【感想・ネタバレ】かわいそうだね?のレビュー

花火大会が混雑するように、岡本太郎が「芸術は爆発だ!」と言ったように、爆発とは人を惹きつけてやまないもの。近年の綿矢りさ作品は、穏やかな日常から、突如爆発する。例えば、心優しい幼馴染が変貌する「トイレの懺悔室」(『憤死』収録)、想い人の恋人に嫉妬するあまり衝撃の行動に出る『ひらいて』など。確かに、かつての芥川賞受賞作『蹴りたい背中』も「蹴りたい」という欲求がテーマだった。そこから年月を経て描かれている作品群は、いわば「背中を蹴り飛ばし踏みにじってやる!」だなと思う。
この作品は主人公の恋人が、未練たらたらのだらしない元カノを居候させるところから始まる。とんでもないようで、恋愛に関してのとんでもない出来事というのは意外と世の中に溢れているわけで。理性的に考えれば、「別れる」以外の選択肢はないはずだが、主人公はとにかく耐え続ける。しかし溜まりゆくフラストレーションの先にはもちろん…。さあ、とっておきの爆発とその先の解放感を召し上がれ。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年03月25日

好きな人の価値観を尊重することと、
自分自身を押し殺すことは全く別物。
混同してしまいがちだけど、
相手にも自分の価値観を認めてもらわなければ
愛は成立しない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月14日

かわいそうだね?
「かわいそう」という言葉の意味を改めて考えた。誰かに「かわいそう」と言われると頑なに否定したくなるし、誰かに対して「かわいそうだな」と思う時は侮蔑的な意味合いが含まれていると思う。「かわいそう」という感情を超えて、樹里恵が最後まくし立てるシーンは痛快だった。

亜美ちゃんは美人
...続きを読む生時代のさまざまな記憶が蘇った。
高校時代の学年のマドンナ的なかわいい子に関しては女子も男子も公然と「あの子は可愛いよね」と言うことができて、普通異性に「可愛い」と言ったら恋愛感情があるんだろと冷やかされたりするものだが、マドンナ的な子に対してはそれが適用されなかった。それを不条理に感じてモヤモヤしていたのが懐かしい。
また、大学のサークルの新歓コンパの描写に心抉られた。かわいい子が近くにいてチヤホヤされていると、無言のうちに自分はブスであると罵られているような被害妄想に陥ってしまうことはよくあった。
亜美ちゃんみたいな子はその子なりに悩んでいるし、自分の価値を他人に見出そうと必死なのだなと感じた。最後は素敵な友情の話で終わってよかった。

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Posted by ブクログ 2024年02月25日

面白かった。
「火垂るの墓」が重なる辺りも、なりたくないと思っていたキャラに成り下がったかもしれないと恐怖する描写も感心しきり。
綿矢りさ作品をもっと読みたいと思った。

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Posted by ブクログ 2024年01月24日

どうしようもないけど愛しい、
そんな女性たちが描かれている。

他人をかわいそうと思って、
自分を押さえ込んでいた主人公が
自分の本音を爆発させて暴れて
『しゃーない』
と呟くところは圧巻。

色々やるせないこともあるけど
強く生きていこうと思える作品だった。

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Posted by ブクログ 2024年01月03日

表題作は「無職の元カノ(アキヨ)を暫く自分の家に居候させるけど、認められないなら別れて」と突拍子もないことを言い出した彼氏(隆大)をめぐる、ふたりの女性のもつれ話。いい歳をした男女が1LDKで同居するというのは、そこに何の関係性がなくても怪しい香りがしてしまうものなのに、それに元恋人という過去が追加...続きを読むされたのならば、尚更きな臭く感じてしまうのも無理はない。わたしも一女性として自身に置き換えれば普通に嫌な展開なので、樹里絵(主人公)が抱く嫌悪感は十分に理解できる。

