【感想・ネタバレ】俺ではない炎上のレビュー

あらすじ

外回り中の営業部長・山縣泰介が帰社すると、社内の様子が変だった。どうやら泰介が「女子大生殺害犯」であるとされて、すでに実名、写真付きでネットに素性が晒され、炎上しているらしい。まったくの濡れ衣だが、Twitterで犯行を自慢するアカウントは実に巧妙で、見れば見るほど泰介のものとしか思えず、誰一人として無実を信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも……。ほんの数時間にして日本中の人間が敵になり、誰も彼もに追いかけられる中、泰介は必死の逃亡を続ける。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

2025/9に阿部寛さん主演で映画化されることを知り読んだ。
数日間の逃走劇が描かれているものとばかり思っていたが、終盤にアッと驚く展開が待っており、ただただ作者に感服した。
毎回、文庫解説を楽しみしているが、今回の中条教授による解説は秀逸だった。
SNSの怖さにつきあらためて感じたが、うまい言葉は思いついていない。思いついたら書き足したい。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいる途中に違和感はあったが、スピード感のある展開が勝り、どんどんページを捲った。
その結果、あぁ!そういうこと!となり、見事に叙述トリックにやられました。
映像作品の方は観てないけど、阿部寛さん、ピッタリだろうなと。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

群像劇というスタイルで繰り広げられる逃亡劇には並々ならぬ緊迫感があり、感情移入しながら楽しめた。トリックや伏線も斬新なもので中々気づきにくい仕掛けに驚いた。インターネットをはじめとする誰しもが"自分は悪くない"という正義を振りかざし、法外な言動をするなどの人間の醜さもよく描いていて感心した。

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2025年11月21日

Posted by ブクログ

作ってもいないSNSアカウントが炎上し、殺人犯として追われるお話

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ある日突然、「女子大生殺害犯」とされた男。
既に実名・写真付きでネットに素性が曝され、大炎上しているらしい。
まったくの事実無根だが、誰一人として信じてくれない。
会社も、友人も、家族でさえも。
ほんの数時間にして日本中の人間が敵になってしまった。
必死の逃亡を続けながら、男は事件の真相を探る。
----------------

浅倉秋成の既読作品は2つ
「フラッガーの方程式」
「教室が、ひとりになるまで」
いずれもプロットが巧みな作品だし、今回はそれをさらに超えてきた

やーらーれーたー

終盤のところで
「まてまて、まてまてまて
 どーゆーこと?」
ってなる

この手の仕掛けにはきれいに引っかかる善良読者なので、むしろどんでん返しを食らってすっきりする

まぁ、アンフェアに思えるミスリードもある
「塾に通わせてる」とか「小さな子供の手によって」とかね
でもまぁ、「そんな言い回しをする人」と言えなくもない

あと、登場人物の皆が薄っすら嫌なところがある
場合によっては薄っすらではないけど

本人の自己評価と、周囲の認識の齟齬は誰にでもあるのだろうけど
それを第三者から突きつけられ、自覚させられてしまうのは辛いものがあるだろうなぁ


ちなみに、投稿内容の言葉の正しさについては最初から気付く
でも、それに気付いて擁護する人があなたなのね
まぁ、作中で登場する人物の中だったらそうだろうけど、実際にはもっと他の人が気付くような気もするけど


読み終わって、私が作中の無関係な第三者だった場合、どんな行動をするだろ?と考えた
ネットでは犯人はほぼ確定している状態で逃亡中
リツイートしたり、コメントをしたりするかな?
うーん、情報が確定するまでは静観するような気もするが、何とも言えないかな

何かコメントするにしても
少なくとも、自分だけが悪い事をしているという行動はしないと思う
あと、何らかの逃げ道を残すような表現をする

いや本当に、「俺は悪くねぇ」ってなるよなぁ……

関係ないけど「俺は悪くねぇ!」といえばテイルズシリーズを思い出す
自分はやったけど、他人の指示によるものという言い訳だけど
今作の「俺は悪くねぇ!」は、自らの意思で、しかも若干の善意や正義感からくるものがあるから厄介
その根底には、このビッグウェーブに乗って如何に自分の注目を集めるかという意識もある


私のSNSアカウントもフォロワーが2000程度なので
もしかしたら自分のリツイートで炎上のきっかけを作るかもしれないと、ちょっと恐怖を感じた
まぁ、私のフォロワーはほとんどが読書垢で、比較的冷静に判断する人が多いので、そんな心配はないとは思うのだけれども……


