【感想・ネタバレ】本を守ろうとする猫の話のレビュー

あらすじ

「お前は、ただの物知りになりたいのか?」

夏木林太郎は、一介の高校生である。幼い頃に両親が離婚し、さらには母が若くして他界したため、小学校に上がる頃には祖父の家に引き取られた。以後はずっと祖父との二人暮らしだ。祖父は町の片隅で「夏木書店」という小さな古書店を営んでいる。その祖父が突然亡くなった。面識のなかった叔母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るために林太郎の力を借りたいのだという。

お金の話はやめて、今日読んだ本の話をしよう--。

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Posted by ブクログ

夏川草介『本を守ろうとする猫の話』を読んで、まず感じたのは物語の“直球さ”だった。
まっすぐで、時に少し照れくさくなるほど率直なメッセージが込められていて、「本とは何か」「読むとはどういうことか」といった、大切だけれどつい流してしまいがちな問いを真正面から突きつけてくる。
でも、その直球さこそが心地よく、読み終える頃には胸の奥に確かに残るものがあった。
押しつけがましくない形で、本を愛する気持ちや物語への敬意が詰まっていて、読んでよかったと思える一冊だった。
きっと、いつかまた読み返したくなる本だと思う。
そのときには、今回気づけなかったオマージュや引用の意味がもっと拾えるようになっていたらいいし、以前より深く共感しながら物語の言葉を受け取れる自分でありたい。
そんな“再読の楽しみ”を残してくれる作品だった。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

『始まりの木』を読んで、個人的に注目度が増した小説家、夏川草介さん。

そんな彼の著作で、「本を守る」とタイトルがついてるからには、読まずにはいられないでしょう。

読み出したら、もう・・・本を愛する気持ちがじわじわと込み上げてくる。

本の現状を憂いた物語や、本の可能性を信じる言葉の数々は、おのずと「自分はなぜ本が好きなのか?」について答え合わせをしているような気分になりました。

そして、この本のおかげで、「自分は本を友達のように思っていたんだ」と気づかせてもらいました。

本好きの心を静かに燃やしてくれる、そんな一冊です。

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2025年11月20日

Posted by ブクログ

軽く読めるかなと可愛らしい表紙をみて購入に至ったが、胸に刺さる言葉が沢山散りばめられた本だった。


主人公林太郎は、幼少期に両親が離婚。それから古書店を営む祖父と2人暮らしをしていたが、突然祖父が亡くなり面識のない叔母に引き取られることになる。
引っ越しまで時間がないなかで、大好きな書店の整理をしていた所に話が出来るトラネコが現れ「本を守るために力を借りたい」と助けを求められる。
否応なしにトラネコと共に不思議な迷宮に入り込み、歪んだ考えを持つ強敵と対峙する。


解決していく毎に「本」の有り様が変化する。
本は「自分以外の人の心を知る事が出来る」と言う理屈じゃない何かを知り得ることのできるものであり、「人を思う心を教えてくれる力」が本には宿っており、良いことも悪いことも教えてくれる。

物語の端々に1節だけ出てくる著名な本は、読んでいなくても何となく納得が出来き、また「読んでみたいかも」と思わせられた。

世界で翻訳されているとの事だが、どんな言葉に翻訳されても「言葉の力」は読み手の心情?身上?により変化するのも面白い。

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2025年11月16日

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ネタバレ

序章 事の始まり 7
第一章 第一の迷宮「閉じ込める者」20
第二章 第二の迷宮「切りきざむ者」73
第三章 第三の迷宮「売りさばく者」129
第四章 最後の迷宮 189
終章 事の終わり 257
解説にかえてー猫が教えてくれたことー271