そしてその元カノの背景も、家賃延滞で家を追い出されて行く場所がないと言うので、てっきり国内にもう身寄りがないのかと思えば、なんと長野に実家があるらしい。「なら帰れよ、長野に!」と主人公同様にツッコミが出てしまった。ただ、帰国してきた経緯が当時付き合っていた彼氏を追って……とのことだったので、隆大本人としては、職も友人も捨てて自分についてきた一途な元恋人を、自分の心変わり故に放り出してしまったというアキヨに対しての負い目があったのだろう。だからといって仕事が決まるまでは居候させる、それが認められないなら……なんて現カノに冷酷な選択を迫るのは、あまりにも男側にとって都合が良すぎる考えだと思うが。

しかも後々明かされることだが、彼氏の龍大はともかく、アキヨ(元カノ)の方は未練たらたら。居候の口実となった就活はほぼ片手間にやっているような様子で、とうの昔に終わったはずの色恋の燃え滓に火をつけようと必死になっていたのには思わず鼻で笑ってしまった。紐パンをわざわざリビングの目につくところに干すとか、あからさますぎるセックスアピールに辟易してしまう。アキヨ、必死すぎかよ。せめてもの幸いは、そうしたアキヨの粘着質なメスアピールに、当の隆大本人が無関心でいたことか。でも勝手に布団に転がり込んできた元カノを追い出さずに一晩頭を撫でながら添い寝したというのはもうそれ……やってなくてもほぼ浮気みたいなもんですよね……?

アキヨの厄介モンスター女っぷりと、隆大のどっちつかずな態度に散々イライラやきもきさせられたからこその、ラストの樹里絵のブチ切れっぷりは痛快で気持ち良い。また、脳内でどっせい、どっせいと騒ぎ立てるおっさんの声が反響しはじめるという怒りの表現も斬新で面白い。「どないせえっちゅうねん!なにが部屋干しや!おまえなんて生乾きのパンティで十分やろ!」いいぞ、よく言った〜〜!

「(家も職もない)アキヨはかわいそうなんだから、しばらく(家も職もある)樹里絵は我慢してよ」と隆大は言うが、アキヨ自身は大好きなりゅうちん(隆大)と暮らせるこの生活は幸せそのものなので、実際は自分のことをかわいそうだとは思っていない。そしてもしかしたら隆大自身も、二人の女性に挟まれて精神的に磨耗していく自分のことを「かわいそう」だと思っているかもしれないが、アキヨや樹里絵、そして読者の我々にとってはかわいそうではなく、「アンタどっちを選ぶのかハッキリしてよ」と思われているだろう。主人公の樹里絵自身も、とんだ三角関係に巻き込まれたものの、関係者である隆大やアキヨに腹を立てることがあっても、自分のことをかわいそうだとは思っていない。読者からすると「なんて目に……かわいそうだ」と思われそうな状況であっても、だ。

もしかしたら、「かわいそう」とは、あくまで一方的で都合の良い言葉なのだろうか。人は、それが本人にとって本当に哀れまれるべき状況なのかはさておき、とりあえず「かわいそうだ」と理由をつけて、一旦自分の心や考えを納得させてしまう。それに対抗するには、樹里絵のように「なにがかわいそうなんだ!」と勝手に貼られたレッテルを盛大に跳ね除けること。それこそが、「かわいそう」という言葉の呪縛から解き放たれる唯一の方法かもしれない。

個人的には、日々ハイヒールで足を傷めながらも労働に勤しんでいる樹里絵の方が何倍もカッコよくて好きだ。彼女のような生真面目で努力家な女性は、隆大に限らずともきっと良いパートナーを見つかるとも思う。(それに恋愛ではなく結婚をする相手として考えたら、ほぼ依存的なアキヨよりもこういう精神的にも自立している女性の方が上手くいく気がする。)頑張れ、樹里絵さん!


