろうかと不安になった。
物語の前半は背景や状況が丁寧に描かれている事もあって、展開は遅い。
けれど、中盤、後半と読み進めていく内に、前半で描かれたエピソードがまるで自分の過去の記憶かのように思い浮かんできて、ストーリーに入り込んでいった。
思春期ならではの体や気持ちの変化、進路への不安、その時の家族関係が与える心への影響。
どれだけ周囲の人間から浮かないように、異質な存在にならないようにしても、どんどん「同性が好き」という気持ちが強まっていく。
「久乃と綸はレズ」という噂から、いじめのターゲットになった時は、彼女よりもいかに自分が「普通」であるかを優先して綸を遠ざけ、その後一切連絡を取らなくなった。
32歳の久乃と綸の姿を知った時は、えっ?と思った。
中学生の頃のイメージと全然違う2人になっていたけれど、再会してから会わなかった期間の話を知る内に、同性を好き=周囲からいじめの対象になった事や周囲の偏見を目の当たりにした事が、大人になってからの人格にいかに影響しているかを感じた。
自分に自信が持てなくて、大切な人を傷つけてしまった経験を経て、大人になってからどういう答えを出すのか。
電車の緊急停止をきっかけに綴られた後半最後の数ページは、特に何度も読み返したくなる心に刺さる文章ばかりでした。
ページ数は多かったけど、普段見過ごしている事や気づかないフリをしていた自分の本心に目を向けるきっかけになった一冊でした。
Posted by ブクログ
表題だけで読み始めた私。中学生から・・・
読みながら遠い遠い昔になってしまったその頃のことを思い出したり。
そして32歳・・ここからはもう怒涛の…(読書・・私の)
表題が出てくる・・・・そうなのか。
今ある時代しか生きられない…その通りです。
読み終わって、すべて応援する側に回っている・・・‥私です。
Posted by ブクログ
恋愛小説にあまり興味がないが、読み終えたとき、「すごいものを読まされた」と思った。それは甘美な物語というより、人間の奥底にある衝動や執着を、容赦なく見せられた感覚に近い。
読んでいるあいだ、二人の心の深いところにある声を、そっと聞かせてもらっているようだった。自分の体験とは重ならないし、共感できるとも言い切れない。それでも、なぜか「ああ、分かる」と思ってしまう。そのアンビバレントな感情に強く揺さぶられた。身近ではないのに生々しい。距離を感じるのに、目が離せない。その矛盾こそが、この作品の「煌めき」だったのだと思う。
Posted by ブクログ
世代がドンピシャで中学時代の思い出が鮮明に蘇る。第一部のセンセーショナルな終わり方で第二部は次が早く読みたい衝動になり夢中になった。
本当に最後の方で人身事故で電車が止まった時、輪なのではないかと過ったが、最後はハッピーエンドで終わった。
私自身も人生の時間って宇宙規模の時間軸に当てはめるとフラッシュが焚かれた一瞬だと良く感じる。同じ考えを持った方が他にもいて読んでて深く共感できた。特に学校やメディアでの画一的な「普通」は〜と常識を勝手に自分で作ること。もっと個性的な生き方があっても良いんじゃないか、と最近自分が道を外れたから思える。いい本だった。
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面白かったあああ。
めちゃくちゃ分厚くて驚いたけど、600ページなんてなんのその。あっという間に読めてしまった。
派手な展開というより、じわじわと積み上がっていく時間。後半は伏線回収というより、“運命の答え合わせ”を見せられている感覚で、めちゃくちゃ泣いた。
綿矢さんによって情熱的で刹那的に描かれる女の子同士の恋愛。どうしてこんなに他人事に思えないんだろう。
そして橋本くん。
本当に良すぎる。好きになりそう。
二人を見守ってくれて、どうもありがとうね。
あと、あなたが連れてきた結婚相手が良い子で良かったと、心の底から思ったよ…(誰)
だって久乃と綸の関係を知っていたのに、茶化さずにずっといてくれたあんたこそ幸せになるんやぞ?!
「偏見ってさ、他人の中やなくて自分の中にあるんよね。大人になってから気づいた」
この一文にハッとした。
差別も偏見も良くないと分かっているし、そんな態度はしていない“つもり”でいる。でも、いつの間にか、ってことがあるかもしれない。
自分のスタンスや価値観を、ちゃんと考え続けていないといけないなと改めて思った。
頑固ババアにはなりたくないし、新しい知識や視点もちゃんと受け取れる人でいたい。難しいけど。
激しく煌めく短い命。
タイトルの通り、命は短い。
終わりがあると分かっているのに、つい安全なほうを選んでしまう。でも、この物語の二人を見ていると、もう少し欲望のままに生きてもいいのかもしれないと思えてくる。
はあ、大満足。ますます綿矢さんの虜です!
