【感想・ネタバレ】君を守ろうとする猫の話のレビュー

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Posted by ブクログ

「本を守ろうとする猫の話」の続編。

前作もそうだが、この世界が抱える大切なものの喪失に対する焦燥や危機感を、静かに投げかけるお話。主人公の年齢が下がったことで、前作よりプリミティブというか、本質的な問いになった気がした。

こういう本が評価される世界を生きたい。
そして年齢を重ねても物語に心を奪われる生き方をしたい。

☆前作、何年か前に読んで登録し忘れていたので、もう一度読み返してから感想を書きたい。

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2024年06月01日

Posted by ブクログ

前作が2017年、そんな前だったとは!
こちらもとても良い作品。
なんで本読むの?という小中学生におすすめ。

喘息持ちの中2、幸崎ナナミは話をする猫の頼みを受け、盗まれて処分されていく本を救い出す冒険フィクション。
要素は色々あり、諦めないこと、人は1人では生きていけないこと、本から得る世界の素晴らしさ、孤独を埋めてくれたり、希望をもったり、本の世界から飛び出して助けてくれる人がいたり…そして一番は心が温まる。
前作の青年も大人になって登場。


人間のように無意味なことをべらべらしゃべらないだけだ。語るべき時に語、ちんもくすべき時は、沈黙する。それが猫だ。 p.23

『慢心は人間の最大の敵だ』 マクベス p.30

人は歳を重ねた分だけ、視野が広がるとは限らない。大切なものはこころで見なければいけないのに、心の目はあっという間に曇ってしまう。…気づかないうちに大切なことをどんどん失って、それだけ身軽になったつもりでいるんだよ p. 73

『根拠はなくても、希望はよみがえる。希望とはそういうものだ』トムソーヤの冒険 p. 80

どんなものにもこころは宿るの。あなたが大切にしてきたものには心が宿って、必ずあなたを守ってくれる。… 歪んだ心に触れ続けたものには、歪んだ心が宿る。 p. 192

本には、それに触れてきた沢山の人の心が力となって宿ってる。…私はただ、それを感じ取ることができただけ p. 200

一番怖いのは、心を失うなうことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴通したときに、それはダメだと教えてくれる友達がいないこと。つまりはひとりぼっちだってこと。

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2024年04月24日

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本を守ろうとする猫の話のシリーズだとみて読んだ本。
前作が非常に好きで、続くとは思っていなかったし、前作の期待感でガッカリするんじゃないかと若干恐る恐る読んだが、今作も面白かった。今作だけでも読めるが、前作主人公が出てきたりと繋がりが感じられてよかった。今回は喘息持ちの主人公で、体が弱いからこそ人の優しさだったりに触れてきた経験を元に現代社会の競争の激化に一石を投じるような話。また、親しんできた本の力を信じたからこそ本に助けられる描写も良かった。

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2024年04月11日

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本は人を繋ぐこと、本の登場人物は友達で味方でいてくれることを教えてくれる素敵な1冊!!
難しいと感じる言い回しが多くて言いたいことは分かるけどきちんと理解してるのか分からないからもう少し大人になったらもう1回読みたい。

言葉だけでは全てを伝えられない。言葉だけじゃ言い表せないことだってある。言葉って大切だけどそれが全てじゃないし、「思い」を伝えようとする意思がなければ伝わるものも伝わらない。

たくさんの世界を知って、たくさんの人間の思いを知ることができる「本」はすごいんだよなって思った。相手が何を伝えようとしているかを読み取って想像してくことが今の私たち人間には必要なことだなと思った。

猫とのやり取りが好きすぎてこのシリーズのファンになったし、夏川草介推しになった!!