同時収録の「亜美ちゃんは美人」は、高校時代という多感な時期の、教室という狭い世界で展開される女子のカースト世界が描かれていて、生々しくもあったが、個人的にこちらも好きな話だった。

生まれ持った容姿ゆえに誰からも愛され持て囃されるものの、自分の本質を見てもらえない孤独を長年味わっていた亜美ちゃん。大人になった亜美ちゃんがようやく見つけた運命の王子様は、ガラが悪いし職業も何が何だかわからない、はっきり言うと輩みたいなひと。だけども彼は亜美ちゃんの容姿ではなく、そしてどこかズレた感性や発言を好きだと言う。

天然な性格ゆえに、人の心がわからない。だから悪意ない発言や振る舞いで、人の気分を害してしまう事がある。それは亜美ちゃんの隣にいた親友のさかきちゃん、そして勝手に設立された亜美ちゃん同好会の亜美ちゃんオタクである小池だけが指摘していた、亜美ちゃんの内面であり、そこに浮き上がった欠点である。それを、出会って一年にも満たない輩の王子様は見事に見抜いていたのだ。しかもそれを彼女の好きなところだと溢すのだから、見た目ではない部分での相性の良さが窺える。彼との結婚生活は確かに順風満帆とはいかないかもしれない。だが亜美ちゃんの欠けたこころを埋められるのは、どんな美男子でもお金持ちでも白馬の王子様でもなくて、きっと世界で彼だけだ。あの輩の王子様こそが、亜美ちゃんだけの運命の相手なのだ。

前に、美人女優の結婚のニュースを見て、たまに「なんでこの相手が?」「顔のレベルが全然釣り合ってないでしょ(笑)」等という話をしたことがある。今思うと余計なお世話だっただろうな、と反省する。きっと彼女たちも亜美ちゃんと同じなのだ。際立つ容姿をもとに近づいてくる人間ではなく、自分の本質を見てくれて、お互いに分かり合える相手を探していたのだろう。

わたしもまた一読者として、亜美ちゃんの幸せを願いたいと思う。ご結婚、おめでとうございます。

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購入済み

仏の顔も? 片頬をぶたれたら?

2023年12月15日

自分の食い扶持は自分で。
その上で彼氏を持つのは
ご褒美のはずなのに。
食い扶持も稼げない子に彼氏を
可哀そうだからって譲れってこと?
我慢はいつまでできるか。
我慢だなんて思うのは人間ができていないってこと?
可哀そうなのか図々しいのか。
生身の人間が仏になりきれるのか。
日本人だけでなく、西洋の...続きを読む人の考え方まで
世界が広がって面白かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月06日

最後が痛快だし、樹理恵の性格がいい。

結局突撃しちゃう樹理恵が好き。更には携帯チェックしてまた突撃しちゃうのも好き。

それにしても男が駄目すぎる。

最後は大暴れでしゃーないw

亜美ちゃんは美人は何か女同士の付き合いって大変なんやなぁって思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月18日

『亜美ちゃんは美人』が良かった。
さかきちゃんの怪談話がいつまでも印象に残るし、亜美ちゃんの好きになった相手が破茶滅茶だし、なんで?ってことが起こりまくって、面白かった。

美人に生まれた苦悩、理解できるようなできないような…。
自分が経験したことのない感情を教えてくれる本だった。



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Posted by ブクログ 2023年10月08日

当方、30代半ばの女性。収録された2篇の登場人物と同じような経験をしたことがないのに、言い尽くせぬほど共感してしまった。美しさも、みすぼらしさも、あらゆる人物像の全てをありありと描ける綿矢氏のずば抜けた表現力あってこそのものだと思う。

なんの気無しに手に取った1冊だったが、ここ最近読んだ小説の中で...続きを読む一番楽しめた。
あまりに瑞々しい感動であったため、1.2年前に刊行されたのかと思ったら10年も前のものと知り重ねて驚いた。と同時に、10年前の20代の頃に出逢っていたらこんなに心が動くことはなかっただろうと確信した。

