小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ西村京太郎の長編ミステリー小説。初出は1980年。第34回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞。著作リストによると49作(649作中)目の作品です。
青森県F高校で同級生だった男女7人が、卒業後7年ぶりに集まり、故郷の青森ゆき寝台特急「ゆうづる7号」に乗る旅行を計画します。しかし、出発駅の上野でそのうちの一人が遺体で発見され、事件が始まります。
事件を知らない6人は、予定通り列車に乗り込むも、行き先で次々と殺人事件が起こります。ここで警視庁の十津川警部と、相棒の亀井刑事(亀井は青森出身)、青森県警の刑事らも登場して、この複雑な連続殺人の推理に挑みます。
長野県、とりわけ東北信地域のかたには、終着駅といえば新宿ではなく、上野駅ではないでしょうか。作中で何度も触れられるのですが、東京に住んでいると上野駅が終着駅という意識は薄れていきます。しかし東北や信越、北陸地方の方にとっては、上野駅に行くと故郷につながる空気が漂うのを感じる人も少なくないと思います。登場人物は、高校の同級生という共通項を持ちつつも、卒業から7年を経て、それぞれが違った故郷への想いを抱いている様子が、リアリティがあって面白かったです。
本格的な時刻表トリックもあります。本書は「西村京太郎・ミリオンセラーシリーズ」として、多くの人に読まれた8作品をまとめたうちの一つです。西村ファンのなかにも、この8作品を代表作に挙げる方は何人かいらっしゃいますね。 -
Posted by ブクログ
4、50代の人に刺さるんじゃないかな。
短編は内容は違うけど、共通するのはこんな人物像。
(男子も女子も出てくる)
【地方で高卒の専業主婦の母親にめっちゃ勉強させられて塾行って、慶應卒。企業に入るけど心病んで退職して田舎に戻る。または働いているけど、もう頑張れてないとか。
裏ではキラキラしたSNSに東京男子!的な姿をアップしてるんだけど、そんなにもフォロワーもいなくて、そうこうするうちに若者に煙たがられるオジサンになり、静かに老いていく。今更変われない。】
私も地方→東京だから、心の中にしまってある部分を取り出されているようで、なんかすごくムズムズしてます。人間って認められたくてたまらないけど、評価される成功者はごく一部。他者と比較して苦しんでいる大半の中年は、なんとか正気を保たなければ生きていけなくて、でもどうしていいか分からなくなってぼやーっとしてしまう。
若い、高収入、モテる= 人生の成功
と考えていると誰でも詰む。
それ以外に自分がハッピーになる方法を日頃から地味に進めておいたらよいのにね。
SNSを見ないのが1番いい!
⚫︎ポッドキャスト
味な副音声
「東カレって何? 麻布競馬場」
も面白かったです! -
Posted by ブクログ
【手を汚さない者同士】
次々と起きる事件を解決する毒島。しかしそれぞれの事件の裏に潜む黒幕「教授」が明かされ、毒島はその正体を追う。
「相手の心理を読み、直接命令せず、自発的な行動に見える形で結果を発生させ、自分は手を汚さない」という殺人教唆として立憲するのが難しい相手に警察はどう対処するのか。
法では裁けない相手に毒島はどう立ち向かうか⁉︎
ここまで相手に嫌悪感丸出しにする毒島も珍しい。最後の教授とのやりとりは改めて読んでみるとセリフの一つ一つがシャレにならんのです。
人間の心理を読み、言葉を使い、相手を思い通りに動かす。
やっていることの構造は恐ろしいほど似ている2人の舌戦は、互いに譲らず最後には驚く結末へ。
うーん過去4作読んでいるけどこれが1番かな〜 -
Posted by ブクログ
傷ついた人達のレジリエンスの物語だ。
それぞれの登場人物の抱える様々な辛い環境を優しく包み込んでくれるような暖かな料理の描写にとても癒された。