大学1年生の本紹介で、読んで紹介した本。
明後日のビブリオバトルの本に使おうと、大学4年生の今、再読したが、改めて読むと当時と全然印象が異なって見える。
こんなにも細かく複雑で、緻密な情景描写や物語の構造だったのだと、当時は気がつけなかったことに、何となくアンテナが引っかかった。いい引っ掛かりだと感じる。
自分は、何のために本を読んでいるだろうか。
ステータスのために読んでいる節が大きいと、自意識では思う部分がある。誰かと一緒にいる時とか、人目がある時に、見栄で本を読んでいる構えを取っているかもしれないと、常々思う。賢く見られたい、よく見られたいという、浅ましいプライドの現れな感じがちょっとして、その度に若干自己嫌悪する。だから、家ではあまり本を読まない、YouTubeばっかり見ている。
そんな自分が、この本を読んで心動かされる部分はもしかしたら、一般の読者に比べると、拾い上げられてる部分が少ないのかもしれないが、それでも、自分の人知を超えてくる程度には、読み応えがあって夢中になるほど面白い物語だった。
^人を思う心^を物語を通して思い出すことが出来るという主張は、とても理想的で美しく魅せられるが、本心的にはやはり、どうなのだろうと懐疑的になってしまう。フィクションはあくまでフィクションで、「小説を読む意味がわからない」と口にする人も、何の不思議もなく普通にいる。確かに、そうだと思う部分はある。小説を読んで知識として実生活に役立つことはほとんどないし、その面では学術本を読むのが良い気がする。雑誌や漫画みたいな華やかさも無いし、受験勉強に役立つ参考書でも無い。でも、「本には力がある」のである。物語は、私たちのそばにいて、決して私たちを1人にせず、自分が窮地に追い込まれた時、本当に救いを求めるような時に、トラネコの姿をして現れてくれる。それが、小説なのかな、と、少し感じた。凄くネタバレが入った気がしないでもないが、ここいらで終わっておく。

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2025年10月16日

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本が好きだからこそ余計に刺さった1冊です。本の読み方や本の在り方についてすごく色々なことを学ぶことができたと思う。本の力は「人を思う心」という言葉にすごく感銘を受けました。本の読み方に正解はないけれど本を心から楽しむ気持ちは誰も忘れてはいけないと私は思いました。

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

本を好きな人には刺さる小説じゃないかなと思います。
いろいろ本を沢山読んでたらもっと楽しめたんだろうなと思います。

難しい本に出会ったらチャンスって言葉がよかった。
今まで嫌いだったけど難しい本も読んでみたくなる。

今は本を読まなくてもGoogleなどで結末、あらすじが分かる時代。
本を読むことの大切さを教えてもらった。

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2025年08月24日

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とてもよかった。本への深い愛情を感じました。
忘れかけてた読書の愉しみを、本の力を、思い出させてくれてありがとう。

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2025年05月31日

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普段本を読まない人の入口になって欲しい一冊

すごくすごく好きでした
林太郎の気持ちも、迷宮で待つ人々の気持ちもすごくわかる…
本の力や自分の読書スタイルについて考えるきっかけになりました

名作もたくさん散りばめられていて、本を愛するみんなも楽しめます

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2025年05月19日

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英語や他の言語でも読みたくなった
自分はまだまだ本好きとは言えないなぁと思わされた。もっと本読みたい。古典を。

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2025年05月08日

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いいもの読んだわ〜。
著者は本の力を信じて疑わないんだな。
そして自分も本の力はあると思う。
だからこそ古典は読み続けられたんだと思う。
ただ、その本が力を失いつつあるのもまたその通りだと思う。
本作を読んで自戒する部分もあったし、世の中の多くの人も感じることがあるのではないかと思う。
この本は中学生の課題図書あたりになって、読んでみればいいのになと思ったり、国語の先生が授業でとりあげてくれないかなと思ったり。
自分は本文に出てきたモーリス・ルブランの名前を見て氏の著作ではなくそこから全く別の作家の名前ととある日本の作品を思い浮かべる程度ですが、覚悟と体力を使って古典に挑戦してみようかなと思いました。

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2025年10月17日

購入済み

本は人生の栄養だと思う

最初は何気なく読んでいた物語であったが、読み進めるうちに世の中への風刺といった印象を感じ始めた。そして、振り返ってみると、本から今まで様々な生きる糧のようなものを受け取っていたのだなと知った。後書きを読んで、また読み返してます。

