あらすじ
「██高校三十一回生、出席番号二十三番。私は、怪異に、宣戦布告します」
今までの怪談小説をくつがえす、新感覚のホラーモキュメンタリー
文芸部の片隅で見つかったUSBメモリ。
それは、ひとりの男子学生の「死」に関する情報を集めた不気味なものだった。
その男子学生の死因は「自殺」。
ただ、発見現場には数々の不可解なものが残されていた。
睡眠薬の錠剤とともに床に散乱している、びりびりに破かれたおふだらしき何か。口内に絡みついた彼自身の髪の毛。それらの痕跡は、まるで恐怖に苦しんだ結果、超自然的な儀式に手を染めたかのようで───
文芸部で発見されたUSBメモリ、新聞部の校内記事、合唱部の変遷レポート…etc.
筆者がある高校から収集した、一見無関係な情報から浮き上がる”真実”とは。
――これは青すぎるほど青い、とある「なけなしの救い」の物語。
【目次】
一章「REPLAY」
二章「REWRITE」
三章「REPLACE」
四章「RELOAD」
五章「REVIEW」
六章「RELIVE」
七章「REPRAY」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ホラーものと期待すると肩すかしだが、青春ものと捉えると面白い。梨のいつもの作品と異なる清涼感があった。読み終えた後に、音声ファイルの意味もわかって良かった。
Posted by ブクログ
傑作。いろいろな意味で切なすぎる青春モキュメンタリーホラーとかいう意味の分からないジャンルになってる。タイトルの意味が回収されるラストの展開は素晴らしい。自死というものに対してホラーというジャンルから向き合った作品で、最後の自死を選んでしまった友人の死に意味を与えるために奔走するのは、かなり切ないけどわかる感情。
素晴らしい才能
これまた新しい複雑な気持ちを体験することができました。まだ一周しかしてないですが、すぐにまた読み返すこととなると思います。傑作です。
Posted by ブクログ
青臭くて必死な、戦いの記録。
理生が悠真の自殺を怪談に仕立て上げようとしたのは、きっと怪異だけじゃなくて他の色々なものへの抵抗だったのだと思う。
怪異以外の現実的な問題を苦に死んだことにはしたくないとか、よくある事件のひとつとして忘れ去られるのが嫌だとか。
すごく子供じみてるし正しくない行いだとも思うけど、足掻き続ける姿は応援したくなってしまう。
若い子がこの本の影響で自殺を美化してしまうのではないかって危惧がちょいちょい聞かれるけど、それはないと私は思う。
理生の狂った理論を真に受けたらどうなるかって想像すると、たぶん「今すぐ自殺してもいい」というより「もっと精一杯戦え」ってメッセージに受け取れそうな気がするんですよね(それはそれで危うくはあるけど)
8章。
これは怪異からの勝利宣言なのか、その後も抗い続けた理生への鎮魂なのか。
前者ならぞっとするし後者なら救いだし、解釈が分かれるところ。
Posted by ブクログ
久々に本を買って読もうと思ったので、感想も書こうかと。
私が楽しめたのは前提なんだけど、1番読むと楽しめる層に訴求するのが難しそうな話だなぁと思う。ホラーとしてはそんなに怖くはない。モキュメンタリー感もあんまりない。ジャンルとしては青春小説だと思う。人によってはラブストーリーとも読めるかも。私は彼らのことを戦友だなぁと思ったけれど。
ただでさえ家庭環境が終わってる子供たちが、学校で怪異(現象というかなんというか)に巻き取られ、散々怖い思いをして最終的に命を落とす。
死にたいと思ってリストカットしたのに痛くて薄皮一枚しか切れない。常に漠然と死にたいのに怪異に殺されるのは怖い。どうしようもなく追い詰められて、このまま生きていてもずっと怖いだけだと思い知って、絶望が死の恐怖を上回った時にとうとう死ぬ。