不妊治療、離婚、アルコール依存、ヤングケアラー、シングルマザー、セルフネグレクト、自死遺児、病気、同性愛…
作中に出てくる登場人物達は何かしら、他人からはわからないような問題を抱えながら生きている。そして疲れ切ってしまっている。
それを契機に家事代行を始めた人、家事代行を依頼した人、それぞれが自宅という閉鎖的な空間で出会う、だからこそ見えてくる問題。
根本的な解決でなくてもくつろげる場所を確保し、美味しい食事にありつくこと、そのように日々の生活を丁寧に生きていくことで人はまた明日も生きていこうとレジリエンスを獲得して行くのだなと感じた。また心にダメージを負った人達がみるみると回復していくのをみるのは代行業のやり甲斐なのかもしれない。
せつなの南部鉄器工房の職人のような無心な料理の手捌きは読み進めて行くうちに好きになっていって、読んでるだけでお腹が空いてくる。せつなの作ったプリンやら卵味噌やらの料理を食べてみたいと思った。
せつなの作った料理、
・豆乳とコンソメ、ツナ缶、玉ねぎ、トマトと素麺
・いちごパフェ リンゴ皮付きでスライス、砂糖まぶして2分チン
・鳥唐揚げ、イワシ揚げ物、きのこと玉ねぎのソテーピュレ、野菜のラタトゥイユ、フルーツポンチ
・卵味噌
・鶏肉、小松菜、卵とキクラゲのチャーハンおにぎり、プリン
・ナスの激辛ペンネアラビアータ、トルコの甘いお菓子バクラヴァ
・ツナマヨサンドイッチ
・アニメの海賊が食べていそうな巨大な骨付き肉
・ビール風リンゴソーダ リンゴすりおろしゼラチン入れる
・お好み焼き、オムライス、ピザ
・キャラメルポップコーン
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20 性別は関係ないと思います。女だからできるのではなく試行錯誤して考察して実践を繰り返しているうちに上手くできるようになっただけです。
94 家事代行してるとその人の傾向が見えてくる。真面目で頑張り屋の人ほど誰かの力を借りることが苦手で倒れる寸前か倒れてからでないと助けてもらうのが怠慢に感じてしまう。自分がどのくらい参っているか自覚できない人が多いです
そういう善意100%でない所が好きです。善意って油みたいな物で使い方と量を間違えると相手を逆に滅入らせてしまう
100 ひとたび標的を決めたら脇目も振らずに倒して行く。いい。努力が人生を切り開いているこの感覚
107 資格がなかろうが未来が真っ暗だろうがいいことが一つもなかろうが、人は必ず死ぬし、死ねば全部終わりますから。でも栄養が意味ないっていうのは頂けない。死ぬまで生きないといけないし、健康でないと生きるのがますます苦しくなる。なるべく快適に生きるためには栄養は必要。あとおにぎりを作れるようになると人生の戦闘力が上がるよ
133 飲みたいと思うことは何度もある。自分がこの世の誰からも必要とされていないと感じる時、
139 仕事があり家がありいつか自分のもとに生まれてくるはずだった子のために貯めていたお金もありきっとこれからも生きて行くことはできる。だけどそれだけでは心が持たない。お前はそこにいてもいいのだと誰かに認めてもらわないと自分が生きていることを肯定できない。
145 何を思っているのか、なぜ別れたいと思ったのか教えて欲しかった。せめて一度だけでもとことん話合わせてもらいたかった。
分かり合えないって切り捨てるのすごく嫌なの。最終的にそういう結論に行き着くとしてもそれまでに言葉を尽くしてわかり合う努力をすべきだと思う
203 家族だって恋人だって友達だって同じ家に住んでたって人間は自分以外の人間のことは何一つわかるわけないんだよ。わかったような気がしてもそれは思い込みだ。
253 私の人生、命の使い道は私だけが決められる。望みがあるならぐずぐずしていてはいけない。人間はいつどうなるかわからないのだから。
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