小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
直木賞受賞作、作者は知っていた。知ってはいたが、初読み。科学物と聞き、読むのを躊躇していた。
しかし、読み易い。科学なのに読み易い。
どの短編も興味深い。
表題の「藍を継ぐ海」から読んでしまった。アカウミガメの話。ずっと赤ちゃんカメが海に向かうのを見てみたいと思ってきたが、本を読んで、やめておこうと思い直した。一生懸命生きようと努力している姿を興味本位で見てはいけないと思わされた。生きてほしい。どこの国の海でも構わないので、生き抜いてほしい。
同じように命を繋ぐ話「狼犬ダイアリー」ニホンオオカミは100年以上前に絶滅したと言われているが、紀州犬とのハイブリッドがいるかもしれないという話。いい! -
Posted by ブクログ
この本には「真実」が書かれている、と思い切って書いてみたい2025年のベストのひとつ。
事実と真実というのは客観と主観の関係にあって、だから「真実はいつもひとつ」ではなくて、人の数だけそれぞれにある、と思っている。「僕にしかない記憶は、つまるところ誰のものでもない僕だけのかけがえのない記憶」(「それはベス」)、誰にでもありえるそんな記憶をわたしは真実と呼びたい。普段は事実をベースにして他人や社会に関わったり関わられたりしているなかで、簡単には表には出てこず触れることの出来ないそんな他人の記憶、真実を真摯に聴き取り否定せず解釈を出来るだけ加えずに書くことで、読んだり話したり考えたり出来るようにす -
-
Posted by ブクログ
なんで私はこんな面白い本を今まで読んでなかったんだろう。話題書を斜に構えて敬遠しがちな天の邪鬼の自分を責めたい。(たぶん日本人の男性著者が描いた外国の戦争を舞台にした少女兵士の話なんて…と舐めていたんだろう…本当にすみませんでした!)
でもこの年末年始没頭するようにこの長編を読み進めて2026年一発目にこれを読み終えたことは本当に幸せだと思う。素晴らしかった。登場する女性狙撃兵達がこの地獄のような独ソ戦をどう生き抜くのか、最後どこに辿り着くのか、ハラハラしてページをめくる手が止まらなかった。憎悪、怒り、反発、信頼、信念、友情、裏切り、愛、、緊迫する極限の戦火の中で描かれる人間性。幼馴染、師弟、 -
Posted by ブクログ
2025年日本人として初めて英国推理作家協会賞(ダガー賞)翻訳部門を受賞して話題になった作品。
バイオレンスだと言うので苦手なので迷っていたが、本屋で平積みされていたので読む事にした。拉致された主人公が突然理不尽な状況下に置かれることが恐ろしい。私はこんな世界が現世でもあり得ることを想像してしまい怖くなる。しかし、面白いので一気読みしてしまった。バイオレンスと言う言葉程ではない。
この本の主人公は女の人だけどチャーリーズエンジェルやワンダーウーマンとはぜんぜん違う。
(私は映画チャーリーズエンジェルは好きだけどワンダーウーマンは観に行って損したと感じ)昔の主人公は、スマートでスタイルが良い、 -
Posted by ブクログ
新年早々いい本に出会えた!新書の面白さにハマりそう。感動した。浅いし論理の飛躍もあるけど目の付け所が良い。「半身」って大きなキーワードだ。全身全霊で働くのを辞めませんか、は勇気のいる提言。無理する自分や他者を称揚しないって難しい。美意識を変えなければいけないな。人生を信じるというニーチェの言葉、面白すぎる。共感しながら読んだ。三宅さんの文章は飾らず素直で今っぽいので、とっつきやすいなぁと思った。「私はいつでもあなたの読書を待っています!」には励まされて思わず笑顔になった。文章から愛嬌が見えて可愛い。
過去や他者をノイズだと考えて切り捨てたくないなぁ。他者の文脈に身を委ねる「半身」良い言葉だなぁ