#癒やされる #タメになる #共感する

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2023年10月29日

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本が好きで、読書が好きでよかったと、少し誇りに思った。
これからも読書を通して、自分なりに、自分の世界を広げていきたい。

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2025年06月25日

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名作が手軽に読めるとうたうあらすじ集や、ファッション感覚な読書観に対する、作者なりのアンチテーゼが散りばめられていて、ともすれば、自分も楽な入門書やあらすじ的なものに逃げがちであることに思いが至ります。

たくさん本を読みたい、難解な一冊をじっくりと読みたい、お気に入りの本を何度も読み込んでみたい…本に対しては様々な思いがあります。

ただ、自分の姿勢を振り返ると、最近は本との向き合い方が雑になっていたなぁと感じてしまいます。
もともとは本の力を信じていたはず。でも、つらつとした思いはいつの間にか激しい時流に流されていました。

自分は本とどのように向き合っていきたいのか。
本書はそれを思い出させてくれました。

「大切にされた本には心が宿り、そして心を持った本は、その持ち主に危機が訪れたとき必ず駆けつけて力になる」
自分の人生にも、そんな本と巡り会えると良いなと思います。

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2025年11月21日

Posted by ブクログ

本とは人生の教科書だなと思える作品でした。
読みながら、ハッとさせられる言葉が多々あり、本への向き合い方や生き方に指針を示してくれているようでした。
難しいと思う事は新しい知識、経験を得るチャンスと捉える。特に印象に残っている言葉でした。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

猫の恩返しのような世界観で、寂しい夜にはページをめくれのような、「読書」に対する価値観や自分の考え方を見直すきっかけになるような本で、哲学的な言葉があったりとても良かった。神様のカルテを書かれた方だと知って、そっちも読みたくなった〜!

作品の中に現れる、いわゆるボス?的な人たちはやってること自体は異様だけど、行動の裏側には現代社会の本に対する行動が現れていて何とも言えない気持ちになった。
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1冊の本を十回読む者より、十冊の本を読む者の方が敬意を集める世の中だ。社会で大切なことは、たくさんの本を読んだという事実だ。読んだという事実が人々を魅了し惹きつけるのではないか。違うかね?
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読みたくて読む、読むことで色んな考えや想いを知る、そして実際に行動する。読書を自分の飾りにしたくない。
もちろん娯楽としての読書もいいけど、そうじゃない根本的に大事にしたい想いを、忘れずにいたいな〜と思えた本でした。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

いつかの『罪と罰を読まない』と同じ感じ。果たして「本」とは何なのか、「読む」とはどういうことか。

頭でっかちになるかもしれないし、何かの助けになるかもしれないし、読んだ後の自分がどうしていくかのほうが大事。

最後の迷宮のモデルはわかったけど、それまでも同じような構成の話なのかなぁ。となるとわからないし、そもそもそんなこともないのか。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

人と本、その繋がりを丁寧に説いた物語です。
読みやすく紡がれた文体に奥深い重なりを感じます。読書は私たちに何を与えてくれるのか?本の未来はこれからどうなる?全てが幸せに終わる訳ではない、その結末の塩梅に作者の誠実さを感じます。読書をする方であればふと、頭の何処かで考えるあの問題についてを論じており、それでも主人公はそれまでの人生の中で培った価値観を基に語ります。
何が正しくて何が間違っているのか。
そんな答えの無い問いに主人公は「読書とは、人に『他者を思いやる心』を与えてくれる」と答えます。
読んでいて思わずハッとしてしまう本でした。
お勧めです。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

本を読むのは好きだけど、「ちゃんと」読めてなかった気になった。本が好きな人ほど、読んでてハッとなるんじゃないかな。

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2025年08月26日

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『神様のカルテ』を始め、心温まる医療小説を世に出している著者の、思いもよらないファンタジー小説。
この小説に込める著者の思いが、著者自身が書いた「解説にかえて」に、表されている。
古書店を営む祖父との二人暮らしだった高校生の林太郎は、祖父が亡くなり引っ越しの準備をすることになる。そこへ言葉を話すトラネコが現れ、本を守るために林太郎に助けを求める。
トラネコとともに、林太郎は本を巡る迷宮に入り、不思議な体験をする。
本の大切さを訴えるこの小説は、アメリカ、イギリス、フランスをはじめ世界35カ国で翻訳出版されているそうで、本が売れなくなり町の書店が次々と姿を消している現代だからこそだろう。
林太郎の口を借りた著者の声。
「僕はただ単純に本が好きなんです」「本はもしかしたら、”人を思う心”を救えるんじゃないかって」「”人を思う心”、それを教えてくれる力が本の力だと思うんです」