Posted by ブクログ
中学生時代のパートは読んでいてとっても幸せで、終わってほしくなかった
後編は、大人になってからの2人はなんだか残念だ、あの頃の輝きが…とか思いながらしばらく読んでいたけど、30前後で人生に血迷い始めるのは自分も心当たりがあるしリアルだよなぁ
最後には、やっぱり運命の2人だったんだ…!!と、ロマンチックが自分の中で炸裂して心打たれた
中学生のときとは違ってお互いの気持ちを大切にできてよかった
昔からの2人の間で流れるあたたかさが、最後一緒に生きていく決意につながったところがほんとうによかった
激しく煌めく短い命だから、日常に追われて大切なものを見失いたくない
大好きな小説になった⭐︎
生々しい作品
物凄く長いと聞いていたので覚悟して読み始めました。
もっと読んでいたい…終わってほしくない…という気持ちと、早く次のページを読みたい!という気持ちがせめぎあって大変でした。
パッキパッキ北京を読んですぐ本作を読み始めたので、綿矢りさの振り幅大きさに驚きました。
中学生時代のパートが想像上にボリューミーでしたが、中学生ならではの残酷さのようなものが物凄く生々しくて、当時の空気感が文字になると、懐かしさ以上に切なくなります。
再会のパートは展開が目まぐるしかったですが、橋本君がいい清涼剤になっていて救われました。
久乃はかなり危ういし、最後の最後まで結局しっかりと謝れていない所にもどかしさも感じましたが、それが人間かなぁとも思いました。
久乃の母方のおばあちゃんは若い頃に亡くなった、と書いてあった気がするけれど。これを指摘するのは野暮かしら。
女性同士の恋愛云々が特別ということではなく、結局みんな人と人、人生なんだなと思います。
差別意識は自分自身の中にある、ということにもハッとしました。
人は周りの空気感、時代の流れ等に流されてしまう、弱い生き物であるということも。
人間臭さの漂う綿矢りさ作品が私は好きだなぁ。
Posted by ブクログ
読みやすいので、長いが気負いなく楽しめた。ディティールの積み重ねがとても良い。恋愛小説でありながら、平成と令和史にもなっている。特にTwitterに関する部分はとても共感した。主人公の久乃も、リンも、性格に難ありだったのが良かった。ただただ眩しいのは同級生の男の子。良いやつすぎる。
時代が変わっても、差別は自分の中にある。結局は自分がどう腹を括るかだなと感じた。
決してドラマチックではないクライマックスも、ラストの数行も素晴らしかったと思う。学生時代は楽しい事ばかりじゃなかったはずなのに、振り返ると眩しいくらい「大事」が詰まってるんだよな。
Posted by ブクログ
第一部と第二部 それぞれ厚みがある物語で
描写が細かいからまるで登場人物の親友のような視点で読んでしまった
いいなあこういうまっすぐな想いって感じでふわふわする
自分の想いに蓋をしていないか、偏見は自分のなかに本当にないかって考えさせられる作品だった
Posted by ブクログ
面白かったです。久しぶりの真面目な話でした。
分厚いので読むのに時間かかるかもと思いましたがすらすら読めました。
久乃の見た目スペックがわからないのだけちょっともやもやしました、なので星4つ。
Posted by ブクログ
題名と、線香花火の写った表紙から連想していた内容には、最後までならなかった。
はじめは、あまりの分厚さに久々躊躇したけれど(笑)、読み始めたらラストまで読み続けられた。
綸と久乃の、中学時代の出会いが前編。
後編は、ずっとあと。32歳になってからの再会。
最後に久乃が人生は短いと思い立ち動き出すところで、ふと自分の人生を振り返る。
確かに。人生はあっという間!