そんな救いのない話なんだけれど、とっくに詰んでてどうしようもない状況の中で主人公はとても歪な形の「救い」を見出そうする。
作中にある「死ねてよかったね」という言葉が印象的。不謹慎なワードだと思うけれど、「最後に選んだ選択肢まで間違いだったと断罪されたれたくない」というのにはなんだかとても納得した。
確かに、間違ってたとか言われても困るよなぁと。もう死んでるのに。今更言われたって生き返れるわけでもないのに。
「死にたくなるくらい怖くてつらい中で必死に生きて、それでもどうしても死んでしまった。それはもう仕方ないことだ。ここまでよく頑張った。お疲れ様。」唯一無二の戦友だった男の子に対しての、主人公からの激励というか、弔辞?なのかな? それを広めるための物語のように思えました。
Posted by ブクログ
いわゆる理不尽な怪異に襲われて、とはまた違うテイストのお話でした。
ひとりの青年がさいごまで頑張って頑張って生きた証を残す話。
不健全な2人の関係が、青春さの中にどこかエロティックさまで感じさせる本作でした。
何度か読もうとして途中でやめて、を繰り返し、ようやく本腰を入れて読みましたが、序盤を乗り越えるとどんどん面白くなり、答え合わせのある後半はより一層のめり込んでしまいました。
一人称で進みますが、後半はもう読んでいて痛々しくて。 切なくてつらくて、尾を引く余韻の残る終わり方でした。読み終えた後はずっと胸がザワザワしていました。あの男子学生を許せる気がしません。
表紙のデザインが作中で触れられているのがおもしろかったです。あくまでもこれはモキュメンタリーなんですね。 裏表紙のあの文はやっぱりそういうことなんでしょうか。一体誰が彼女を肯定してくれたんだろう。
Posted by ブクログ
梨さんの作品って難しいものが多いけど、この話は比較的に読みやすかったように思う
最後のタイトル回収も好きだし、表紙がどうしてあんな青春物だったのか分かるのも良い
怪異がシステムっていうのも、新鮮で良かったな。
どうにも抗えない恐怖。それを道具として精一杯利用した悠真と理生
〇〇することに対して、頑張ったね、良かったねっていうのも共感した。
私もずっとそう思ってる、
梨さん
素敵な作品を有難う、ホラーって後味悪いものが多いけど、この作品は読み終えてスッキリする作品でした。
勿論好き嫌いはめっちゃ分かれると思います
Posted by ブクログ
読み始めると何故か寝てしまうせいで半月くらい読んでた。
オチまで読むと全部ちゃんとしっくりくる。
梨さんだしまたモキュメンタリーかなと思ったけど。
あんまりこの言葉使わないんだけど感想としては『エモい』ホラー小説だなと思った。
私も、もし終われたらそう言って欲しいよ。
Posted by ブクログ
読書会のテーマだったので、
初めて梨さん作品を。
梨構文と聞いたことあるので
読みにくいのかなと思ってましたが
そんなことなく読みやすく楽しめました。
怖さというより
青春小説としてオススメしたい
Posted by ブクログ
梨さんの書籍とは思えないような青春小説のような表紙でどのような物語なのかと思いきや、内容はいつものフェイクモキュメンタリー。
梨さんの本はかなり考察の余白を残す本が多いが、今作はきちんと謎解き編があるのでわかりやすい。ただ節々に自殺出来て良かったというような歪な感情や、及原と理央の独特な関係性など、梨さんらしさのつまった小説。
かなり読みやすいので、おすすめしたい。
Posted by ブクログ
タイトル、表紙に惹かれて読みました!!
