あらすじ
幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない“父”と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、
出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。
解説・上白石萌音
※この電子書籍は2018年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
~ 家族の大切さに気付くおはなし ~
ある日の新聞に親が離婚した教え子を元気づけようとこの小説(本)をプレゼントした先生の話が載っていた。その記事を目にしたことが切っ掛けで読んだ小説。文庫本の装丁が単行本と同じデザイン。 新刊当時話題の小説で、その頃住んでいた家の近くの浦和駅の本屋にある目立つところにある棚に並んでいたことを思い出しながら読んだ。
物語は生みの親と事故による死別や仕事の海外赴任などで別れた主人公優子の小学校入学から結婚するまでの出来事が主人公の視線で描かれる。優子は2人の母と3人の父に養われながら育つ。幼いころから大人になるまで、年齢を強く感じるエピソードが続いていく。
このストーリーの準主役と言えるのが、親子としては少々年齢が近い母の梨花さんと、父の森宮さんだ。ふたりは優子を育てていく事を決意して結婚する。優子と暮らすようになり、やがて優子の喜怒哀楽や成長を自分の生き甲斐にしていく。梨花さんは持っているお金はどんどん使ってしまって給料日前には所持金が乏しくなるような無計画な消費をしたりする。作中でも3回の結婚をするなど、一見ハチャメチャなようだが、人を惹きつけ人と親密になるセンス抜群の天真爛漫な女性。森宮さんは東京大学を卒業し、現在は一流企業に勤務するサラリーマンで、世間一般的には順調な人生を歩んでいるような人。ユーモアある話し方をするひとで、作中の森宮さんの話に何度も「これだ!自分もそう思う」と感じた。 同窓会で再会した二人は結婚する。 優子が中学校を卒業する頃、優子を連れて2カ月前に森宮さんと結婚した梨花さんは突然家を出て、居なくなってしまう。森宮さんは動じず、改めて親として優子と暮らしていく決意を強くする。優子は現実を受け止める。離婚届を書いたその日、梨花さんとした会話の内容を森宮さんが優子に話す。
「…梨花が言ってた。優子ちゃんの母親になってから明日が二つになったって」
「明日が二つ?」
「そう。自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日がやってくるんだって。親になるって未来が二倍以上になることだよって。明日が二つにできるなんてすごいと思わない?未来が倍になるなら絶対にしたいだろう。それってどこでもドア以来の発明だよな。しかもドラえもんは漫画で優子ちゃんは現実に居る…」
読んでいて楽しそうに優子の話をする梨花さんの姿が目に浮かんでくる。ここまで優子ちゃんに愛情を注いでくれていた梨花さんはなぜ去ったのか? 後に明らかになる。
読み進むと結婚の日が近くなり、残りのページが少なくなっていく。森宮さんとの生活はもう長くは続かないことが読んでいても分かる。この先どうなっていくのかすごく知りたいけれど、今の暮らしががもう少し続いてほしいような気持になり、読むペースが思わずゆっくりとなってしまう。
この物語に欠かせないのが、ステキな料理と音楽(ピアノ)の持つ力の話だ。人が一生懸命作った料理が人を元気づけること、心を込めて奏でられた音楽がいかに人々の心と身体に癒しと潤いを与えてくれるかが素敵な文章で綴られ、ストーリーの欠かせない要素となっていく。
結婚式前夜、森宮さんと二人の食卓の光景がこの物語のクライマックス。優子は思う
「…早瀬君(婚約者)との暮らしは待ち遠しい。それでもここにもう少しいられたらと思わずにはいられなかった」
