【感想・ネタバレ】家族のレビュー

あらすじ

「家族って、なんだと思います?」

「現実の世界では、すんなり完全犯罪を
達成できてしまうこともあるんだって学んだんです」

2011年11月3日、裸の女性が交番に駆け込み、「事件」が発覚した。奥平美乃(おくだいら・みの)と名乗るその女性は、半年と少し前、「妹夫婦がおかしな女にお金をとられている」と交番に相談に来ていたが、「民事不介入」を理由に事件化を断られていた。
奥平美乃の保護を契機として、表に出た「死」「死」「死」…… 彼女を監禁していた「おかしな女」こと夜戸瑠璃子(やべ・るりこ)は、自らのまわりに疑似家族を作り出し、その中で「躾け」と称して監禁、暴行を主導。何十年も警察に尻尾をつかまれることなく、結果的に十三人もの変死に関わっていた。
出会ってはならない女と出会い、運命の糸に絡めとられて命を落としていく人々。 瑠璃子にとって「家族」とはなんだったのか。そして、「愛」とは。
「民事不介入」に潜む欠陥を日本中に突きつけた「尼崎連続変死事件」をモチーフとした、戦慄のクライムエンターテイメント!

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Posted by ブクログ

★5 なぜ犯罪に手を染めたのか、なぜ巻き込まれてしまったのか、なぜ早く解決できなかったのか #家族

■あらすじ
11月のある朝方、八王子の交番に勤務する警官が外に出ると、全裸の女性がふらふらと歩いていた。助けをもとめる彼女は以前から警察に相談をしていたものの、面倒な案件に巻き込まれたくない警察は、民事不介入を理由に事件化をせずにいたのだ。その後警察が捜査を開始すると、背後には多くの犠牲者がいることが浮き彫りになり…

■きっと読みたくなるレビュー
★5 家族… たった二文字、シンプルかつ強烈なタイトルですね。もはや予想はしていていたのですが、され以上に鬱々たる気分にしてくれる作品でした。

本作は2012年に実際にあった事件、尼崎事件をモチーフにした社会派ミステリー。血縁関係がないのに疑似的な家族関係を築き上げ、その共同生活の中で様々な犯罪行為を行ったという事件。正直、そんな事件あったなーという程度の記憶でして、本作を読んでしっかりと思い出すことができました。

まず言いたいこと、「力作」だということ。

これまでも葉真中顕先生は様々な社会問題をテーマに物語を描いてきましたが、本作も鬼エグですよ。間違いなく事件を詳細まで取材されているし、その中で憤り、悲しみ、悔しさなど、魂が抉られるような想いをしたに違いないんです。物語を紡ぐ時も、どうすればこの事件とその内面を表現できるのかを考えたはずなんです。先生の情熱をしっかりと体感させてもらいました。

一番の読みどころは「人間」です。

日本人は優しく穏やかで、何事にも冷静な聡明でな人が多いと思います。しかし本作においては、愚かな人間、奪われる人間、悪魔のような人間など、悲劇的な人間ばかりが出てくるのです。

なぜこんな犯罪をするのか、なぜ巻き込まれてしまったのか、なぜもっと早く解決できなかったのか。読んでる最中、これらをずっと頭の中で問いかけるのですが、答えが導き出せずに苦しくなる。彼らの倫理観の違いに愕然とし、ただただ茫然と読み進めるしかないのです。私も奪われる側の人間だったら、同じ行動しかできないかもしれません。

本作のテクニックが光る部分として「分かりづらい」点をあげたい。

物語の中心には主犯格の女性がいるのですが、彼女の視点で語られることは少ない。周りにいるたくさんの人物からの目線で物語が進行するから、人間関係が複雑なんです。また時系列も前後するので、どの時代の話なのかも把握しづらい。複雑に見せることによって、事件が解決に至らなかった難解さを表現してるように思うんです。