URコードを読み込んだり、フォントが変わっているのが面白くて今までしたことがない読書体験でした。
正直に言うと、内容が分からないところがあってページをめくる手が止まってしまうことがあったけど読み終えると、
表紙、タイトル、購入特典のノート、御札の意味が分かりました。
Posted by ブクログ
あまり怖くはないが気味の悪さが絶妙な話だった。だんだん惹き込まれてほぼ一気読みで読み終わってしまった。非常に読みやすい小説だと思う。
大筋はホラー小説ではあると思うけど、ホラーだけでなくミステリーや青春物など色々な要素がある作品。面白かったです。
Posted by ブクログ
結論から言うと面白かった。
過去に読んだ『かわいそ笑』や『6』と違い、他の読んだ方たちの考察を読まなければ落とし込めないものではなく、ラスト二章で事件の全貌や真相は見えてくるのもよかった。
QRコードからGoogleドライブに飛ばしてアーカイブを読者のスマホに取り込ませる手法だったり、付属のしおりが恐らく作中で登場したと思われるお札だったりと、手の込んだ演出も面白かった。第八章も密かに存在していたのは、他の方の感想を読んで初めて知った。
ただ惜しむらくは、『かわいそ笑』や『6』と違い分かりやすい話であるものの、ラスト二章は「梨さんらしさ」があまり感じられなかった。前半のアーカイブパートでは、梨さんの世界観を感じられたものの、真相パートでは梨さんの世界観でなくても成立しうる、もっといえば他のホラー作家さんでもそれなりに成立しうるのではないかと感じた。あまりに梨さんの世界観を出し過ぎてしまうと、話の全貌が見えづらくなる弊害もあるが、それも梨さんの世界観なのではないかとも思ってしまう。
Posted by ブクログ
タイトルの意味を図りかねて気になって読んでみた。作りとしては『近畿地方のある場所について』のようなモキュメンタリー・ホラーで、調査記録やインタビューの場面が書かれている部分で得体の知れない怪異に対してのアプローチが恐怖がありつつもミステリー要素としての面白さもあって二重に楽しめた。また小説パートで男子と女子の高校生二人組が導きだした怪異への決着の付け方が斬新だったのも印象に残った。ホラーを読んだのに何故かスポ根小説を読んだような爽やかな読後感が本書の持ち味だとも思った。
Posted by ブクログ
これ系は最後にゾッとする種明かし的なものがあるんですけど、いい意味で裏切られた結末でした。最後まで読んでから八章を探してみてください。梨さんの作品で1番好きかも。
Posted by ブクログ
ホラーだと思っで読み始めたら青春小説だった!笑
読後感はなんとも言えない、やるせない感じでハッピーエンド!って感じではなかったけど、それがよかった。
本の表紙のデザインについて、終盤で触れられていて面白いなと思った。
Posted by ブクログ
読みづらさも感じつつあったが、最後のほうは普通に怖い。
映像化したらホラー。いや、話がホラー系なのでそうなのですが。
結局、幽霊より生きてる人間のほうが怖いのかも。
Posted by ブクログ
過去の梨作品とはちょっと毛色が違って、新鮮な気持ちで読めた。とはいえ根底を流れる不気味さや人間の気色悪さは変わらず……。
今更こんなこと言うなという話だが、やっぱりネットホラー発の作家の作品って紙の本よりスマホでスクロールしながら読んだ方がなんかワクワクする気がする。
Posted by ブクログ
中盤までのホラードキュメンタリーの空気感が一変する後半。怪談×青春。想像をしていた爽やかさはほぼ無く、どんよりと重たい。自死との向き合い方を何だかとても深く考えた。そして考えれば考えるほど、苦しくなる。怖くなる。思春期特有の不安定さと怪異による恐怖の合致。さもありなん。
とは言え、梨氏はどうにも小難しい用語を並べたがるなぁ。という印象は否めない。ある程度怪異に正解を持たせたいという本人の意思は分かるんだが、これできちんとその意図が伝わるのかは甚だ疑問だ。