タイトルの意味
偽アカウントであって、自分ではないという意味
自分が炎上させたのではないという言い訳の言葉
二通りが考えられる

私は今までタグも流行ってから乗っかるようなタイミングで投稿してるし
他のコメントにしても、既に有名になったやつばかりなので、こんな心配はしなくてもいいのかもしれないけど
世の中、いつ何が起こるかわからないからなぁ……




twitterをAndroidのウォークマンでしか投稿していないという不自然さについて
「おじさんはそんなもん」というのもわからないでもない
私自身も、スマホで文章を打つのに慣れないので、家にいる時はLINEもPCの方で使って返事をしたりする
なので、通常は不合理と思えるような行動でも、おじさんはやってしまう事あると思う

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

〜1周目〜
2022.09.22
この本もやっぱり伏線回収がエグい。
すごい。
今の子ところ1番好きな本かもしれない。
娘が小さい子だと思い込んでいた。
娘のところだけ回想シーンだった。
小説だからこそできる話の作り方だと思った。
すごい。

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

面白かった。2回も3回も騙された。登場人物みんなが怪しくて、最後まで疑心暗鬼だった。まさか真犯人がお前だったとは…!
たった二日間の出来事なのに、逃げ続ける主人公にとっては一週間、一ヵ月にも感じるような絶望の中で必死にもがいている。その緊張感がリアルだった。
そして、その短い時間の中で、あの傲慢で自慢話ばかりしていた嫌な奴だった主人公が、心境の変化を経て周囲への態度を改めていく姿が印象的だった。

この本のテーマは「歪んだ正義」だと思う。
自分の言っていることが正しいと信じて発言したり、SNSで発信したり、行動したりする。でも、行き過ぎた正義はもはや正義ではなくなる。
前の会社にも、主人公のような上司がいた。最初は「かわいそうな人だな」と思っていたけれど、これまでの言動を振り返ると「そう思われても仕方ないかもしれない」と感じた。そして、気づけば自分も似たような態度をとっていたかもしれないと反省した。恨みを買いやすい人って、こういうことなのかもしれないと学ばされた。

作中で描かれるSNS上の炎上シーンもリアルで怖かった。
無責任な投稿や返信が、どんどん火に油を注いでいく。読んでいて、思わず「弁解したい!」という気持ちに駆られるほど臨場感があった。

最初から最後までスピード感があり、一気に読んでしまうほどの面白さ。とても満足できる作品だった。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

浅倉秋成の2冊目読み。
映画のCM観て面白そう!となり、手に取った。


ネット拡散の恐ろしさ
誰もが自分を正義と信じることの恐怖
親子の絆
夫婦の絆
正しいことを正しいと言うことの難しさ

・・・テーマは盛りだくさんで、考えさせられる部分も多々あるにはあるのだが、何よりエンタメとして面白い。先が気になり過ぎて、ほぼほぼ一気読みの勢いで読み切った作品は、久しぶり。

★5つ、9ポイント半
2025.10.05.新

劇場版も、絶対観たいな。


・・・・いわゆる 叙述トリック 的な仕掛けだったのだけれど、映像でどう表現するのだろう

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2025年10月05日

ネタバレ 購入済み

印象どんでん返し中毒

前作同様印象トリックはあっぱれでした。浅倉さんのトリックのオチは心温まるヒューマンストーリーで、後味もグッドです。今回は主人公的焦点が集中しやすく、のめり込みやすかった。すごく良かったです。

#アツい #ドキドキハラハラ #共感する

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2025年02月11日

匿名

購入済み

途中でハッとさせられました。
慌てて読み返したりもしました。
とても面白かったです。

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2024年07月25日

Posted by ブクログ

営業部長である主人公が、自分が行っていない犯罪で大炎上し必死の逃亡劇!
悪はいくらでも叩いて良いという大衆心理の暴走を描き、適度に山場を設けつつラストに向かったノンストップで突き進むエンタメ特化展開。面白かった!
劇場版は観てないけど阿部寛さんが主演しているので脳内再生余裕でした。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先に映画を見たので映画との差異を気にしながら読み進めたが、小説の方も面白かった。
逃走劇、推理劇、ヒューマンドラマ、さらにネタバレだが叙述トリックが忍ばせてあるので息もつかせない。小説も同じく、途中の違和感(主人公の娘にしては若すぎでは?)が芽生えてしまうのだが、登場人物の視点の入れ替わりや目紛しい展開で次第に気にならなくなる。六人の嘘つきな大学生と同じく、仕掛けを自然にまぶして最後に読者の予想を壮大に裏切る構成は、浅倉秋成の真骨頂だと思う。
小説のほうを先に読んでいれば、カタルシスも爽快だったと思うが、映画も素晴らしい出来だったのでそれは良いか。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冤罪なのに殺人の有力容疑者にされてしまった男性が
主人公の逃亡劇ミステリー。