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Posted by ブクログ 2024年04月14日

一話。虫酸が走る男

二話。なるほど、他人の男を一目でダメ男と決めつけるのはやめようと『色んな角度から物事を見る』を教えてもらった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月29日

かわいそうだね?
アキヨ本当に苦手だ…
一回でも彼氏と元カノが同棲するのを受け入れちゃう主人公には理解しかねる
そして彼氏も総じてクソ

亜美ちゃんは美人
いろんな人に愛されて求められる故孤独で、つれない人を求めてしまう。
高校の同級生達はちんぴらの様な彼氏と亜美の結婚を阻止しようとしていたけど、結...続きを読む局は自分達が高校時代幻想を抱いて崇拝していたのもこの結婚に繋がっているじゃないか。人間って自分勝手な生き物だなぁ

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Posted by ブクログ 2024年03月16日

かわいそう、ねえ。言われてないのに言外に表現されてるんじゃないかって気持ちになること、いまだにたくさんあるなあと思いながら読んで、気分悪くなった。笑

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

テンポがよくて、おもしろくて一気読み。
2つのお話。
どちらも女性の心理やその動きを、すごくリアルに描いていて、心から共感してしまう!

恋人が元彼女を自分の家に居候させたいと言い出すことから始まる物語。
主人公がかつて大阪の地元にいたときに使っていた大阪弁ではなく、「吉本新喜劇のちんぴら役の男性が...続きを読む使う大阪弁」でキレまくる、という場面。
「こんな言語が自分にあらかじめ搭載されていたことを、私はいままでずっと知らなかった。」という主人公と同じく、吉本新喜劇が日常にあって育った神戸が地元の私も自分で驚いたことあります(息子相手に使用)

なんだかスカッとしました!

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

一気読み。「かわいそう」の解釈に頷くばかり。同情でも偽善でもその先に助けたい、行動する、と繋がる。悪いことではないのに偽善臭が漂い扱いの難しい言葉であるのに同感する。ラスト爆発は読んでて清々しくてよかった。

亜美ちゃんは、いたいた!あるある!と共感。すごい可愛い子で、なぜそんな男?って結構あるある...続きを読むだと思う。一方で相応のパターンもしかり。可愛いは正義、とまでは言わないけど、アドバンテージはあると思う。かなりの。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月28日

女の子の描写がリアル
見た目とか持ち物で分かるその人たちの印象と雰囲気
最後のブチギレシーンは気持ちよかった

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Posted by ブクログ 2024年02月22日

これは結構良かった。主人公の「かわいそう」という感情を火垂るの墓を例に出して、表していたのが本当に上手いなと思った。あとアメリカと日本の価値観の違いについても考えさせられた。

こういうどうしようもない最悪の状況をいかにダメージを受けずに乗り越えるか、という力は身につけなければなと感じた。その状況や...続きを読む不安を出来るだけ考えないようにしたり、見ないようにしたり。でも主人公を見てると、そうどんなに頑張っても中々難しいとも感じた。だって人間だからいつまでも仏のようには耐えられない。だから僕は、どんな人も何かしらの地獄を抱えながら、生きている。人間、時々壊れるのが普通なんだと思うようにして、生きている。

自分自身、去年事故にあって、思い描いていた人生プランが狂ってしまって、これからどうするかとかも、まっさらな状態で、不安もあるけど、今は立ち止まる期間だと思って、焦らず自分のペースでゆっくりと頑張って、何年後かには、夢を叶えれたらなと思う。

話がとても逸れたけど、主人公は自分も最悪で辛い状況なのに、相手も自分と同じかそれ以上に辛いんだと、慮って客観的になれていて、凄いなと思った。ただ、自分よりも相手の方が辛い状況にいて、かわいそうだなと思うと、少し気が楽になるのも事実。