主犯格の女性は「愛」があれば家族になれるといった。

でも彼女は愛を与えるのではなく、奪い取るだけだ。子どもの頃の愛情不足ってのは、後にこういった悲劇をもたらすと思うと、本当に本当に親の責任ってのを考えさせられますね… そして警察の判断もひどいものです。色んな事情あるんでしょうが、市民を守る正義の味方であることを忘れずにいてほしいです。

■ぜっさん推しポイント
暴力の恐ろしさを知ってますか? 被害に遭った人たちは、畏れ逃げ惑うしかできず、従わざるを得ない状況になる。選択肢など与えず、自由を完全に奪ってしまうところが罪深いのです。

私はこの力でねじ伏せるという非人道的な行為は絶対に許せません、大嫌いです。あらためて自分の価値観を思い出させてくれた、厳然たる作品でした。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

とにかくヤバい。しばらく立ち上がれなくなる。実際の事件はもっと凄惨だったかもしれない。人の心を殺す作品。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

警察の「民事不介入」って便利な言葉よね……作品読んでても普通に怖かったけど、読んだあとに元になった事件をネットで見たら、ホント、ヤバいやつで、ひたすら恐怖を覚える作品でした

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

こえー。今晩眠れない。ところで舞台は八王子。八王子の人怒っちゃうんじゃない?

今は警察も民事不介入とか言わないよね?

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

どこまで実話なのか分からないが、ずっと胸糞悪かった…
家族って本当に何なんだろう。考えたこともなかったが、血のつながりだけではないと思うけどな。愛と支配は近いものなのか??
なぜか自分だったら洗脳されない自信があるが、この本に出てくる家族達の立場になったら洗脳支配されてしまうのだろうか。
ストーリーは胸糞だったが、小説としてはとても読みやすくあっという間に読み終えた。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

「家族」という言葉をこれほど恐ろしく感じたことはない。
実際に起こった話がモチーフで、冷静に考えればあり得ない数々も、当事者になれば巻き込まれてしまうに違いないことが怖さを際立たせた。

ただ恐ろしさの中に見える強烈な愛への渇望がなんだか切なく、怖い話、だけでは終わらなかった。

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

尼崎連続変○事件を元に描いた小説ということで、読んでみました。
当時はかなりニュースになっていましたよね。この地名が一気に知られた事件、と言ってもいいのではないでしょうか。残虐だった記憶はあるものの細部までは覚えていなかったので、その確認も兼ねて読み進めました。

実際に読んでみると、北九州連続○人事件と手口が非常に似ていると感じました。
まったく関係のない第三者が一つの家族に入り込み、暴力で洗脳し、家族同士を殴る・蹴るといった折檻へと追い込み、ついには身内を○害させる――。しかも被害は一つの家族にとどまらず、何家族も犠牲になっていく恐ろしさ。

こういううさん臭い集団にはどう巻き込まれるのか。読んでいる途中、思わず“防御策”まで考えてしまいました。

興味深かったのは、事件に関わる人物一人ひとりのバックグラウンドが丁寧に描かれている点です。
そもそも人間は生まれながらにして悪なのか――そんな問いを読者に投げかけてきます。

主人公・瑠璃子をはじめ、登場人物たちはどこか“親の人生を子がそのまま生きている”ように見えるのですが、その中でも特に考えさせられた人物がいます。光山家の鉄です。

鉄は複雑な家庭で育ち、母親と父親(養父)が覚醒剤で捕まったため、養父の姉夫婦である有間家に引き取られたという背景を持つ人物。
彼は自分の家族を“こちら側”、有間家を“あちら側”と呼び、まるで異なる世界を行き来するような感覚で生きているのです。その物事の解釈が、とにかく歪んでいる。

血のつながらない鉄を我が子同然に扱う有間家に対して、鉄はこう感じてしまう。

“叔母夫婦は直接血がつながっているわけでもない鉄に優しかった。なに不自由ない暮らしをさせてもらった。だが、惨めだった。鉄は敏感に感じ取っていた。“あちら側”の人々に特有の“こちら側”の人間への憐れみを。”

