あらすじ
外回り中の営業部長・山縣泰介が帰社すると、社内の様子が変だった。どうやら泰介が「女子大生殺害犯」であるとされて、すでに実名、写真付きでネットに素性が晒され、炎上しているらしい。まったくの濡れ衣だが、Twitterで犯行を自慢するアカウントは実に巧妙で、見れば見るほど泰介のものとしか思えず、誰一人として無実を信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも……。ほんの数時間にして日本中の人間が敵になり、誰も彼もに追いかけられる中、泰介は必死の逃亡を続ける。
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Posted by ブクログ
読んでいる途中に違和感はあったが、スピード感のある展開が勝り、どんどんページを捲った。
その結果、あぁ!そういうこと!となり、見事に叙述トリックにやられました。
映像作品の方は観てないけど、阿部寛さん、ピッタリだろうなと。
Posted by ブクログ
〜1周目〜
2022.09.22
この本もやっぱり伏線回収がエグい。
すごい。
今の子ところ1番好きな本かもしれない。
娘が小さい子だと思い込んでいた。
娘のところだけ回想シーンだった。
小説だからこそできる話の作り方だと思った。
すごい。
Posted by ブクログ
浅倉秋成の2冊目読み。
映画のCM観て面白そう!となり、手に取った。
ネット拡散の恐ろしさ
誰もが自分を正義と信じることの恐怖
親子の絆
夫婦の絆
正しいことを正しいと言うことの難しさ
・・・テーマは盛りだくさんで、考えさせられる部分も多々あるにはあるのだが、何よりエンタメとして面白い。先が気になり過ぎて、ほぼほぼ一気読みの勢いで読み切った作品は、久しぶり。
★5つ、9ポイント半
2025.10.05.新
劇場版も、絶対観たいな。
・・・・いわゆる 叙述トリック 的な仕掛けだったのだけれど、映像でどう表現するのだろう
印象どんでん返し中毒
前作同様印象トリックはあっぱれでした。浅倉さんのトリックのオチは心温まるヒューマンストーリーで、後味もグッドです。今回は主人公的焦点が集中しやすく、のめり込みやすかった。すごく良かったです。
Posted by ブクログ
先に映画を見たので映画との差異を気にしながら読み進めたが、小説の方も面白かった。
逃走劇、推理劇、ヒューマンドラマ、さらにネタバレだが叙述トリックが忍ばせてあるので息もつかせない。小説も同じく、途中の違和感(主人公の娘にしては若すぎでは?)が芽生えてしまうのだが、登場人物の視点の入れ替わりや目紛しい展開で次第に気にならなくなる。六人の嘘つきな大学生と同じく、仕掛けを自然にまぶして最後に読者の予想を壮大に裏切る構成は、浅倉秋成の真骨頂だと思う。
小説のほうを先に読んでいれば、カタルシスも爽快だったと思うが、映画も素晴らしい出来だったのでそれは良いか。
Posted by ブクログ
冤罪なのに殺人の有力容疑者にされてしまった男性が
主人公の逃亡劇ミステリー。
おもしろかった。よくできている。
生きた心地のしない数日だっただろうなぁ。
無罪とわかっているのは自分だけ。
自分の周囲からの評価の低さが発覚して、誰にも頼れない、逃げる先もないと感じてしまうシーンの絶望よ。
みんながそれぞれの「自分は悪くない」を抱えていた。それがリアルに描かれていて、人間味を感じるとともに、恐ろしかった。
警察側の人間もそう思ってることに1番戦慄したけれど、普通に考えてみて警察官も人間だし、捜査は仕事だし、事件はその1つだけじゃないし、ありとあらゆる可能性を考え、精査して動くなんてこと、当然すべての事件でしていられないよなって。
読者目線では主人公が無罪なことをわかっているけれど、その他大勢の人間にはわからない。
ネット民の手のひら返しもすごかったけれど、笑っていられない。フィクションだけの出来事じゃない。
読み終わって、無事に解決して良かったー!と思えない。薄ら寒さ(使い方合ってる?)を感じる。
Posted by ブクログ
SNSで事件に巻き込まれる恐怖……自分に全く身に覚えがないのに赤の他人が自分になりすまそうと思えばなりすませるから、現実でも本当にありそうで怖かった……。
叙述トリックには見事に騙された!娘のユーザーネームが山懸だからさくら(んぼ)なのが単純な理由だけどこの物語をややこしくさせる良いアクセントになってたと思う。
犯人が泰介に罪をなすりつけたい理由も援交していた女性2人も殺したのも理由がイマイチ謎だったのだけ残念。もっと深掘りしてほしかった。
Posted by ブクログ
