【感想・ネタバレ】本を守ろうとする猫の話のレビュー

あらすじ

「お前は、ただの物知りになりたいのか?」

夏木林太郎は、一介の高校生である。幼い頃に両親が離婚し、さらには母が若くして他界したため、小学校に上がる頃には祖父の家に引き取られた。以後はずっと祖父との二人暮らしだ。祖父は町の片隅で「夏木書店」という小さな古書店を営んでいる。その祖父が突然亡くなった。面識のなかった叔母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るために林太郎の力を借りたいのだという。

お金の話はやめて、今日読んだ本の話をしよう--。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

序章 事の始まり 7
第一章 第一の迷宮「閉じ込める者」20
第二章 第二の迷宮「切りきざむ者」73
第三章 第三の迷宮「売りさばく者」129
第四章 最後の迷宮 189
終章 事の終わり 257
解説にかえてー猫が教えてくれたことー271

大学1年生の本紹介で、読んで紹介した本。
明後日のビブリオバトルの本に使おうと、大学4年生の今、再読したが、改めて読むと当時と全然印象が異なって見える。
こんなにも細かく複雑で、緻密な情景描写や物語の構造だったのだと、当時は気がつけなかったことに、何となくアンテナが引っかかった。いい引っ掛かりだと感じる。
自分は、何のために本を読んでいるだろうか。
ステータスのために読んでいる節が大きいと、自意識では思う部分がある。誰かと一緒にいる時とか、人目がある時に、見栄で本を読んでいる構えを取っているかもしれないと、常々思う。賢く見られたい、よく見られたいという、浅ましいプライドの現れな感じがちょっとして、その度に若干自己嫌悪する。だから、家ではあまり本を読まない、YouTubeばっかり見ている。
そんな自分が、この本を読んで心動かされる部分はもしかしたら、一般の読者に比べると、拾い上げられてる部分が少ないのかもしれないが、それでも、自分の人知を超えてくる程度には、読み応えがあって夢中になるほど面白い物語だった。
^人を思う心^を物語を通して思い出すことが出来るという主張は、とても理想的で美しく魅せられるが、本心的にはやはり、どうなのだろうと懐疑的になってしまう。フィクションはあくまでフィクションで、「小説を読む意味がわからない」と口にする人も、何の不思議もなく普通にいる。確かに、そうだと思う部分はある。小説を読んで知識として実生活に役立つことはほとんどないし、その面では学術本を読むのが良い気がする。雑誌や漫画みたいな華やかさも無いし、受験勉強に役立つ参考書でも無い。でも、「本には力がある」のである。物語は、私たちのそばにいて、決して私たちを1人にせず、自分が窮地に追い込まれた時、本当に救いを求めるような時に、トラネコの姿をして現れてくれる。それが、小説なのかな、と、少し感じた。凄くネタバレが入った気がしないでもないが、ここいらで終わっておく。

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「夏木書店」を営む祖父と二人で暮らしている高校生 夏木林太郎。祖父が唐突に亡くなり、引っ越しを迫られている中で店に突然しゃべるトラ猫が現れ、「本を救ってほしい」と頼まれる。そして店の奥からトラ猫と一緒に迷宮に入っていく。
迷宮の先では、「本を閉じ込める者」、「本を切り刻む者」、「本を売りさばく者」、そして本そのものと対峙することになる。
この物語は作者のメッセージに溢れていて、本を楽しむうえ、ひいては生きる上でも大事なことが書かれていたなと思う。
「ただがむしゃらに本を読めば、その分だけ見える世界が広がるわけではない。」
「むやみと急げば急いだ分だけ見識が増えると思うのは誤解である。」
「難しいってことは新しいことが書いてあるっていう証拠だよ。」
世の中には大量の本があって、各迷宮の主たちの言っていることもわかる。
1度読んだ本を読み返すことはほとんどないし、読書は時間がかかるし、友と呼べるような本を持つことも少ない。そんな気持ちを持っている人に刺さる本じゃないかなと思う。この本を読んで、名作と呼ばれるものにチャレンジしたくなった。

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2025年05月11日

匿名

ネタバレ 購入済み

読書好き必読書⁉︎

本や読書、小説がテーマになっているストーリーが読みたい人にお勧めです。
読書初心者の方にもお勧めです。
読書の向き合い方、本に対しての思いを、改めて考えさせられます。
主人公の青年林太郎の祖父が言っていた「本を読むことは、山に登ることと似ている」という言葉が、読書に時間と手間をかける理由だなと、しっくりしました。

#感動する #深い #共感する

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2024年11月12日

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