【感想・ネタバレ】舟を編むのレビュー

2012年の本屋大賞を受賞し、松田龍平さんと宮﨑あおいさん主演の実写映画でも話題となった本作。
いつもなにげなーく使っている辞書の裏側に、こんなドラマが潜んでいたとは…!
「辞書」の持つ、愛想のなさやお堅いイメージのせいか、エライ先生たちが事務的にクールに作っていると思っていたのは、どうやら間違いだったようです。
熱い、熱いよ…!
辞書作りに携わる人たちの、なんといきいきとしていることか!
興味のない人間にしてみれば、「あがる」と「のぼる」の違いなんてどうでもいいことだけど、主人公の馬締くんにとっては大問題。融通がきかなくて、クソ真面目で不器用……でも、そこが逆に愛おしい。こういう男はいい女を捕まえるものである…と思ったら、ほらやっぱり。
そう、これは仕事小説としても、ラブストーリーとしても楽しめる、おいしい一冊なのです。
ちなみに、2016年秋にはノイタミナ枠でアニメ化も予定されているそう(キャラデザはなんと雲田はるこ先生!)。(書店員・水玉)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年03月25日

大学の授業で課題図書だったので一度読んだが、現在ドラマをやっているのでいい機会だと思い読み返してみた。
馬締さん、西岡さん、岸辺さん、それぞれの視点から語られる辞書作りは思っていることや感じていること仕事に対する想いも三者三様で面白かった。
私はまだ学生で、アルバイトでお金を稼いでいるといっても『船...続きを読むを編む』の人物達のように情熱を持って働いたことはないように思う。仕事をお金を稼ぐ手段だけではなく自分の一生を捧げるように情熱を注げられたら…、そんなことを考える一冊だった。

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Posted by ブクログ 2024年03月24日

毎回言葉の美しさに気付かされる本。そして人の情熱、ひたすら向き合うこと、成し遂げること、なんてかっこいいんだろう。
読後の感想書きたいことがいっぱいあるんだけど、言語化できない。辞書編纂、言葉を扱う難しさを読後にも実感する。

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Posted by ブクログ 2024年03月23日

NHKでもドラマ放送をしており、
やっと読めた!
辞書を作るまでの物語で、
それぞれの登場人物のキャラクターも
好きだし、達成感や感動が込められて
いた。
辞書を作るのってめちゃくちゃ大変なんだなぁ!

最近は電子辞書が主流かもしれないが、
やはりあの紙の分厚さや手触りなど
作り手のこだわりを実感で...続きを読むきるのは
紙の辞書ならではなんだと思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月23日

情熱を持って一つのことに打ち込む人のことだけでなく、その周りの人たちの心情も丁寧に描かれていてとても良かった。
特に西岡さんに感情移入して、励まされました。
一つのことに打ち込める人を羨ましく妬ましく思う気持ちが分かりすぎる!辞書のあとがきに名前が載っていることに、私も感動して涙してしまった。強い志...続きを読むがある人を助けるために、自分が精一杯できることをやっていくって、それもとても素晴らしいことだよなと思えました。

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Posted by ブクログ 2024年03月20日

お勧めです。放映中のドラマもお勧めです。辞書づくりについて知ることが多く、おもしろかった。広辞苑を脇に読みました。これからはこまめに辞書を引きたい、言葉を大事にしたいと思わせる小説です。

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Posted by ブクログ 2024年03月15日

言葉って美しい
言葉って深い
きれいな言葉を使いたい

そんなふうに思わせてくれる素敵な小説
最初にこの本を読んだあとには広辞苑を買いました

改めて辞書の薄い紙をめくって触れてみたり。
どんな辞典も隅から隅まで気を配られているのだな〜と感謝の気持ちでいっぱいになります。

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Posted by ブクログ 2024年03月11日

国語辞典の編纂をする人たちの物語だが、全然固くなく、むしろユーモアにあふれている。キャラクターの魅力がすごい。本屋大賞。

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Posted by ブクログ 2024年03月05日

映画やドラマ化されても、原作を読んでから、と思って気になりつつ読んでこなかったのをようやく読んだ。
じっくり読めて、暖かくて淡々とした文章に、胸が熱くなった。
映画やドラマも見てみようかなあ

