舞台は2029年の東京。完全自動運転車が実現した世界。主人公は完全自動運転のアルゴリズムを開発したサイモンテクノロジーズ社の社長、坂本義晴。
ある日、坂本が普段仕事場としている自動運転車で移動中、何者かの男にカージャックされてしまう。
「ムカッラフ」と名乗る男は、坂本にある目的を告げ、その様子をイ
...続きを読むンターネットの動画サイトで配信する。車内には爆弾が仕掛けられており、他の者が干渉しようとすると爆発するよう設定されている。
ムカッラフの正体は?その目的は?そしてどう解決するのか?とてもスリリングな内容だった。
本書でテーマとなっていることは、自動運転が普及する時に問題となることは知っていたが、より具体的に、この問題へのアプローチを知ることができた。
ハヤカワSFコンテストの優秀賞受賞作ということだが、壮大な世界観ではなかった。しかし、楽しめたという意味でも、勉強になったという意味でも有意義な読書体験になった。