あらすじ
月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。生物学的には現代人とほとんど同じにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。いったい彼の正体は? 謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。調査チームに招集されたハント博士は壮大なる謎に挑む……。ハードSFの巨匠ホーガンのデビュー長編にして、不朽の名作。第12回星雲賞海外長編部門受賞作。/解説=鏡明/*本電子書籍は『星を継ぐもの』(創元SF文庫 新装新版 2023年7月7日初版発行)を底本としています。
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Posted by ブクログ
宙わたる教室のなかで、SFの名著として触れられていたのをきっかけに読んでみた。
気のせいではなければΖガンダムでも同じようなコピーが使われていた気がするのだが、ガンダムとは全く関係なかった(当たり前か。というか僕の無知というわけで。。。)。
ハードSFとはなんだ?とも思ったのだが、本書を読むと理解できた。科学的知識っぽい(その正確さは判断できないのだけれど)内容が様々提示され、それを組み上げて人類の起源にまで迫る内容で、読み応えがあった。
確かに名著であった。
Posted by ブクログ
初めての本格SFでした。
5万年前の死体「チャーリー」が発見され、疑問が優秀な科学者達から噴出し、百家争鳴状態となるも、ハントがすべてをつなぎ合わせ、謎が解ける。
ハントがこれらの謎を解くに至った場面は、「ガニメデ」から木星を見たときでした。月の5倍の大きさで様々な色を発して輝く木星、大きな感動から心が無の状態になり、唐突にチャーリーの心情に至り、そして…。この部分の表現は素晴らしかったですね。
さらに、ここでやや鼻持ちならないキャラとして描かれていたダンチェッカーが、最後の謎たる人類の起源について解明する。最後は素晴らしいキャラとなってましたね。
エピローグではその裏付けとなる場面が登場。ルナリアンたちは地球に到達し、すべてを失ったところからまさに石器時代の暮らしで生き延びたことが、「コリエル」のベルトで判明する。発掘した学者は捨ててしまいますが…。
プロローグで登場した、ルナリアンとして唯一名前のわかっている「コリエル」の伏線を回収し、見事な終わり方でした。
Posted by ブクログ
1977年に刊行された名作と言われているSF。こんな面白い小説があるんだと感動しました。「星を継ぐもの」というタイトルの意味の深さ。
あらすじとしては、書かれた当時からすると未来である2027年頃、月で宇宙服を着た遺体が発見されたが、それがなんと5万年前のもので、生物学的に人間と全く変わらない事がわかる。その頃の人類は石器時代のはず。この謎を調査し、驚天動地の事実を解明していく過程を綴った話です。主人公やそのライバル(後で仲間になる、その過程の描写も良かった)が、調査した結果を口頭やレポートて報告する場面が多く、巻末の解説にもあったが、謎解きミステリー要素も強いです。読者も謎を一緒に考えていけます。
また、約50年前に書かれた本なので、当時から見た未来がまさに今その時代となり、その比較も面白かった。オンラインTV会話、高密度記憶装置などは順当。国同士の争いがほぼなくなり世界政府のようなものができている状況は今の時勢と比較してその進歩のなさを実感。宇宙に進出できる科学力には現代は追いついていないが、アルテミス計画などの進展に期待。。という感じでしょうか。
メインテーマではないものの、登場人物間の感情のやり取りの機微の描写にも惹かれるところがあり、とても良い作品でした。謎が大きくなる前の導入部だけ我慢して読みましたが、あとは引き込まれっぱなしでした。読んで良かった。
Posted by ブクログ
月面で5万年前に亡くなった、宇宙服をまとった人間の死体が見つかる。彼はなぜそこに居たのか、彼と我々は同じ種なのか?
広大な宇宙と、悠久の時を舞台に、科学者達が壮大な謎を解いていく。
【感 想】
1977年発表の作品で、2029年を舞台にしている。時代が作品の世界に追いついたこの時期に読んだことで、よりロマンを感じさせられた。
Posted by ブクログ
月面で見つかった深紅の宇宙服を着た死体はなんと5万年前に死んでいた。
この謎を解明すべく多種多様なエキスパートが時に反発、時に協力しあい死体の正体、そして誰も知らなかった入り組んだ真相を徐々に紐解いていくサイエンスフィクション!
SFといったらこの本!ということだったので手に取ってみましたが、専門用語やらよく分からない単語やらが多くて「読破できるかこれ?」と思ってましたが無事完走。
読みながら、日本語でも難しいのに翻訳した人すごいなぁと思いました。
続編読みたい、真相を知ったうえでもう一度読みたい!と思えるような作品でした!
