【感想・ネタバレ】金の角持つ子どもたちのレビュー

あらすじ

「サッカーをやめて、塾に通いたい」小6になる俊介は、突然、両親にそう打ち明ける。日本最難関と言われる中学を受験したいのだ、と。難聴の妹・美音の小学校入学を控え、家計も厳しい中、息子の夢を応援することを両親は決意。俊介の塾通いが始まる。だが、彼には誰にも言えない“秘密”があって……。人は挑むことで自分を変えることができる。未来を切り開こうと奮闘する人々を描く、感動の長編小説。

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Posted by ブクログ

「翼の翼」で中学受験ものにはまり、こちらも。
私はこっちのほうが、親としての感情移入が少なく穏やかに読めた。「翼の翼」は親子で受験に向かう話であるのに対してこちらは、友達や先生と受験に向かうイメージ。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

これ以上できないくらい努力する姿に素直に感動した。それほどがんばれたことが自分にあったのか考えると、自信がない。
できなかったことができるようになる嬉しさ、本当に一生懸命に頑張ることで頑張りを見てくれた周囲も変えていく、そんな姿に勇気をもらったし、忘れかけていた気持ちを思い出させてくれた。
自分もかんばりたい、もっと一生懸命になりたい、と思わせてくれる本でした。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

自分を変えることができるのは自分だけで、変わることができれば、自分はできるんだという自信になる。

息子の人生は息子が決めればいいが、
自信はず自分の人生を支えてくれることだと思う。そういうことを感じてもらえると嬉しいし、自分もそういう人生にしたいと思う。

改めて、人は人に向き合う仕事がしたくて、できるならば純粋で、未来のある子供を相手にしたいと改めて感じた本だった。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

中学受験のお話。
第一章は親、第二章は子、第三章は塾の先生の目線でそれぞれ描かれています。
第二章に入って、面白さが急加速。受験勉強の大変さだけでなく、勉強をする楽しさや俊介の頑張り、それを支える両親や先生の気持ちに触れて、最後は涙。
『感動の長編』と紹介されていたのは本当でした。
中学受験ではありませんが、今まさに勉強を頑張っている我が子にも勧めました。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

中学受験のお話を、こんなに泣きながら読むことになるなんて思わなかった。

個人的な中学受験のイメージは、「裕福な家のご子息がエリートコースに乗るための、ショートカット的なシステム」という印象を持っていた。

でも本書を読んで、まだ小学生の子供達が、志望校を目指してひたすらに努力する様子は、込み上げてくるものがあり、自分にとっての中学受験のイメージががらりと変わった。

ただでさえ子供達の努力に感動する内容の中、特に俊介は、自分の夢の為というよりも、妹のため、自分の苦しみの解決方法として、最難関中学の合格を目指す。
塾に通うため、生活面も経済面も負担をかけて、家族が協力してくれていることを理解しているが故に、努力の度合いが尋常ではない。
小学生の男の子が、こんなに多くのことを抱え込み、ひたすらに努力してる様子は、彼がどれだけ優しく良い子であるのかが滲み出ていて、そのことにも胸を打たれる。

俊介の母親や加地先生など、支えてくれる大人も、抱えるものがありながら、その経験から全力で応援する優しさにも泣けてくる。

中学受験を通して、挑戦することや、努力することの尊さに気付かされる内容だった。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

受験という題材で縁がないし、あまり興味はなかったけれど、おススメしてくれた方がいたので、読んでみたら、手が止まらずに一気に読んでしまった。目頭を熱くしながら。
あらすじにある通り”人は挑むことで自分を変えることができる”ということを、中学受験を通して描いていて、子どもの頑張る姿で、まわりの大人たちにも変化していく様もとても良かった。
私は勉強ができなくても、好きなことに没頭できれば良いという環境だったけれど、好きなことをするにも、知恵や知識は必要だし、諦めないこと、やれば伸びること、自分の能力を知っていくことの体験は武器になる。
目標を達成するには、勉強が必要ないなんてことはないのだ。当たり前だけど。
頑張っている人を頑張っている子を無意識に邪魔しないで、応援できる大人でありたい。そして、人の本気は美しい。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

中受生の母。
中学受験には、意味がある。
どんな意味があるのか、気づくことができました。
毎日勉強をがんばっているけど、なかなか届かない子どもをあらためて全力で応援したい。
中受に立ち向かう子を持つ、悩める親御さん、ぜひご一読を。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