自分が惨めになる方向にばかり意識が向いてしまい、何かしてもらっても感謝に辿りつかない。
“こちら側”の生活が標準になってしまっているから、“あちら側”の当たり前の優しさに違和感や居心地の悪さを覚えてしまうのだろうなと感じました。

人から善意で何かしてもらったら、お礼を言うのは当たり前のはずなのに、それに嫌悪感を抱いてしまう――。
そこに人間性の歪みがあり、その歪みは育ってきた環境によって容易につくられてしまうものなんだと、胸が痛くなります。

それにしても、ここまでの異常事態が起きていても、警察は本当に頼りにならないとは……。
“自分の身は自分で守るしかない”という思いが、読めば読むほど強くなってしまいました。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

尼崎事件をモチーフに聖域である家族の持つ負の一面を描いていて興味深く読みましたが、同時にしんどい小説でもありました。家族から正しく愛されなかった経験が胸に穴を開け、擬似家族という洗脳や暴力による支配の惨劇を生んだ、そしてそれは現在進行形でどこかに存在しているという提示はとても重くやり切れない。それでも物語の中に小説的なやり方で新しく芽生えた愛による救いの場面を描いたのは葉真中さんなりの願いの形なのだと感じました。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

初読みの作家さん。
帯のとおり衝撃的な内容でした。

血の繋がらない"家族"をテーマにした恐怖のミステリー。怖いというかなんというか、凄まじい内容でした。恐らく、ラストが賛否両論になると思いますが、こういう終わり方もいいのかなと、個人的には思いました。
読みごたえのある一冊!

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

プロローグ

家族ってなんなのさ!?
血縁!?
では、夫婦は家族ではないのか!?
ひとつ屋根の下!?
では、単身赴任したら!?
子供が独立したら!?
家族ではなくなるのか!?

家族って、、、
一体、なんなのさ


本書
『家族』魑魅魍魎の家族形態★4.5
本作は、“尼崎連続不審死事件”を
モチーフとしている
内容はかなり強烈だ!
主犯格である瑠璃子が新興宗教さながらに他人を
洗脳していく
洗脳の先には、金品や家、土地などの搾取
そして、躾と称した拷問によって飼いならしていく


その鬼畜の果てに待ち受けるものとは!?


悪しき家族形態は引き継がれていく
やはり血は争えないのか!?
物語は、終わっても絶望は続く
そんな物語の深淵の先にほんの少しの捻りと
光が見たかったのが本音だ!!!


家族って、最終的にはやはり血なのか!!!!!!!!???



エピローグ

いつものように一人掛け用の安楽椅子(登場14回目)で本作を読み終えた

一度目を閉じて、再び瞼を開く
そこは、

辺り一面
青一色(緑一色じゃないよー、役満か!?)
といっても、目の前に海が見えるわけでもない
そして、青い空が広がっているわけでもない
陰鬱な青が広がっている
この、凄惨な物語に只々ブルーな気分に
陥ってしまった

このブルーな気分を一新するには
迎え酒ならぬ、迎え“Blue”が必要不可欠だ

ということで、次は同氏の『Blue』だ!!!


                    完


あっ、血は繋がっていないけどブク友は大切な
家族だよ(。・・。)v

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

家族が侵食されて乗っ取られるストーリーか
いくつか他にも読んだよな、と思いながら読みはじめた
『人はもらったものしか与えられない』
歪んだ親子や家族関係が連鎖して、繋がっていく
消化出来ていない心の欠けた所に入り込んで取り込まれていく
他と違うのは、善良ではない側の生い立ちや事情が垣間見えて、うっかりするとこちらも取り込まれそうになる

映像にもしなるなら、ラストの不思議なシーンはなくてもいいかもしれない。いや、あった方かいいか。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

きっと周りから見ているだけではわからない。他人を「支配」できてしまう人間と関わったことがない限り、支配される側を弱い者だと見なすかもしれない。また、彼らはただの共犯、そして本人たちが望む家族の形であると思ってしまうのかもしれない。