Posted by ブクログ
序盤はいかにもSFって感じで個人的にはちょっと退屈していた。あなどっていた。真実までたどり着く過程(とくに後半)があまりにも面白すぎた。本著で書かれた人類の秘密を、ひとつの正しい科学的知識としてうっかり人に教えてしまいそう。
Posted by ブクログ
本当に面白かった!
月面の遺体チャーリーの謎を巡り、様々な分野の技術者たちが集結して議論し前進していく過程が面白く、続きが気になり夢中になった。
自分に知識が無いためどこまでが事実でどこからが創作なのかがよく分からず、それゆえにより現実味というか納得感があったのかもしれないとも思う。月がすごい距離動くって実際にはありえないのかもしれないけど、なるほど!と思わせられた。
人物描写的なものが少ない中、最初険悪だったハントとダンチェッカーが互いの意見を重視するようになっていく点も良かった。
ハントがガニメデに降り立って木星を見て、真実に辿り着くシーンが好きだった。あとラストのハント→ダンチェッカーの謎解きと、エピローグ。ラストの謎解きでは、ミネルヴァや月、ルナリアンたちの辿ってきた道に想像が膨らみ、なんだか感動した。
エピローグは本編の内容を通してプロローグとも繋がる、とても好きな終わり方だった。続編も読みたい。
Posted by ブクログ
面白かったSF謎解き
仕掛けがかなり壮大なものの、言われてみたら確かにそれしかない!っていう衝撃
少しずつ真相に迫るんだけど、近づくたびに矛盾が出てきてどうやって解決するんだと思ったら、なるほど!な解決で本当によかった!
後半読む手が止まらない
もう一回読みたいな
Posted by ブクログ
地球の物理学、生物学、化学、地質学、天文学、言語学などの各分野のプロが協力して月面で見つかった5万年前の遺体を謎を解くハードSF。
めっっちゃ面白かった。
最初の20ページくらいはちょい重たいが、遺体が見つかってからはページを捲る手が止まらなかった。
こんなの解決できないだろ…と思うような謎が次から次へと出てくるが、最終的にそれがピタッとハマって一つの真実に辿り着く瞬間がとてつもなく気持ちがいい。読後感もかなり良かった。
読み終わってからシリーズものであることを知った。
まだ4作品もあるの幸せすぎか。
Posted by ブクログ
壮大な物語に飲み込まれた。面白かった。
月で発見された人類そっくりの白骨の正体を解明するため、優秀な科学者たちが奔走する。
初めは、小難しい科学的な記述に辟易してたけど、だんだん解明されていく事象に好奇心を触発されて、逆にその論法に感心するようになって、SFの面白さがわかってきたような気持ちになる。
主人公のハント博士、頭が良すぎて鼻持ちならん雰囲気を感じて、あまり好きじゃないなと思っていたけど、人類が初めて遭遇する大事件に携わって、その優れた感覚を存分に発揮する姿に、結局肩入れする自分がいる。
やっぱり文学に遊ばれてるw
次々に発見される前代未聞の事象、これがテンポ良く展開して、どんどん読み進む。
月で見つかったルナリアンはどこで進化した生物なのか。その謎で一杯一杯のところに、今度はメガリアンが出てきて、混乱の極み。
かと思いきや、それまでの科学者たちの努力により、確実に少しづつでも謎を突き止めていく。その様子がポジティブでとても気持ちがいい。
最後に残る謎、判明する事象の間にある思いもよらない時間のずれ、場所の違いに、これどういうことなんよ、とわけわからん。ってところで、完全に意表をつかれるアイデアが出てきて解き明かす。かっこいい。これハント先生。その明察のシーン、情景を想像すると、とても荘厳で神秘的で、想像だけでため息が出る。
解き明かされる人類のルーツ。それから翻って、現人類がこれからどう進んでいくべきかを、月並みになりそうだけど、訴えかけられてる気がする。
とにかく想像を掻き立てられて、自分で映像を作り上げて楽しめる作品。心から楽しませてもらった!
ありがとう!
