ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    難しい言い回しや聞きなれない言葉が出てくるので、正直最初の何章かは、読み進めるのが大変に感じました。でもある場面をきっかけに、見え方がどんどん変わってきて…唸りました、見事なあだ討ちでした!映画も気になります!

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    2026年02月14日
  • 生殖記

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    なかなか刺激的なタイトル。
    本書で語りかけるのは、擬人化した生殖機能。 その生殖機能が宿るのが、同性愛好者の主人公。
    主人公の行動へのツッコミが面白い。
    そして、ヒトは一人で子孫を残すように進化するかもしれない、と考える。
    そんなギャップを楽しむ。

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    2026年02月14日
  • 奇跡のバックホーム

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    ありきたりだがこう言うしかない、本を見ながらこんなに泣いたのは初めてだ。野球には詳しくなく、引退試合のエピソードだけは聞いたことあったが、最初の数ページで涙腺が緩んだ。明るく実直で努力を惜しまない活横田選手の人柄が活字を通じてひしひしと伝わってくるのだ。監督はじめチームのメンバーや、プレーをみた野球ファンが応援したくなるのもよく分かる。ただただ早逝が悔やまれる。
    退院後、育成で復帰してからの2年間、目のせいで打席に立っての打撃練習すらできないのに、それでも誰より早く来て練習に励む。引退試合を用意したのも、全速力で交代守備に入る姿をファンに見せたかったのも、センターだけは避けようとしていたのに打

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    2026年02月14日
  • 星を継ぐもの

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    ネタバレ

    月の洞窟から見つかったのは、五万年も前に死亡したと思われる死体。宇宙服を着たその死体は、現生人類と何ら変わらぬ特徴を備えていた。原子物理学者であり何でも透視できるスコープの開発者でもあるハントは、その謎の解明のために借り出される。死体は月で見つかったことからルナリアン、そして個体名としてチャーリーと名付けられる。チャーリーの装備品からも、ルナリアンは高い文明を築いていたことが窺える。果たしてルナリアンは地球外生命体なのか、それともかつての地球に存在していた人類なのか。さらに、ルナリアンや現代の人類とは似ても似つかないガニメアンなる巨人の存在も明らかになる。しかもガニメアンはルナリアンよりもさら

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    2026年02月14日
  • 深淵のテレパス

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    ネタバレ

    前知識ゼロで読む。普通のホラーなら超常現象系としてぼかして締めくくりそうなものだと思うけれど、本書では思いがけない方向に。晴子さんの行動力や論理的な考え方は頼りになる。思考パターンは人生経験を積んだ成瀬あかりのようにも思える。後半の展開は、期せずして知念実希人『閲覧厳禁』に似てなくもない。地下の怖さは夕木春央『方舟』も連想する。そして、地下とか洞窟みたいなところは、横溝正史からの伝統なのかなと思うほど、崩落とセットになっているよね。ラストの「謎の決着のさせ方」はホラーと論理の絶妙なラインをうまく通せたなあと。シリーズ化は難しいのかもしれないけれど、晴子&越野のバディ物はまた読んでみたい。探した

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    2026年02月14日
  • 紙の動物園

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    ケン・リュウは、中国生まれではあるが、11歳の時にアメリカに移住した中国系アメリカ人の作家。ジャンルとしてはSFとされている短編を多く発表しており、本書が、日本での第一短編集である。
    私はケン・リュウという作家は知らなかったが、ある書評でこの短編を知り読んでみた。私がこれまでに読んだ短編集の中でもベストのいくつかに入るほど、自分にとっては面白いものだった。
    15編の短編が収められている。印象に残った作品は多いが、やはり表題作であり、順番として最初に掲載されている「紙の動物園」が最も印象に残った。短編なので、筋を書くわけにはいかないが、このような物語があるんだ、という驚きと感動があった。その他に

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    2026年02月14日
  • 八月の母

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    実際の事件をモチーフに描かれた本作は、一人の女子高校生が同世代の子どもたちから暴力を受け、命を落とすという痛ましい結末へと向かう物語だ。しかし物語は単なる事件の再現ではない。加害側に連なる一人の女性、さらにその母や祖母へと時間を遡りながら、世代を超えて受け継がれる「負の連鎖」を丁寧に描き出していく。

    本作の核心は、暴力そのものよりも、それを生み出してしまう土壌にある。家族は仲良くあるべき、親には感謝すべき、分かり合えなくてはならない——そんな日本社会に根付く“暗黙の了解”が、登場人物たちを静かに追い詰めていく。誰もが苦しさを感じながらも、その枠組みから抜け出せない。抜け出そうとしなかったのか