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2024年04月07日

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色々考えされられた。
想像力があるから人は迷う、というのも事実だと思う。
想像力がないから他者への攻撃に躊躇がなくなる。想像力が無駄にあるから敗者になる。
価値観が勝ち負けにあるとそう考えてしまうのだと思う。

どんなものにも大事にしたら心が宿る。自分にそれも返ってくる。というのが響いた。

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2024年04月06日

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人は何故、何のために本を読むのか。

共に歩み、作られ、増殖していく強大な力。
それに負けない強い心を持つのは簡単ではないけれど、迷わないように、皆で生きていく事の大切さについて考えさせられました。

また無愛想なあの猫に会いたい♬*°

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2024年03月30日

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ネタバレ

思い出の本の登場人物たちが出てきて助けてくれた場面で、思わず泣いてしまった。
わたしだったらどんな本だろうと少し妄想してみた。

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2024年03月19日

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ネタバレ

前作は読んでませんが十分楽しめました。
基本冒険ファンタジーですが、現代社会が抱える矛盾や危険を哲学的に語っていくのは夏川作品らしい
第3章のクライマックスはドキドキワクワクそして感動でした!
ラストも素敵です。
スピノザもそうでしたが夏川さんの作品は登場人物が皆魅力的♪
次回作が待ち遠しい

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2024年03月17日

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夏川先生がこのシリーズを通して伝えたいこと、本好きにはすごく刺さると思います。
おそらく夏川先生自身がものすごい数の本(それも名作として読み継がれているもの)を読み、本に救われ、その大切さを知っているからこその作品かなと。

夏川作品に共通する、読みやすいのに哲学的メッセージが込められている感じがすごく好きです。
エンデの作品に通ずるものを感じるのですが、もしかして夏川先生もエンデお好きなのでしょうか。

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2024年05月10日

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正直言って、前作の印象が少し薄れた状態でシリーズ2作目を読み進めた。猫の登場やストーリー展開は前作を踏襲しているが、この作品の主人公は最初から読書愛に溢れているし、前作の彼との関わり合い方も良い。戦うべき相手は悪ではないし、それぞれの想いがぶつかる場面の表現も素晴らしく涙腺を刺激する。読んで良かったと思える一冊。

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2024年05月02日

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いろんな人に薦めたい本。

本ってたくさんのことを教えてくれる。
語彙力や表現の仕方などだけではない。
「困っている人がいたら手を差し伸べること」
「悩んでいる人がいれば耳を傾けてあげること」
「お金より大事なものがあること」
ホントその通りだと思う。

「一番怖いのは、心を失うことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴落としたときに、それはダメだと教えてくれる友達がいないこと。つまりひとりぼっちだってこと」

この本からもたくさんのことを教えられた。

中学生、高校生にプレゼントしたい本。
今度のブックサンタで送ろうかな。

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2024年04月21日

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『本を守ろうとする猫の話』よりもこちらの方が読みやすかった。本好きの熱量は前作の主人公、林太郎くんよりもナナミちゃんの方が強い気かな。

本には力がある。

そうなんだよね。人の心も体も動かす力があるんだよね。人間になくてはならないものなんだよね。

「君を守ろうとするー」の君って誰?ナナミちゃん?本?私たち本好きな人のこと?

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2024年04月13日

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物語はシンプルであるが、内容はなかなか深い。
本当に良い本を読む事に価値があることが知れる。
現在山ほど本があるが、確かに勝つための本が多いのかもしれない。
読書の意味を再認識することが出来る良書である。

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2024年04月11日

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『一番怖いのは、心を失うことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴落としたときに、それをダメだと教えてくれる友達がいないこと。つまりひとりぼっちだってこと』この言葉が、本当にそうだなと感じた。人間は、一人で生きてるわけじゃない。周りの人と助け合いながら生きている。それを忘れちゃいけないね。

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2024年04月08日

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この本はミステリーというよりファンタジーの方が近い世界観でした。
本という物に対する心の有り様がそのまま力となる世界を舞台に本好きな主人公のナナミと猫の冒険譚です。
本を「知識を得ることができる・自分の世界を広げることができる」というプラス要素でとるか「その場で動かなくなり自己成長が止まる」ととるか読んでいる読者の中でも意見が割れそうな題材である種重いものを感じました。
ナナミと相対するのが本が要らないと思っている人の集合体?なのですがその人の意見を本好きなナナミが全否定はしていないのが良くて、あなたはそう思うのね、、、私はこう思う。という説き伏せ方なので読んでいてお互いの言い分に一理ずつあるなと思いながら読んでいました。
猫も守るというか個人的には支えてる?印象が残りました。猫の「希望はよみがえる」その言葉を信じたからこその本の力を見ることが出来た終盤の展開が面白くて作中に登場する本も読んでみたいなと思えました。

