あらすじ
40言語以上で翻訳された『本と猫』続編!
幸崎ナナミは、中学二年生。重い喘息のため、放課後はもっぱら、ひとりで図書館に通う日々を過ごしている。その図書館から最近、本がなくなっているらしい。ある日、館内で「書棚に潜む影」を見かけ、そっと後を追いかけると見慣れたはずの通路の奥が、青白い光に包まれていた。「近づかぬ方が良い」。振り返るとそこにいたのは翡翠色の目をした猫であった。
危険を諭す猫をよそに、光の中へと踏み出すナナミ。書棚に囲まれた通路を抜けると現れたのは、巨大な壁がそびえ、銃を構えた兵士が守る城であった。中ではなんと、本が燃やされていたのだ。
これまで、持病のためにさまざまなことを諦めてきたナナミだが、大切な本が燃やされていくのを黙っているわけには行かない。
「人は歳を重ねた分だけ、視野が広がるとは限らない。大切なものは心で見なければいけないのに、心の目はあっという間に曇ってしまう。子供の頃はあんなに大切にしていた本を、時とともに忘れてしまうように、気づかないうちに大事なことをどんどん失って、それだけ身軽になったつもりでいるんだよ」
新たな迷宮へ、ようこそ。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『君を守ろうとする猫の話』 の文庫版となります。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
経済と物語と哲学の話。
大人になると感性を、想像力を、共感を忘れてしまいがちだと思います。
それらを忘れないで生きていたいと思っていても、現代社会では難しくて、つまらない大人になってしまうんだと。
前作は大切なものを思い出させてくれる話だとすると、今作はなぜ忘れてしまうのか?という問いの話だったと思いました。
富とは相対的なもの。
だけど、持つものの方が自由に生きられる?勝者は幸せなのか?私もじっくり考えたいと思わされる本でした。
灰色の無表情の世界に色をつけるのは本だと感じます。
読書することで世界が鮮やかになる……こともあります。
信じることが大切なんだとも思いました。
猫が彼女を守ったのか、彼女が猫を守ったのか?という真相は読者に委ねられていて、私的には彼女が猫を守った結果、猫も彼女を守ったというかなんというか。
『読書』という行為について深く考えさせられます。
他の方のレビューを見たところ、共感出来る感情が多く含まれていて、普段本を読まない人は無表情の灰色人にあたるのだろうか、とも深く考えさせられましたね。
「賢者は、歴史に学ぶ」とよく耳にするが歴史を学ぶには読書が不可欠です。
読書無しでは歴史は、学べない。
経験ということについて考えれば生きてさえいればいい。
その上て障害にぶつかるのが経験。
その障害をいかに避けるか学ぶのが歴史だと考えてるんですよね。
最近は少々自己の経験談を美化しすぎている節があるように思いますけどね。
現代に生きる中で9割絶望しかなくても、1割残る希望を胸に生きよう。
綺麗事でもいいじゃん。
闇に飲まれそうになったら、誰かが引き止めてくれる。
君は独りじゃないよ、と言われているような気分になる作品です。
作中に、
「人は年を重ねた分だけ視野が広がるとは限らない」や、「言葉を用いればすべてが伝わるというものではない」と言う言葉が出てくるのですが、本当にその通りだと思います。
大人になったからといって、みんなが広い心や広い考え方を持てるわけではないんです。
ただ言葉を並べるだけではダメで、本当に大切な気持ちを伝えるにはもっと深いものが必要だと改めて感じさせられました。
私も視野を広げ、臨機応変に対応出来るような人間になりたいと強く感じました。
Posted by ブクログ
『本を守ろうとする猫の話』に続き、本好きなナナミを連れて異世界にわたり、今度は変わってしまった人を守ろうと奮闘する話。ナナミが将軍や宰相と対峙する中で、本が教えてくれたことや考えを高めていくのが良かった。