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

本には大きな力がある。本好きな私には主人公の気持ちになって、ウンウンと応援しながら読み進められました。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「夏木書店」を営む祖父と二人で暮らしている高校生 夏木林太郎。祖父が唐突に亡くなり、引っ越しを迫られている中で店に突然しゃべるトラ猫が現れ、「本を救ってほしい」と頼まれる。そして店の奥からトラ猫と一緒に迷宮に入っていく。
迷宮の先では、「本を閉じ込める者」、「本を切り刻む者」、「本を売りさばく者」、そして本そのものと対峙することになる。
この物語は作者のメッセージに溢れていて、本を楽しむうえ、ひいては生きる上でも大事なことが書かれていたなと思う。
「ただがむしゃらに本を読めば、その分だけ見える世界が広がるわけではない。」
「むやみと急げば急いだ分だけ見識が増えると思うのは誤解である。」
「難しいってことは新しいことが書いてあるっていう証拠だよ。」
世の中には大量の本があって、各迷宮の主たちの言っていることもわかる。
1度読んだ本を読み返すことはほとんどないし、読書は時間がかかるし、友と呼べるような本を持つことも少ない。そんな気持ちを持っている人に刺さる本じゃないかなと思う。この本を読んで、名作と呼ばれるものにチャレンジしたくなった。

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2025年05月11日

匿名

ネタバレ 購入済み

読書好き必読書⁉︎

本や読書、小説がテーマになっているストーリーが読みたい人にお勧めです。
読書初心者の方にもお勧めです。
読書の向き合い方、本に対しての思いを、改めて考えさせられます。
主人公の青年林太郎の祖父が言っていた「本を読むことは、山に登ることと似ている」という言葉が、読書に時間と手間をかける理由だなと、しっくりしました。

#感動する #深い #共感する

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2024年11月12日

Posted by ブクログ

この本を読んで昔の傑作と言われる本も読んでみようと思った。難しいと感じる本は自分が知らない新しいことに出会えるチャンスと言う考え方、なるほどな~って思った

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2025年06月10日

Posted by ブクログ

亡くなった祖父の営んでいた古本屋に引きこもる男子高校生のもとへ流暢に人語を話すトラネコが現れる。曰く閉じ込められた本を救うために力を貸してほしいと。貫禄のある猫に先導され書棚の奥、本の迷宮へと足を踏み入れる。

本を巡る間違った愛し方の描写がすごく刺さった。たくさん読もう、早く読もう、売れている本を読もう、と自分でも知らないうちにプレッシャーかけていたりするかもしれない。昔はもっと純粋に読書を楽しめていたはずで…もちろん今でも楽しいけど、知らず知らずのうちに気負ったり流されたりしてる部分もあるのかなぁと。
大人が読んでも沁みるんだろうけど、主人公のような10代の頃に読んでいたらもっと世界が広がっていただろうなぁ。名作の引用、本の本質、なんのために本はあるのか?という問いも、学生の頃の方が素直に響いただろうなと思えたので。
優しいストーリーが静かに読書を味わう楽しさをもう一度気付かせてくれた気がする。
私も本の世界に誘われるなら案内人は遠慮のない人語を話す猫がいい。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

心に残る気になる言葉、文がありメモった。
子供もこのような体験が出来たらなぁと思った。
早く殻を破ってほしい。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

夏目草介氏の医療系以外なものを読んでみようと思い、読み始めました。
ファンタジーな小説で、心が穏やかになりました。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