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

3度目
2度目の感想ーー装丁が単行本とはがらっとかわっていて、(帯に単行本のテイスト残す)きれいだなーとおもってよくよくながめていたらなんと雲田はるこではないか!数日前昭和元禄落語心中を読んだばかり。
最初に読んだ時も感動したが、2度目もやはりここ、西行の語釈を二人で議論するところ好きだなぁ。ちょっ...続きを読むと泣きそうになる。
今回の感想ーーしをんさんの小説は好きと合わないに二分されるが、これは好きの最上位に位置する作品、久々だったので後半部分岸辺みどり登場から辞書完成までのあたりをほとんど忘れていた。今放映中のドラマはこちらを軸に作っているのですね。
今回もやはり西岡と馬締の西行の語釈をめぐる会話のくだりと彼の言葉で西岡が救われたと感じるところぐっときた。再読の楽しみのひとつに自分の気持ちのクライマックスがどこにあるかがわかっていて、もうすぐだ、くるぞくるぞ、きたーというのが楽しみというのが確実にあると思う。

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Posted by ブクログ 2024年02月23日

不完全同士が羨み、励まし、助け合い、愛し合う。その営みの素晴らしさ、美しさを気づかせてくれ読んでいる側に優しい気持ちを思い出させてくれる作品でした。
また、将来について悩んでいた私にとって個人的に、何をするか、ではなくどれだけ真摯に打ち込むかが大切であることを教えてくれました。
久しぶりに読書をした...続きを読むけれど、やはり本を読むことは素晴らしい!

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Posted by ブクログ 2024年02月19日

本屋大賞に選ばれているにも関わらず
辞書が題材なんてじめっとしてそう。と思い
ずっと読んでなかった1冊
あーなんで早く読まなかったんだろう。
こんなにも熱く1つのことに前向きで
胸が熱くなる作品だったなんて!
これはまた何年か経ったら読み直したいな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月10日

ドラマ化前に再再読。
数年おきに再読しているが、今回が一番しみたかもしれない。とてもよかった。昔より、言葉の面白さを感じたり、自分の考えをきちんと言葉で伝えたいと思っているからだろうか。それとも歳を重ねて、『大渡海』にかけた年月の長さと重さを実感しているからか。自分にとって仕事とは何かと考えているか...続きを読むらだろうか。
馬締やみどりの、恋や愛の語釈で対象を「異性」と限定するのはおかしいのでは?という疑問は、今では多くの辞書で改訂されているのではないか。感慨深い。

一番共感できたのは西岡だった。
辞書や職場にそこそこ愛着もあったのに、あとから入って来た馬締に敵わないと思ってしまった西岡は、異動先で、自分にできる方法で辞書作りを支援しようとする。その気持ち、わ、わかる……!あとがきに自分の名前を発見した時の西岡を想像したら、泣ける。
「その言葉を辞書で引いたひとが、心強く感じるかどうかを想像してみろ」。西岡、いいこと言う……!

『CLASSY.』連載だったというのが毎回意外でびっくりする。
みどりの妄想した馬締の河童への取材「とっくりを持つことはありますか?」がツボ。

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Posted by ブクログ 2024年02月06日

辞書編集部に務める、主人公‘馬締’が「大渡海」の一冊を編むまでの物語りです。
馬締はもちろん、登場人物1人1人に個性や辞書に対する思いがあり考えさせられます。
初心者でも読みやすく、辞書に対する理解が深まるそんな一冊となってます。

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Posted by ブクログ 2024年01月31日

人の中身や本質を見てて優しさを感じた。
そんな人たちの話で、物語が良い起伏で続いてて、最後にはいいお話があってほのぼのできた。

誰かの情熱に情熱で応える!
その言葉をそのとおりにしっかり感じた。

人物像をよく見てた気がする。
仲良くなれそうな登場人物が多かった。

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Posted by ブクログ 2024年03月04日

ほんっっとうに良かった!!!

