ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 成瀬は信じた道をいく(新潮文庫)

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    読めば読むほど成瀬をどんどん好きになってく!

    どの章も好きだが、特に3章目のやめたいクレーマーは、始まりの1、2ページでこの人の視点で話が展開するのかと驚いたが同時に惹き付けられた。クレーマーとして一種の変わり者でさえも成瀬に振り回されていく描写が面白くてお気に入り。
    そして、話のオチは思わず声に出してしまった笑

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    2026年10月10日
  • 上場廃止

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    起業し上場させた社長の野望、それは隠し資産と過去の人間関係の不都合な出来事で展開する。上場企業において、顧問弁護士・監査役として正しいコーポレートガバナンスを如何に堅持し、会社の業務を正常化させ保持すると言う大きな役目も重要だ。現代、多くの外部顧問・監査役は社長の言いなりで、且つお飾り人形的存在が現状だ。だが一旦不祥事が起きた場合、株主、顧客に対する姿勢が問われる。本書の面白いストーリーは40年間社長を支援した常務が反旗を翻し、会社を乗っ取る工作に出たことだ。人は他人の欲を見れば、自分にも出来るとその上の欲を抱きたいものだ、と言うことだ。

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    2026年10月10日
  • 黒幕

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    かなりスケールの大きな物語でした。息子の事故死、闇バイトの真相、取材からまさかの展開、さらにそこからの壮大な物語への展開は素晴らしかったです。映像化されてもいいような素晴らしい作品でした。

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    2026年10月10日
  • 白い巨塔(二)

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    医学部まで出て医者になってスキルだけじゃなくて政治力コミュニケーション力がないと、教授になれないなんて結構無理ゲーだな。医学科なんてどっちかと言うと学級肌で寡黙なひとが多いのに。
    オーディブルで聴いてると、ラジオドラマ聞いてるみたい。2巻は財前五郎の絶頂期から、遠くに雨雲が見えるくらいの感じ、、、。

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    2026年10月10日
  • カフェーの帰り道

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    とても面白かった。昭和初期から中盤にかけてのカフェを舞台にした物語。最初はコミカルな雰囲気を漂わせ、軽やかに読めそうだなと思っていると、少しずつ戦争の影が落ちてくる。
    奇しくも昭和初期を舞台にした小説を続けて読んだのだが、もし自分の息子が兵隊に取られたら……と思うと胸が苦しくなる。
    明るく可愛らしい女給たちにも、それぞれ戦争の影が迫っていく。だが、そんな過酷な時代の中でも、彼女たちの前向きな生き様を感じられる素晴らしい作品で、読後感も非常に良かった。

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    2026年10月10日
  • もものかんづめ

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    自分から手に取ることがなかったであろうエッセイ本を初めて読んだ。

    体験した事実をもとにユーモアにデフォルメした短編物語が読みやすく面白かった。




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    2026年10月10日
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明

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    元弁護士の女と元詐欺師?の男の、バディ謎解きもの。
    短編なので、サクサク読めて楽しめた。

    ドラマは観る予定無し。
    柚月裕子作品ははじめて。読んだ後に調べてみると、警察もの・将棋?の小説を書く等、幅広く書いている方のようで、読んでみたいと思った。

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    2026年10月10日
  • 100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集

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    スラスラ読める!面白い!
    本の名前ってほんと難しいな〜と思います。
    それを特定する司書さんが凄すぎる
    クイズ感覚で読めますし、気になった本はメモしながら進めました
    普段貸し借りだけで、相談などは利用したことはありませんでしたが、機会があればぜひ利用したくなりました。

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    2026年10月10日
  • あちらにいる鬼

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    愛が、人に正しいことだけをさせるものであればいいのに。それとも自分ではどうしようもなく間違った道を歩くしかなくなったとき、私たちは愛という言葉を持ち出すのか(p114)

    出会ってしまい魂が動かされれば、そのことに気づかないふりをすることはできない。気づかないふりをしながらゆるゆる生きるなんて耐えられない。(p137)

    わたしの体の奥底に込み上げてくるものがあった。この男がいとしい、とわたしは思った。どうしようもない男だけれど、いとしい。いとしくてしかたがない。(p148)