中学校受験を決意した、受験までわずか1年しかない少年のお話し。
母親や少年本人、塾講師、それぞれの視点から物語が進んでいく。
それぞれ自分の過去を引きずっているが、受験を通して、ぞれぞれ前を向く力を得る。
自分は母親の立場だが、年齢や子育てを言い訳にして、挑戦することやそれに向かって努力することをやめていたが、幾つになってもやりたい事に挑戦してもいいと思えた。
とても面白かったので、落ち込んだときなど定期的に読み返したいと思える小説だった。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

俊介が主人公だけど、これは予備校塾の話である。
塾講師と小学生達の本気の戦いの話…!
それをよく思わないのがまさかの担任だったり、親や親戚だったり、同級生だったり…意外と多い。
そうか〜そりゃ俊介みたいに意識が強い子供はそうそういないから、親がやらせてるって思われちゃうな。
でも、違うんだね。全然、違う。
全く知る機会のなかったこと、新しい世界を私たちに教えてくれてありがとうございます、藤岡氏!
読むだけなのに、いつもじわじわ広がる充実感を与えてくれる素晴らしい小説家さんですね。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

中学受験のイメージは?と聞かれたら私はある程度お金があるお家が良い人生設計のために子どもを行かせると答えるだろう
確かにそれもあるかもしれない
だけど、俊介の家は違った彼の持っている夢や苦悩は子どもだからと侮ってはいけないほどのものを背負って中学受験に挑んでいた
塾は勉強を教えるだけだと思っていたが、知らないことを知る楽しさを知るというフレーズを聞いて私のイメージを少し変化させるべきなのかもと思った

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サッカー一筋だった俊介がとあるきっかけから中学受験を目指す小説。

俊介の母、俊介、俊介が通う塾講師の加地
それぞれの視点から構成されている1年間

家庭の事情から自分が夢を抱くことを諦めていた俊介の母が、俊介の夢を応援しようと父や義母に真っ向から立ち向かうところ、そして自分の夢を見つけ俊介と共に夢に向かって進み始めるところがよかった。

俊介が受験をしたいと思ったきっかけ、妹に対して長年抱えてきた思い…そしてそれを解放してくれる加地先生の言葉もよかった。

そして、第3章は涙なくして読めなかった
加地先生の過去、そして生徒たちに対する思い…
受験直前に俊介を送り出す際にかける言葉もよかった。

自分が受験した時の気持ち、夢に向かって頑張りたい気持ちを思い出し、苦しかったり嬉しかったりした感覚が甦った。


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2025年09月15日

Posted by ブクログ

サッカーでの挑戦を諦め、新たに中学受験に挑む主人公。その挑戦を、自分を押し殺してきた過去と重ねながら直向きに応援し、やがて自らも挑戦をはじめる母の姿に深く感動しました。

特に心に残ったのは登場する塾講師の考え方です。たとえ望む結果にならなくても、一心不乱に努力した経験やその過程で得た学びは決して無駄にはならず、子供たちに生きる強さを与えてくれるという考え方は、結果は勿論重要ですがそれが全てではないという中学受験の別の側面を教えてくれました。

努力と成功を直結させるとどうしても挑戦は怖さばかりが目立ってしまいますが、その間に「成長」というクッションを挟むことで、挑戦するという選択肢を選びやすくなりそうです。

自分自身は勿論のこと、これから大きくなり受験に挑戦するかもしれない子供との接し方にも活かしたいと思います。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

すっかりファンになりつつある、藤岡陽子さんの作品。自分も遅くから中学受験を始めたので、俊介の気持ちが分かるなーーーと思うところが多々。金の角、とても素敵な視点で、俊介と加地先生とのやり取りで何度か泣いてしまった。

小学校生活も半ばになると、自分の立ち位置や立ち回り方を、周りとの比較の中で子ども本人が認識できるようになってくる。中学受験は、そんな時期からでも、努力して自らの立ち位置を高められる分かりやすい標的なんだと思う。

勉強を始めてしばらくは自分との戦い。すなわち、やればやるだけ視界が開けるような、分かることの面白さに取り憑かれる絶対評価。一方、受験が見えてくると周囲との差分に気付き、相対評価の中でもがき苦しむことになる。受験を見据えて相対評価の中に身を置く時期の苦しさは6年生の子どもには余りあるきつさだよな、と思うけれど、あの年齢での受験を経てしか得られないものもあるのは確かだと思う。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