辞書作りに没頭する姿、大切な人を思って行動する姿、真面目で、でも愛おしい登場人物たちが読めば読むほど大好きになっていった。

所々出てくる言葉の使い方や微妙な違い、別の意味、それらを知ることでいつも以上に本をきちんと丁寧に読めた気がする。

『言葉は、言葉を生み出す心...続きを読むは、権威や権力とは全く無縁な、自由なものなのです。』
「言葉があるからこそ、1番大切なものが俺たちの心のなかに残った。」
「記憶をわけあい伝えていくためには、絶対に言葉が必要だ。」

文庫特典の恋文一生懸命考えて書いたと思うと良すぎる、西岡さんと岸辺さんのコメントもだいすき(笑)

p.s
これを読んでから本の紙質がやけに気になるようになってしまった。新潮文庫の薄さとサラサラ感が個人的に好き!

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購入済み

良かった

2018年06月02日

映画上映された時話題になっていたが、スルーしていた、あるきっかけでアニメ版を観てなんとなく原作本を購入して読んで凄く世界感が素敵で読んでいて楽しかったです。

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Posted by ブクログ 2024年03月24日

ストーリー展開の仕方や視点の切り替わり方のためなのか、まるで漫画を読んでいるような感覚が楽しい。私は新社会人であるため、登場人物のアツい働きぶりを見て、「こんな風に熱を持って働けたら楽しいだろうな」と思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月21日

辞書を作る出版社の1部署の奮闘を描く。辞書に人生を捧げる人物に焦点を当て、徐々に完成に近づく様を航海に出る舟として書いているのだろう。
好きなものに情熱を捧げられる人間の熱量や、それを捧げられない人間の苦悩には軽いタッチながらも感情移入せざるを得ない。

夏目漱石のこころに対するツッコミは著者が大学...続きを読むの講義で聴いたもんなんだろなあ

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Posted by ブクログ 2024年02月28日

とても丁寧に丁寧に紡いでいるお話だと感じました。出てくる人達の生き方も丁寧で羨ましくなりました。

そして何より言葉の持つ力や、言葉の大切さを教えてくれました。日頃の自分の言葉遣いが情けない…。
きれいな言葉遣い心掛けたいです。

まぁでも、ある意味一番人間臭い西岡さんが一番親近感あって好きです…笑

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Posted by ブクログ 2024年02月16日

来週からNHK:BSでドラマスタート。
『原作が先、映像が後』党なので急いで手にとった。

辞書制作の物語…いや、辞書を作ることを「編む」と表すらしい。言葉を紡ぎ合わせてまとめる作業は「編む」が相応しいのだろう。

月日とともに変化していく言葉は生き物。言葉の大海原を渡る舟を編んでいく。
辞書【大渡...続きを読む海】発刊に情熱を傾け、没頭する人々の話は新鮮で胸が熱くなった。
よし、私も頑張るぞう!と、大いに前向きにしてくれた!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月11日

荒木公平
辞書に捧げられた人生。大手総合出版の玄武書房に入社。辞書っくりひとすじ三十七年。女房の具合が芳しくなく、定年後は女房そばについていてやりたいと。後継の社員を探し、馬締を見つける。定年退職後も辞書編集部のお目付役として、会議に毎週顔を出す。

松本朋佑
荒木とたくさんの辞書を作った。『大渡海...続きを読む』監修である老国語学者。荒木と共にさまざまな辞書の編纂に携わった。『大渡海』出版を見ることなく死去する。