支配って難しい言葉だなと思う。リーダーとして集団を率いたり、まとめたりする人間と何がどう違うのか。知らないうちに支配されることなんてあるだろうし、誰かを信じることで簡単に支配されるのかもしれない。ただ、誰かを信じてついていくことは必ずしも関係性に支配というものを生むわけではない。他人を支配したいという欲求があり、さらに他人をもののように扱い、自分の都合よく動かすことが簡単にできてしまう人間、すなわち共感力が乏しく、自分の望むままに動く他人のみを欲する人間が存在するからこそ生まれるのではないか。

本作品では、支配者に傾倒する者は家族となり、そうでない者はもののように扱われ、躾けられる。暴力によって心が壊れてしまい、大切な人を傷つけても自分の命だけは守ろうとしてしまう人間の姿に支配の恐ろしさを感じた。
単なる一つの出会いが、ある人生を沈ませ、そして死に追いやる。自分には関係ないことのようで、案外近くに潜んでいるのかもしれないと感じた。
登場人物が多く、時系列も様々だが、非常に読みやすく、引きつけられ、一気に読んだ。

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

「家族」と言う題名からすると穏やかなストーリーなのかと思いきや、凶器を突きつけらと思うほどの恐怖を感じるストーリーでした。巻末にある人物相関図を見ながら読まないとよく理解できず複雑な家族関係でした。いまだ十三人もの変死に関わる圧巻のストーリー展開読むうちに考えさせられる狂気の作品である。「愛は家族の第一条件で愛による支配こそが家族の本質です。」作中のセリフに考えさせられました。あなたもぜひ読んでこの複雑怪奇な家族の物語ぜひ読んで見て下さい。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

尼崎連続変死事件をモチーフにした小説。

どんな話かはノンフィクションで読んでいたなーと思ってたら、そっちは北九州連続殺人事件の方だった。記憶は曖昧だけど、構造は似てる気がした。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

2012年尼崎で発覚した角田美代子を主犯とする連続殺人事件、いわゆる「尼崎事件」を小説化したものだ。小説であっても事実に基づいて書かれたものなので、これが本当に起こったことなのかと、読むのも躊躇するほど悲惨な事件だ。角田と義妹、そして息子の3人は決して自ら手を汚さない。他人の家に入り込み、好き放題振る舞った挙句に自分の陣地に連れて帰り、監禁し、全財産を奪い、完全に支配下に置いて、「しつけ」と称し、お互いに殴り合いをさせる。子が親を、夫が妻を痛めつけ、最後には殺させてしまう。自分たちは家族だと謳っているので、逃亡者が警察に駆け込んでも「民事介入」はできないと追い返される。全て角田が思うように事が運び、こんな恐ろしい事件が25年もの間野放しにされ、10人以上もの人が亡くなったのだ。
わからないのはこの小説内での雪の心理。家族とはいえ、というか家族であるが故に許せない事のひとつやふたつはあるでしょう。でも悪魔の手先になって父母や姉を貶め、死に至らせるような言動は取らないでしょう。ましてや彼女はこちら側の(普通の平和な家族の)人間。良心の呵責はなかったのか。
案外わからなくもないのは雪の姉、澄と結婚した宗太の心情。脅され、澄を殴っているうちにだんだん本当に憎くなっていくのだ。「この子をぼくが守る」と心に誓ったはずなのに、心が麻痺していく。そうでもないととてもまともな気持ちで殴れない、心の防衛反応かもしれない。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

家族の絆の恐ろしさ。絆とは本来、馬・犬・たか等をつなぎとめる綱。恐怖でつなぎ止められた家族。
読んでいてぞっとした。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