森宮さんが語る 「あの時、同窓会に行ってよかった。梨花と会わなかったら俺今頃路頭に迷っていたな…路頭には迷わないけど、でも、人生はきっともっとつまらなかった。よかった。優子ちゃんがやってきてくれて」 「自分のために生きるって難しいよな。何をしたら満たされるかさえわからないんだから。金や勉強や仕事や恋や、どれも正解のようでどれもどこか違う。でもさ、優子ちゃんが笑顔を見せてくれるだけで、こうやって育っていく姿を見るだけで十分だって思える。これが俺の手にしたかったものだって…」 会ったことがなく、実在さえしない森宮さんが話している姿が目に浮かぶような場面。家族と過ごす何気ない日常の喜びや、人間にとっての幸せとは何かが凝縮されている。読んでる自分も何となく喜びを共有できた気分になった。
物語の最後で結婚式当日を迎え、優子を育てた親たちが一堂に集う。優子と一緒にバージンロードを歩き、森宮さんが家族の優子を手放す時が来る。
…どうしてだろう。こんなにも大事なものを手放す時が来たのに、今胸にあるのは曇りのない透き通った幸福感だけだ…本当に幸せなのは誰かと共に喜びを紡いでいる時じゃない。自分の知らない大きな未来へバトンを渡す時だ。あの日決めた覚悟が、ここへ連れてきてくれた。
物語の始まりと終わりは森宮さんの独白で締められている。
家族がどれだけ人の幸せに大切なのか。お互いがお互いを支えているのかを気付かせてくれるお話。読みながら自分の家族のことを考える。そんな物語です。いつの間にかどっぷりと小説の世界に浸る。2019年の本屋大賞受賞作品。
Posted by ブクログ
森宮さんが色んな意味で最高でした。
「なるほど。急いで梅干しをブラジルまで送ってくれとか書かれても、答えられないもんな」
最後あんな泣かされる本だと思わなかった。
Posted by ブクログ
梨花さんの人生を楽しんでいるような自由さが好きだった。私も梨花さんみたいな可愛いくて、真っ直ぐな大人になりたい。
血が繋がっていない娘(優子)を、自分より大切なものとして大事にしている森宮さんが素敵だった。私は、自分勝手な部分があるため、自分より大切にしたいと思えるものに出会えるか分からないけど、それを探しながら生きる人生もいいなと思った。
Posted by ブクログ
初めての瀬尾まいこ先生の作品。
映画のイメージ(主演二人のスキャンダル)のイメージが強かったのもあり、手に取るのが遅くなってしまった。
クスリと笑えて、でもなんだろう。晴れやかな気持ちにもなる一方で少し寂しく。
Posted by ブクログ
最後のページを読み終えたとき、なんか幸せだなーと思った。瀬尾さんの作品は2作目!ドキドキハラハラな展開とは違うけど心が温かくなるお話でとても好き。
親が替わると聞くとだいたい可哀想なお話かなと思うのだけど、全然違った
それぞれの親がその人なりの愛情を注いでくれる
後半は自然に涙がこぼれた
号泣ではなく、ハラハラと
好きだったシーンは大家さんとのエピソード
妙におとなびた子どもだなと思っていたけれど川でこっそり泣いてたのを読んで胸がギュッとなった
家族の愛がバトンを繋いでいったのだな
優子、幸せになってね!と思わずにはいられない
Posted by ブクログ
読みやすいし、色んな形の親の愛情を感じられて良かった。最後森宮さんとのシーンが最高に好きで、良い締めくくりでした。
「お父さんやお母さんにパパやママ、どんな呼び名も森宮さんを超えられないよ」ってめっちゃ良い。
Posted by ブクログ
優しい人たちの、優しい物語。
初登場時、女子校生である主人公は、フィクションの世界でもそうそう目にすることができないすごい過去、そして現在の生活を生きている。
しかも、その過去、現在の暮らしはおおむね不幸と結び付けて語られることが多いものだ。
ところが、当の本人はそう感じていない。
あまりにも波乱に満ちた人生で、主人公のメンタルが鍛えられたというのももちろんあるだろう。
しかし、それ以上に大きいのは、主人公の人生を一変する原因となる人たちがみんな優しいことだ。
誰もが主人公のことを愛している。
そんな、優しい世界の、優しい人たちの物語。
Posted by ブクログ
2019年本屋大賞の作品。書店でよく見かけ、共演者の不倫騒動で話題にあがって、一周回って読んだ気持ちになってた(; ・`д・´)イカンイカン
主人公の家族が奇妙な形になっていても、当の本人が不幸だと思ってもいない。とんかつ、餃子、オムライス、ケーキと食べ物から力を貰う描写も愛おしい。瀬尾まいこさんの本も久々に読みましたが、とってもよかったです!