西岡正志
玄武書房辞書編集部員。二十七歳歳。入社五年目。『大渡海』出版にこぎつけるため、派手に動き、宣伝広告部に異動となる。大学時代からの腐れ縁である麗美と結婚し、四人の子供をもうける。

馬締光也
玄武書房第一営業部。大学では言語学専攻。大学院卒の入社三年目。二十七歳。営業部での評価は低く、辞書編集部に引き抜かれる。春日の下宿「早雲荘」に大学時代から住んでいる。蔵書は自室のみならず、早雲荘の一階にある部屋を軒並み占拠している。

佐々木薫
玄武書房辞書編集部の契約社員。四十代前半。主に用例採集カードの整理と分類を行なっている。愛想に欠けるが、実務能力は高く、辞書編集部にはなくてはならない女性。

タケおばあさん
馬締が住む下宿の大家。

トラさん
タケばあさんが飼っている猫。

林香具矢
タケばあさんの孫娘。二十七歳。タケばあさんが高齢のため心配で早雲荘に引っ越してきた。京都で板前の修業をしていた。湯島の『梅の実』という店で、板前の見習いをしている。十三年後、『月の裏』で板前をしている。

四日市洋子
西岡の同期。営業部。馬締のことを配属された新人がキモいと西岡に伝えていた。

三好麗美
西岡とは大学のテニスサークルの先輩後輩だった。西岡の追いだしコンパの夜に酔った勢いでセックスした。

岸辺みどり
入社三年目で女性向けのファッション誌から辞書編集部に配属される。気温差アレルギーと埃アレルギーを持っている。

宮本慎一郎
あけぼの製紙営業部第二部。『大渡海』にふさわしい辞書用紙の開発を依頼される。

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Posted by ブクログ 2024年02月09日

辞書の編纂というニッチな世界に関わることになった青年と取り巻く人たちの話し。新しい辞書のタイトル「大航海」は、主人公の送る日々に照らすと本作の副題にあたると思えてくる。
一つの単語の意味を簡潔に1センテンスで表現する難しさ。とりわけ日本語は特有の曖昧さから難易度は非常に高いのではないだろうか。
本書...続きを読むを読み終えた後、長らく手にすることもなかった国語辞典を開き、ページをめくりながら眺めて見ると、今まで気付かずにいたことに大いに感心させられた。
主人公が想いの人に宛てたラブレターは、作品の中でいい味出している。

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Posted by ブクログ 2024年02月02日

15年も諦めずに努力し続けてまで成し遂げたいものを見つけられてもわたしに15年間努力し続けることは出来るんだろうか
自分の利益に直結するわけではないのに根本的な意義を見いだして、周りの人のために頑張ることができたらどれだけいいだろうな
言葉の勉強もしていきたいと思った

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Posted by ブクログ 2024年01月31日

とても面白かった。ほとんど止まらず読み切った。

辞書を作る人がいるだなんて考えたこともない。想像を絶する壮大な話だった。たくさんの人の想いをのせて15年もの月日をかけて「大渡海」は作られていく。すごいな本当に。
こういう大きな物に触れると唖然というか、圧巻!な気持ちになる。全く知らない世界である辞...続きを読む書を愛する人々に触れられて嬉しい。

この感想を馬締くんにみられたら言葉の使い方を間違ってるよと指摘されてしまう気がする。。

西岡、いいキャラしてるなと思った。普通にいい奴で一番気持ちがわかる感じ。

辞書を作る人達の話。
馬締、荒木、佐々木先生、西岡、岸辺、香具矢さん。

三浦しをんさんの本は普通とはちょっと一味違ったような本が多いのかな?今のところ思いつきもしないような知らない世界の話ばかりだ。三浦さんのいろんな本を読んでみたいと思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