映画「ファイトクラブ」で不眠症の主人公がガン患者の集まりに参加すると、その日は自分よりも不幸な人がいるんだと安心して眠れていたことを思い出した。要するに、他人へのかわいそうという憐れみの気持ちを向けることも、最悪の状況を耐える一つの方法なのかなと思う。みんな何かしら抱えているんだよ。

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Posted by ブクログ 2024年02月16日

女同士の微妙な思惑にすごく共感した。
見た目が、その人の内面や他者からの評価に影響するところがリアルに描かれていて、何とも言えない心の動きが自分の中に起こった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月03日

かわいそうだね?
最後の爽快感がよかった。主人公が好きで元カノは嫌い。彼氏もはっきりさえやって感じ。大体の女性がそうじゃないかと思う。大阪出身なこともあり関西弁ってやっぱキッツイけどスッキリするなぁと思った。

亜美ちゃんは美人
個人的にはこっちの方が好み。自分を好きじゃない子を好きになるところとか...続きを読む、さかきちゃんがなんだかんだ言いつつずっと亜美ちゃんと関係が続いてる(苦手だと思いつつ拒否しない)ところとか、さかきちゃんの下の名前が蘭ちゃんなのにそれを全然呼ばれてないところとか、リアルで少しエグくて良い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月24日

綿矢りささん初めて読んだ。女の子の心情の表し方が面白いなぁ。
2つのお話が載ってます。

「かわいそうだね?」
海外が長かったから、住む場所がないから、職が見つかるまでだから、、、って、元カレを頼って家に居候し続ける元カノ。いくら寄りを戻さないって言ってもそれはダメだろ…。
主人公のキレ方が面白いな...続きを読むぁ〜。

「亜美ちゃんは美人」
ずっとチヤホヤされる亜美ちゃんと、亜美ちゃんの『親友』である主人公。
ずっと引き立て役となり、時には悔しい思いをしたり、モヤモヤしてる話なんだけど、
美人は美人なりの欠点があるんだなー。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月11日

2編構成の一冊、前々から気になっていたけどようやく読むことができた。
あとがきの方で「形のないカースト」なんて言葉が出てきたけど、個人的には少し違和感。側から見ればカースト上位のあの子も悩みを抱えているのだとしたら、誰にとっても苦しいだけで上下関係なんて無いのかもしれない。そんなものから解放されたら...続きを読むきっと楽だろうなあ。

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Posted by ブクログ 2024年01月01日

アキヨみたいな女って結構いるから
とてもイメージしやすくてしっかりイラついた笑

樹理恵には幸せになって欲しい。

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Posted by ブクログ 2023年11月17日

一人称小説だからどうしても主人公の気持ちに寄り添ってしまうけど、アキヨの気持ちを考えるとどうしても嫌いにはなれない。
しかし隆大、お前はアカン。

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Posted by ブクログ 2023年11月16日

「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」
の2編
「亜美ちゃんは美人」は共感がある部分がありました。美人で目立つ友人の側にいていつも引き立て役になっている人、幼い頃からチヤホヤされてきた人との感情の違いが上手く表現されていました。
それぞれに苦悩があり、求めている物もそれぞれに違う。
物語のラスト...続きを読むにはジーンときました。
二人とも幸せになって欲しいと願いました。
「かわいそうだね?」の方はラストが、
やっぱりそうだよね。それが人間らしい感情だよね。とスッキリと終わりました。

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Posted by ブクログ 2023年10月04日

元カノを助けたいだけだから、同居を許してくれないのなら別れる…アメリカ帰りの彼氏に言われ、拒否出来ないまま同棲生活が始まってしまった。
アメリカ人のオープンマインドを持っている彼らなら、なんにもないかもしれないけど釈然としない気持ちがすごくわかる。

英会話教室の女性が、exなら話は別よ!絶対許さな...続きを読むい!っと盛り上がっていたのが面白かった笑
なんとか自分を納得させる彼女は後半都合の悪い意見が聞こえなくなっていてかわいそうだった。