ただ、同じ文章を反復することによって、逼迫した状況や心情を上手く表現しておられるので、夢中で読み進めてしまった。一気読み。ホラーと呼ぶことが正解かは定かでないが、青春ミステリーとしては割と楽しめるような気がする。
Posted by ブクログ
梨さんの中では結構面白かったかも。
ホラーというよりは怪異に囚われた歪な青春小説という感じ。個人的には怪異の詳細とかは詳しく知りたいタイプなのでその辺りが薄いのがちょっと残念。
Posted by ブクログ
主にネットで有名な共同創作サイト「SCP」とそれをテーマにした小説的な作品を指す「tale」というものがあり、本作品はこれらを固有名詞の使用を極力避け、一般的なホラー小説の一つとして世に出すという試みだと思う。
scpと小説内では「システムとしての怪異」として説明され、つまり学校がある土地の異常性がこれにあたる。
土地の異常性とは、怪異が起こりうる場所のように思われ、噂が生み出され、尾鰭をつけながら発展していく土壌。そして精神的に弱っている人がこの場所に近づくとこれらの噂を信じて次第に現実として受け入れるようになっていく。
創作物としての「scp」が基本的に報告書っぽい客観的な記述、あるいは既存の調査資料の引用の型を取るというルールが、本作の前半部分にあたる。
そして後半の語りパートは、一人称小説の文体になりSCPとなる土地をテーマにした、takeになっている。ただそこにあるものとしてのscpに、人々がどう関わっていくかは、さながらTRPGのシナリオのような多様性があるのがtaleだか、本作も土地にまつわる話の一例かもしれない。
「反ミーム」、「ヒューム値が低い」などの特有の語彙を感じる記述もあり、これらの語が登場するscp創作ならではの面白さをより広げていこうという意欲を感じた。
今はコロコロなどでキャラクターとしてのscpを取り上げたり知名度も徐々に広がる中で、ストーリーものとしてのscp(scp-jp)らしさも広まってくれるといいなと思う。
Posted by ブクログ
文芸部の片隅で見つかったUSBメモリ。
それは、ひとりの男子学生の死に関する情報を集めたものだった。
その男子学生の死因は「自殺」。
ただ、発見現場には数々の不可解なものが残されていた。それらの痕跡は、まるで恐怖に苦しんだ結果、超自然的な儀式に手を染めたかのようで……。
文芸部で発見されたUSB、新聞部の校内記事、合唱部の変遷に関するインタビュー。様々な情報から見つけ出す「真実」の物語。
まるで恋愛小説のような美しく透明感のある本ですが、梨さんらしい考察要素もあるモキュメンタリ―ホラーで、QRコードで実際に作中のUSBメモリに入っていた情報を見る事が出来たり、何に載っていた情報かによってビジュアルなどにも変化があって凝った作りの1冊です。
ホラーはホラーなんですが、それと同時に青くてとてつもなく痛々しい青春小説でもあります。万人に認められる方法ではないけれど、こういった死者の弔い方・悼み方も私は否定できないなと思いました。そこには、確実に2人にしか分からない世界があったのだろうから。
出来たら、読み終わった後8章も探して読んでほしいです。
Posted by ブクログ
少し前に娘が読みたいと言うので買った本。
カバーイラストに惹かれた模様。
娘の本棚から拝借。
■■高校文芸部の部室で見つかった持ち主不明の一本のUSBメモリ。
そこにはかつてこの高校に在籍していた少年の死を巡る調査や考察をまとめたドキュメントが保存されていた。
ともすると悪意すら感じる、死を目前にした少年の異常行動や心神喪失っぷりが書き記されたこの記録は誰が何の目的で残したのか。
怪異に怯えて自殺を遂げた少年。
少年と極めて近しい心情を抱きながら時を分かち合った少女。
この高校に巣食う言い伝え、場としての怪異。
前半は調査レポート、インタビュー、作中作めいた差し込み、手書き文字や見取り図などを交えたメモなどありとあらゆる表現方法を用い、ノンフィクションレポートっぽくこの舞台の不気味さ、不穏さを描いており、大変引き込まれた。