2012年本屋大賞第一位。

辞書・仕事・恋愛・エンターテインメントと大きなテーマがバランスよく書かれた小説です。国語辞書を編纂するということや、会社で働くとはどんなことをするのかということが、これから仕事をする人には参考になります。具体的な辞書編纂の仕事事情も興味深く、辞書が好きな人は楽しめます。...続きを読む恋愛模様も随所に散りばめられていて総じて楽しめます。そして全体的にはエンターテイメント性もあるのですが、静的な感じで物語が進んでいきアップダウンは大きくなく落ち着いているので、安心して読めます。

あらすじ(引用を含めて)
出版社「玄武書房」の辞書編集部は中型国語辞典「大渡海」の編纂を企画する。

五章からなり、それぞれの章は同じ部署で働く各人の視点から書かれている。

辞書編纂に携わる人物は、元学者で辞書に人生を賭ける老年の松本先生、ベテランの荒木、辞書編纂の才能を見抜かれて抜擢される主人公で少し変わり者の馬締(まじめ)、同僚の西岡、西岡の転属の後釜に配属された女性の岸辺。事務の中年女性の佐々木。
それから馬締の住むアパートの管理人タケさんの孫で日本料理屋で働く香具矢。馬締と香具矢との恋の行方。
13年の歳月を費やして「大渡海」の完成は成るのか。

一、
荒木が辞書の存在を意識したのは『岩波国語辞典』を叔父から貰ったのが最初で、この書物に夢中になる。

荒木の両親は「他人さまに迷惑をかけず、元気でやっているならそれでいい」という教育方針。
大学に進学するも学者の素質はないと分かったが、辞書作りはしたいと思う。

松本先生は「言海」が最初に携わった仕事。

すまじきものは宮仕(宮中・貴人につかえることは気苦労が多いから、できることなら、やりたくないものだ。現代では、官庁・会社勤めなどについていう。)

新しい辞書を完成させるよりも辞書を愛する人間を見つけること。

「広辞苑」と「大辞林」

営業部の馬締という院卒の27歳を「大渡海」という辞書作りに加えたいと荒木は考える。

荒木の定年まで、あと2か月

なぜ「大渡海」か
荒木「辞書は言葉の海を渡る舟だ」
「もっともふさわしい言葉で、正確に、思いを誰かに届けるために。」
「海を渡るにふさわしい舟を編む」

ニ、
馬締はこれまでずっと、「変わったやつ」という立ち位置だった。学生生活においても会社員生活においても、どこか遠巻きにされていた。たまに好奇心と好意から話しかけてくれるひとがいても、馬締の受け答えがあまりにトンチンカンなためか、薄笑いを浮かべてすぐに去っていってしまう。馬締本人は真面目に、心を開いて応対しているつもりなのだが、どうもうまくいかない。

読書のおかげか、馬締の成績はぐんぐん上がった。心を伝達する手段である「言葉」に興味を抱き、大学では言語学を専攻した。

「よっぽどはっきりわかっているもの以外、辞書では語源に踏み込むのは避けたほうがいい。言葉を使う人のあいだで、いつからとも知れず生まれてくるものだからだ。」

恋愛は「頼ったり頼られたりすればいいと思うよ。」

夏目漱石のこころと同じように西岡と馬締と香具矢を三角関係に放り込もうと、松本先生は企む。

「実際に三角関係に陥らなければ、その苦しみも悩みも十全に自分のものとはなりません。自分のものになっていない言葉を、正しく解釈はできない。辞書づくりに取り組むものにとって大切なのは、実践と思考の飽くなき繰り返しです」

ひとつの言葉を定義し、説明するには、必ずべつの言葉を用いなければならない。

三、
わかりやすい見た目のよさや、貯金額や、社会生活において要求される性格のよさは、選別に際してはほぼ関係ない。女が重視するのは、「自分を一番に大事にしてくれるか否か」だと、西岡は数々の経験からあたりをつけていた。