とにかくしんどい。一回中断したらまた読み始めるのに気が重すぎてやめたくなったくらい。でもいざ読み始めたら一気読みしてしまった。しかし、とにかくしんどい…

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

14年前、当時ニュースでよく目にした主犯と見られる女のことは今でも覚えている。全容解明がなされないまま終わったあの衝撃的な事件について、社会的弱者の生き様を描き出すことが得意な葉真中さんなりの〝解釈〟が繰り広げられるフィクション。実際の事件を知るだけに読み進めるのが辛く、ラストもそこに救いを求めるしかないのか…と暗澹たる気持ちになる。簡単に乗っ取られてしまう「家族」というものの不確実性、優しさと表裏一体の残酷さに慄き、「民事不介入」という言葉の冷たさを改めて思い知らされた。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

2011年に表面化した尼崎連続変死事件をモチーフにしたファクションであるが、事件を想起させる。

この事件を知ったときは衝撃を受け、現実なこととして受けとめるのは無理だと思った。

八王子を舞台にし、ピンクババアこと夜戸瑠璃子が関わる人に喰いつき、その家族をぼろぼろにして財産を奪い気にいらない奴に制裁を下す。

逃げても追い、痛めつけては服従させての繰り返しで、幾つの家族を悲惨な目にしてきたのだろう。
人物相関図を見ても、最早どういう繋がりで家族としてきたのだろうかがわからない。
もしかすると亡くなった人はもっといるのかもしれないが、瑠璃子が死んだことにより何もわからない。
「民事不介入」を盾に幾つもの大胆で悍ましい犯行を重ねるとは、狂気の沙汰としか思えない。

彼女の家族とは何を意味するのか…





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2025年11月17日

Posted by ブクログ

読み終えて、疲れたの一言かな。
尼崎連続変死事件がモデルとなっている小説で、
"家族"を盾に虐待、軟禁、殺人…あらゆる犯罪のオンパレードで救いもない。
家族という泥沼に引き込まれていくストーリー。

主犯と思われるピンクババアこと夜戸瑠璃子は獄中自殺をしたけど、義理妹の朱鷺子のが裏で操っている感じがして怖い気がした。また、なぞの男(あばた面の男)も行方不明で生きているし、別の新たな"家族"が形成されていきそうな終わりかただった。


家族は聖域。
警察も民事不介入。
愛による支配こそが家族の本質。

ピンクババア、ラスボス…
夜戸瑠璃子のイメージがラスボスの第二形態のようだと読んでから、ミルドラースか、デスタムーアかしか出てこなくなった(^-^;

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

恐ろしい
でも何度かこの様な事が起きていることはニュースになる

私たちの想像を絶することはこうして起きていっているのかも知れない…

とにかく恐ろしいです、家族とはなんなのだろう
家族なのに、家族だから?

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

実際に起きた大量変死事件をモチーフにした小説。
この事件は発覚当時、かなり世間に衝撃を与えていた記憶がある。
悍ましく、胸糞悪い展開が続くが、一気に読み進めさせてしまう著者の力量には脱帽する。
洗脳の恐ろしさと暴力による恐怖は刷り込まれること、当事者になると正常な判断力を失うことが描かれている。読んでいて恐怖を感じる場面が多々あった。邪悪な人間はおそらく更生しないし、私たちは邪悪な人間を許してはならない。
当時の警察の民事不介入の程度もひどいものである。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こんなにも読後、重たく暗い感情が残る本をひさしぶりに読みました。
もちろんこのお話はフィクションですが、実際起きてしまった事件がモチーフである以上すごく陰鬱な気持ちです。
警察はなぜこんなにも動かないのか、なぜ、なぜと。すごく考え込んでしまいます。
私は正直、実際に起きた凄惨な事件を題材とする作品を読むのが苦手です。けれど、この2012年に発覚した実際の事件。もう13年も経ってしまい記憶の風化は進んでしてしまう。忘れてしまいたい人もいるかもしれない。けれど皆が忘れてしまったとき、また同じ事件が起こるかもしれない。そう考えると誰かが覚えておかなくてはならないとも思う。そのきっかけになるような作品だと思いました。
「家族」ってなんだろうか。血のつながり?相手への思いやり?思いやりってなに?家族のために死ななければならない?それは家族なの?
そう考えさせられます。

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2025年10月29日

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