藤岡陽子さんの作品を初めて読みました。
全編にわたってジーンとする場面が多く、感動しました。
母親の視点、中学受験をする小学生の視点、塾講師の視点のいずれも、過去の後悔や出来事をバネに生き方を変え、前向きに進んでいくところが好きです。
頑張っている俊介を応援しながら、読み進めていました。

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

第一章 もう一度、ヨーイドン
戸田菜月の目線
サッカーの練習を終えて帰ってきた小学5年生の俊介は泣いていた。トレセンメンバーに選ばれなかった。
俊介は母の菜月に「サッカーは辞める」と言う。
菜月はそのことを仕事から帰宅した父の浩一に話す。
「なに言っているんだ。今回えらばらなかったくらいで。」「努力がたりないからだろう」
俊介は「中学受験がしたい」と言う。
浩一は「五歳か十一歳まで頑張ってきたのに、トレセンの選抜に落ちたくらいで逃げるなよ。お父さんをがっかりさせないでくれよ」
「選ばれなかったから逃げるわけじゃない。俺にはやりたいことがあるんだ」と俊介。

『親は子供に対して我慢強い人間が良いと思いがちだ。子供が辞めたいと言った時、我慢が足りないと決めつけてしまう。果たして親自身は忍耐強い人間になっているのだろか自問させられた』

菜月は自分の高校生の時の出来事を思い出す。
父の糖尿病が悪化して人工透析に通う事になり父は働けなくなり、母も付き添うために働けないから菜月に高校をやめて働いてと言われたことを。
「でも私、いま高校やめたら中卒になっちゃうよ」
「中卒の何が悪いの。お父ちゃんは中卒だけど、あんたと弟二人、ここまでちゃんと家族を養ってきたよ。学歴なんかくそくらえってね」
菜月は両親に押し切られるようにして高校を中退した。
担任の女性教師は家にまで来て両親を説得してくれたが両親は聞く耳を持たなかった。

『お金を稼ぐためだけであれば学歴は関係ないだろう。自分自身も仕事に学歴はあまり関係がないと思っているが、流石に子どもに学校を辞めて働いてとは言えない』

菜月は夢に向かう俊介の塾代を稼ぐために仕事を始める。
俊介の妹の美音は学校のあと学童保育所に預かってもらうことになる。妹の美音は生まれつき耳が聞こえない。
菜月が仕事から帰ると義母の光枝が来ていた。
「働きに出ている間、美音はどうしているの。さっき俊介に聞いたら、学童がどうとか言ってたけど。あの子の帰宅時間に間に合うようには、帰ってきているの」
「いえ、俊介の言う通り、美音は学童保育に通っていて、私が仕事を終えてから迎えに行っているんです」
光枝は菜月の言葉に目を剝くと「可哀そう」と首を横に振った。
「美音をほったらかしにしてまでパートに出なきゃいけないの?私はね、そもそも美音が普通の小学校に通う事も反対だったの。送り迎えやらが大変かもしれないでしょうけど、私は小学校もそのまま聾学校に入った方が美音のためになるんじゃないかって思ってたのよ。正直なところ、俊介の塾にお金がかかるんでしょう?だったら中学受験なんてしなきゃいいのよ。地元の中学で十分よ。美音にも俊介にも負担をかけて、そんな子育てをしていたら、あなた絶対後悔するわよ」

『光枝の言葉は美音と俊介を思っての言葉だが、美音と俊介の意思が入っていない。
親は子供の為と思って子ども行動につい口を出しがちだ。しかし子どもの意思が入っていない親の一人よがりになっていないか自問することが大事だと感じた』

第二章 自分史上最高の夏
戸田俊介の目線
俊介は東京で一番難しい東駒を受験をするためにPアカデミーの夏合宿に来ていた。同級生の倫太郎と一緒に。
倫太郎の受験動機は「限界まで頑張ればどこか違う場所に行けるって。努力はすれば、見たこととの無い景色に出合うことができる、生き方がかわるって」
実は兄も父も東駒だったからだと知る。
一方の俊介は音が聞こえない妹のために音を感じさせてやりたい。お母さんやお父さんの声。ピアニカの音。鶏や虫、動物の鳴き声。みんなと同じようにすべての音を感じることができたら、美音はどれだけ喜ぶだろう。科学者になって美音に音を感られるものを作ってやりたいと考えていた。
俊介は小学校の担任の豊田先生に呼び出された。豊田先生は「受験勉強に疲れていない」
「先生はね、夏休み明けに久しぶりに戸田くんと会って、なんか疲れているように見えたのよ。焦ってるっていうか。今日も難しそうなプリントやってたし、大変なのかなと思って」
「中学受験が悪いとは全然思ってないし、応援はしているのよ。でもね、先生の本当の気持ちはね・・・」
「みんなに、ここまで過酷な受験勉強をさせることに納得できないの。学校が終わって
塾に行ってたら、睡眠だったり、食事だったり、運動だったり、そういうことがおろそかになるでしょ?戸田くんはこの夏休み中にお友達と遊んだ?海やプールに行けた?」
「六年生の夏休みは人生でいちどきりしかない」