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2024年05月04日

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ハリーポッターをメルヘンにした感じかな。
それとも宮崎駿監督の映画みたいな感じかな。
'本を守ろうとする猫の話'より面白かった。
次があったらどうなるのか楽しみですね。

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2024年04月02日

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ネタバレ

「本を守ろうとする猫の話」が好きで、続編はワクワクしてました。

前作に続いて本を読む事の大切さと、今の世の中の事が書かれています。そうだな、、と共感する部分もあれば、私にもまだ分からない所も。

きっとそのうちこの本の言っていた意味が分かる時が来るのかな、と私も同じく思った作品でした。

猫のトラが好きで、、密かなファンです!

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2024年03月31日

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もう7年前になるのですね
「本を守ろうとする猫の話」
夏川草介さんの「神様のカルテ」
のような感動はなかったけれど、大切なものが心に入ったような気がしました

その続編
〈一番怖いのは、心を失うことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴落としたときに、それはダメだと教えてくれる友達がいないこと。つまりひとりぼっちだってこと〉

世界はますます許せない状況へ
心を失った為政者がのさばっています

児童文学 大切にしたいです

ナナミがかっこよすぎました よね

≪ 取り戻す 教えてくれた 本たちを ≫

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2024年06月09日

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中学生のナナミが猫に導かれ本を守って戦うファンタジー。大切な本を守りながら本の主人公たちに守られての冒険譚。
内容は児童書かとも思うが、夏川氏独特の語り口が児童書より大人向けの感じ。

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2024年06月02日

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不思議な世界の本にまつわるトラブルを、猫に誘われた者が奮闘、解決するお話。
どこか既視感が否めない。
しかし本作単独で読んだならば、手に汗握る物語展開はシンプルで読みやすい。
敵(?)側の考えも面白かったし、たぶんそれも、この本を通じて伝えたかったことの要点のひとつだったのだろう。

全体を通して、猫が何かを守ろうとする話というより、少女が本を守ろうとする印象の方が圧倒的に強い。
そのためタイトルについて、前作との関連性を持たせたかったのかもしれないが、少々アンマッチに感じた。

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2024年06月01日

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ネタバレ

「本を守ろうとする猫の話」の続編。名刺代わりの小説10選に選ぶくらい大好きな作品の続編なので、めちゃくちゃ期待して読み始めました。

前作は一章ごとに話が区切れた感じでしたが、今作はあまり区切れがなく、一冊を通して主人公のナナミと灰色の男の戦いでした。

灰色の男で思い浮かんだのが、ミヒャエル・エンデ作の「モモ」。こちらは時間を盗む男達で盗むものは違いますが、不気味さや理解し難い考え方は似てるなと思います。

今作の灰色の男の考えは、全然理解できなかったです。本が危険?なんて考えたこともなかったです。
最後まで読み進めても、灰色の男の正体は明確には明かされず。貝のくだりや、人間が自分を手にしてどんどん欲深くなる、詐欺などが起きるを総合して考えると、お金が彼らの正体なのかなっとぼんやり思いました。全然的外れなこと書いてるかもですが。奥深く読み込もうとするとなかなか難解なストーリーだなと思いました。

終盤でルパンなど本の登場人物がナナミを助けに来るシーンは胸熱で、ファンタジー冒険ものとして楽しむことができました。
トラの正体も判明して、驚きました。まさか本たったとは。

正直、前作の方が好きですが、今作も心を掴まされる名フレーズが多く、感動しました。
本好きで良かった(^^)


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2024年05月30日

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ナナミを助けてくれる人たちの元ネタが分からなかったのが残念。伝えたいことは伝わった、短くて読みやすかった