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    2026年02月14日
  • 閲覧厳禁 猟奇殺人犯の精神鑑定報告書

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    ネタバレ

    対を成す『スワイプ厳禁』は既読。こっちが本編だと思うので、こちらを先に読めばよかったな。もう一回『スワイプ厳禁』を読もう。本書もモキュメンタリーというのかな。『変な家』や『近畿地方のある場所について』にも近い雰囲気。いろいろなスタイルの内容が細かく入っているし、フォントもいろいろなものが使われていて、あまり本を読まなそうにもリーチするように工夫されているなという感じ。大ネタが明らかになった後半の展開はいかにも現代的で、ありえなくもない気がするし、うまく融合したものだと感心。

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    2026年02月14日
  • 塞王の楯 下

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    ネタバレ

    予想以上に面白くて、二日三日で読み終わってしまった。
    戦国時代という、武士が主役かのように思われる時代を石垣職人という新しい視点から描いている。武士、城主、石垣職人、武器職人、そして住民。同じ時代を生きた各々にそれぞれの信念があり、一つの幕を形成している。誰が正しいとか正しくないとかそんな話ではなく、それぞれの想いを懸けて矛と盾がぶつかり合う様は、各々の全身全霊、命を懸けた真のかっこよさを内に湛えている気がした。
    大津城を全員が一丸となって守り抜こうとする様は、キングダムの合従軍編さながら。何者にも砕けない絶壁 最強の盾 は、塞王の作った石垣でさえも完成にはあと一歩足りない。城を、城主を、住民

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    2026年02月14日
  • 存在のすべてを

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    ミステリー小説だと思って読み始めると、どうしても登場人物の名前を覚えなきゃという気になってしまいますが、本書は不要でした。序盤から登場人物が多くて萎えそうでしたが、刑事の名前は重要じゃありません。事件の流れがわかれば大丈夫な構成になっています。
    塩田さんの作品は、描写が細かく情景が思い浮かべやすいのですが、自分が疎い分野の美術にまつわる話ということもあって、知らない世界を知れ、より厚みを感じました。圧巻!と書かれている方がいらっしゃいましたが、そのとおり。見事でした。
    いつもは通勤読書ですが、読書時間をとって読めたのが幸いでした。出てくる土地や美術館にも行ってみたいです。

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    2026年02月14日
  • お前の死因にとびきりの恐怖を

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    ネタバレ

    梨先生の小説はわかりにくい。視点となる人物や情景、時系列がバラバラに変わるからだ。しかし、終盤に差し掛かると、絡まっていた糸が解けるように、物語が収束していく(全ての謎が解けるわけではない)。この本は読み終わるとホラー小説を読んでいるはずなのに、なぜか妙に胸に爽やかな風が吹き抜ける。
    この小説は題材がホラーな青春小説だ。最後なんてとてもカッコいい。こんな青春らしい青春を送ってみたかった気もする(いや、怪異には逢いたくないし、死にたくもないけど)。
    ああ、青春小説に仕立て上げたんですね彼女が。精一杯騒いで暴れて一花咲かせて、彼と彼女が主人公になることで、怪異を脇役に追いやることができた。そう考え

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    2026年02月14日
  • バカの壁

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    色々な角度と言葉で、世の中や社会を捉える考え方そのものを言語化している。
    その内容の中でなにか明確に得るものがあったというよりは、
    養老先生の生まれた時代や年齢を考えた時に、
    相当柔軟な思考や広い視野の持ち主だと感じて、そこに一番感銘を受けた
    主観ばかりで入り込んでいかないように、フラットで柔らかい視野を持ち続けたいし、その方が人生楽しそうだなと率直に思った

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    2026年02月14日
  • 真実の10メートル手前

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    短編としての完成度が素晴らしい一冊
    そして太刀洗万智というキャラがわたしの好みど真ん中なので☆5にしました♡

    表題作の「真実の10メートル手前」のみ太刀洗万智の一人称で残り5編は太刀洗と行動を共にした人物からの事件、太刀洗の行動、手腕が語られます。

    ちょっと違和感を感じましたが米澤さんのあとがきで納得♪

    太刀洗の初出である「さよなら妖精」
    そして土瓶さんが高評価笑笑「王とサーカス」
    この二作品は絶対読まなければ!!

