【感想・ネタバレ】君を守ろうとする猫の話のレビュー

あらすじ

40言語以上で翻訳された『本と猫』続編!

幸崎ナナミは、中学二年生。重い喘息のため、放課後はもっぱら、ひとりで図書館に通う日々を過ごしている。その図書館から最近、本がなくなっているらしい。ある日、館内で「書棚に潜む影」を見かけ、そっと後を追いかけると見慣れたはずの通路の奥が、青白い光に包まれていた。「近づかぬ方が良い」。振り返るとそこにいたのは翡翠色の目をした猫であった。
危険を諭す猫をよそに、光の中へと踏み出すナナミ。書棚に囲まれた通路を抜けると現れたのは、巨大な壁がそびえ、銃を構えた兵士が守る城であった。中ではなんと、本が燃やされていたのだ。
これまで、持病のためにさまざまなことを諦めてきたナナミだが、大切な本が燃やされていくのを黙っているわけには行かない。
「人は歳を重ねた分だけ、視野が広がるとは限らない。大切なものは心で見なければいけないのに、心の目はあっという間に曇ってしまう。子供の頃はあんなに大切にしていた本を、時とともに忘れてしまうように、気づかないうちに大事なことをどんどん失って、それだけ身軽になったつもりでいるんだよ」
新たな迷宮へ、ようこそ。

※この作品は過去に単行本として配信されていた『君を守ろうとする猫の話』 の文庫版となります。

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Posted by ブクログ

現代人に向けた寓話(≓おとぎ話)のような作品だった。

若干ファンタジー寄りだけど、現代の問題を突き付けてくる鋭い切れ味だった。

「他人を蹴落としてでも、自分の成功を求める人たち」
これは一つの手段として、決して悪ではない。そういう存在が登場する。
ただそのやり方が是か非かは、人によって考えが違うと思う。

この作品は幅広い年代に問題を投げかける非常によい作品。
おそらく読む世代や考え方によっても受け取り方が変わってくると思う。

そして前作よりも古典作品のクロスオーバーが強化されている。
作中に登場した作品を読んでいれば、展開をもっと楽しめると思う。
あっ、このセリフは...!とか、この人物は..!とか、より深く入り込めそう。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ


多くの社会的な方々が目を背けているのが本当に気づいていないのか、そんな事実に真正面から取組んでいる作品

P119競走に参加することを拒んだ者たちまで、無条件で敗者にしてしまう凄まじい強制力
P180欲望をコントロールし、欲望から自由であることこそが、真の自由だと定義された時代もあった

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

「本と猫」シリーズの2作目
1作目と同じように、話の中に引き込まれて読み終わった後に、今について考えさせられる話だった。
自由とは?
今の人たちが自分のことで精一杯になってしまって正当化したいから、「自分らしく」を盾にしているんだろうか、作者の考えがしっかりと言葉にされていて、有無をいわせない説得力があるように感じた。
3部作とのことなので、3作目も読みたい

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2026年03月11日

Posted by ブクログ

私も灰色の兵士かもしれない。
前作同様でたくさんの名作がオマージュされていた。
あの名作の名言や、名シーンがあちこちに仕掛けられていて読み手を楽しませてくれる。ちょっと上から目線のあのしゃべる猫や灰色の兵士、友達(本)を一生懸命救おうと走る姿はあの名作を彷彿させる。

それらを見付けたときのワクワク感は読み手を本の世界へ引き込み、見事に著者の罠にはまったかもしれないが、こんな罠なら喜んではまりたい。
前作のあの人の登場は「おっ、もしかして」と喜んでしまった。

前作に引き続き猫とともに迷宮を旅する物語であるが、哲学的な要素もビッシリ詰まった内容の哲学ファンタジー。
作中でもはっきりとした答えは出てないが、これは著者の「行間の余白」を考えろという、まさに物語の「迷宮の主」達の問いではないだろうか?

「もっと自由に、もっと自分らしく……。」「私はまだ成功もしていないし、翌檜(あすなろ)のように『明日は何者かになろう』とすら足掻けていない、ただの灰色の存在かもしれない。
もしかしたら、灰色の兵士のように知らないうちに迷宮の主に心を奪われてしまったのかも。

三部作ということなのでこの物語の結末が全く想像つかない。
もしかしたら、前作のあの人と共闘したり名作
の英傑達が助けてくれたりとかありきたりなことばかり。
読み終えたとき、タイトルの『君』は誰を指しているのだろう?と疑問に思った。
本(友達)のことでもあり、ナナミのことでもあり、もしや自分自身のことでもあるのではないかなと、深く考えさせられる読書体験だった。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

中学2年生の女の子が主人公のファンタジー。これは中学生には読んでほしい作品。ファンタジーだけど夏川草介らしくやっぱり少し哲学的でもある。自分らしく、もっと自由に…その言葉の落とし穴とは。現代人が忘れそうになっていること、心を思い出せてくれる本かな。3部作になるみたいですね。3作目が楽しみです。不思議な話にはやっぱりネコが似合う。

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

「本を守ろうとする猫の話」の続編。前作読んでなくても問題はなさそうですが、寧ろ、世界の名著を読んでおくべき。読んでいると色々と心が踊るシーンが多いと思います。

自分はそういった本を未読なので、本当の意味で本書を堪能できたとは言い難い。主人公の実直さが眩しくて、自分はお城の側なのかもと感じる今日この頃‥。もっとシンプルに読書を楽しまねば。

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2026年03月14日

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