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Posted by ブクログ
車の自動運転技術が発達した近未来。自動運転のアルゴリズムを開発したサイモン社社長の坂本が、「ムカーラフ」と名乗る人物に監禁される。監禁場所は、自動運転されている車の中。しかも走行速度が一定を下回ると爆弾が爆発するよう設定されているという。
そんな逃げ場のない状況でムカラーフが坂本に命じたのは、過去に自動運転車が起こしたとある事故の検証だった。
2回に分けて一気読み。とても面白かった。
まず登場人物の動機と行動の因果関係が論理的で明確。そのキャラが取るはずの行動をちゃんと取るし、みんな(犯人すら)頭がいいので明らかに間違っている馬鹿な行動や凡ミスをするキャラがおらず、気持ちよく話が進む。
自動運転にまつわる専門的な話も面白い。自動運転はこういう仕組みで成り立っている、その仕組みにはこういう問題もあるが、こんな対処方法があり……という風に論理的にわかりやすく詳細に説明してくれるので、説得力があるし知識欲も満たされる。
筋書きも面白い。犯人の目的は? 坂本は助かるのか? というところでハラハラさせてくれるのはもちろん、絶望的な状況からのどんでん返しというエンタメ作品のツボもしっかり抑えられていた。
ムスリムが登場するのも斬新だった。創作物でイスラム教に関連する人やモノが出てくる時、あまりいいものとして登場しない印象があるが、この作品はフラットな視点からムスリムを描いているように見えた。
しかもムスリムであることにちゃんと物語上の意味があり、作品に多様性を持たせるための無理矢理な演出ではないのも好印象だった。
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