『梨花の言う通りだ。優子ちゃんと暮らし始めて、明日はちゃんと二つになったよ。自分のと、自分のよりずっと大事な明日が毎日やってくる。-第1章-』
『おいしい食事も励ましの言葉も誰がか差し伸べてくれる手さえも受け付けなくなったとしても、音楽は心や体に入っていくだろう。どうして私は気づかなかったのだろう。-第2章-』
2025.10
Posted by ブクログ
とても読みやすい作品。
映画は結構改変してるみたいだからパス。
血が繋がっているから家族というのが一般的で
標準なんだけど、
一緒に暮らしていくために相手のことを考えること、
あるいは相手のことを考えるから一緒に暮らさないような家族もあるのかも。
そして、バトンは渡された
読了。大きい事件は起こらないのに、最後の結婚式のシーンは泣きそうになった。森宮さんの頭良いのにお茶目なところが好きだなーと思った。
育児のすすめ
⚫️少子化時代の「育児のすすめ」である。何をしたら自分が満たされるのかはよく分からないから、自分のために生きることは案外難しい。しかし、自分より大事な子供のために生きることは、自分を確実に満たしてくれる。⚫️育児のある人生は幸せで、育児のない人生は多分つまらない。お金で買えない生きがいを得られる育児のコスパは悪くないのだ。⚫️さて、主人公の義母梨花について、自由奔放というより自儘独善を感じるが、周囲の男達は途方もない器のデカさで接している。現代女性の理想的男性は大度量の持ち主らしい。自分にはムリっぽい。
読了感が最高でした
ずっと穏やかな様子で進んでいくこの話の中で、泣くことはないだろうと思いながら読み進めていました。
けれど、読んでいく中で主人公の優子がいかに愛されているかを感じ、最後には涙を流してしまっていました。
穏やかに心に染み込んでくるような優しさが詰まっていると思います。後味スッキリと読み終えることができるお話でした。
本も料理も味わい深い
ニンニクたっぷりの餃子、始業式のカツ丼、メッセージいっぱいのオムライスなど、愛情たっぷりの料理を作る森宮さん、また優子に関わった親たちの真の愛に胸が温かくなリました。
特に、親が子を育てることは明日が2つに、未来が2倍になるという一文に感動しました。
心が温かくなりました
読む前はあらすじを見てどういうことだろうって思っていたのですが、読むとスッと心に入ってくる温かいストーリーで、読んで良かったなと思いました。
心が温かくなる
優子さんの性格もいいのか、周りの大人の気遣いに、
本当に心が温まりました。
付き合った彼氏達も、素敵な子だったですね。
親が何度も代わり、人に言えない虚しさや腹立たしさを感じる事もないほどの
新しい親達。現実には居ないだろう
素敵な物語でした。
大切にしていきたいと思える本
これは優子ちゃんのお話のようで、じつは森宮さんのお話だったんだと思う。
本当に場面展開といい、言葉選びが秀逸で、季節の移ろいなどの表現も美しく引き込まれました。
優子ちゃんと森宮さんの会話にクスッと笑えて、森宮さんだけでなく登場人物がみんなそれぞれ温かくて。でも要所要所のそれぞれの親たちの言葉に重みがあって。。梨花の明日が2つになるって言葉や、どんな時もごはんを作る森宮さんの姿、2章の最後の方、夕食後のデザートの時、森宮さんが優子ちゃんに掛ける言葉の部分では思わず声をあげて泣いてしまいました。きっとまた、時々読み返します。大切にしていきたいと思える本です。
淡々飄々 しかしユーモアあり
どこか力が抜けた淡々飄々とした しかしユーモアを含んだ語り口が好きでこの作者の作品を何冊も読んでいるが、今まで読んだ作品の中では文句なしにこの作品が最高の出来である。最後の盛り上げ部分も絶叫型ではなくいくらかユーモアをふくんでいるのに、それでも感涙してしまった。数多くの父親 そして母親の嫌味のない人物の描き方が実にいい。もっと星がほしい作品である。
良かったです
内容を全く知らないまま、まず無料版を読んで、早く続きが読みたくて購入しました。何だか最近の自分を振り返りちょっと心が晴れました。自分の人生、自分の評価、など自分の事ばかり。目を向ける世界をちょっと変えただけで、心が豊かになる事を思い出させてもらいました。登場人物がみんな魅力的です。