さしずめ『自由研究には向かない殺人』の国内ホラー版かのよう。
さすがwebを中心に活動する新進気鋭の作家さん。
厚み、深みはともかく新しい風を感じる。
中盤以降は自殺を遂げた少年、少年に寄り添っていた少女側からの物語が展開されるのだが、そこをどう感じるかが肝。
思考をこねくり回す感じが強すぎるのと、自殺擁護の論調に対して、凝り固まった思考のオジサン(自分)にはマイナスイメージだったが、まぁ分からなくはない。
なるほど、そういう見方もあるよねとは思う。
が、もし娘がこの思想のゆらめきを耽美的と感じ、ある種の憧れを抱くのだとしたらそこは釘を刺さんといけないかな。
別にこのホラーを楽しんだり、考え方を受容するのは構わないのだけれど、いろいろとすっとばして極論だけ掬ってしまうのは要注意。
と、結果検閲めいた読書になってしまったが、娘的には父がこの本を読んでいても特に何も感じていない模様なので、きっと物語と割り切って消化しているはず。
Posted by ブクログ
まず、表紙。
著者・梨さんだからホラーとはわかってるけど、さわやか青春小説?と思うほどの淡い水色のきれいな表紙に困惑。
そして「きみとの明日を消したい理由(櫻いいよ)」の表紙と酷似。
間違えて手に取ってしまったほど。
最後まで読むと、さわやかな表紙にも著者の思惑が織り込まれていることに感嘆。
内容は調査から入るモキュメンタリーホラーで、え?どういうこと?と困惑するパートとゾゾゾとするパートが入り乱れ、ティーンたちのモヤモヤや鬱々とした気分・死に惹かれる心がまざまざと書かれていて、気持ちが持っていかれそうになる。
ただ、これを読んだ10代たちには、この本が言いたいことは「自死を肯定してるんじゃないよ」ってわかってもらいたいな、と思った。
ホラーパートは文句なしな怖さで、怪談って昔からこうやって作られたんだな、って小説の中だけど、「実感」した。
Posted by ブクログ
読む前と読んだ後で、タイトルの印象はガラリと変わる。
ストーリーも想像していたものとは違った。
ホラー小説を読む気でいたのに、いつのまにか青春小説を読まされていた。
こういう関係性をもアリなのかな。
誰からも理解されなくても関係ない。
たとえ友情とは呼べなくても、相手に対する尊重の気持ちはあったと思うんだよなあ。
Posted by ブクログ
ホラー小説のはずなのに青春映画のように爽やかな不思議な物語。
自分たちの力では抗えない現象に死ぬ気で抗ってそして死んでいく。
自分で死を選ぶ事は必死に生きた事の証明で、怖いと感じられるの生きているから。怖いという感情から逃げるのではなく、どこまでも怖がる事で怪異に対抗する。
彼、彼女らは恐怖に抗い続けたからこそ自ら死を選んだのだろうなと思った。命を絶った二人に心からの賞賛を送りたい。
今まで私が読んできたホラー小説とは恐怖への解釈が全く違ってとても新鮮だった。
これまでの梨さんの作品とは方向性の違う物語だった。
梨さんという作家のターニングポイントの一つになる作品だと思う。
Posted by ブクログ
梨さんらしい淡々とした資料考察型ホラーに、ジュブナイルが組み合わさった小説。
「おや?」ポイントに読者自ら気づいてヒリヒリして、それが回収されていく流れは「かわいそ(笑)」と同じですが、どちらかというと今回はその全容を小説として読ませるパターン。
個人的に、前半と後半は別物(別ジャンル)でとらえたほうが楽しいかも?と思いました。私はホラーが読みたかったので、前半と後半の評価を足して2で割ってこんな感じです。
前半の湿度と、後半の湿度はかなり違います。後半は「小説的」なので、登場人物に感情移入できなかったり、ホラー小説ならスルーできる違和感がスルーできない点になる可能性もあります。ホラー展開と彼らが抱くリアルな問題がもう少しうまく絡みつけば……と思いました。(不躾ながら、ぼぎわんシリーズみたいに)
ただ、これは私がもう高校生世代じゃないからこう思うだけで、小説の「彼ら」と同じような感覚を抱くかもしれない同世代にとっては、救いと共感になるのかもしれません。