    久しぶりの米澤穂信だったけどこの方やっぱ上手いなぁ…

    偉そうにいいました( ̄▽ ̄)笑


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    2026年02月14日
  • 方舟

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    ネタバレ

    ミステリーの中でも、「自分だったらどうするか」を強く考えさせられる物語だった。生々しい描写が多く、読んでいる間は緊張感が抜けず、数日間は一人でエレベーターに乗るのも怖くなるほど没入してしまった。
    生きるか死ぬかの極限状態に追い込まれると、人はここまで追い詰められた心理になるのかと衝撃を受けた。自分だったら人を殺す勇気はないので、皆と一緒に死を待つか、どうしても生きたいという気持ちが強ければ、早めにダイビングの準備をして、大切な人と夜中に気づかれないよう脱出を試みると思う。
    極限状況における人間の本性や選択について、深く考えさせられる一冊だった。

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    2026年02月14日
  • 殺し屋の営業術

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    シリアスでスリルがあってクレバーでスカッとして、とにかく面白かった。殺し屋と言った非日常がテーマのミステリーとあって随所に散りばめらた命懸けの駆け引きはとても見応えがある。心理描写やふとした行動も全て伏線だったと後から気付かされる事の連続で、常にこちらの予想を超えてきた。
    それでいてスピード感があり、何より万人がオワタを意識して諦める絶望的なシーンの波を逆に主人公が利用して逆転していく内容が読み手を夢中にさせた。
    ぜひ読んでみて欲しい。
    騙されたと思って。
    おすすめです。

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    2026年02月14日
  • 隠蔽捜査(新潮文庫)

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    隠蔽捜査
     警察官僚の竜崎伸也は変人と言われるほど変わっている。しかし、これがいつの場合もぶれないのだ。理想を貫く潔さがある。どんな場面でも事案を冷静に判断出来る。これが国家を守るため、身を捧げている本来の官僚である。警視庁管内での拳銃を使用した連続殺人事件、そしてホームレスを惨殺した殺人事件の3つの事件が同一犯の可能性が出て来た。その犯人はなんと‥
     組織を揺るがす連続殺人事件に竜崎伸也は真正面から対決する。絶対絶命の家族の不祥事(長男)にも、自分の将来も投げ打って対応する。最後、長男を所轄の警察署に連れて行く妻冴子の対応には涙が出て来た。警察官僚の妻として立派な行動であった。次作が楽しみ。

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    2026年02月14日
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー 下

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    良い!良い!良い!良い!
    ジャンルはSFですが、厚い友情と課題解決と盛りだくさんで一気読み。ネタバレにならないよう映画の予告編を我慢しておいて良かった。

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    2026年02月14日
  • カフェーの帰り道

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    物語全体として、登場人物たちが今ではすっかり聞くことがなくなったモダンな喋り口調?を使って話で展開されていて、それが帰って新鮮で引き込まれた。

    大正と昭和初期の時代背景や人々の生活を舞台とした、読み手をタイムスリップさせてくれる構成がとてもよかった。

    カフェー西行の歴史とともに登場人物たちの人生そのものを透かして見て行く物語でユーモラスで愛らしいストーリーで心癒されながらも、厳しい時代背景が彼女たちの人生に辛い試練を与えるストーリーもあり、読む手を止めることが難しかった。

    また、本の貞操も和紙が使われたりして大変綺麗。

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    2026年02月14日
  • 龍の守る町

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    読みたかった本。
    まさか町の図書室にあるとは!
    どうやら私が一番乗りのようでして……。
    わが町の住人はあんまり本を読まないのかな。

    山城以外は、嫌な人が出てこなくて、
    人と人との距離感とか、見守ることや待つ優しさっていうものも大切なんだなぁと。
    自分が一番近いのは、空気読めない桜庭ちゃんだな(笑)

    山城が嫌な人だなって、自分は思ってしまったけれど、「同じ場所に同じように立っていても、違う現実を見ている時もある……」との主人公のつぶやきにハッとしてしまった。

    そして人が想像しうることは起こりうるっていうのは、本当だなと。

    読んでよかった。

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    2026年02月14日
  • 蛍たちの祈り

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    お友達のようにお買い物したり、映画を観たりするくらい仲のいい親子の関係がここ最近よく聞く話題ですが、それとは真逆の家族ということでしょう。
    子は親を選べないし、親は子を選べない。
    まさに親ガチャ問題。

    幸恵はこんな親ならいなくなってしまえばいいのに、と思いながら、蛍の見える山の上へのぼり、隆之も親からの虐待、ネグレクトを経験し、蛍の見える丘へのぼり、二人が出会うところから始まる。
    15年前と同じ場所で同じ蛍のお祭りの時期、その偶然の出会いからこのすべては始まっています。

    なかなかそこまでの殺意のある人が、偶然知り合える機会が続くとは思いませんが、中盤からはこの正道くんの存在が重要でした。は

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    2026年02月14日