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2024年05月30日

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本が奪われていく世界に、一人の少女と一匹の猫が立ち向かう冒険物語。

「本を奪う」という行動を通して、本が前ほど読まれなくなった現在を憂い、改めて「物語の力は想像以上に素晴らしい」ことを、城の冒険で示しているのかな、と感じました。本を読めば、自分と違う立場の人たちの心情を思いやったり、希望を得たり、憤りを覚えたりする。知識を蓄えることもできるだろうし、夢を得ることだってある。そういった自分の可能性や内側の世界を膨らませる「本」の存在の大切さ、「ちから」について、少女の成長物語とあわせて描いているように思いました。

猫の愛らしさや少女たちの爽やかさまっすぐさでくるみジュヴナイルっぽさを前面に出しつつ、本を愛する作者の願いもしっかりと込められた作品でした。

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2024年05月14日

Posted by ブクログ

「本を守ろうとする猫の話」続編のファンタジー。

世界から本(児童書?)をなくそうとする悪との戦い。

終盤の灰色の王とのやり取りには作者のメッセージが詰まっている。

仕事に毒された父親が本来の自分を取り戻す展開は王道。

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2024年05月13日

Posted by ブクログ

ファンタジー要素強め。
それほどハマりはしなかったけど、読みやすい作品でした。
何かの続編かアナザーストーリーなのかしら?

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

前作「本を守ろうとする猫の話」の数年後。
今度は中学生の少女を巡るお話。

学校向けの優良図書になりそうな、若い人には読んで欲しいかな。
しかし、やはりお医者さんの話が著者にはしっくりくる。

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2024年04月16日

Posted by ブクログ

"本の中には無限に広い世界がある“本当にその通りだと思う。必死に生きていくうちに心が失っていくことがあるけれど、しっかりしろ!て言ってくれる誰かや本があると人は心を取り戻せる。確かにそう!本によってハッとなることは多い。自分が置かれているところは当たり前じゃないと気付かされる。この物語を通じてそう実感した。

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2024年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読後の心地良さは夏川さんならではですね。
希望はよみがえる!いい言葉です。
読書を通じて、「他者の気持ちを感じる力」を育てていけば、行き過ぎた欲望を抑えながら生きていくことができますね。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

本を守るネコちゃん第二弾。寓意に富んだファンタジー。「弱い人間たちは、自信に満ち溢れた態度に、容易に身を任せてしまう。自ら判断し、自ら行動することには責任を伴う。ならばいっそ考えることをやめ、すべてを託してしまえば楽だろう。そうやって、自分自身が積み重ねてきた真実を放棄してしまう」「言葉は望遠鏡のようなものだ。見たいものはよく見えるようになるが、それ以外はかえって見えなくなる」「いつも生き残るのは、心を持たない人々だけだ」「自由に自分らしく生きる。つまり本を忘れていった…。しかも本を忘れた人々は、その多くが、現実の社会に戻って大きな成功を収めた。本を捨て、想像力を失った人々は容赦のない攻撃性を武器に、欺し、搾取し、奪略し、他者の屍の上に『自由』の旗を掲げていった」「他者を顧みない人間は確かに強い。平然と誰かを蹴落とすことができるし、迷いや悩みとも縁がない。そういう人たちは、自分たちが間違っているかどうかを悩むことさえない」「でも、驚くほどもろい。ひとりぼっちだから」「一番怖いのは、心を失うことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと…誰かを蹴落としたときに、それはダメだと教えてくれる友達がいないこと」いやいや抜き出しているとキリがない。心に刻みましょう♪

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2024年03月31日

Posted by ブクログ

「本を守ろうとする猫の話」の続編。 
今作の主人公は喘息持ちの中学生ナナミ。
盗まれていく本を守ろうとする中で、大切なものに気付いていくナナミ。
自分を支えてくれる人はもちろん、好きな本も自分の味方だというのは、本当にそうだなと思った。
ファンタジー要素が強めの作品は得意ではないので、個人的にはあまり入り込めなかったかな。

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2024年03月27日

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