もちろん本が好きだから、物語が面白から読むのだけど、
もっと大切なもの(こと)を教えてもらったような気がする。
本の本による本好きのための本。

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

祖父を亡くした少年と喋る猫が異世界に行き、本を救い出すファンタジー小説。

設定はファンタジーだけど、中身は至って真面目。多読、速読などの昨今の風潮に対するアンチテーゼを示し、人にとっての本とは何か?を考察する。読書をする我が身も振り返りたくなる内容。

また、世界中の名作本が、わかる人にはわかるように設定に盛り込まれているらしく、もっと本を読んでいつか再読すればまた楽しめそうです。作者の思いのこもった小説でした。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

サクッと読めました。猫の話ではなかった。
古書店を営む祖父と二人暮らししていた読書好きの高校男子。祖父が亡くなり学校をサボって店に引きこもっていると不思議な猫が本にまつわる迷宮へと彼を誘う。曰く、「本を助けてくれ」と。不思議な世界で本の世界を垣間見て自分の心も前をむき出す少年のお話。猫は出てくる、が「猫の話」ではない。
本と読み手との向き合い方、本とそれを取り巻く環境、それらを擬人化して表現している感じ。厚い本ではないので一つ一つのシーンはさらっとしているし、正直深みのようなものはない。ただそれくらいの軽さで現実は向き合えると良いのかもしれないとは思う。小学生から中学生向け。
心の奥の奥に行かずとも世界の端は覗き見られるし、希望も絶望も味わい尽くすよりも物語で提示させるくらいが良い。
本が好きな著者なんだろうなと思ったが、現実に生きているタイプの人なんだろうとも思った。

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2025年06月28日

Posted by ブクログ

祖父を亡くした高校生、夏木林太郎が残された古書店「夏木書店」で立派なトラネコと出会い
刺客から本を守るお話。

題名から想像していたほのぼのとした話ではなく
読書家なら一度は問いかけられたことがあるような疑問と、投げ掛けたことのあるような言葉に心がギリっとする。
私にはファンタジー小説に思えたけど
作者が解説で述べられているように、ライトノベルであるのか、風刺か、社会派か、青春小説か、読者によって何でも良くて、考えるきっかけとなり本書に出てくる名作に手を伸ばすきっかけとなれば良いようだ。

昨今、歌では前奏が長いと曲を聞いてもらえないだとか、ドラマも展開が分かれば良いので倍速で視聴するという。
本もあらすじと結末だけ分かれば良いという話を聞いて、基準は「タイパと、これを知っているという事実」なのだなと私なりに理解していたつもりだったしどうこう言うつもりもなかったけど…

この本に触れて「ああ、やっぱり本を読まないなんて勿体ないな」と読書を敬遠する人たちに押し付けがましい気持ちになった。

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

「神様のカルテ」「スピノザの診察室」の著者の夏川草介さんの作品 
世界40か国以上で翻訳出版!という帯につられて…購入 読み進めた。

同居していた祖父が急死し独りぼっちになってしまった本好きで引きこもりな高校生男子と一匹の猫の物語。
「行くぞ2代目」猫と林太郎が本を助け出す為に迷宮に向かう 
第1,第2,第3,そして第4の迷宮… そこでの出来事・出会いの中で 様々なことに気が付き 最後に林太郎は一つの選択をする。

あとがきには著者がこの物語に込めた想いと仕掛けが書かれている
本好きならわかるという仕掛け…残念ながら気が付かなかったが…
やっぱり 読書は好きだなって思えた一冊 

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

なぜわたしは本を読むのだろう、とあらためて考えさせられた。ファンタジーな内容だけれども、以外と深い。古典小説や哲学書もいずれ読んでみたい3.6

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2025年06月07日

購入済み

期待しすぎた。本を好きな人間が一度なら考えたであろう理不尽を湛えた迷宮に主人公は誘われ、それぞれの迷宮の主を説得していく、という趣旨の物語だが、結局この迷宮も、それぞれの主も、猫も、なんなのかはわからない。説得も、高校生の感情論の域を出ない。児童文学ならよかったかもしれないが、大人の、本を好きだと自覚があるだけの読み手に対する読み物としては非常に薄い。

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2025年09月21日

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