小説・文芸の高評価レビュー
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これは面白い! と思わず膝を打った。
専業主婦の菜月の、日々の様々なもやもやした思いがつづられる。
それは嫁姑問題を中心に、愛する夫との関係だったり、義妹などの親族のことだったり、昔の職場の同僚だったり。不思議なことに、そのどれもが共感できるような気がするのだ。
ただ、本作は2009年の作品。それ故か、「ツマがオットを立てる」描写が令和の現在の数倍は強いことの理解が必要かも。
そして、偶然参加することになる「これでよろしくて?同好会」も大変面白い。様々な年齢層の女性5人が集まって、特定の議題について自由に意見を述べる謎の会合だ。主に性や人間関係の話題が多く、それをあけすけに話す女性たちの会 -
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すばらしいー泣2025こういう短編SFが読みたかったんだよ私賞受賞!曖昧で含みを持つラストは短編でこそ輝くと思う
生きづらさと葛藤を抱え停滞していた主人公たちの人生に突然と現れる非日常。「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」が個人的に刺さった。怪獣の話もそうだったけど、責任も因果もなくても唐突に押し付けられる理不尽は存在する。本文で引用されてた『IQ84』の一文。「ー誰もが心の奥底では世の終末の到来を待ち受けてもいるのだ。」わかる、明日にでも隕石が降って地球が終わってもいいと思ってる。が現実はそうはいかず私は明日からも停滞している日常を消費していくはずだ。怪獣が現れずともトマトゾ -
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zoo1 乙一 2025 2月17日
「死」に纏わる5つの短編。どれも短編とは思えないほどしっとりしてて読み終える事に浸りたくなるので読むのに時間がかかった。
私たちは不条理と死といつでも隣合わせの世界に生きていて、愛しい人を失っても生きていかなければいけないし死を受け入れることで新しい1歩を踏み出せる。日常の暖かさを噛み締めて生きていきたい。
特に心に残ったのは『Seven room』。ひしひしと迫り来る死の足音と息が詰まるような閉塞感を悪臭と濁った汚水の描写が嫌なほどに引き立てていて良い。オチは想像つくものが多かったがこの本の美しさはオチではなく過程に詰まっていると思った。 -
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入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください 2025 2月12日
思ってた以上に面白かった!
いつ地雷を踏み抜き日常から転落するかわからない緊迫感がが怖い。グミを健気に喜んだり鏡餅をくれる隣人のユーモラスな部分と恐ろしい部分の瀬戸際が絶妙で面白い。隣人よりもタカヒロの母親やレビューの"ありがとうございます"など人の方が怖いと感じる部分もまた隣人の良さを引き立ててると思った。個人的に1番嫌なのは布団の奴。寝ようと思って寝れなきのも挙句の果てに鋏でたまに威嚇してくるのも嫌すぎる。隣人の正体とか6階とか順番とかまだ謎が多く続編が楽しみ! -
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傲慢と善良というものが、誰から見る視点かによってどちらにもなるのだと改めて気付からされた作品だった。
私はこの登場人物全てが、狭い価値観、自分以外の価値観など存在するはずないという思考で生きているところが垣間見えてる、凄く利己的な気がしてなりませんでした。
それに気づいていく、主人公カップルのそれぞれの視点がある意味スッキリしたし、それがあったから選択する決断も、ある意味傲慢だけどそれでいて私は相手への愛のカタチだったのではないかなと思いました。
わがまますぎるんじゃないか、相手の気持ちを考えられていないのではないか、最終的にそう思う一面もあるけど、それはお互い様で。そして、2人の問題で。2 -
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短編集。新聞記事から話が始まる。
いつも何気なく読んでいる新聞記事。それは表面的な事しか書かれていない。だから私は記事になる前の事は全く分からない。どうしてこんな事になってしまったのか…。どうして罪を犯してしまったのか…。この作品は記事になる前の事が書かれてます。
設定が面白いと思います。最初に出てくる新聞記事を読んで、分かった気になっているとそれは間違えだと気付かされます。罪を犯した人の気持ちを考えた事もなかったな…。罪を犯した人はどうしようもないクズ人間で、99%は悪い。でも残りの1%は、可哀相で悲しくて孤独な人だったことに同情をしてしまう。そんな風に思っても、やっぱり結末がな…。後味が -
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本を買うってつくづく難しいと思った。
この本がハードカバーで出て、書店売上を総なめにしていた頃、プロローグを読んでてっきり不倫の話かと思い、近頃のそのブームに飽き飽きしていたため読まず嫌いしていた。
映画化が決まり、好きな芸能人が出演すると聞き読んでみた。そんな話じゃなかった。泥臭くて情けなくて希望がなくて、それでも地に足つけて必死に生きようとする人生の話だった。触りだけ読んでわかった気になった自分を恥じたし、本を選ぶってつくづく難しい。
人生って救われない報われないことの連続だ。思っていなかった方向に人生は進む。それを自分で選んでいく。選んだ結果だと信じて生きていく。それしか道はない。
何に -
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すごく読みごたえのある作品でした。
どんどん話に引き込まれて途中でやめられないミステリー要素もあり、出自や自己について、過去について人を愛することについて、根本から深く深く考えさせられました。
悠人が真実と向き合い、立ち直る術を自分自身で見出していく兆し、その描き方に涙しました。
1冊の本を通じて、その人をより理解できるという感覚、私が積極的に本を読み始めたきっかけもそんな感じだったな…なんてふと思いました。
考えさせられるテーマも数多く散りばめられていました。在日韓国人や複雑な出自をもつ子供が成長していく中で、その性格を決めるものが環境か遺伝か…そういった排他的な二項対立論で物を考えるべ -
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村上春樹さんの、小説は大昔に何度か読んだけど難解であまりよくわからない……すごくスルスル読めるし、印象に残るフレーズは今も覚えているので、すごい作家さんなんだなぁと思っていたし、威張ったところのない作品ばかりで親しみやすいけど「物語」としては、あまりよく理解できない、と思っていた。ごめんなさい。
ただ、なんとなく「いつかこの人の小説でないエッセイが読みたいな」と思っていた。理由ははっきりと言語化できなかったのだけど、この本を読んで、この本を私は読みたかったんだな〜とストンと胸に落ちた。
私自身、村上さんとは全然スケールが違うけど、趣味で小説を書いている。その中で、やはり自分が書きたい「物語」が -
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短歌が重要なキーとなる中編がふたつ。
『彼の空のユンカース』
高校生の雅美は亡くなった曾祖母の鏡台に隠されていた自分宛ての手紙と、一冊の手書きの歌集をみつける。字は曾祖母のもの。しかも曾祖母は短歌結社に属していたらしい。しかし、歌集には消しゴムで消した跡のある聞いたことのないひとの名前が記されていた。この人は誰なの?そして曾祖母との関係は?
一冊の本から辿り、謎を解いてゆく。
曾祖母と「この人」の人生をひもとき、追体験をする。
NHKの『ファミリーヒストリー』のようなお話だった。
そこに思春期ならではの主人公の悩みも絡む。
上質なヤングアダルト小説のような小説。
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『ベッドひとつ