Posted by ブクログ
読んでる時はお腹が空くし、読み終わったら親に会いたくなった。無償の愛を捧げるって、しんどいことだと思ってたけど、生きる理由になるんだと知れた。自分よりも大切な存在があることで、自分の人生がより楽しく明るくなる。泣きながら読み終わったあとに、1ページ目に戻り読むと、また泣けてくる。
Posted by ブクログ
主人公の優子は親が変わっても、いじめに遭っても深く悩むことはない。
学校行事で責任のある役目に就いてもそつなくこなし、男子にもモテる。
人間的に完成していて、冒頭で悩みがないのが悩みのようなことを言っていたのも納得だ。
そんな彼女も森宮さんと一緒にいる時は年相応の子供に見える。
二人の食卓漫才や優子が叱られる姿を見るとどこかほっとした。
本作では森宮さんが一番好きだ。
終盤では森宮さんと同調して、こんな奴に優子をやれるか!とキレそうになってしまった。
ラストはあっけないという声も多いようだが、これ以上の尺があると本気で泣いてしまいそうなので、私には丁度良い頁配分だった。
Posted by ブクログ
大人の都合に振り回され7回も親が変わりながら育っていく少女が、彼女自身の結婚を迎えるまでのお話。
宮森さんが好き。
高校生の優子の父親としては若く、コミュニケーション能力が頗るいい訳でもない彼が、優子の父親を一生懸命に全うしようとしている様子がとても良かった。
始業式の朝にカツ丼を作るとか、優子が虐められてる時はスタミナをつけなきゃ!って餃子ばかり作るとか。やる事はちょっとズレているのだけど、完璧ではないそこがいい。どの場面でも森宮さんは、父親業を真剣に、そして本当に楽しんでやっているんだなと。優子を最優先に、自分を犠牲にしなきゃ、みたいなのではなく、娘を育てる事が本当に生き甲斐になったんだな、幸せなんだろうなと。
見ず知らずの人の子供の親になるなんて、なんで自分がそんな損な役割を担わないと行けないんだと思うのかと思いきや、
「本当にちっとも嫌じゃなかった」
「自分のために生きるって難しい。何をしたら自分が満たされるのかさえ分からないんだから。優子ちゃんが笑顔を見せてくれるだけで、育っていく姿を見るだけで、十分だって思える。これが俺が手にしたかったものなんだって」
こう言い切るんですもんね。決して綺麗事を並べている訳では無いんですよね。これが彼の本音。子供は宝とかよく言いますけど、本当にそうなのかもしれないですね。
暖かい愛のお話しでした。
卒業、結婚を迎える時に、自分がいかに周りの人や家族に大事に歩む道を守ってもらってここまで来たのかを振り返りたい方、そして、自分がバトンを渡す側である人にも読んで欲しいお話ですね。
Posted by ブクログ
血の繋がりがなくても、もう会えなくても、いろんなかたちの「愛」があまりにも温かくて思わず涙。最後まで読み終えてタイトルを見ると、ああ、たしかにタイトルをつけるならこれしかないなって思った。
Posted by ブクログ
親って偉大と感じた。
血縁関係が無くても親にとって子どもってこんなにも大切で手放したくないものなんだなと思った。
この本を読んですごく自分と重ねる部分もあったし、結婚して親の喜ぶ顔を見たいなとも思えた。
号泣ってよりはホロホロ泣ける作品だった。
人気でずっと読んでみたかったけど読んでよかった。
若い子絶対読んだ方がいい。
⭐️4.1
Posted by ブクログ
とても面白くていっきに読んだ。出てくる人皆良い人だけどやっぱり りかさんのしたことは理解できない。実の親と引き裂くのは酷い。でも登場人物が魅力的で素敵な話だった。
Posted by ブクログ
暖かい気持ちになった。
未来へも優しく確実にバトンを渡していくのだろう。
3人ののお父さんそれぞれだけれど
最初のお父さん、切ないな
みんないい人すぎる
Posted by ブクログ
タイトルがずっと気になってましたが、ようやく拝読しました。
面白かったです!そして感動しました!!