私も、短い人生をちゃんと楽しめているだろうか。
二人の人生を見ていて、もっと有意義に短い人生を過ごしたいと思わされた1冊。
Posted by ブクログ
13歳って、あまりにも眩しいな。苦しくても悲しくてもその瞬間は特別で、大人になったら大したことないように感じても、その時は本気で悩んで考えてる。久乃と綸の、不器用だけど一生懸命な姿が愛おしい。
自分も無意識のうちに偏見とか差別とかしてしまってるのかもなと考えさせられたし、2人が今後どんなふうに生きていくのか知りたくなった。
Posted by ブクログ
綿矢さん、初めての長編。蹴りたい背中のときも感じたが、思春期の子の微妙な感情や葛藤を書くのがとてもうまいなと感じた。テーマはシスターフッド。 連帯しながら、かたちにこだわらずに生きていく、ラストも良かったです。
Posted by ブクログ
少女たちの10代中学生の頃と、30代大人になってからの2部構成で描く、恋愛と生き方の物語。
中学生の頃の学校生活での日々の煌めき、大人になってからの時間と命の輝き。子供の頃は目の前や周りが気になって、大人になってからは生活する事に必死になって。それでも大好きな日との事が忘れられない切ない気持ち。
ちょっとしたすれ違いや些細な出来事でぶつかり合ったりする気持ちの描き方が繊細でリアルで、630ページ以上あるのに彼女たちのこれからをまだまだ見ていたくなった。
毎日を大事に生きたいと思ったよ
Posted by ブクログ
あまりの本の分厚さにおののいたが、読み始めるとなんとさらさらと進んでいくことか。誰もが似た経験に思い当たりそうな前半の中学生時代。小学生でもない高校生でもない、面はゆい時期ならではの異性や同性、先生や親たちとのあれこれ。その舞台は綿矢さんの生まれ育った京都であり、私自身も生まれてからずっといる場所なので、本を読んでいるというより自分のちょっと隣の学区の人の思い出を一緒に眺めているような、新鮮な読書体験だった。細やかな町の描写、地域性、中学生の京都弁などなど、ほんとうにリアル。特に2人の京都弁は、環境や性格を鑑みてか少し描き分けられていて印象的。そして後半、東京編。潔く20年近くが過ぎている。2人の人生がまた大きく交わって動いていくのがドラマティック。社会的なあれこれをはらみつつ、短い命を煌めかせる2人を見守る。読みながらその短さにハッとし、自分が置いてきたあの場所やあの感情を取り出してきて、今一度見つめ直した人も多いのではないだろうか。
Posted by ブクログ
長かったけど夢中で読んだ!
劣等感抱え人間&中学生の時、女の子好きかも?と思ったことがあるので久乃ちゃんの気持ちは苦しかった。
最後100ページくらいはおろろ?急にハッピーエンドだなとは思った。
偏見は自分の中にある。
Posted by ブクログ
綿矢りささんらしいキャラクターの久乃と、私が実生活で出会ったことのないタイプのりん。
自分が久乃になったつもりで、りんの言葉を聞きながら読み進めた。りんの言葉は愛情をしっかり受けて育った子の言葉で、私は何度も癒された。
場所は違うけれど、ルーズソックスも短いスカートも何もかも同年代なので懐かしくてたまらなかった。
中学生の時の気持ちを、大人がここまで書けるのはすごい。
差別がなくなり、同性愛でも結婚できる世の中にしたいと強く思わせてくれる作品だった。
Posted by ブクログ
橋本くんがしてくれたことは大きい。これからも生涯の友で味方であり続けてくれるでしょう。
2人はこれからも色々な障害や困難な壁にぶつかると思うけど、力を合わせて乗り越えてほしい。
彼女たちにこれからの人生幸多からんことを。
Posted by ブクログ
1990年代を舞台に、中学生の久乃。その当時のトレンドや音楽。当時の恋愛事情(男女であっても)。それが倫(女性)であり、在日であるとより差別や迫害。久乃の家庭環境などの影響もあり、当時の中学生の多くは自分を偽り周りに合わせる久乃に共感してしまう。
東京(護国寺からサンシャイン周辺を勝手にイメージ)へ居を構え、30を超えて再び倫に、でも気持ちは純粋のまま、もう二人ともと‥
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壮大な百合だった、、、。中学時代のリアルさが、自分の中学時代まで懐古しながら読んでしまった。あの時感情むき出しな2人だったからこそ、大人になって、ふとした瞬間に湧き出る膨大な感情描写がより光ってた気がする。久乃が清盛と出会した時、自分が男だったら嫉妬されたのだろうかと考え、自分と付き合う事で結婚して家庭を作りたい綸の時間を奪っているのではないかって思い巡らすシーンがあまりにも切なすぎた。同性愛への偏見が少なくなったからこそ、自分の中で開放的になった欲望と、同性婚ができない社会へのギャップに新たに苦しむのかと思うと何故この世界は同性婚ができないのか、本当に意味が分からなくなってしまった。。。