メールのやりとりぞっとしたー

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購入済み

自分が我慢してると気づいた時

2020年06月29日

自分の気持ちを我慢して、誰かのために譲ることを綺麗だと思うこともいつかは限界が来ると改めて気づきました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月20日

隆大とアキヨにイラつきすぎてたから、最後じゅりえがガツンとぶちまけてくれて爽快だった。
私だったらメール見たときに暴れて殴りかかりそう笑

亜美ちゃんみたいな子結構いるし、二人の友情の形もわりとあるあるな気がする。

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Posted by ブクログ 2024年02月10日

表題作
博愛主義は嫌いだ
自分の優しさだと思っているものは、他者を拒むことができない自分への甘えや逃げなのでは?
自分が優しくすることで誰かを助けることができるなんてとんだご都合主義の自惚か?
登場人物に対する負の感情により、ついつい言葉が強くなってしまう、、(⌒-⌒; )
それから、愛されるために...続きを読む形を変えた自分を愛してもらっても意味がない、虚しい

亜美ちゃんは美人
なるほど、両者の気持ちが細かく描かれていて、
知らない世界を教えてもらった
と同時に、答え合わせができたような感覚もあった
人の幸せはわからないものですね、
みんな同じものをシアワセの正体だと信じて疑わないけれど、
実はまるっきり違った形をしている

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Posted by ブクログ 2023年12月06日

私たちは幼い頃から「弱いものいじめはしてはいけない」と教わる。実際それは間違っていないと思うし、かわいそうなものには慈悲を与えたくなる。だが、弱いことに胡座をかいて悠々自適に過ごしている奴らをみるとイライラしてくるのもまた事実だ。私たちだって何も苦労せずに生きているわけではない。それなのにただ弱いと...続きを読むいうだけで「私を守れ!」と主張してくる輩を見るとムカつくしブン殴りたくなるよなと改めて考えさせられる一冊だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月29日

3.5

P87.ほめているうちに本気で好きになる心理は、人間関係にも生かせそうだ。多少無理やりにでも長所ばかり挙げてみたら、どうでもいい、もしくは苦手と思っていた人も、好きになれるかもしれない。

P105.クリスマスはその年の通信簿を兼ねている

P 140.頭の中で何かが繋がる音がした。普通、...続きを読む人は急激に頭に血がのぼったとき、キレた、や、ぶちギレたなどの言葉を使う。でも私はつながった。今まで故意につなげずにおいた線が、遂につながれて電流が行き渡り、充電完了。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月28日

正規の彼女である樹理恵と、元カノでかわいそうなアキヨ、ふたりから隆大に届いてるメッセージがとても対照的かつ印象に残ります。そしてなによりも、それを受け取ってやり取りする隆大という男の気持ち悪さが際立ちます。

ふたりのメッセージをみて、当事者でもないのに「いい加減にしろこいつ。」と怒り、憐れみ、呆れ...続きを読むました。
最後に樹理恵が自分を解放して一気に物語が収束していくのが痛快です。そして、最後の呟き。誰もが自分を納得させるために一度は使ったことのある言葉で締めくくられています。
でも決して後ろ向きに聞こえない感じがよかったです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月03日

自分の心を偽りながら相手を信じたいと思う主人公の気持ちに共感しつつ、やっぱり心の中で積もったものはいつか決壊してしまうのだなと。
可愛いは可哀想という気持ちから芽生えるのかもしれないという後書きにもなるほどなと思いました。
2編共にリアリティのある女心が描かれているのに、どこかクスッと笑えるそんなお...続きを読む話でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月23日

元カノと一緒に暮らす男はありえないと思いつつ読んでいました。そしてやっぱり、女側は好きな気持ちはあるよなぁとも。
そして、可哀想な人は1人もいないっていうのが心に残った。

あみちゃんは美人。美人の人がチヤホヤして来ない人を好きになるのはそういうことかぁと思いました。

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