おもしろかった。よくできている。
生きた心地のしない数日だっただろうなぁ。
無罪とわかっているのは自分だけ。
自分の周囲からの評価の低さが発覚して、誰にも頼れない、逃げる先もないと感じてしまうシーンの絶望よ。

みんながそれぞれの「自分は悪くない」を抱えていた。それがリアルに描かれていて、人間味を感じるとともに、恐ろしかった。
警察側の人間もそう思ってることに1番戦慄したけれど、普通に考えてみて警察官も人間だし、捜査は仕事だし、事件はその1つだけじゃないし、ありとあらゆる可能性を考え、精査して動くなんてこと、当然すべての事件でしていられないよなって。

読者目線では主人公が無罪なことをわかっているけれど、その他大勢の人間にはわからない。
ネット民の手のひら返しもすごかったけれど、笑っていられない。フィクションだけの出来事じゃない。
読み終わって、無事に解決して良かったー!と思えない。薄ら寒さ(使い方合ってる?)を感じる。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SNSで事件に巻き込まれる恐怖……自分に全く身に覚えがないのに赤の他人が自分になりすまそうと思えばなりすませるから、現実でも本当にありそうで怖かった……。
叙述トリックには見事に騙された!娘のユーザーネームが山懸だからさくら(んぼ)なのが単純な理由だけどこの物語をややこしくさせる良いアクセントになってたと思う。
犯人が泰介に罪をなすりつけたい理由も援交していた女性2人も殺したのも理由がイマイチ謎だったのだけ残念。もっと深掘りしてほしかった。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

見事に騙された。作品中に多く登場する第三者のツイートがリアルで、真相を知るからこそ、怖さを感じた。主人公が己を省みて変わることができたところは良かった。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

読みやすかった。
『自分は悪くない』『自分は正しい』何かに言い訳しているかのようなネットの意見は確かによく見る。
阿部寛主演で映画化されているらしい。言葉遣いに厳しいエリート、容姿にも恵まれ、正義感が強く傲慢。ぴったりな役どころだと思った。

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

コンテナハウスの人のセリフで泣いた。すごくいい伏線だった。



これ、映像化どうしてるの???となったので、映画も観たいーーー!!!!



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2025年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

完全に騙された!色々な登場人物を疑ったけれど、このトリックには気づけず
日々何かしらの炎上を目にするけれど、何が真実かなんてわからない 多分当人たちそれぞれの真実もあるのだろう
本当に起こってもおかしくない別人の炎上、こわいな

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2025年10月02日

SJ

「SNSの怖さと可能性」

映画を視聴してから原作を読みました。
映画を一度見ただけでは完全に理解しきれていない部分があったので、
改めて原作を読んでみてよかったです。
若干違う箇所もありましたが、大筋は大体一緒でした。
エンディングの部分では原作と映画で描かれ方が違うシーンがありましたが、
どちらも良かったです。
ただ映画を視聴せずに原作を読んだらどのような驚きがあったのか味わえなかったのが残念でした。
記憶を一旦削除してからまた読みたいです。
改めてSNSの怖さと、それとは逆に良い使い方をすれば無限の可能性があることを改めて思いしらされました。

#深い #タメになる #怖い

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

突然の巻き込まれで犯罪者としてネットで騒がれたおじさんの話。
現代の世代間の蟠りについて意識させる作品
自身のネットリテラシーについて再度意識せざる終えなくなった

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

映画の予告で気になったので。癖もなく読みやすい文体。なるほど、確かに映画を1本見終わったような満足感。ネットに追い詰められていく主人公は妙にリアリティがありフィクションとは思えない。そして終盤、くそー騙された。という気持ちが大きい。なんにせよ早とちりと決めつけはよくないということです。