刹那な人生の中で、いかに自分の中で激しく煌めく感情を大切にして、そこに赴くまま生きていくのが後悔しないよなぁと思いつつ、そんな上手く行かないこの世では中々勇気の出ない事でもあるよなぁと考えてしまった。
Posted by ブクログ
長い!長い!95年くらい?の中学生がやたらリアル!と唸りながら読んでいたのに、気付けばラストの深さに涙を流していた。そこにたどり着くためのこの分厚さだったのか。
まわりに「生まれの悪い」「あのこらレズやねんて」と陰湿に人格外を揶揄され、立ち向かえる綸とまわりを気にする久乃。正反対のふたりに、時を経ても「それでもこの人と一緒にいたい」と言わせるのかどうなるのかと、読み進めていくたしかな贅沢。
もちろん数日に分けて読んだので、綸と久乃、どうなるんやろ〜とやきもきしながら過ごしたこの日々はひさびさに充実していた。
Posted by ブクログ
平たく言ってしまえば、同性同士の愛と結婚…なんだけれど、なかなかの力作。引き込まれました。634ページの大作で、前半は京都での中学時代の久乃と綸。活発で、ちょっと不良っぽい仲間たちとつるんでいる綸。家庭科部に所属する勉強ができる久乃。家庭環境も友達関係もまったく違う2人は、ひっそりと付き合い始め派手な喧嘩で別れていく。
後半は、30代になり東京でトップ営業ウーマンとして暮らす久乃が、綸と再会したことから、二人の関係が動き始める。
中学時代の部分は一気読みしてしまったが、社会人になった東京での久乃のスタイルは、あまりに昭和っぽくて閉口した。それでも、最後に二人が選んだこれからに、ちょっと救われた。
こんなストーリーを書いてしまう綿矢さんに脱帽だ。
Posted by ブクログ
なかなかの長編で、読み終えるのにけっこう時間がかかりました。
女性2人の関係性を、中学の3年間と30代になって再会してからの2部構成で描いています。
同性同士の恋愛がメインとはいえ、毒親との関係、京都にある差別、女性が第一線で活躍するために払う犠牲など、多くの問題が盛り込まれていて、まぁまぁ重い感じで読み進めました。
主人公は子供の頃から、考えすぎるほど考えてしまうタイプで、それで動けなくなったり、咄嗟の判斷を誤ったりするのだけど、最後はなんとなくその殻を破ろうという意志が感じられ、ちょっと期待がもてたかも。
ただ一見虐待とまではいかない毒親の言動によるダメージを他人に理解してもらう難しさと、それが自分のアイデンティティに大きな影を落とすということは、あらためて子育てにおいて親に重大な責任があるなぁと感じました。
最年少で芥川賞をとった『蹴りたい背中』以来の綿矢りささん。オトナになったなぁ……。
Posted by ブクログ
同年代の中学生時代を過ごしてきたので、当時の行事や雰囲気が懐かしく嫌だった気持ちとかも思い出して共感した。
自分の中の偏見や時代や環境に惑わされ悩む感情はリアルで苦しいけど、それでも大人になったからこそ出来る選択があってよかった。
Posted by ブクログ
本の分厚さに心惹かれ手に取る。
恋愛云々は横に置いておき、
中学生って本当に難儀な時期だよなぁと改めて思う。
過去に戻れるとしても、私は絶対に中学時代には戻りたくない。
久乃と倫に幸あれ!
Posted by ブクログ
中学受験に失敗し、しぶしぶ地元の公立中学に通うことになった優等生の久乃と、家が中華料理屋を営む、中国にルーツを持つ少女、綸。大人しい真面目な子に見えて、内心、おかしなことを考えているどこかとぼけた久乃と、明るく奔放で、感情表現が豊かな綸が、中学で出会い、惹かれ合う。二人は気持ちを確かめ合い、甘い幸せな時を過ごすが、同性愛への偏見から関係がおかしくなり、べつべつの道を歩む。それから十七年。三十二歳になって、再会する。
第一部、中学生の久乃の視点がおもしろく、また、ルーズソックスやプリクラなど、描かれている風俗がなつかしく、楽しかった。大人ではない、でも、子供というには自分ができてきた年ごろ。周囲の目、大人の差別、ヤンキーになっていく子たちを見る目とか、あのころの感じが思い出されて、みずみずしい気持ちになった。が、ちょっと長かったかも。えー、この二人がどうなるんだろうと、早く第二部の再会パートを読みたくなってしまった。そして再会。久乃、こんな感じになっていたのか。二人は会わない十七年の時を無駄にし、再会してもまた同じように仲違いをしてしまう。だけど人生に、そんな無駄なことをしている時間はあるのか。まさに、『激しく煌めく短い命』だった。