「誠実」の内実が、「私に対して決して嘘をつかず、私にだけ優しくしてくれる。」ことを指していたりする。

四、
「国語辞典で、
日本語は、単語の頭に来る音が「あ行」か「か行」か「さ行」であることが、とても多いんです。」

「「や行」「ら行」「わ行」あたりは費やしているページが少ないでしょう。これは、和語が少ないからです。」

「記憶とは言葉なのだそうです。」

「なにかを生みだすためには、言葉がいる。」

五、
「どんなに少しずつでも進みつづければ、いつかは光が見える。」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月02日

辞典を編纂する話、ということはうっすら読んだけれど、どんな話というよりも、どんな人とストーリーの中で出会うのか、ということの楽しみを改めて感じた本だった。
それはまた、どんな仕事をして、その中でどんな人と出会って、影響を受けて、…っていう、すごく自分にとって身近な話でもあったように思う。

そしてや...続きを読むっぱり、辞典の編纂なんか普段全く想像もしないことだけれど、その部分はドキュメンタリーを見ているようでもあった。

一つ一つの職業は非常にユニークであり、また同時に共通するような何かがある、私も自分の仕事を通してこんないいストーリーが紡げたら、なんて思ってしまったり。

そして、言葉、を見る新しい視点、面白さを少し知ることができた。

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購入済み

2017年11月27日

辞書が作られる過程がわかって、科学的にもおもしろい。主人公が変わり者で愛着がわく。恋愛関係の内容はあっさりしている。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月13日

「たくさんの言葉を、可能な限り正確に集めることは、歪みの少ない鏡を手に入れることだ。歪みが少なければ少ないほど、そこに心を映して相手に差しだしたとき、気持ちや考えが深くはっきりと伝わる。一緒に覗きこんで、笑ったり泣いたり怒ったりできる。233」
「馬締が言うには、記憶とは言葉なのだそうです。香りや味...続きを読むや音をきっかけに古い記憶が呼び起こされることがありますが、それはすなわち、曖昧なまま眠っていたものを言語化するということです。267

死者とつながり、まだ生まれ来ぬものたちとつなかもるために、ひとは言葉を生み出した。323
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自分が言葉というものに関して漠然としながら持っていた考えに近いものを読むことができた。
やはり、言葉には大きく分けて人に伝えること、自分に伝えることの機能があると思う。
引用の中にもあるが、言葉には死者やまだ生まれていないものとつながることができる力があるという考えは好き。
人間ドラマ的で働くものたちの熱を感じられる話でもあった。馬締をはじめ、西岡や岸辺などだんどん好きになれるキャラクターがいっぱい出てきた。
馬締の恋文が読めるのも良かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月02日

実はあまり三浦しおんさんが好みでなく…
改めて読んでみるかぁと重い腰を上げて読んだのがこの本でした。
辞書の成り立ちについて詳しく知ることができて面白いのですが、どこか淡々としていてやはり世間ほどのめり込めず…
なぜ10年以上頓挫していた辞書作りが急に動いたの? かぐやさんが主人公にそんなに惹かれる...続きを読むところ、本当にある? などなど…
それは筆者が一番伝えたいことではないから、極限まで削ぎ落としたのかなぁと思いつつ、ちょっとひっかかるのでした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月26日

辞書作りを中心とした登場人物の成長が描かれている。
いきなり10年くらい時間が飛んだことには驚いた。そこまで時間がかかるものなんだ。

特に西岡のことを好きになった。

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Posted by ブクログ 2024年02月18日

言葉について考えるのは面白い。
馬締さんのラブレターたまらなく好き^^
馬締さんも西岡さんも岸辺さんも各々考えることがあって、葛藤しては自分なりに納得して自分の役割を見出していく姿が印象的だった。
周りの人ってとても大事だよな〜

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Posted by ブクログ 2024年02月18日

みなさん感想が豊かですごい。辞書の話なんで全体的には地味な感じがしましたが、文がうまいせいか最後まで飽きずに読めました!
ただ、調べごとがあれば辞書でなく携帯で探すかなと申し訳ないけど思いました笑

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