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

やられた!すっかり騙された!
読み終わってみると細かい部分に説明不足感があったり登場人物の動機に強引さがあったりと言いがかりをつけてみるが、完全に一杯食わされた。小説ならではの一流のエンターテイメント作品。
しかし漫画化も映画化もされているということで、どうやって映像化しているのか楽しみ。まずは事前情報なしに原作を読んでいただきたい。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

最初は、何故こんな目に?と可哀想で胸糞悪くて嫌な気持ちに。読み進めるとまぁ人望のなさ傲慢さ無責任さに憐れみと恥ずかしさを感じた。しかし、構成も上手いし題材も秀逸でミステリとしては楽しめた。

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2025年10月19日

購入済み

ネット炎上の怖さ

こないだ見に行った映画「6人の嘘つきな大学生」(通称6ウソ)が面白かったので,作者の本を読んでみたら大当たり。
6ウソの作風からしてトリッキーなんだろうなとは思ってましたが、予想を超える展開。ただトリッキーだけでなく現代のネット社会の闇を考えさせられるようなストーリーでもあり、引き込まれる。

#ドキドキハラハラ #ダーク

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルだけ見て社会派小説かと思ったら
上質な社会派〝ミステリー〟でした。
SNSが発達して誰もが自分自身の「正義」を発信することができる現在にはあり得ることだなと思える。社会派的な側面はとても怖い内容でとにかく逃げる事しか出来ないのはなるほどなと。そして自分の正義を押しつけることで周りの正義とぶつかる事は当然あるし、それがパワハラとして表に出ないまま鬱憤として積もっていくのもよくある事。身につまされる。
自分とその周りだけならともかく、それがいわゆる「炎上」状態になると数の暴力で個人としては抗うことが出来ないのも怖いところ。作中の様に逃げる事しか出来ないよな〜って思う。
そんな側面もありながらミステリーとしてもとても良く、楽しく読めました。
ただ、犯人の動機は本書の筋である部分からなるほどと思ったり、やっぱりちょっと弱いかもとおもったり。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。阿部寛ピッタリじゃん。

SNSにおける成りすましというテーマは極めて現代的なのに、ミステリー的な趣向は古き良き新本格であった(別にあの作家が先鞭をつけたわけでもなさそうだが) 。伏線はこの手のものにしては少ないし、映画化しているという前情報も目眩しになって見破れる人はかなり少数なのではないか。
わざわざ阿部寛に成りすましてまで貶めるほどの動機があったとは思えない上に、連続殺人の動機も深くまでは書かれていない。幼い頃からそういう奴だったと納得するしかない。
誰もが陥る他責思考「俺ではない」は魔法の考え方だが、ときには他者への鋭利な刃物になるということを再認識すべきなのでしょう。おお、そう考えるとタイトルはダブルミーニングなのか!
映画も見てみようかな。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

あらすじを読んで気になっていたものを読んだ。すごく現代のネットというものが現れていたと思う。たびたび入る「リアルタイム検索」で、細かいことを知らない第三者たちが真偽のわからない情報や少ない情報から自分勝手な投稿をしていて、でもそれは、わざと嘘を流していない人は純粋に自分が思ったことを書いているだけで、それが本当に気持ち悪いと思った。それと同時に、自分の信念を曲げない人というのは、立派な人かもしれないけれど人のことを見れていない、わかっていないこともある、ということがすごく伝わってきた。
読み終わってみて、小説トリックに感動した。読んでいる間は気が付かないのに、読み返してみるとそうなっているのが、すごい。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SNSを題材にした作品ということもあり現代社会に向けたメッセージを強く感じたが、緻密なトリックでエンターテイメントとしてもすごく楽しめた。
SNS上の顔も知らない他者はもちろん、家族であっても見えないこと、見ようとしないことがあって、だからこそちゃんと向き合うことが必要なのだと思った。
『六人の嘘つきな大学生』もそうだったが、浅倉さんの作品は、ある人に向けられる他者の視線や自己認識のズレや歪み、揺らぎのようなものを意識的に描いているように感じ、読者も自身の見ているものがいかに不確実なものかということに気づかされる。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を先に観てしまったのでネタバレ状態で読んだ。多少面白さが半減したかもしれないが、映画は映画で上手く変換されていたなーという印象だった。
映画だとここまで登場人物たちが考えていることは分からないのでその点はちょっと新鮮だった。
映画では青江くんとえばたんは同一人物だったけど、本だと別々の設定ってことで良いのかな?そこだけ分からなかった。
でも「自分は悪くない」って主張したくなるのは分かるし、それをずばっと言ってるサクラの言葉には結構ぐさっときた。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