『人は年齢にあった行動をしていないとダメなのだろうか。それは周りと同じ行動は安心感を得られるからだと思う。親が子供に中学受験を強制させる場合と本人が望んでする中学受験とは違う。豊田先生も本人の意思を聞いていない』

俊介はPアカデミーの加地先生に「先生は中学受験をすることに意味があると思いますか」と聞く。
加地先生は「人は挑むことで自分を変えることができるんだ。十二歳でそんな気持ちになれる中学受験に、いみがないわけがない」と答える。

『大人は子どもを未熟な生き物だと思い込みがちだ。子どもにもちゃんと意思があり、自分の事を考えている。大人は子どもが望む努力は否定してはいけないと感じた』

第三章金の角を持つ子どもたち
pアカデミー 加地先生の目線
俊介の父親の浩一はpアカデミー の加地先生を尋ねた。
「俊介は高校を卒業するまではスポーツに打ち込んで、体力と根性を培って、どんな厳しい環境でも歯を食いしばって耐えられる男の子になってほしい。勉強なんかできなくても、学歴なんかなくても立派にいきていける。そんな自分と似た人生を送るものだと思っていたんです」
「体力と根性は、私も大切だとおもいますが」と加地先生
「でもその裏側には学歴へのコンプレックスがあるんです。いい大学を出て出世していく人間への僻みやエリートへの嫌悪が。」と浩一
「戸田さんは、中学受験の一番の利点は何かご存じですか」
「それは、たとえ不合格になっても通う学校があるということです。受け入れてくれる場所があるということです」
「合格か不合格か、中学受験はそれだけではないと思います。いい受験だったか。そうでなかったか。それが最も重要なことだと私は思っています」
加地先生は言う「努力することの確実さを、小学生の頃に肌で覚えてほしいと俺は思っている。勉強は努力を学ぶのに一番適した分野だ。学力は人生を裏切らない。到達点はもちろん人それぞれ違うものだが、勉強に関していえば、努力すれば必ず結果がついてくる」

『失敗しても受け入れてくれる場所を作るのが親の役目。後がないなどと脅かしたりするのは、もし子どもが失敗したとき受け入れてやれる自信が自分にないからだと思う』

加地先生「もし自分の生徒が、宿題の答えを丸々写してきたらどうする?」
「そりゃ叱りますよ」
「じゃあおまえは、どうして生徒が回答を写したと思う」
「答えがわからないから、じゃないですか」
「そうだ。自分で答えを出せないから、解答を写すんだ。楽をしたいいわけでも、ズルをして自分をよく見せようとするわけでもない」
「子どもがすることにはすべて理由がある。解答を写す子どもは、それ以外に宿題をこなす方法がないからだ。そうしないと宿題を提出できなかったからだ、だからうつすんさ」

『大人でも自分で答えが出せない時、周りと同じことや常識と言われるものに頼ってしまう。自分で答えを出せるようには勉強が必要。前に出てきた菜月の両親、義母の光枝、浩一は言っていることに相手の意思が入っていない。相手を受け入れる懐がないから。
人間のやること行動には理由がある。理由を考えないで周りと違う行動をすると怠けてる我慢が足りないと周りと比べて判断してしまう。理由を見る聞くことが大事と感じた』


難問に出合った時に逃げ出さずに粘る力。どうすれば解決するのかと思考する力。情報を読み取る力。ひたすら地道な反復練習や暗記。勉強で身につく力は、仕事をしていく上で必ず役に立つ。決してずば抜けた頭脳になれといっているのではない。努力ができる人間であってほしい。たいていの人は、大人になると働かなくてはいけない。外で働くだけではなく家事や育児、介護といった家の中での仕事もあるだろう。仕事をもった時、勉強で身につけたあらゆる力は自分の助けになってくれる。人生を支えてくれるものだと加地は生徒たちに教えてきたつもりだった。