森宮さん本当に最高です。
「子どもがいると未来が二倍以上になる」
その通りだと思います。
Posted by ブクログ
映像化された原作を読むときはキャストを良く調べてから読んでます、永野芽郁さんと田中圭さん石原さとみさんがいきいきと浮かんできました。とても心温まる作品でした^_^
Posted by ブクログ
華々しい喜劇も御涙頂戴の悲劇もなく、でも誰もが人並みに等身大の喜びや悲しみや葛藤を抱えて生きていることを自分の知っている温度で受け取れる本。胸を熱くする本というより、懐にカイロを忍ばせてくれるじんわりとあたたかい本。小説向きのクセがある登場人物というより、確かにこんな人いるかもーくらいのテンションで共感できる登場人物の「普通さ」もよい。読みながら世界に置いていかれることはなく、世界と点ではなく面で繋がっている本。
Posted by ブクログ
古本屋で100円で手に入るからと購入し、きっと読むのは半年以上後かなと思っていたのに、1日で半分以上読み終わった。
序盤が特に止まらなかった。優子の親たちがどんな人なのか、過去に遡っていく構成が純粋に気になる気持ちをはやらせて、ずんずんページをめくっていけた。
ちょいちょい出てくるご飯も食欲をそそる。カツ丼も餃子もクッキーも食べたくなった。
瀬尾さんのいい意味で普通の、スッと入ってくる文章は誰からも愛されるものなんだろうなと思った。
なぜか、優子と優子の本当の父が別れるシーンで涙が出た。血のつながりは何にも変えられない、ある程度親が決めて子供を導かないといけないんだと思わされた。子供に決断させることを私もしてしまいそう。お互いの複雑な気持ちが溢れて切なくなって涙になったのかなと思う。
面白かった…。こういうのでいいんだ。うーんと悩まされたり、うわっと衝撃的なことが起きなくていいんだと思った。
バトンを渡せるのか
映画化された映像を先に見たので、森宮さん=田中圭さんに完全になってしまっていました(笑)
あっと驚くような展開は出てこないけれど、ジワジワと染みてくる人と人の間に生まれる優しさに、心が温かくなります。今の季節、読むのにピッタリかもしれませんね。
誰かを大切に想う
誰かから大切に想われる
受け取ったバトンを、私は誰かに渡せるのだろうか…
Posted by ブクログ
この小説には、早瀬くんが優子ちゃんに言うように、電話やメールという通信手段がない。何気ない会話に空気感や愛情まで伝わる。最後は、森宮さんの回想録で終わって良かった。ほっこりと幸せな読後感です。
Posted by ブクログ
ー目の前の暮らし、今一緒にそばにいてくれる人を大事にしよう
正直、ご飯と演奏の話が多くて食傷気味になってた(蜜蜂と遠雷を読んだばかりだからかも)けどその土台があったからこそ後半は集大成がつくられていたなと感じた。
梨花さんのセリフが凄く好き。
「ゆうこちゃんの母親になってから明日が2つになった。自分の明日と自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ人がやってくる。親になるって未来が2倍以上になることだよ。」
まだ子供はいないけど、これからの子供を考えると感慨深いなと...。
女の子特有の好きな人が原因で仲悪くなるは嫌だね〜。実際身近でも聞いたことあるし、自分は男だけど女の子たちは大変だなと思ってた。それが本作でリアルに描いてあって嫌な気持ちになったな 笑
優子の親という存在と友達の親の存在が違うのが面白い。友達は「親のことを毛嫌い」していて優子は親がいるだけの幸せを感じているから理解できない。
ここを読んでて、親に普通に育てられている家庭の子はそれが「当たり前」となり「幸せ」であるということに気づいていないというのが生々しく感じた。
まぁ私もだけどそういう子たちは社会人になって親元を離れた時にその当たり前の幸せを思い出すんだけどね。
森山は他の親と比較するのだけど、優子は目の前の親との暮らしを噛み締める。この関係性も好きだった。食べ物はその人との思い出の土台だったりするものいいね。
中島みゆきの「糸」のシーン。
流しながら読むとグッときたな。
どの親も「親バカ」であたたかい小説だった。
Posted by ブクログ
家の本棚にあった子供が中学生の時に読書感想文にと読んだ本。本屋大賞受賞の文字もあり手に取ってみました。
なかなかない家族関係のなか1人の少女を巡る家族愛についての物語。
ずっと優子目線で描かれて最後の最後に目線が変わって感動しました。良かったです。
Posted by ブクログ
最後の1ページで一気に光に包まれるような心地がした。