大手不動産会社に勤める山縣泰介。
ある日、いきなり泰介のSNSと思われるツイートから、殺人事件ではないかと騒ぎが始まる。
泰介はネットにも疎く、SNSなんてやっていない。
そのため、自分が犯人のわけがないと余裕でいたが、ネットの世界はあっという間に騒ぎが拡がり、会社にもいられなくなる。
挙げ句には、警察が逮捕しないなら、泰介を自らの手で処罰すると言い出す者が出で来る始末。
なぜ、泰介もそこで逃げてしまうのか…
ネット世界の怖さと作者の巧みな仕掛けで、後半思わず手が止まる…?
前半、泰介にイライラして、なかなか読み進められなかったけど、読み終わればなんというか、読み応えはあったのかな。

2025.10.23

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SNS上では、匿名になる分、強気になる人がたくさんいる。「自分は関係ない」、「自分は悪くない」という立場になり言葉を投げてくる。読んでいる時は、こういうこと書く人、たくさんいるよなーと、特に違和感も感じずに当たり前の光景として捉えて読んでいた。それが振り返ってみると、なかなか自分も現代のSNSの社会に染まっている気がして怖かった。

最後にざっと伏線回収されたが、イマイチ物足りなさを感じた。書き方の時系列的な叙述トリックのある作品はいくつも読んできたが、「うわ、やられた」というよりは、そんなのありかよ〜ってどこか腑に落ちない感じ。でも、読みやすく、自分が勝手に騙されていたところがあるのも事実。

ネットの闇や、噂によりでき上がる人間像と伝播力の恐怖があった一方で、ちゃんと日頃の行いを見て、判断してくれる人もいるというところは、救われた気持ちがした。ちゃんと自分が目で見た根拠をもとに、判断できる人になりたいし、どんなことも見られていると思って行動できる人でありたいと思った。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

いきなりTwitterで殺人犯に仕立て上げられる理不尽さと、拡散の怖さが印象的。逃亡劇も面白く、この事件により自分自身が周りからどう思われていたのかなど自分を振り返る所も良かった。誰が黒幕か考えながら楽しかった…のは後半まで。叙述トリックよりも真犯人の正体に興醒めしてしまった。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

六人の嘘つきな大学生が非常に面白かったので期待して読んだ。そんな期待が高すぎたのか、そこまで楽しめなかった。理由として、現実的でなく無理やりな部分が多いこと、叙述トリックを作るために物語のテンポが失われていること、犯人の動機がいまいち伝わってこないことなど。

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

先日、主演・阿部寛で映画化された本作。
映画好きの皆さんは、もうご覧になったでしょうか、それともこれからご予定でしょうか。
私は先に小説を手に取りましたが、主人公を阿部寛さんが演じると知ってしまった瞬間から、もう「阿部寛が喋っている」ようにしか読めなくなっていました。

思えば、「貞子」ちゃんがテレビから出てきたり、「着信あり」は携帯電話の普及とともに、「スマホを落としただけなのに」ではスマホ社会の脆弱さが恐怖になったりと、社会の変化はそのまま恐怖の種類を変化させてきました。
そしていまの時代、炎上やフェイクニュースの蔓延は、SNSに疎い私でさえ危うさを感じるもの。本作はまさに、そんな必然から生まれた物語だと思います。

アイデンティティが揺らぐ恐怖の中で深まるサスペンス。
そして理不尽な逃走劇のただなかで、ふと自分自身を省み始める主人公のいじらしさ。
特に、奥様による語りの部分は――世の男性陣、暗唱しても損はないのではないでしょうか。

映画もまた、きっと見応えのあるものになるはずです。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

ある日、突然SNSで炎上し、殺人犯人に仕立てられてしまう主人公。
警察からも、正義感に酔いしれる一般人からも必死に逃げる。
緊迫感のある展開に、続きが気になりどんどん読み進めた。
集中して読まないと、よく分からなくなってしまう。
本当なら、すぐに読み直して答え合わせをしたい気持ちもあるけど、まあしばらくしてから再読しようと思う。
現実的な話ではないけど、怖さを楽しめました。

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2025年09月22日

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