見事に騙された。作品中に多く登場する第三者のツイートがリアルで、真相を知るからこそ、怖さを感じた。主人公が己を省みて変わることができたところは良かった。
Posted by ブクログ
完全に騙された!色々な登場人物を疑ったけれど、このトリックには気づけず
日々何かしらの炎上を目にするけれど、何が真実かなんてわからない 多分当人たちそれぞれの真実もあるのだろう
本当に起こってもおかしくない別人の炎上、こわいな
Posted by ブクログ
突然の巻き込まれで犯罪者としてネットで騒がれたおじさんの話。
現代の世代間の蟠りについて意識させる作品
自身のネットリテラシーについて再度意識せざる終えなくなった
Posted by ブクログ
タイトルだけ見て社会派小説かと思ったら
上質な社会派〝ミステリー〟でした。
SNSが発達して誰もが自分自身の「正義」を発信することができる現在にはあり得ることだなと思える。社会派的な側面はとても怖い内容でとにかく逃げる事しか出来ないのはなるほどなと。そして自分の正義を押しつけることで周りの正義とぶつかる事は当然あるし、それがパワハラとして表に出ないまま鬱憤として積もっていくのもよくある事。身につまされる。
自分とその周りだけならともかく、それがいわゆる「炎上」状態になると数の暴力で個人としては抗うことが出来ないのも怖いところ。作中の様に逃げる事しか出来ないよな〜って思う。
そんな側面もありながらミステリーとしてもとても良く、楽しく読めました。
ただ、犯人の動機は本書の筋である部分からなるほどと思ったり、やっぱりちょっと弱いかもとおもったり。
Posted by ブクログ
面白かった。阿部寛ピッタリじゃん。
SNSにおける成りすましというテーマは極めて現代的なのに、ミステリー的な趣向は古き良き新本格であった(別にあの作家が先鞭をつけたわけでもなさそうだが) 。伏線はこの手のものにしては少ないし、映画化しているという前情報も目眩しになって見破れる人はかなり少数なのではないか。
わざわざ阿部寛に成りすましてまで貶めるほどの動機があったとは思えない上に、連続殺人の動機も深くまでは書かれていない。幼い頃からそういう奴だったと納得するしかない。
誰もが陥る他責思考「俺ではない」は魔法の考え方だが、ときには他者への鋭利な刃物になるということを再認識すべきなのでしょう。おお、そう考えるとタイトルはダブルミーニングなのか!
映画も見てみようかな。
Posted by ブクログ
SNSを題材にした作品ということもあり現代社会に向けたメッセージを強く感じたが、緻密なトリックでエンターテイメントとしてもすごく楽しめた。
SNS上の顔も知らない他者はもちろん、家族であっても見えないこと、見ようとしないことがあって、だからこそちゃんと向き合うことが必要なのだと思った。
『六人の嘘つきな大学生』もそうだったが、浅倉さんの作品は、ある人に向けられる他者の視線や自己認識のズレや歪み、揺らぎのようなものを意識的に描いているように感じ、読者も自身の見ているものがいかに不確実なものかということに気づかされる。
Posted by ブクログ
映画を先に観てしまったのでネタバレ状態で読んだ。多少面白さが半減したかもしれないが、映画は映画で上手く変換されていたなーという印象だった。
映画だとここまで登場人物たちが考えていることは分からないのでその点はちょっと新鮮だった。
映画では青江くんとえばたんは同一人物だったけど、本だと別々の設定ってことで良いのかな?そこだけ分からなかった。
でも「自分は悪くない」って主張したくなるのは分かるし、それをずばっと言ってるサクラの言葉には結構ぐさっときた。
Posted by ブクログ
SNS上では、匿名になる分、強気になる人がたくさんいる。「自分は関係ない」、「自分は悪くない」という立場になり言葉を投げてくる。読んでいる時は、こういうこと書く人、たくさんいるよなーと、特に違和感も感じずに当たり前の光景として捉えて読んでいた。それが振り返ってみると、なかなか自分も現代のSNSの社会に染まっている気がして怖かった。
最後にざっと伏線回収されたが、イマイチ物足りなさを感じた。書き方の時系列的な叙述トリックのある作品はいくつも読んできたが、「うわ、やられた」というよりは、そんなのありかよ〜ってどこか腑に落ちない感じ。でも、読みやすく、自分が勝手に騙されていたところがあるのも事実。
ネットの闇や、噂によりでき上がる人間像と伝播力の恐怖があった一方で、ちゃんと日頃の行いを見て、判断してくれる人もいるというところは、救われた気持ちがした。ちゃんと自分が目で見た根拠をもとに、判断できる人になりたいし、どんなことも見られていると思って行動できる人でありたいと思った。