Posted by ブクログ
2023年8月21日初めて読んだ日
あまりにも学術的な文章が多く、専門的な言葉が難しくてもう読むのをやめようかと何度も思った。
途中からもの凄く熱中し、はまった。
2025年7月再読
なんだか知らないけれどとてもよく理解して読むことができた。最初から最後まで面白い。
SF小説にハマりました。
Posted by ブクログ
約束50年前のSF作品
月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。なんと「彼」は五万年前に死亡していた。
はたして「彼」はいったい何者なのか。
古い作品なので読みづらさはあったものの内容の緻密さ、科学的見地は圧倒的なものでワクワクが止まらんかった。
Posted by ブクログ
思ったよりとんでもないSFじゃなくて楽しめた。ミステリ要素もありつつ、駆け引きや論争や政治や。。。どんどん続きを読みたい!ってわけではないけれど遠過ぎない未来の描写が良かったです。
Posted by ブクログ
古典SFの不朽の名作といわれる作品
ついに読みました!
いい感じに世界が平和になり、
宇宙探査に力いれよ〜となり、
それなりに技術が発展してる世界
そこで、月に真紅の宇宙服を着た
死体が発見される
調査の結果、それは5万年前のものだった
全世界から優秀な科学者を集め、
取捨選択しながら、いくつもの矛盾を解消し、
その謎に挑んでいく、ミステリー要素も高いSF作品
最初の3.40頁くらいは専門用語や
難しい言葉が飛び交い、大丈夫かなーと
不安だったけど、杞憂だった
すぐに内容の面白さが勝り、気にならなくなる
全ての謎が解明したときの
タイトルのオシャレさよ!
2つほど、疑問点が、、
↓がっつりネタバレになります↓
近年の技術の進歩や
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡等で、
それまで考えられてなかった木星等の巨大惑星が、
外宇宙では恒星の近くを回ってる星系が
そこそこある事が判明し、
太陽系も、黎明期は木星が太陽の周りを
回っていたか、何らかの理由で
今の位置になったと、説としてあがってる事や、
単独の浮遊惑星が実在して、彷徨ってる現実
恒星や惑星の重力に捉えられ、
衛星になる事も考えられるという事から、
天体移動は、あり得ること。
よって、アステロイドベルトから、月が今の位置に移動してきた、というのは分かるのだけど、
だとしたら、それ以前の月がない状態で、
人類はまだとしても、
そんなに多くの動植物が育つものなのかと
月の引力で海の満ち引きが起き、その力で生命が誕生し、進化たとされてるけど、
月がない状態で、それほどの多種多様な進化が起きうるのか、そこが1つの疑問点。
2つ目は、ガニメアンが太陽系外に脱出した
とされたけど、そんなリスクより、
近場の地球にまず行かない?と思った事
その2点だけが引っかかった
SFや小説に、そんなのナンセンスだと思うけど、
全体の話が妙にリアリティがあって、
逆にそこが疑問に感じたのかも?
いずれにしても、あの時代に、
これほどの物語を書けるホーガンは凄すぎ
面白かった!
Posted by ブクログ
この本でハードSFというジャンルを知ったけれど、なるほど設定や描写だけでなく、実際の知見に基づいているそうな。
途中、読書ができない期間がかなり長くて、読んだ内容を忘れてた部分もありつつも、それなりに楽しんで読めたので、いつか続編読むかなー。
Posted by ブクログ
科学の叡智と論理的思考を集結させて謎を解いていく過程が頭の体操をするようで面白く、謎を解いていくほど新たな仮説が飛び交い、ドキドキわくわくしながら読んだ。ラストは衝撃的!