    道連れにはできない。わたしひとりで行くしかない。決意というよりそれは憧れに近いものだったし、文字通り、わたしの前にあらわれた道だった。(p148)

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    2026年10月10日
  • 存在の耐えられない軽さ

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    人生のドラマというものはいつも重さというメタファーで表現できる。われわれはある人間が重荷を負わされたという。その人間はその重荷に耐えられるか、それとも耐えられずにその下敷きになるか、それと争い、敗けるか勝つかする。しかしいったい何がサビナに起こったのであろうか?何も。一人の男と別れたかったから捨てた。それでつけまわされた?復讐された?いや。彼女のドラマは重さのドラマではなく、軽さのであった。サビナに落ちてきたのは重荷ではなく、存在の耐えられない軽さであった。
    これまではそれぞれの裏切りの瞬間が裏切りという新しい冒険に通ずる新しい道を開いたので、彼女を興奮と喜びで満たしてきた。しかし、その道がいつかは終わるとしたらどうしたらいいのか?人は両親を、夫を、愛を、祖国を裏切ることができるが、もう両親も、夫も、愛も、祖国もないとしたら、何を裏切るのであろうか?

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    2026年10月10日
  • 対岸の家事

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    ドラマ化されてるのね!!知らなかった!!

    ママ友パパ友が作りにくくなっている、そこからの孤独感ってかなりキツイだろうなと思った、、、
    職場に1人しかいない職で働いている私(虎朗の店長もそうだよね)ですら、キツいなぁと思うことあるので、、大人と話せないって大変かも。

    主婦が担ってた家事を共働き家庭で行うのであれば、課金全力か誰かが休むか。性差なく半々に出来たら理想だよなあ。
    自分はこんなにやってるのに!って思ったら最後。そういう時は大抵やれてない。肝に銘じよう。

    色々考えさせられる作品でした。

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    2026年10月10日
  • 見知らぬ国へ

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    北杜夫(1927-2011)、2012年、亡くなった翌年刊行のエッセイ集。
    1976-77年に刊行された『北杜夫全集』(全15巻)の付録の月報がまとめて収録されている。15回、各巻の作品にまつわる思い出が披露されている。目玉はこれ。
    ほかに、それまでの単行本に積み残したエッセイが30篇。とくにインパクトがあったのは「不可解だった本」という一篇。子どもの頃、東京青山の実家、台所を出た外、赤レンガの塀にブリキの屋根がかけてあって、その下に焼け焦げた洋書が積まれてあった。その幅7m。それは、父斎藤茂吉がドイツ留学時代に買い集めた書籍の群(なにしろ第一次大戦後ドイツは大インフレだった)。しかし、大震災の翌年に実家が失火、家の一部を焼き、その残骸だったらしい。半焼けの洋書の山が目に浮かぶ。(茂吉は本の虫だった。1階の広い書斎も、2階の2間も本で埋め尽くされていた。しかし、親しい弟子以外にはそこを見せなかった。写真も撮らせなかった。)

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    2026年10月10日
  • 俺たちの箱根駅伝 下

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    すごく面白かった!箱根駅伝が好きなので、読んでいるとレースの情景が目に浮かんできて、自分もテレビの前で観戦しているような気持ちになった。

    上巻は大会前のさまざまなゴタゴタが中心で、下巻は箱根駅伝当日の様子が描かれている。一人ひとりが走る姿に、それぞれの思いや背景があって、読んでいて感動した。

    また、選手側だけではなく、放送する側の視点からも描かれていて、箱根駅伝の中継がどのように作られているのかが知れたのも面白かった。

    ドラマ化されるとのことなので、久しぶりにドラマでも見てみようかな。

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    2026年10月10日
  • 戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない

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    ICC(国際刑事裁判所)の赤根所長の著書、ということで、トランプからの制裁、というニュースでよく見かけるようになり、読みました。

    日本が法治国家であるということが国際的には全く当たり前でない、ということは改めて思い知らされた気がします。
    その上で、政治的な立場からICCを守りきれていない日本の立場に苛立ちも覚えつつ、だからこそ、政治と司法は分かれていないといけないのだとも思いました。