自分には想像できないくらいの希望ある未来のために、自分以上に幸せにしてくれる人に、大事な人を託す。その瞬間が最も尊いのだと。それは卓越した大人の考えだなあと思って、じーんと感動した。
でも…、
(辛口な感想なので、読みたくない方は読まないでください)
ちょっと、途中まで、「うんうん…、それで?」の繰り返しのエピソード続きのように感じて、親が5人いるということ以外は、平凡な日常が淡々と続いていて、何かが起こったり(友達とすれ違いや、脇田くんと付き合う、合唱祭のピアノをやるなど)するけど、自然収束して特に何も変化はせず。読んでいてどこに向かっているのかよくわからなくて、終始「それで…?」という感じで、ちょっと読み飛ばしがちに読んでしまった。
『はじまりのスープ、夏ゼリー』に、いたく感動して、『そして、バトンは渡された』は本屋大賞受賞作だから、さぞかし大感動間違いなしでしょう!!と大期待して読み始めたため、読んでて「…?」続きだったのが不思議だった。
森宮さんの話すことやることはいつもちょっと笑っちゃうお茶目な感じで、瀬尾まいこさんのあたたかみを感じてよかった。
でも、朝にカツ丼を出してきたり、お腹空いてないのに夜食を持ってきたり、それを優子はストレスと思わず受け入れてるけど、私だったら、本当にやめて!!となってしまうなー、優子すごいな〜と思ってしまった。
『はじまりのスープ、夏ゼリー』が、すべての話に意味があって、最後、一つの目的を果たしていたのに対して、バトンの方は、平坦に感じた。
でも、家族の愛についてとても考えさせられる話だとは思った。
他の人の感想を読んで、理解を深めたいと思います。
Posted by ブクログ
主人公が家庭(両親)を転々とする話。
親が変わりながら色んな人と付き合っていく中でも、誰1人否定もせず皆んなを大事に思っていた。
森宮さんの少し変わった優しさに暖かさを感じた。
梨花さんのような人を恨んでしまう人もいるかもしれないと思うが、人と違っても自然体で特別な気づかいもすることなく、普通の生活をする主人公を見て
幸せとは自己基準で決まるものであり、人と変わってるからと言っても必ず不幸だとは限らない。自分の幸せは自分で決めなければならないものだと思った。
家族の在り方。未来へのバトン。
読み始めてまずは不安な気持ちになった。
「バトンとはなんだろう?主人公?子供?」
子供だとしたらなんだか背筋が寒くなるような物語なのだろうか?と。
理由は人それぞれあると思うが、親が変わるというのは子供からしたら信じていた人がいなくなる、納得出来ないようなことだと思う。
彼女は自分の境遇に適応していく強さを持った子なんだと感じた。
周りの何人かの親達は優しく、確かな愛情を持って彼女を育て、そこには笑顔があったり、また裕福な家庭だったりと、読み始めて感じた不安は一切無くなっていった。後先考えずに今を楽しむ生き方をする母親には正直共感出来なかったが。
でも、そこで「じゃあ、家族の在り方とはなんだろうか?」と疑問に思った。
この物語を読んでいると私が考えている家族像ってのは「私の家族」であって、他の家族とはまた別なのだと感じる。
そんなの当たり前じゃんと思うかもしれないが、家族=私の家族という考え方がどうしても付き纏ってくる。
家庭を作るという言葉にプラスのイメージを持つ人もいれば、マイナスのイメージを持つ人がいる様に、家族は様々だ。
そんなデリケートな内容を題材にしたこの物語が心温まるもので良かった。
最後に娘のバージンロードを共に歩く父親の考え方、振る舞い方がこの物語を心温まるものにしているのではないかと強く思った。
素晴らしい
自分の生活スタイルが目まぐるしく移り変わる
主人公のストーリー。
しかしどんな境遇、事態になっても
それを悲観せず逆に立ち向かい幸せを築いていく。
優しい話だけど
最後まで飽きずに一気読みしました。
ほとんどの人が泣くという触れ込み通り、なんども涙がでました。
生きていて経験した、人の温かさだったり純粋な愛情のようなものがじんわり思い出されて、つい涙が出てしまう感じです。
でも、誰もがそうだと思うのですが、人生ってそれだけじゃないですよね。必ず。
主人公を複数の親が愛情を持って育てたということがあり得たとして、そんなにキレイな関係や感情だけが存在するとはどうしても思えませんでした。
他人と一緒に暮らすってそんな簡単ではないと思います。
そこがやはりフィクションだなぁと思えてしまって残念な点でした。
人間のキレイなところだけを抽出して固めたような作品だと思います。
なので美しい話であることは間違いないです。