Posted by ブクログ
1977年が思い描くハードな近未来SF兼ミステリ。
文体や説描写がやや重くくどいが、序盤を乗り切ることができれば面白くてたまらない。
約50年経った2025年現在、執筆当時の人々がどんな未来を思い描いていたか、地球や月、宇宙をベースにどんな空想に耽っていたか。そんな視点からも楽しめる。
Posted by ブクログ
非常に面白かったが、人類学の解説を長々と聞いている気分にはなり、好きなタイプのSF(うわぁ、未来ってこんな感じ?というワクワク)、という感じではなかった
もっと言えば、過去に起こったことを推理していく、だけかな。
文章は上手いので、読み応えはあり
あとは好みの問題なのかな
Posted by ブクログ
終盤で謎が明らかになっていくところが面白かった
読み始めは何の話が始まったのか着いていけなかったが、あらすじにもあるように遺体が発見された話が出てきてからは読み進めやすくなった
Posted by ブクログ
これぞSF
月で発見されたのは宇宙服を着た5万年前の死体
この謎に各分野の科学者たちが立ち向かう話
映画を観てるような感覚だった
科学者たちが頭を悩ませるシーン多めだけど、チャーリーとコリエルのプロローグとかガニメデ行った後とか絶対映像映えするし映画化してそう…と思いながら読んだ
SFあんまり読んだことなかったけど面白かった
ミステリー枠で紹介されてて気になったんだけど、たしかに理詰めで謎を解き明かしていくのはたしかにミステリー。
翻訳の文体が馴染めなくて時間かかっちゃったけど読後感はいい
最後の一文が胸熱。
話は面白いがちと読みづらい
話が本当に面白い。長編小説に見合うだけの壮大なストーリーであり、テンポもそれなりに良いので、中だるみせずに普段あまり本を読まない私でも最後まで飽きることなく読めた。宇宙、人類、地球の歴史とかそういうキーワードが好きな人にはぜひ勧めたい。
ただし、データを通信で飛ばすだけのシーンでやたらと難しい言葉がたくさん出てきたり、情景を説明する文章が長いところは正直読みづらかった。ある程度流し読みする能力は必要かも。
Posted by ブクログ
人類が豊かになり、国と国との争いを克服した近未来。月面で発見された遺体をめぐって、謎が謎を呼び、その謎が全て解き明かされる。知的好奇心が刺激される良作。
Posted by ブクログ
こんな正統派SF作品は初めてだ。
ミステリーやサスペンス等の他要素も一切ゼロ。
紛うことなきサイエンス・フィクションでめちゃくちゃ新鮮だった。
テーマはいたってシンプル。
月面で発見された五万年前の死体の謎をひたすら追究する。
本当にこれだけの話なのにぐいぐい読めるし、辿り着いた真相には「なるほどなあ」と納得させられた。
Posted by ブクログ
あらすじに興味をもち手に取った。SF読み慣れしてないせいか、それとも書かれた年代の言い回しもあるせいか最初はちょっと読みにくいかな?と思ったけれど、月で見つかった謎の死体がつけていた日記が解読され、実際にはどういう太陽系のどういう方向にいたのか、消えてしまった惑星と月の関係などが解明されていくところが面白く、地球に住む人類の誕生をまさかそんな視点で描かれるとは思わなかった。ガニメアンという存在の謎もあり、そこは解明されなかったのはもやっとしたが、解説で続編があると書かれていてたので探してみようと思う。
Posted by ブクログ
文庫本自体が薄いので侮っていたが、読み終わるまで想像の数倍の時間がかかった。
生物学に始まり天文学、宇宙工学、地質学、言語学など様々な知識が動員された一冊で、現代の、ストーリーに重きを置いたいわゆる“エンタメSF”とは似て非なる“サイエンス”フィクションであった。
月面で発見された5万年前の死体がどこから来たのか?という謎がジャンピングボードになって物語が進んでいくのかと思いきや、始終、その謎を解明する一点のみが描かれることで、しかしそれでいて読者の想像を宇宙規模へスケールさせてくれる。
読み終えてみて、星を継ぐもの(原題:Inherit the Stars)とは好く言ったものだなぁと思う。
Posted by ブクログ
ようやく読み終えた。
70年代ハードSFの金字塔の作品。僕は長年のSFファンです。なのになぜか今までJ.P.ホーガンさんの作品は読んでこなかった。
そんなすれたSFファンなので、センスオブワンダーが感じられなかった。ラストのシーンはニヤリとさせてくれるけど。あー、今となってはインパクトが感じられない。
これは作品の問題ではなく、僕のSF読書経験のせいなのだ。もっと早くに読んでいれば良かったな。
Posted by ブクログ
めっちゃ面白かった!!
ただ、専門的な議論の部分はよくわからない部分も
多かった
謎が解明されていくところは
めっちゃドキドキした!!
ミステリーとは違うドキドキで
なかなか体験できる本はないのでは
Posted by ブクログ
海外SF2作目
内容が難しく中々頭に入らない中
最後まで読み終わりました。
普段は推理小説を読んでいるので目的(犯人)があるのですが
目的がどこにあるのか?分からず困惑
チャーリについて調べることは間違っていないが
進化や物理や色々とあり難しく思えた。
しかし最後の結論には度肝を抜かれた
最後まで読んで良かったと思いました。
一点解読出来ていないのが
5万年前のチャーリー
2500年前に地球から生物を運んだ
その生物が進化してルミナリアンになったと思っているけど年代が前後していてよくわからない。