『子どもの頃にスポーツをやれば、我慢強さや礼儀が身に付くという神話のような思い込みがあると思う。学力は裏切らない。勉強は努力を学ぶのに一番適した分野だ。自分が楽になりたくて、面倒な現実から目をそむけて歳を重ねてしまったと反省させられた』

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

中学受験を1年で決心して邁進する俊介くんの姿がとても胸を打った。自分で決断し、困難に立ち向かっていく様子と加地先生との熱いやりとりは涙が溢れた。結果は出るに越したことないけれど、努力の成果は今後の人生の糧となるって実感できる人生を歩んでほしいと思ってしまう。親目線で終始読んでいたような気がする。
音ちゃんの物語も読んでみたい。音のない世界で生きるのは彼女にとって生まれてからずっとなのだろうけど、努力の度合いが違うのだろうなぁ。

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2025年07月21日

購入済み

母親の視点から

中学受験に向けて塾通いを始めた子供がいます。
同じ母親として、物語の母親の温かさにジーンとなりますし、塾講師の苦労や優しさもすごく感動します。そして、これから大変な中学受験への希望も持てる内容で、読んでよかったです。

#泣ける #切ない

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2021年11月10日

Posted by ブクログ

一人の少年の中受という一つの出来事をいろんな登場人物の視点で描く
中学受験レベルの小説でありがちな構成(朝日奈あすかさんとか)だが、心温まる小説だった
モデルの学校は筑駒かな
病気系の描写が妙にリアルなあたり、作者は医療系の経験もしくは知識がある気がする。たしかデビュー作も看護師の話だったし。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

中学受験をするために塾に通う子どもの話か、それならあまりそそられないなと最初は思ったのだが、読み進めていくうちに、とんでもなく深くて広くてあったかくて心の奥深くまで浸透してくる物語だった。
藤岡陽子さんは何を題材にしてもすごいレベルで読ませてくれる。

俊介は12歳にして、親にも言えないものを心に抱えていて、自分を許せないから、生き方を変えたいから難関中学の受験をしたいと塾の講師の加地にだけ打ち明ける。
俊介が葛藤しながら成長していく姿は、もはや12歳には見えず、こんな子たちが日本を背負って立ってくれたら、まだまだ日本もまんざらではないなと思った。

三章は加地先生の視点で描かれているが、加地先生もすごい。
今の子供たちが社会に出るときには、もっと厳しい状況にある、この社会を生きていくための武器を持たせてやりたいと言う。
勉強で身につく力は仕事をしていく上で必ず役に立つ、極限まで努力し続けた子どもたちには金の角が見える、角は子どもたちが自分で手にした武器だ、これからの人生で守ってくれると語る。
加地先生は、社会に適応できない弟と暮らし面倒を見ている。
そのために付き合っていた彼女とも別れて、自分の全てを賭けても弟の失われた時間を取り戻したいと考えてる。
加地先生には、自分の幸せも取り戻してほしい。
藤岡陽子さんに、加地先生の続きの物語、書いてほしいなあ。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

この作品を読みながら、登場する子どもたちのまっすぐな努力や、ひたむきに「わかろう」とする姿勢に胸を打たれました。
自分もあの頃、あれほど勉強に向き合えていたら、もっと違う見方ができる人間になれていたのかもしれない——そんな小さな悔しさと羨ましさが込み上げてきました。

でも同時に、彼らの眩しいほどの成長を目の当たりにして、今の自分にもまだ視野を広げていける余白があるんだと気づかされました。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

積んであった(笑)
本屋で買いそうになってた(笑)
この本棚確認して買わずに帰ってきました。
中学受験のお話なんだけど、そんな単純な事ではなくて。

努力できると言うこと。
人は挑むことで自分を変えることができる。
素敵な言葉達に支えられる気がした物語でした。

親、子供、塾講師
3者3様に凄まじいものを心に秘めていて決して消えないもので。それでも、変わりたい、何ものかになりたい、やりたい事のためにひたすら努力する。
なかなか報われる道は遠くても。

