【感想・ネタバレ】激しく煌めく短い命のレビュー

あらすじ

集大成的恋愛小説、圧巻の千三百枚

二人の恋の炎は、すべてを焼きつくす。
京都と東京を舞台に描く、集大成的恋愛小説

「誰かを傷つけるのはこわいけど、傷つけなければ生まれない感情もある。」――綿矢りさ

京都に暮らす久乃(ひさの)は、中学校の入学式で出会った同級生の綸(りん)にひと目で惹かれ、二人は周囲の偏見にも負けず、手さぐりで愛をはぐくんでいく。
「名前なんか、どうでもいーやん。私は久乃が好き。久乃は私が好き。それで十分やろ」
しかしあることがきっかけで二人は決定的に引き裂かれる。
そして十数年後、東京の会社に勤める久乃は思いがけない形で綸に再会するのだった――。

綿矢りさ史上最長、圧巻の1300枚!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「私は久乃が好き。久乃は私が好き。それで十分やろ」

この2人の関係は、レズビアン(女性同性愛者)であった
中学の頃に、同性と付き合った不安や周りからの差別の目に耐えられず、別れた。
自分たちが、レズビアンということを知らず、互いが互いを好きでいるだけのあの頃が1番幸せだったのかな…?
そう思っていた…。

しかし、32歳の時に、2人は再開し、再熱した。
その時、久乃と綸は、運命に導かれる2人なのかなと思った。

2人が中学生の頃について話していると出てきたこの台詞がグサリと心の中に刺さった印象が残っている。

「偏見ってさ、他人の中やなくて自分の中にあるんよね。大人になってから気づいた」
本作は、中学生のシーンから、道徳の授業や、出生についてなど、差別や偏見について考えされられるシーンが多くあり、考えさせられる部分も多かった。

私的には、レズビアンやゲイの方々が、結婚できるように、法整備が進めばいいなと本作を読んで強く感じました!

読後はほんとうによかった。
分厚くて読めるか不安だったが、話が細切れになっているため、読みやすい作品◎
ここまで読んできてよかったと思える大作。
これは、私の中の今年トップ10入り決定!
なんとしても買いたい!
そう思える作品だった!!

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2025年11月20日

ネタバレ 購入済み

生々しい作品

物凄く長いと聞いていたので覚悟して読み始めました。
もっと読んでいたい…終わってほしくない…という気持ちと、早く次のページを読みたい!という気持ちがせめぎあって大変でした。

パッキパッキ北京を読んですぐ本作を読み始めたので、綿矢りさの振り幅大きさに驚きました。
中学生時代のパートが想像上にボリューミーでしたが、中学生ならではの残酷さのようなものが物凄く生々しくて、当時の空気感が文字になると、懐かしさ以上に切なくなります。

再会のパートは展開が目まぐるしかったですが、橋本君がいい清涼剤になっていて救われました。
久乃はかなり危ういし、最後の最後まで結局しっかりと謝れていない所にもどかしさも感じましたが、それが人間かなぁとも思いました。
久乃の母方のおばあちゃんは若い頃に亡くなった、と書いてあった気がするけれど。これを指摘するのは野暮かしら。

女性同士の恋愛云々が特別ということではなく、結局みんな人と人、人生なんだなと思います。
差別意識は自分自身の中にある、ということにもハッとしました。
人は周りの空気感、時代の流れ等に流されてしまう、弱い生き物であるということも。
人間臭さの漂う綿矢りさ作品が私は好きだなぁ。

#切ない #感動する #エモい

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分が1番幸せでいられる選択をするのは多様性の時代である今らしい選択だった。周りと同じようにしないといじめられたり、大人になる過程での体の変化や異性を意識する態度など中学生の頃の嫌な感じを思い出してしまった。大人になるまでの経験から、人間は違うことが当たり前だと学ぶのだけど、中学生だと悪意なく揶揄ってしまったりするんだと思う。

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

紆余曲折を得て最終的には結ばれる、ハッピーエンドで美しい作品であった。自分の感情に対して真正面から向き合う2人に感銘を受けた。自分も思ったことは言葉にして、相手に伝えることを積極的に行っていきたいと改めて思った。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同性愛の女性2人の物語
と書くには重く複雑で人間の生々しい部分や、幸せとは何かを考えさせられる作品
中学で出会い、一度離れ離れになり、10年後に再開する2人
上手くいくはずのない関係が、徐々に繋がっていく
爽やかに一気読みさせられた

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ


あったかくて、辛辣で、眩しくて、痛々しくて、それでもやっぱり暖かい作品だった。

"レズ""ホモ"同性愛者を表現する言葉があるけれど
どこか卑下した言い方というか。
異性愛者が正義だと思っている考え方が浮き彫りになる呼び方な気がして、好きじゃなかった。

中の久乃と綸は同性に恋をした。
周囲の友達が異性に恋をする中で、同性の親友に恋をする。
自分の気持ちに気付いたときは、葛藤や戸惑いの気持ちに押しつぶされたかもしれない。
けれど、お互いがお互いをきちんと見つめて
自分の気持ちに蓋をしないで、気持ちを通わせたところが
すごく暖かくて、煌めいていて眩しかった。

久乃が綸に対する気持ちに気付いた瞬間が
綺麗で切なすぎる。
側から見ても仲がいいと認められている男子が
同じ現場で輝いている中
同性の友達に惹かれている自分に気がついたとき
なんともやるせない気持ちになるのかもしれない。
なんで輪なんだろ?
なんで山尾くんじゃだめなの?
心にきゅんとズキズキが同時に来るんだろうな。

恋ってどうして真っ直ぐじゃないと
人から白い目で見られてしまうのでしょう。
本人同士が大切と思える恋なら、胸を張って手を繋げる世の中に早く変わってほしいと願う。

最後の最後、久乃が
人生を、「激しく煌めく短い命」って気付くシーンがすごくよかった。
ここでタイトル効いてくるのかー!!!ってぐわーって心がもってかれる。
気持ちにまっすぐすぎる綸の気持ちに、やっと応えられるラスト、、最高でした。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

後半の怒涛の展開に対して終わり方はあっさりしてたかなあスムーズなオチ

でもハッピーエンドだったので 
読み終わって一息、ふぅっと力が抜けた、良かった

大好きな綿矢りささんの長編が読めて楽しかったです。

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作をレズビアン小説とするのは、あまりにもレズビアンの理解が浅いのでは。
女性として女性を愛するのに、男性と枕営業をする主人公の行動は不可解すぎるし、男性と結婚も子供も望んだ人をレズビアンとして描くなら、多数のレズビアンを出した上での、一例にすべきだと思う。
読者を惹きつけたかったのか、作者がこういう流れお好きなんか知らんけど、前半の描き方から後半への転落は、生きた人間の属性を扱っている自負はあるのか、心配になった。

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本筋を補強するような脇道の細かいエピソードが丁寧なのだが、読んでいてこれ本当に必要? と思ってしまうことが多々あった。
地の文の描写の美しさはさすが。

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2025年10月11日

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