    昨今の多くの人が抱える不安、法の支配から力の支配に戻りつつある現在の国際関係で、必死に法の秩序を守ろうとする赤根所長の訴えはとても切実であり、一人一人が考えなければいけないことだと思います。

    一方で、赤根所長の他人を尊ぶことを常に考えた文章の書き方がとても素敵で、ご本人の人生についてもとても興味深く読ませていただきました。

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    2026年10月10日
  • デッドマンズ・チェア

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    ネタバレ

    交通部出身の捜査チームメンバー・小鳥遊沙雪が、横浜で人質としてつかまった。
    犯人は、駆け落ちしてきたという中国人の少年と少女。
    マフィアのボスである少女の父が送り込んだ能力者狩りの殺人集団に追われ、沙雪は二人と逃走することに。
    翌日、警視庁公安部第五課、通称「コトダマ犯罪調査課」チームの永嶺スバルは、彼女の異常事態を察知した。
    鳥類連続狙撃事件と首が折られた死体の捜査と同時進行という、圧倒的不利な状況。
    永嶺は、新米捜査官が半数のチームを率いて形勢逆転を狙う――。

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    2026年10月10日
  • NHK「100分de名著」ブックス カフカ 変身 「弱さ」という巨大な力

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    『変身』を軸に、作者の人生も紹介しながらカフカ文学を解説する。一部は角川文庫の解説と重なる。

    『変身』の奇異なところは意味の不在。なぜグレーゴルが虫になったのか、その理由は最後まで不明のまま。本人も家族もあっさり事態を受け入れている。

    追加された章、コロナ禍と重ねて、グレーゴルのみならずザムザ家が孤立していた、という視点になるほどと思った。介護や引きこもり小説として見た場合、家族が身内の恥を他人に知られるのを恐れて自分たちで問題を抱え込んでしまうのはありえる。

    川島訳で『変身』を読んだとき結びの文章が倒置法なのに新鮮な気持ちになったんだけど、その意図も説明されている。妹グレーテも兄のようにいずれ変身するかもしれない。



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    2026年10月10日
  • 浮雲

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    林芙美子は、『放浪記』と『魚と風琴の町』しか読んだことがなく、こんな長編小説が書けるんだ!と思った(とても失礼)
    戦時中に取り残されたような地上の楽園 仏印の美しい描写と、敗戦後の虚脱感漂う貧しい東京の描写の対比が良かった。
    逃避行先の小さな温泉街や、屋久島の姿も、生き生きと脳裏に浮かぶ。
    林芙美子は比喩表現が素晴らしいと改めて思った。
    読み終わった後はしばらく放心状態でした。

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    2026年10月10日
  • 生殖記

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    ネタバレ

    朝井リョウ作品には、個人的には小説っぽい小説と、評論っぽい小説があると思う。
    本作は評論っぽい小説で、個人的には朝井ワールド全開!!と沸き立ったが、大衆受けするのは小説っぽい小説の方だと思うので、本屋大賞にノミネートされたのが本作、というのは意外な感じがした。

    生殖機能、という斬新な視点ではあるが、斬新だからおもしろい、という単純なわけではなく、月並みな言葉にはなるが、忠実に「生物学的な視点からの現代社会」を描ききった点が本作のおもしろさであると思う。

    特に、SDGsやLGBTQ+に対する評価の仕方は、これらに対する私のモヤモヤを具現化したようで、心に留めたい言葉がたくさんあると感じた。

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    2026年10月10日
  • 先生が終わらない

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    いろいろ考えさせられました。
    上下関係が厳しい部活に入っているから、上級生や先生の言う事を聴く素直な良い子。こういう子が大人になって主体的に動けるのか。学校の教育とはどこまでの範囲なのか。どこまで先生に頼っていいのか。とか。今まで考えもしなかったことばかりでした。

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    2026年10月10日
  • クマのあたりまえ

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    とても良かった!
    動物が主役の短編集。
    だからすぐ読み終わるし、時間が取れなければ一編ずつ読んでもいい。

    特に気に入ったのは、アメンボリース。
    心が温かくなる、でもひっそりと愛でていたいような素敵なお話。
    続けて2度読んだ。
    ありがとう。

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    2026年10月10日