私も流されずにきちんとしようと思った

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人は挑むことで自分を変えることができる。

じわっと目が熱くなった。突然サッカーを辞めて中学受験をしたいと言い出した俊介に父も母も戸惑う。最難関を目指すと言い出した俊介の夢とは——。

きょうだい児は我慢したり聞き分けがよかったりするとはいうが、俊介の背負うものは大きかった。でも頑張れるならいいのかもしれない。俊介によかったのは、母も一緒に挑んでくれたこと。夫を説得し、義母に逆らい、新たな夢を見つけた。そして塾の加地先生がよかった。信念を持って挑み続けている人。勉強しなくていい人なんていないのだ。後悔をそのままにしない加地先生。

中学受験の経験者としては、加地先生が美乃里にした頼みごとが心に迫った。中学受験ができるのは、恵まれていることだ。だからそれを忘れたくない。同じ境遇の人となら上手くやれる、だけでなく、もっと広く世界を広げなくては。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

よかった。
勉強とは、知らないことを知る嬉しさを知ること、問題を解く力をつけること。テスト問題ではなく生きる上での問題も含めて。そして明日を生きる力を身につけること。
Pアカに通う子どもは意識ある子どもたちで、塾講師たちはそんな子どもたちを相手にできるからだとしても、勉強を教えられるのは今は学校ではなく塾なのかもしれないと思った。
先生たちにとって、今の学校は窮屈な場所のような気がする。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

中学受験を舞台に、その親、本人、塾講師の視点からなる3部構成。受験期独特の空気感が蘇ってきた。受験云々ではなく、生きる武器として学力をつけること。あまり重要視されていないが、確かにそれで救われる子供は多いように思われる。まだ先があるからこそ嫌悪され、先で取り返しがつくからこそ挑戦できる中学受験。今何かを頑張っている人にも、頑張れなくて苦しい人にも読んで欲しい。その人の金の角が生えてくるきっかけをくれるかもしれない。

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2025年08月21日

Posted by ブクログ

中学受験がテーマの物語。
親、子供、塾講師目線で書かれた藤岡陽子さん、らしい前向きになれる作品。
母親、子供、塾講師の人間性が素晴らし過ぎて感動。


この本と出会う前は中学受験の必要性はないと考えてました。
もちろん、必要のない子が大半だと思う。
ですが、受験で得られるもの価値に同意。
周りより3年先に競争社会に参加する。
良い経験ですよね。
小学生の子を持つ人以外でも、オススメの一冊です。

中学受験って素敵だな〜

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

中学受験の話。
物語は母親の目線から始まり、夏は子供本人の目線、最後は塾講師の目線で受験を迎える。
単なるお受験物語ではなく、それぞれに背負ってきた過去と今があり、明日に向って前を向いていく厚みのある展開で、力をもらいました。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

学力が裏切らない武器となる。という加地先生の言葉に共感できた。加地先生と俊平のモチベーションのルーツをたどると、闇の部分もあるけど、2人ともそこをバネにして前向きに進めてるところが良かった。

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2025年07月25日

Posted by ブクログ

子どもが中学受験をしたいと言ったら、応援出来るだろうか。
サッカーに打ち込んでいた俊介は、トレセン不合格を機に受験を決意。彼の努力と家族や塾の先生の見守り方に、胸がいっぱいになる。
特に、母である菜月の‘夢’についての考察に涙が止まらない。人はいくつになっても夢や希望を持っていい。頑張ったことは、後の人生に必ず良い影響を与えてくれる。子どもに社会を生き抜くための武器を持たせてやりたい。

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2025年07月16日

Posted by ブクログ

中学入試に挑む小6の俊介と彼を取り巻く家族や大人たちの物語。

熾烈な中学入試の様子に、世の中にはこんなにハードな日々を送っている小学生がいるんだと、心が苦しくなる自分と、早くからひたむきに勉強にむかえて、知ることの楽しさを勉強の中で感じられて、うらやましく思う自分がいた。

そして彼らを厳しくも応援している塾講師(加地先生)の存在。子どもたちの頭から生える金の角が彼には見える。
50になるけど、私も金の角が生えるように勉強しよう

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

挑戦すること。ものごとに対して真剣に向き合えば、良い結果にならなかったとしても得られるものは大きい。

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2025年08月19日

Posted by ブクログ

中学受験がテーマの小説を初めて読んだ。12歳の子どもたちが辛く苦しい中、本気で勉強する熱意に触れて私も頑張らなきゃって思えた。塾講師や両親の支えにも感動。結果も大事だけど努力したその時間は絶対に力になる。何か目標に向かって頑張りたくなる。

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2025年08月14日

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